【10月にまく・植える野菜】いちごは「埋めない」が全てです🍓
🗨️「9月に出遅れた。もう今年は終わりかな…」
🗨️「いちごの苗、いつ植えるのが正解?」
🗨️「植えたのに、春に花が咲かなかった」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
毎月お届けしている「今月なにをまく・植えるか」の定期便、10月号です。前回の9月号もあわせてどうぞ。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきますね。
10月にいちばん多い失敗は、いちごを「深く植えてしまう」ことです。
株元のふくらんだ部分を土で埋めてしまうと、春になっても花が咲きません。虫でも肥料でもなく、植えた日の指1本ぶんの高さで決まってしまう。それくらい、いちごは植え方が全てなんです。
そしてもうひとつ。10月は9月に出遅れた人にとって、いちばんの巻き返し月でもあります。9月がダメでも、10月にまける野菜はちゃんとあります。むしろ10月からのほうが、暑さがない分ラクなくらいです☺️
※以下の時期は中間地(関東〜関西の平野部)が目安。寒い地域は少し早め、暖かい地域は少し遅らせて。タネ袋の裏にまく時期が書いてあるので、そこも必ずチェック✨️
📖 この記事の目次
今月の畑は、こんな状態
10月から始める野菜には、9月までとはっきり違う特徴があります。
冬を越して、春に穫る。
昔はこれを「二年生(にねんそう)」と呼んだそうです。数え年で年を数えていた時代、お正月を越すと翌年になるので、年をまたいで育てる野菜を二年生と言った。今はあまり使われない言葉ですが、感覚としてはとてもよく分かる言い方だなと思います。
つまり10月にまくものは、年内に収穫するのではなく「小さいまま冬を越させて、春に一気に伸ばす」野菜です。ここが分かっていないと、育ちが悪いと勘違いして肥料を足してしまい、かえって失敗します。
10月にまくときの共通ルール
- 生育適温は15℃くらい。10月中旬を過ぎると、それを下回る日が出てきます
- なので、タネまきと不織布(白くて薄い布)のベタがけはセットにしてください。あとから足すのではなく、まいた日にかける
- もっと寒くなったら、穴あきビニールのトンネルに切り替える
「まだ大丈夫だろう」で不織布を省くと、発芽がそろわないまま寒くなります。10月のベタがけは防虫というより、保温のためだと思ってください。
10月にタネからまく野菜
春どり大根 ー 品種が全てです
10月にまく大根は、春に穫る大根です。ここでいちばん多い失敗は、9月に使ったのと同じタネをまいてしまうこと。
9月に植える青首大根は、春の暖かさに当たるとすぐとう立ち(花の茎が伸びて、根が硬くスカスカになること)します。10月まきには、年越し専用の品種を選んでください。
- タネ袋の裏に、まく時期のスケジュール表が必ず載っています。10月の欄に色がついているかを見る
- 「二年子大根」「三太郎」などは小ぶりだったり辛味が強いものが多いです
- 9月と同じような大きい青首が欲しいなら、冬穫り〜春穫り向けの品種を選ぶ
育て方は9月と同じで、肥料を入れず・水は控えめ。寒くなったらトンネルで保温すれば、うまくいけば年明けから穫れ始めます。
ひとつだけ注意。春の大根は収穫が遅れると一気に辛くなって硬くなります。春は成長が早いので、穫りどきを逃さないでください。
ほうれん草 ー 土で決まる野菜
ほうれん草は「うまくいく畑ではほったらかしでも育ち、合わない畑では何をしても育たない」という、はっきり二つに分かれる野菜です。
理由は土の酸性度。ほうれん草は酸っぱい土と、やせた土をとにかく嫌います。
- まく2週間前に石灰を入れる。日本の土は雨で酸性に傾きやすいので、ほうれん草だけは必ずやってください
- 芽が出たあとに葉が黄色くなって止まったら、酸性が原因の可能性が高いです。草木灰をまくと回復することがあります
そしてこれは、ぜひやってみてほしい裏ワザ。
収穫の1週間前に、トンネルを外して寒さに当ててください。
