【12月にまく・植える野菜】にんにくは12月でも間に合います🧄
🗨️「12月って、もう何もできないよね」
🗨️「にんにくを植えそびれた。来年まで待つしかない?」
🗨️「冬のうちにやっておくことって、ある?」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
毎月お届けしている「今月なにをまく・植えるか」の定期便、12月号です。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきますね。
にんにくは、12月に植えても間に合います。
「え、9月から10月じゃないの?」と思われますよね。私もそう思っていました。どの本にもそう書いてあります。
でも、12月から1月に植えて、6月から7月にちゃんと収穫している農家さんがいます。それも3年から4年、続けて。
今日はその話から始めます☺️
※以下の時期は中間地(関東〜関西の平野部)が目安。寒い地域は少し早め、暖かい地域は少し遅らせて✨️
📖 この記事の目次
今月の畑は、こんな状態
12月は正直に言って、植えられるものが少ない月です。
だからこの記事は、他の月号とは中身が違います。
- まだ間に合うもの(意外とあります)
- すでに植えたものの管理
- 1月末までに終わらせないと、夏に響くこと
この3本立てでいきます。
ひとつだけ、共通のルール
12月にやるなら、これを覚えてください。
★タネより、苗のほうが成功率が高い。
寒くて発芽しにくいからです。タネをまいて「出てこないな」と待っているうちに1月が終わってしまう。苗なら、その工程を飛ばせます。
ホームセンターにも、この時期の苗はちゃんと並んでいます。
★にんにくは、12月でも植えられます
この記事の目玉です。
私が話を聞いたのは、愛知県の、にんにくを作っている農家さんです。中間地ですね。
その方は、毎年12月から1月に植えています。理由は単純で、★9月10月は他の農作業が忙しくて、植える時間が取れないから。
そして6月から7月に、普通に収穫している。
どのくらいの大きさになるのか
ここが気になりますよね。
★1片あたり7〜8g、1個あたり70〜80g。
その方の言葉を借りると「十分なものができる」。実際、家庭で食べるぶんには何の不足もない大きさです。
3〜4年続けて、毎年これができている。だから「たまたま」ではないんですね。
種球から芽が出ていても大丈夫
12月まで置いておくと、種球(植えるためのにんにく)から芽が出てきます。10月ごろから出始めます。
★これ、問題ありません。
その方は、売れ残った種球を植えています。芽が出た状態のまま、そのまま。
「捨てるくらいなら植えてみよう」で始まったやり方が、3年続いているわけです。
植え方は、拍子抜けするほど簡単です
★頭がちょっと隠れるくらいの深さで、さして置くだけ。
深く掘る必要はありません。あとで周りの土をまいてならせば、ちょうどいい深さになります。
尖ったほうを上にして、押し込む。それだけです。
★ただし、肥料は控えめに
ここが重要です。その方が繰り返し言っていたのが、これでした。
★「大きいにんにくを作ろうとして肥料を増やすと、窒素が多すぎて春腐病を呼ぶ」
春腐病(はるぐされびょう)は、春に株元から腐ってくる病気です。
そして、もうひとつ。
★大きくなりすぎたにんにくは、腐りやすくなります。
品評会に出すなら別ですが、家庭で食べるなら70〜80gで十分。むしろそのほうが保存がききます。
肥料についての言葉が、私はいちばん刺さりました。
★「足りないのは足せるけど、多すぎた養分は抜けない」
そのとおりなんですよね。肥料は引き算ができません。多すぎたと気づいても、抜く方法は「作物に吸わせて、その株ごと畑の外に持ち出す」しかない。
だから元肥は控えめにして、様子を見ながら追肥で足していく。これが正解です。
カラスに気をつけてください
余談ですが、その方が笑いながら話していたことです。
★植えたばかりの種球を、カラスがほじくり返します。
しかも食べるわけでもなく、転がしていくだけ。翌朝行くと、パラパラと種球が地面に散らばっている。
植えたら、上から不織布か防虫ネットをかけておくと安心です。
プランターなら、まだ5つ植えられます
畑がなくても、あるいは畑が埋まっていても、プランターならまだ間に合います。
①スナップエンドウ
管理がほとんど要りません。直径30cmのプランターで、1か月ぶんくらい穫れます。
