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栽培日誌のつけ方|何を書くか・うねの配置図・失敗を翌年に生かす読み返し方

来年いちばん役に立つのは、失敗した日の記録です📔 3行でいい

どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。

この記事で分かること

家庭菜園って、毎年なにかしら「あれ、去年どうしてたっけ?」が出てきませんか。

種をまいたのはいつだったか、肥料をどれくらい入れたか、どのうねに何を植えていたか。その年はちゃんと覚えているつもりでも、1年たつと、びっくりするくらい忘れてるんですよね。

この記事では、むずかしい日誌ではなく「来年の自分が助かる記録」の残し方をまとめます。きっちり書く必要はまったくありません。まずは気楽にいきましょう☺️

早見:栽培日誌の基本(ひと目で分かるポイント)

まず押さえること

月ごとに、記録しておきたいこと

毎月この全部を書く必要はありません。「その月に何を見ておくといいか」の目安として使ってください。

このポイントの使い方

ここまで読んで、「そんなに書くことあるの…」と思った方、安心してください。

最初は、日付と、やったことを1行書くだけで十分です。

「10/5 Aのうね 大根まく」

これだけでも、来年の10月に「去年は5日にまいてたな」と分かります。慣れてきたら、少しずつ項目を足していけばいいんです。

記録って、続けることがいちばん大事なので、最初から完ぺきを目指すと疲れてやめてしまいます。ゆるく始めて、ゆるく続ける。これがいちばん長持ちするコツかなと思います。

作業の手順(1年の流れ)

1. 書くのは「作業・起きたこと・原因の推測」の3つ

書くのは3つ

栽培日誌でいちばん大事なのは、書く中身を3つに分けることです。

『やった作業』

『起きたこと』

『原因の推測』

ここでのポイントは、『起きたこと』と『原因の推測』を、ぜったいに混ぜないことです。

たとえば「水のやりすぎで根がくさった」と書いてしまうと、それが事実なのか、自分の思いこみなのか、来年には区別がつかなくなります。

「葉がしおれた(起きたこと)。水のやりすぎかもしれない(推測)」

こう分けて書いておけば、来年読み返したときに「本当に水のせいだったのかな?」と、もう一度考え直せるんです。

書き方の見本(大根の場合)

イメージしやすいように、大根を1シーズン育てたときの書き方を見本にしてみました。

(これは書き方の例として作ったもので、実際の記録ではありません。)

9月10日 Bのうね

9月14日 Bのうね

9月25日 Bのうね

10月20日 Bのうね

12月5日 Bのうね

こんなふうに、1回の書きこみは数行で十分です。「→来年確かめる」と書いておくと、冬に読み返したときに、見るべきところがすぐ分かりますよ。

2. 記録しておくと翌年に効く項目

全部を書く必要はありません。自分に必要なものだけ選んでくださいね。

作物について

土と肥料について

管理について

起きたことについて

ふり返り用に

作物ごとに、とくに記録しておきたいこと

作物によって、あとで効いてくる記録がちがいます。よく育てる作物で、覚えておくと便利なものをまとめました。

全部の作物でやらなくても大丈夫です。毎年育てている作物から始めると、記録がたまるのが早くて、続けやすいですよ。

虫や病気が出たときに残しておきたいこと

虫や病気は、出たときの記録があるかないかで、翌年の手の打ち方が大きく変わります。名前が分からなくても大丈夫。見たままを残しておけば、あとで調べられます。

最後の「その後」がとても大事です。手で取って何日後にまた出てきたのか、抜いたら広がらなかったのか。これが分かると、次に同じことが起きたとき、どこまでやればいいかの目安になります。

苗を育てるときに残しておきたいこと

家で苗から育てる人は、苗の記録もおすすめです。苗づくりは、毎年少しずつコツがつかめてくる作業なので、記録の効果がとくに出やすいところです。

「何日くらい苗を育てたら、植えるのにちょうどいい大きさになるか」は、自分の家の環境で変わります。記録を何年か残すと、自分の家の場合の目安が分かってきますよ。

3. 失敗しやすいポイントは、先に「見張り項目」にしておく

家庭菜園の失敗って、むずかしいテクニックの失敗よりも、基本のところでつまずいていることが多いんです。よくあるのはこのあたりです。

日誌に、この5つを「見張り項目」として最初から書いておくのもおすすめです。うまくいかなかったときに、まずこの5つを順番に確かめると、原因の見当がつけやすくなります。

