小さくても、肥料を足さないでください🧅 冬の玉ねぎは根を張っています
🗨️「12月の玉ねぎが小さすぎる。このままで大丈夫?」
🗨️「心配だから、追肥を多めにしておこうかな」
🗨️「にんにくの葉が枯れてきた。病気?」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
今回は、すでに植えてある玉ねぎとにんにくを、冬のあいだどう扱うかという話です。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきますね。
小さくても、肥料を足さないでください。
12月の畑に立つと、必ず不安になります。11月に植えた玉ねぎが、ちっとも大きくなっていない。にんにくの葉は先から枯れてきている。
でも、それでいいんです。
★地上部は止まって見えても、地下では根が広がっています。
春に一気に伸びられるかどうかは、冬にどれだけ根を張れたかで決まります。そしてここで肥料を足すと、その仕組みを壊してしまう。
今日はその話をします☺️
📖 この記事の目次
★育てる①:冬は「工事中」だと思ってください
まず、いま何が起きているかを知ってください。
玉ねぎとにんにくは、冬のあいだ地上部をほとんど伸ばしません。エネルギーを根に回しているからです。
★下(根)はしっかり張って、春に備えている。
だから12月に小さいのは、失敗ではなく予定どおりなんですね。
そして★3月上旬、暖かくなると一気に伸び始めます。冬に貯めた分を、そこで放出します。
ここで肥料を足すと、どうなるか
「小さいから栄養が足りないんだ」と思って追肥を増やす。気持ちはよく分かります。私も最初の年にやりました。
でも、これが病気を呼びます。
にんにくの世界には「メタボなにんにく」という言い方があります。栄養が多すぎて、太って、不健康な状態のことです。
★肥料過多だと、病気になりやすくなります。そして★収穫した身の保存性も悪くなります。
せっかく穫れても、すぐ腐る。これは本当にがっかりします。
にんにくの追肥は「補助」です
もうひとつ、知っておいてほしい理屈があります。
★にんにくはこのあと、球の部分に蓄えたエネルギーを使って伸びていきます。
つまり、主なエネルギー源は自分の中にある。追肥はあくまで補助的な役割なんですね。
そこに窒素をたくさん入れると、かえって軟弱になります。
肥料は、引き算ができません
私がいちばん納得した言葉を紹介します。
★「足りないのは足せるけど、多すぎた養分は抜けない」
そのとおりなんです。足りなければ、あとから足せる。でも多すぎたと気づいても、土から取り出す方法はありません。
強いて言えば、何かを植えて吸わせて、その株ごと畑の外に持ち出すくらい。
だから迷ったら少なめに。これが冬の鉄則です。
育てる②:追肥のタイミングと、量
玉ねぎ
★中生・晩生の品種は、12月下旬から1月に1回目。2回目は2月です。
(極早生を作っている方は、もっと早いタイミングになります)
- 鶏ふんが使いやすいです。すぐ効いて、持続もします。ぼかし肥でも構いません
- ★株元の近くを避けて、少し離して軽く一つまみ
- 余裕があれば、上から土をかけておく
にんにく
★1月に追肥します。
ここに大事なポイントがあります。
★1月に入れておくと、徐々に分解されて、3月から4月ごろに効き出します。
つまり、すぐに変化がなくても正常です。「効いていないのかな」と思って追加しないでください。それが肥料過多の入口です。
量の目安を、はっきり書いておきます。
★マルチの穴に、一つまみ。
「一つまみ」は、★3本の指で軽くつまむ程度です。鶏ふんなら、粒の数で20粒くらい。
驚くほど少ないと思われるかもしれません。でもこれで十分です。★奮発して大量に与えると、かえって悪影響が出ます。
★期限は1月末です
これは玉ねぎもにんにくも、春キャベツもブロッコリーも共通です。
★春に向けた追肥は、1月下旬までに完了させてください。
理由は、有機肥料の分解に時間がかかるからです。
野菜が休眠から目覚めるのが3月上旬。そこで効かせたいなら、逆算して1月末には入れておく必要がある。2月に入れると、効き始めるころには春が終わっています。
(化成肥料を使っている方は、2月以降でも間に合います)
★育てる③:見るのは「葉の大きさ」です
不安になったとき、何を見て判断すればいいか。答えは葉です。
にんにくの目安
★1月の時点で、背丈15cmほど。葉だけを測ると30cm近く。
これだけあれば十分です。安心してください。
もし明らかに小さい場合は、★ネットやトンネルで保温してあげてください。冬越しがうまくいかないことがあります。
葉が枯れても、あわてない