寒さに当たったほうれん草は、身を守るために葉に糖をためます。甘さが別物になります。せっかく冬に育てているのだから、これをやらないともったいないです。
春菊 ー 半分しか芽が出ない前提で
春菊は最初から発芽率が悪い野菜です。普通の野菜のタネが75〜80%発芽するのに対して、春菊は50%くらい。
なので「厚めにまく」が正解です。薄くまいて足りなくなるより、多めにまいて間引くほうがずっとうまくいきます。タネも安く、量もたっぷり入っています。
もうひとつ大事なのが深さ。春菊は好光性種子(こうこうせいしゅし)といって、発芽に光が必要なタネです。深くまくと光が届かず、そもそも芽が出ません。
- まき溝は浅く。土は薄くかける程度
- かけたらしっかり鎮圧(手のひらで押さえて、タネと土を密着させること)
- 乾くと発芽しないので、雨の前後を狙ってまくと成功率が上がります
- ほうれん草と同じく酸性に弱いので、石灰は必須
かぶ ー ばらまきで、正月まで穫り続ける
10月からのかぶは、大きく育てるのは難しくなります。でも、それを逆手に取った育て方があります。
マルチをせず、うね全体にタネをバラバラとまく。すじまきでも点まきでもなく、とにかく密にまきます。
そして、大きくなったものから順番に、間引くように収穫していく。
- 最初は直径1〜2cmの極小サイズを、間引きがてら食べる
- 株の間隔が空くにつれて、残った株が大きくなる
- 最後は4〜5cmまで太る
これで11月から正月明けまで、ずっと収穫が続きます。手間は収穫だけ。10月にまく野菜の中で、いちばんラクで、いちばん長く楽しめる育て方です。
サニーレタス ー 途中で引っ越しできます
サニーレタスやリーフレタスは寒さに強く、12月に入ってもまけます。
レタスの面白いところは、育っている途中で移植できること。本葉が出ていれば根がしっかり張っているので、抜いて別の場所に植え直しても枯れません。
密にまいて、混んできたら空いているところへ引っ越しさせる。これができる野菜は意外と少ないので、初めての方にもおすすめです。
正月菜 ー お雑煮に間に合います
正月菜(別名・餅菜)は小松菜の仲間で、色が淡くて葉が柔らかい野菜です。今からまけば、お正月のお雑煮にちょうど間に合います。
余談ですが、お雑煮に入れる葉っぱは地方色がとても豊かです。東京は小松菜、尾張は正月菜、関西は京菜や大和真菜、広島は広島菜、九州にはかつお菜という葉があります。
ご自分の出身地の葉を調べて育ててみるのも、この時期ならではの楽しみだと思います。育てながら「あと何日でお正月かな」と数えるのは、なかなかいいものですよ☺️
春キャベツ ー 葉7〜8枚で冬を越す
春キャベツは、巻きがゆるくて葉が柔らかい、冬キャベツとは完全に別物の野菜です。収穫は3〜5月。
ここには、はっきりした数字のルールがあります。
冬前に大きくしすぎると、とう立ちします。
だから10月まきの春キャベツは、大きくしようとしてはいけません。葉7〜8枚くらいで冬を迎えるのが理想です。追肥をどんどんやって立派にする必要は、この時期にかぎってはありません。
もし育ちすぎて葉が10枚を超えてしまっても、まだ手はあります。10℃以下になる日が合計30日を超えなければ、とう立ちのスイッチは入らないと言われています。トンネルで温めて、寒い日を減らしてあげてください。
この「10℃以下が30日」という数字、玉ねぎのとう立ちとまったく同じ理屈です。冬越しさせる野菜には共通のルールがあるんだな、と思っていただけたら😊
10月の主役、いちご🍓
いよいよ本題です。いちごの植え付けは、10月中に終わらせてください。
というのも、いちごは冬の間、地上部はほとんど変化しません。でも地面の下では、根がどんどん広がっています。植え付けが遅れると、この根づくりの時間が足りない。すると4月以降に花が咲かず、実が穫れません。
適期は10月中旬から11月上旬、ど真ん中は10月中旬です。
★クラウンを埋めない ー これだけは絶対
いちごの株元を見てください。葉の付け根に、ギザギザした短い茎のかたまりがあります。これをクラウン(王冠)と呼びます。
ここがいちごの成長点、つまり全ての葉と花が生まれてくる場所です。