4. うねの配置図を1枚描く

うねの配置図

畑全体の図を、1年に1枚だけ描いておきます。

描き方はとってもかんたんです。

  1. 畑を上から見た形で、四角を描く
  2. うねを線で区切って、A・B・C…と名前をつける
  3. それぞれのうねに、植えた作物と、植えた日を書く
  4. 同じうねで作物が変わったら、矢印で後作を書き足す
  5. 北がどっちか、日陰になる場所、水がたまりやすい場所も書いておく

これがあると、「去年このうねに何を植えたっけ?」で迷わなくなります。

もうひとつ大事なのが、まわりの様子です。

たとえば、となりのうねに植えたかぼちゃのつるが思ったより広がって、日当たりが悪くなってしまうことがあります。収穫してみて「なんか今年は小さいな」と思ったとき、配置図に「となりにかぼちゃ」と書いてあれば、原因の見当がつきます。翌年は配置を変えよう、と考えられるんです。

5. 配置図だけで、連作障害は防げない

ここは、誤解しやすいところなのでお伝えしておきます。

配置図があれば、前の年に何を植えたかは分かります。でも、それだけで病気や連作障害を確実に防げるわけではありません。図は「土の中の状態」までは教えてくれないからです。

育ちが悪かったとき、つい「前の年に同じ仲間を植えたからだ」と考えがちです。でも、原因はほかにもたくさん考えられます。

前の年の作物だけで決めつけず、これらと一緒に照らし合わせてみてください。そのときに、2で挙げた記録が役に立ちます。

6. 写真を撮る

写真は、日付が自動で残るので、記録としてすごく便利です。文字を書くのがめんどうな日は、写真を1枚撮るだけでもOKです。

撮っておきたいのは、こんな場面です。

特に、「虫が多いな」「なんか様子が変だな」と思ったときこそ撮ってください。

よくあるのが、「あのとき写真を撮っておけばよかった」というパターンです。いざ比べようと思っても、記憶だけでは「どれくらい虫がいたか」が分からないんですよね。様子がおかしいと思った瞬間が、いちばんのシャッターチャンスです。

7. 比べたいときは、条件をそろえる

「この資材を使ったら虫が減った気がする」

こういうとき、本当に資材のおかげなのかを確かめるには、比べ方に工夫がいります。

使った場所だけを見て「減った」と感じても、もしかしたら、ちょうど虫が減る時期だっただけかもしれません。使っていない場所と比べてはじめて、資材の効果かどうかが見えてきます。

8. 冬に1年分を読み返す

冬に読み返す

日誌は、書いただけでは役に立ちません。読み返して、はじめて来年に生きてきます。

読み返すのにいちばんいいのは、冬です。

読み返すときは、こんな順番がおすすめです。

  1. 「うまくいかなかったこと」を全部書き出す
  2. それぞれ、記録の『起きたこと』と『原因の推測』を見直す
  3. 来年、何を変えるかを1つずつ決める
  4. うねの配置図を見ながら、来年の配置を考える
  5. 決まってから、苗やタネを買う

ここでのポイントは、5番目です。苗を先に買ってしまうと、置き場所に困って、計画がくずれてしまいます。配置と、そのあとに何を植えるかまで決めてから買うのが、失敗しにくい順番です。

春に植えるものだけでなく、秋に植えるものまで、1年分をまとめて考えておくと、うねの使い回しがスムーズになります。

9. 作業量もふり返る

うまくいかなかった原因が、「育て方」ではなく「手が回らなかったこと」だった、ということもよくあります。

こういうことも、日誌に書いておいてください。翌年は、育てる種類や面積を少しへらす、という判断ができます。

全部を完ぺきに育てようとするより、目が届く量にしぼったほうが、結果的にたくさん穫れることもあるんです。

10. 何年分かを並べて見る

土づくりの効果は、1年でがらっと変わるものではありません。何年かかけて、少しずつ変わっていくものです。

だからこそ、日誌は何年分か残しておくと、本当の力を発揮します。

1年だけでは「たまたま」なのか分からないことも、何年分か並べると見えてくることがあります。

11. 記録を使って、原因をしぼる(例)