★買うと鮮度が落ちやすい野菜なので、穫ってすぐ食べられる価値が大きいです。
②にんにく
★植えたらそのまま放置でもできるくらい簡単です。
畑と同じで、12月植えでも問題ありません。ただし1個植えて1個しか穫れないので、量は期待しないでください。
③そら豆
管理は簡単ですが、★春にアブラムシが大量につきます。そこだけ覚悟が要ります。
プランターで10〜20本ほど。
④アスパラガス
★3年育った大苗を買ってください。12月に植えて、春に収穫できます。
直径30cmで、春先に3本ほど。数は少ないですが、★一度植えると10年くらい毎年穫れて、年々増えていきます。
⑤玉ねぎ
プランターだと3〜6本しか植えられません。難易度も高めです。
ただ、★上の緑の葉の部分も食べられて、これがおいしい。数本だけ育てる楽しみ方もあります。
育てているものの、12月の管理
玉ねぎ ー 1回目の追肥
★中生・晩生の品種は、12月下旬から1月に1回目の追肥です。
- 鶏ふんが使いやすいです(すぐ効いて、持続もする)。ぼかし肥でも構いません
- ★株元の近くではなく、少し離して軽く一つまみ
- 余裕があれば、上から土もかけておく
★「小さいから」と肥料を足さないでください
12月の玉ねぎを見ると、ほとんどの人が不安になります。私も最初はそうでした。あんなに小さくて大丈夫なのか、と。
大丈夫です。
★今の時期、玉ねぎは上にはそこまで大きくなりません。地下では根がしっかり張って、春に備えています。
そして★3月上旬、暖かくなると一気に伸び始めます。
小さいのは、失敗ではなく予定どおりなんですね。ここで肥料を足すと、かえって病気を呼びます。
霜柱の対策
★霜は12月から2月いっぱい発生します。
やっかいなのは霜柱で、株元にできると苗を持ち上げます。特に玉ねぎの植え穴にできやすい。浮いた苗は、風で倒れたり、根がむき出しになって枯れたりします。
- ★朝のうちに崩す(日中の太陽で溶けやすくなります)
- ★株の両脇を足でグッと押す。潰れると同時に株も固定されて一石二鳥
- わら・もみ殻・くん炭を株元に敷く
わらを敷くときは、★短く切ったものより長いままうねに沿って敷いてください。短いと風で飛びます。
★もみ殻より、もみ殻くん炭のほうがおすすめです。ミネラルの補給になり、地温も上がり、害虫のリスクも下がります。まきすぎということはないので、たっぷりどうぞ。
わらがない方へ
★立派に育っている玉ねぎなら、そもそも敷かなくて大丈夫です。小さい株だけで構いません。
代わりになるものは、ござ、庭木の枯れ葉、もみ殻。防虫ネットをかぶせるという手もあります。
忘れずに掘っておくもの
★初霜が降りる前に、じゃがいも・里芋・さつまいもを掘ってください。
霜に当たると傷んで、腐ってきます。天気予報を見て、初霜の予報が出たらその前に。
★1月末までに終わらせること5つ
ここからは、少し先の話です。でも12月のうちから知っておいてほしいので、この号に入れました。
理由があります。
★有機栽培は、時間がかかります。
肥料の分解にも、土づくりにも、月単位でかかる。だからギリギリで始めると間に合いません。12月のうちから逆算しておくと、春があわてずに済みます。
①じゃがいもの場所を決める
種芋は2月に売り出されます。
ここで見落としがちなのが、★じゃがいもは2月から6月まで、その場所をずっと占めるということ。
つまり、夏野菜を植えたい場所と重なると詰みます。夏野菜が植えられなくなる。
★1月のうちに、じゃがいもをどこに植えるか決めておいてください。
②春に向けた追肥は、1月下旬までに
これがいちばん大事かもしれません。
玉ねぎ・にんにく・春キャベツ・春ブロッコリー。暖かくなってから大きくなる野菜たちです。
★有機肥料は分解に時間がかかります。
だから、休眠から目覚めるタイミングで効かせたいなら、1月末が期限です。2月に入れても、効き始めるころには春が終わっています。
(化成肥料を使っている方は、2月以降でも間に合います)
③土壌改良は1月後半まで
春にまく野菜のために入れたものが、分解しきりません。
★寒起こしも、まいてから1か月以上あけたいので、1月後半には終えてください。
④害虫チェック
冬は、実は害虫退治の絶好機です。
★土の中で越冬しているさなぎを、掘り起こして撃退できます。スコップで掘って、害虫だけ取って、土は戻す。それだけです。