12月から1月にかけて、にんにくの葉は先から枯れ始めます。
★これは生理現象です。寒くなると徐々に枯れ出します。問題ありません。
ここで「病気かも」と思って、水をやったり追肥を増やしたりしないでください。
★見るべきなのは、枯れた葉ではなく、株全体の大きさです。
枯れた葉が何枚あるかではなく、生きている葉がどれだけ大きいか。そちらを見てください。
育てる④:雪と霜から守る
雪の対策
年始から2月にかけて、寒波で雪が降ることがあります。
★防虫ネットとダンポールで、雪よけを作ってください。
ここにコツがあります。
★ダンポールの数を、いつもの倍に増やしてください。
雪の重みでトンネルが潰れるからです。元の間隔のあいだに、2本ずつ足す。それだけで潰れにくくなります。
★小さい株ほど、雪の影響を受けます。全部やるのが大変なら、小さい株のうねから優先してください。
霜柱の対策
★12月から2月にかけて、毎日のように強い霜に当たると、霜柱が苗を持ち上げます。
★最悪の場合、完全に浮いて、根が乾いて枯れます。
対策は2つ。
- ★株元を強く押さえる(浮いていたら、その場で押し戻す)
- ★もみ殻くん炭を株元にまく
くん炭をおすすめする理由があります。もみ殻でもいいのですが、★くん炭のほうがミネラルの補給になり、地温を高める効果もあり、害虫のリスクも下げてくれます。
★まきすぎということはないので、たっぷりどうぞ。北風で多少飛びますが、隣の株のほうへ行くだけなので気にしなくて大丈夫です。
不織布のトンネルは、基本的に不要です
これも安心材料としてお伝えしておきます。
ある程度の大きさになっていれば、★根が浮いて枯れることはあまりありません。
不織布のトンネルをしたほうがいいのは、この3つに当てはまる方だけです。
- 小さい苗を植えた
- 生育が遅れている
- 寒い地域に住んでいる
それ以外の方は、そこまでしなくて大丈夫です。
育てる⑤:冬の雑草取りが、春を決めます
地味ですが、効きます。
★冬のうちに、小さい雑草を抜いておいてください。
なぜ冬に抜くのか
理由は3つあります。
- ★3月からは雑草もぐんぐん伸びます。小さいうちに抜くほうが、圧倒的にラク
- ★にんにくは肥料をよく吸う野菜です。雑草に養分を取られたくない
- ★雑草があると通気性が悪くなり、さび病のリスクが上がります
そして、いちばん大事なこと。
★根ごとしっかり抜けば、春に再び伸びるのを防げます。
上だけちぎっても、また出てきます。冬は土がやわらかいので、根ごと抜きやすい時期でもあります。
うねの周りだけでなく、★マルチの穴の中、株のすぐ周りもチェックしてください。ここに小さいのが隠れています。
★育てる⑥:冬に、もう一度芽かきをする
にんにくを育てている方へ。これは見落としがちです。
秋に芽かき(1つの穴から2本出た芽の、弱いほうを切る作業)をしましたよね。それで終わりだと思っていませんか。
★冬に暖かい日が続くと、新たに芽が出てくることがあります。
また、初期の生育が遅かった株は、★遅れて2本目が出てくることもあります。
見つけたら、切ってください
放っておくと、春からの肥大期に悪影響が出ます。2本が栄養を取り合って、どちらも小さくなる。
- ★手で取らず、ハサミで切る(手だと株ごと傷めます)
- ★小さいほうの芽を選んで切る
秋にやった作業と同じです。ただ、「もう終わった」と思い込まずに、冬にもう一度見る。それだけのことです。
私は去年これを見落として、春に「なんで2本出てるんだろう」と気づきました。そのときにはもう手遅れで、その株は小さいままでした。
★育てる⑦:さび病は、1〜2月に仕込んで防ぐ
にんにく最大の敵の話です。
さび病は、カビが原因の病気です。★赤茶色のサビのようなものが葉に出て、やがて全体に広がり、最終的に株が枯れます。
そして、いちばん怖いのがこれです。
★球が大きくなり始めた直後に感染すると、大きくならないまま枯れます。
半年育てて、あと少しというところで終わる。これは本当に悔しいです。
無農薬では、防ぎきれません
正直に書きます。★農薬を使わないと、かなりの確率でかかります。
だから目標は「ゼロにする」ではなく、★「どれだけ遅らせるか」です。
肥大が終わるまで持ちこたえられれば、収穫できます。
やり方
★有機石灰をまいてください。
理屈はこうです。★さび病の原因はカビ。アルカリ性の石灰をまくと、そのカビの増殖を抑えられます。
- ★時期は1月から2月
- ★1平方メートルのうねに、一握りをまんべんなく
なぜこの時期かというと、★早ければ3月から被害が始まるからです。始まってからでは遅い。
冬のうちに仕込んでおく。これが無農薬でにんにくを作るコツだと思っています。