日誌がいちばん力を発揮するのは、うまくいかなかったときです。よくある3つの場面で、記録をどう使うかを見てみます。

場面① 葉が全体的に黄色っぽい

場面② 種をまいたのに、芽が出ない

場面③ トマトの実が割れた

どの場面でも、記録が教えてくれるのは「答え」ではなく「候補」です。候補がしぼれたら、次の年に1つずつ確かめていけばいいんです。

12. 翌年の配置を決める(例)

冬の読み返しで、配置図がどう役に立つかも見てみます。

去年の配置図に、こう書いてあったとします。

ここから、今年の配置を考えます。

こんなふうに、配置図と一緒に「気づいたこと」をメモしておくと、翌年の計画がぐっと立てやすくなります。

13. 続けるためのコツ

記録は、続かなければ意味がありません。続けやすくするために、私がおすすめしたいことをいくつか挙げておきます。

いちばん大事なのは、やめないことかなと思います。完ぺきな記録より、続いている記録のほうが、ずっと役に立ちますよ☺️

失敗の見分け方(症状→原因→やること)

日誌が続かない

読み返しても、原因が分からない

去年うまくいったのに、今年はうまくいかない

毎年同じ失敗をくり返す

記録が多すぎて、読み返すのがつらい

説明が分かれていること

連作を、どこまで気にするか

土づくりの効果は、何年で見るか

よくある質問

毎日書かないといけませんか

いいえ、毎日でなくて大丈夫です。畑で何か作業をした日、何かが起きた日だけ書けば十分です。

何もなかった日まで書こうとすると、書くこと自体がしんどくなってしまいます。

何に書けばいいですか

続けやすいものなら、何でも大丈夫です。

どれか1つに決めなくても、たとえば「ふだんは写真、冬に読み返すときにノートにまとめる」という組み合わせもいいと思います。

うまくいったことも書いたほうがいいですか

ぜひ書いてください。うまくいったことは、来年もそのまま続ければいいので、いちばん役に立つ記録です。

ただ、「うまくいった」の中にも、たまたま天気がよかっただけ、ということがあります。そのときの天気や、まいた日も一緒に書いておくと、来年もうまくいくかの見当がつきます。

原因がまったく分からないときは、どう書けばいいですか

「原因は分からない」とそのまま書いてください。それも立派な記録です。

分からないことを無理に推測で埋めると、来年読み返したときに、それが本当の原因だと思いこんでしまいます。「分からない」と書いておけば、来年はそこを気にして見るようになります。

品種名まで書く必要はありますか

できれば書いておくのがおすすめです。同じ野菜でも、品種によって育ち方や、まく時期がかなりちがいます。

「去年のトマトはよく育ったのに、今年はいまいち」というとき、品種がちがっていた、ということもよくあります。種袋や苗の札を写真に撮っておくだけでも、十分な記録になりますよ。

プランターでも日誌は役に立ちますか

役に立ちます。プランターでも、まいた日、置いた場所、水やり、肥料の記録は同じように使えます。

プランターは置き場所を動かせるので、「日当たりのいい場所に置いたら育ちがよくなった」というような記録が、とくに役に立ちます。

天気は、どこまで書けばいいですか

毎日の天気まで書かなくて大丈夫です。書いておきたいのは、ふだんとちがう天気だけです。

あとで「この年は育ちが悪かったな」と思ったとき、天気の記録があると、育て方のせいなのか、天気のせいなのかを分けて考えられます。

収穫の量は、どうやって測ればいいですか

おおよそで十分です。

大事なのは、毎年同じ方法で書くことです。去年は個数、今年は重さ、だと比べられなくなってしまいます。

読み返したら直したいことが多すぎて、どこから手をつければいいか分かりません

全部を一度に直そうとしなくて大丈夫です。次の順番で、1つか2つにしぼってみてください。

  1. 毎年くり返している失敗:同じことが何年も起きているなら、いちばん効果が大きいところです。
  2. 収穫に直接ひびいていること:芽が出ない、実がならない、など。
  3. 手間が減ること:水やりや見回りが楽になる工夫は、続けやすさにつながります。