そして、これを忘れないでください。
★そら豆といちごにアブラムシがついていたら、春に大繁殖する前に潰しておく。
冬に数匹しかいなくても、春には手がつけられない数になります。数匹のうちに潰すのが、いちばん効率のいい防除です。
⑤葉物をまくか、休ませるかを決める
1月から葉物を育てると、4月ごろまで場所を使います。これも夏野菜の準備に影響します。
★ほうれん草は、1月末までにまけば、春野菜の準備に間に合う可能性があります。かなり小さいサイズにはなりますが。
まくか、休ませるか。早めに決めてください。
学ぶ:にんにくが冬にやっているのは、根を張ること🔬
理科の時間です。冒頭の「12月でも間に合う」を、もう一歩深めます。
なぜ、9月に植えても12月に植えても、収穫できるのでしょうか。
答えは、冬のあいだのにんにくが何をしているかにあります。
★地上部は、ほとんど伸びません。伸びているのは根です。
つまり「早く植える」の本当の意味は、「根を張る時間を長く取る」ということなんですね。
12月植えは、根を張る時間が短くなります。だから球はやや小さくなる。でも、それでも70〜80gにはなる。家庭で食べるには十分な大きさです。
「植え時を逃したら終わり」ではなく、「早いほど有利、でも遅くても穫れる」。そういう性質の野菜だと分かると、気が楽になりませんか。
だから、肥料を増やすのは方向違いです
ここが面白いところです。
「12月植えだと小さくなるなら、肥料を多めにすれば取り返せるのでは」と思いますよね。
でも、それは違います。
球が大きくなるのは、根が張って光合成の時間を積み上げた結果です。肥料で無理やり大きくすると、★窒素が多すぎて細胞が水っぽく、やわらかく育ちます。
やわらかい組織は、菌にとって入りやすい。だから春腐病を呼ぶ。しかも大きい球ほど、収穫後に腐りやすくなる。
★足りない分は足せますが、多すぎた分は抜けません。
引き算ができないというのは、そういうことです。
お子さんと一緒なら
★1月と3月に、1株だけ掘って根を見てください。
地上部はほとんど変わっていないのに、根の量がまったく違います。
「何もしていないように見えて、下ではこんなに働いていた」と分かる。冬の畑が、急に面白くなりますよ🧄
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
12月は「もう遅い」月ではなく、「逆算する」月です。ポイントを整理しておきますね。
- ★にんにくは12月でも植えられる。1個70〜80gにはなる。種球から芽が出ていても問題なし
- ★肥料は控えめに。「足りないのは足せるが、多すぎた養分は抜けない」。窒素過多は春腐病を呼ぶ
- プランターならまだ5つ。スナップエンドウ・にんにく・そら豆・アスパラガス(3年大苗)・玉ねぎ。★タネより苗
- ★玉ねぎが小さくても肥料を足さない。地下では根が張っている。3月に一気に伸びる
- 霜柱は朝のうちに崩す。★わらは長いまま。もみ殻よりくん炭
- ★1月末までに ー じゃがいもの場所決め/春の追肥/土壌改良/害虫チェック/葉物の判断
全部やろうとしなくて大丈夫です。まずは、余っているにんにくが台所にあれば、1片だけ植えてみてください。半年後に、ちゃんと1個になります🧄
次回は、その先の話。冬のあいだ、玉ねぎとにんにくをどう管理すれば6月に大きくなるかをお話しします🧅
にんにく種球(ホワイト六片)
記事の主役です。12月に植えても1個70〜80gにはなります。芽が出ていても問題ありません。頭がちょっと隠れるくらいの深さで、さして置くだけ。台所に余っているものより、植える用の種球のほうが確実です。
不織布
植えたばかりの種球は、カラスにほじくり返されます。上からかけておくだけで防げます。防寒も兼ねられるので、この時期はまず1枚あると安心です。
もみ殻くん炭
霜柱で苗が浮くのを防ぎます。もみ殻より、くん炭のほうがミネラルの補給になり、地温も上がります。まきすぎということはないので、株元にたっぷりどうぞ。
炭化鶏ふん
玉ねぎの1回目の追肥に使います。中生・晩生なら12月下旬から1月。株元から少し離して、軽く一つまみだけ。すぐ効いて持続もするので、この時期に向いています。
スナップエンドウのタネ(つるなし)
プランターで12月に植えられる筆頭です。管理がほとんど要らず、直径30cmのプランターで1か月ぶん穫れます。畑が埋まっていても、これなら始められます。