ついでに、1月末までにやっておきたいこと
玉ねぎとにんにく以外にも、期限のある作業があります。まとめて済ませてください。
- ★じゃがいもの場所を決める … 種芋は2月販売。じゃがいもは2月から6月まで場所を占めるので、夏野菜と重ならないように
- ★土壌改良と寒起こしを終える … 1月後半まで。まいてから1か月以上あけたいため
- ★害虫チェック … 土の中のさなぎを掘り起こして撃退。★そら豆といちごのアブラムシは、春に大繁殖する前に潰す
最後のこれ、冬に数匹しかいなくても、春には手がつけられない数になります。数匹のうちに潰すのが、いちばん効率のいい防除です。
学ぶ:なぜ、窒素が多いと病気になるのか🔬
理科の時間です。この記事の全部が、ここにつながります。
肥料をやりすぎると病気になる。よく言われますが、なぜでしょうか。
細胞が水っぽくなるからです
窒素は、植物の体を作る材料です。だから多いと、よく育ちます。
でも、育ち方に特徴があります。★窒素が多いと、細胞が大きく、水っぽく育ちます。
急いで大きくなった細胞は、壁が薄くてやわらかい。
そして、★やわらかい組織は、菌にとって入りやすいんです。
人間でいえば、食べすぎて体が重くて、風邪をひきやすい状態でしょうか。栄養があること自体は悪くないけれど、多すぎると守りが弱くなる。
だから「大きい=いい」ではありません
にんにくの世界には、こういう言葉があります。
★大きくなりすぎたにんにくは、腐りやすい。
品評会に出すなら別ですが、家庭で食べるなら、しっかり締まった中くらいのものがいちばんです。長く保存できて、味も濃い。
冬の追肥は「3月に効かせる」ために入れる
もうひとつ、時間の話です。
有機肥料は、土の中の微生物が分解してはじめて、野菜が吸える形になります。この分解に1か月以上かかります。
つまり★1月に入れた肥料が効き始めるのは、3月ごろ。
これ、よくできているんです。ちょうど野菜が目覚めて、一気に伸び始めるタイミングと重なります。
「今すぐ効かせるために入れる」のではなく、「2か月後に効かせるために入れる」。逆算の作業なんですね。
だから1月末が期限になる。理由がつながりました。
お子さんと一緒なら
これがいちばん分かりやすい観察です。
★1月と3月に、1株だけ掘って根を見てください。
地上部の葉は、ほとんど変わっていません。でも根の量は、まったく違います。
「何もしていないように見えて、下ではこんなに働いていた」
冬の畑が、急に面白くなりますよ🧅
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
冬の玉ねぎとにんにくは、我慢の季節です。ポイントを整理しておきますね。
- ★小さくても肥料を足さない。地上は止まって見えても、地下では根が張っている。3月に一気に伸びる
- ★「足りないのは足せるが、多すぎた養分は抜けない」。迷ったら少なめに
- 追肥は玉ねぎ12月下旬〜1月、にんにく1月。★量はマルチの穴に一つまみ(鶏ふん20粒くらい)
- ★期限は1月末。有機肥料は分解に1か月以上かかるので、3月に効かせるには1月に入れる
- 見るのは葉の大きさ。★にんにくは1月で背丈15cm・葉30cmなら十分。葉が枯れるのは生理現象
- 雪はダンポールを倍に。霜柱は株元を押さえて★もみ殻くん炭をたっぷり
- ★冬にもう一度芽かきをする。★さび病は1〜2月に有機石灰を1平方メートルに一握り
全部やろうとしなくて大丈夫です。今日は畑に行って、玉ねぎの葉の長さだけ測ってきてください。そして、何も足さずに帰ってくる。それがいちばん効く一日です🧅
炭化鶏ふん
追肥はマルチの穴に一つまみ。3本の指で軽くつまむ程度、粒の数で20粒くらいです。粒状なので、この「少しだけ」がやりやすいのがありがたいところ。玉ねぎは12月下旬〜1月、にんにくは1月に。
もみ殻くん炭
霜柱で苗が浮くのを防ぎます。ミネラルの補給になり、地温を高め、害虫のリスクも下げてくれる。冬にいちばん働く資材だと思っています。まきすぎということはありません。
カキ殻石灰(有機石灰)
さび病の予防に使います。アルカリ性の石灰が、原因になるカビの増殖を抑えてくれる。1平方メートルのうねに一握りを、1月から2月のうちにまいておいてください。3月に始まってからでは遅いです。
防虫ネット
雪よけに使います。ダンポールをいつもの倍に増やして張ると、雪の重みでも潰れません。小さい株ほど雪の影響を受けるので、そこから優先して。
剪定バサミ
冬にもう一度出てきた芽を切るときに使います。手で引き抜くと株ごと傷めるので、必ずハサミで。切れ味の悪いものだと切り口がつぶれて、そこから病気が入ります。