1年に変えるのは1つか2つまで。たくさん変えると、どれが効いたのか分からなくなってしまいます。

書いた日誌は、何年分取っておけばいいですか

できれば、ずっと取っておくのがおすすめです。少なくとも、畑のうねを一回りするくらいの年数(3〜4年)は手もとに残しておくと、前に何を植えたかをさかのぼれます。

古いノートを見返すと、自分がどれだけ上達したかも分かって、ちょっとうれしくなりますよ。

子どもと一緒に記録したいです

すごくいいと思います。子どもは、毎日の小さな変化によく気づきます。

絵で描いてもらったり、写真を一緒に撮ったりするだけでも、立派な観察記録です。「芽が出たよ!」と報告してくれたら、それをそのまま日誌に書いてあげてください。

学ぶ:理科の「比べ方」で、日誌が強くなる🔬

「観察」と「推測」を分けるのは、理科の基本

ここからは、ちょっとだけ理科の話です。

理科の実験では、「目で見て分かったこと(観察)」と「そこから考えたこと(推測)」を、必ず分けて書きます。

なぜかというと、観察は事実なので変わりませんが、推測は、あとから新しい情報が出てくると変わることがあるからです。2つを混ぜてしまうと、どこまでが確かなことなのか分からなくなってしまいます。

栽培日誌で『起きたこと』と『原因の推測』を分けるのも、まったく同じ考え方なんです。

比べるときは、条件を1つだけ変える

「肥料を変えたら、よく育った」

これを確かめたいとき、理科では「条件を1つだけ変えて比べる」ことをします。これを対照実験といいます。

たとえば、肥料の効果を確かめたいなら、

こうしてはじめて、「育ちのちがいは肥料のせいだ」と言えるようになります。

もし、肥料を変えた年に、まく時期も、日当たりも変わっていたら、どれが効いたのか分からないんですよね。条件をいくつも同時に変えると、原因がしぼれなくなってしまうんです。

家の畑で完ぺきな対照実験をするのはむずかしいですが、「1回に変えるのは1つだけ」を意識するだけでも、日誌から分かることがぐっと増えます。

1回だけの結果で、決めつけない

もうひとつ、理科で大事にしていることがあります。それは「くり返して確かめる」ことです。

1回だけの結果は、たまたまかもしれません。天気がたまたまよかった、虫がたまたま少ない年だった、ということもあります。

だから、日誌を何年分か残しておくことに意味があるんです。同じことを何回かくり返して、毎回同じ結果になれば、それはかなり確かなことだと言えます。

「いっしょに起きた」と「原因になった」はちがう

最後に、ちょっとむずかしいけど大事な話をひとつ。

「この資材をまいた年は、虫が多かった」

これだけを見ると、資材のせいで虫が増えたように思えます。でも、もしかしたら、その年はたまたま虫が多い年で、資材とは関係なかったのかもしれません。

2つのことが同じときに起きたからといって、片方がもう片方の原因だとは限りません。理科では、ここをとても慎重に考えます。

日誌でも、「いっしょに起きたこと」を見つけたら、すぐに原因だと決めつけず、「原因かもしれない」と推測の欄に書いておく。そして、次の年にもう一度確かめる。これができると、日誌がぐっと頼りになる記録になっていきます。

まとめ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!

栽培日誌のポイントを、もう一度まとめておきます。

日誌は、来年の自分へのお手紙みたいなものかなと思います。

完ぺきじゃなくて大丈夫です。今日やった作業を、1行だけ書いてみてください。それだけで、来年の自分はけっこう助かりますよ📝

🛒 この記事で使うもの

移植ゴテ

記録と一緒に、深さや株間を測る道具があると数字が残せます。目盛りつきを選ぶと日誌が書きやすくなります。

剪定バサミ

作業した日を書き残すなら、まず道具を決めてしまうほうが続きます。毎回同じ道具だと比べられます。

麻ひも

誘引した日を日誌に書いておくと、翌年の目安になります。土に還る素材なので片づけもラクです。