そしてクラウンは、冬の5℃以下の低温に当たることで「春が来たら花を咲かせよう」というスイッチが入ります。これを花芽分化(かがぶんか)といいます。
つまり、クラウンを土に埋めてしまうと、低温が届かず、スイッチが入らず、春に花が咲きません。
私も一昨年これをやりました。12株植えて、4株が春になっても葉ばかりで花が咲かなかったんです。掘り返してみたら、その4株だけクラウンが土に隠れていました。あのときは本当にがっかりしました。
深植えを防ぐ、確実なやり方はこれです。
- 植え穴に先に水を入れて、引くのを待つ
- 水が引いたら、穴に土を少し戻して底を浅くする
- そこに苗を置くと、自然にクラウンが土の上に出る
苗の土の表面が、うねの表面より少し高くなるくらい。「浅すぎるかな」と感じるくらいでちょうどいいです。
うねは高く、マルチは貼る
いちごの根はヒゲ根といって、横に細かく広がるタイプです。この根がとてもデリケートで、水が多すぎても乾きすぎても傷みます。
- うねの高さは15〜20cm(普通のうねは10cmくらい)。水はけの悪い畑ほど高く
- マルチは貼ったほうがいいです。冬でも光は十分当たるので、花芽分化には影響しません
マルチを貼らないと、逆に苗が日差しで傷んだり、春に地温が上がらず実が遅れたりします。栽培期間が10月から春まで6か月以上と長いので、端は足でしっかり踏んで固定してください。
肥料と水は「やらない」が正解
これも大事なポイントです。
- 肥料を入れすぎると、花の数が減ります。無肥料の場所を選ぶのがいちばんいい
- どうしても入れるなら、植え付けの3週間以上前に済ませる
- 追肥は植え付けの半月〜1か月後、株元から15〜20cm離して、1株ひとつまみ程度
そして水。
- 植えた直後だけ、たっぷり
- そのあとは、ほとんど水やり不要です
毎日律儀に水をやると、根腐れしますし、根が「探しに行かなくていい」と判断して広く深く伸びなくなります。冬は雨も降るので、基本は放っておいて大丈夫です。
苗選びと株数
- クラウンが太くしっかりしている苗を選ぶ。ここが細い苗は、そのあとも伸びません
- 葉が枯れていないか、虫がついていないかもチェック
- 株間は30cm
- 株数は1人あたり3〜5株が目安。4人家族なら12株以上あると満足感が違います
ただ、いちごは翌年に株分けで増やせます。最初の年は数株から始めて、翌年に増やすというやり方も十分アリです。
株分けするときは、孫株以降を移植してください。子株までは親株の病気を受け継いでしまうけれど、孫株には影響しないとされているためです。
ランナーの向きと、防虫ネット
苗の株元に、切られた古い茎の跡があることがあります。これがランナーで、親株とつながっていた名残です。
新しい花やランナーは、この古いランナーの反対側に出やすい性質があります。なので古いランナーを通路と反対側(内側)に向けて植えると、実が手前に出てきて収穫がラクになります。
ただ、家庭菜園では必ずしもその通りにならないので、見つからなければ気にしなくて大丈夫です。
もうひとつ、意外に思われるかもしれませんが、いちごに防虫ネットは不要です。日光をしっかり当てたいですし、ネットがあるとアブラムシの点検がひと手間増えてしまいます。
冬越しはマルチをしていない場合、わらや乾かした雑草で株元を覆ってください。11月後半から12月ごろが目安。ビニールトンネルは不要です。むしろ寒さに当てないと実がつきませんから☺️
10月下旬、豆のタネまき
そら豆・スナップエンドウ ー 小さいほどいい
この2つは10月下旬から11月はじめにまきます。そして共通する、たったひとつの鉄則がこれです。
冬を越すときは、小さいほどいい。
大きく育った状態で真冬に入ると、冷たい風に当たって傷みます。春になれば一気に伸びるので、年内は伸ばさなくていいんです。
- スナップエンドウの理想は、冬に入る時点で高さ10cmくらい。20cmを超えると冬越しが厳しくなります
- 近年は暖かい年が多いので、例年より2〜3週間遅らせるくらいでちょうどいいことも
- 保険として、ポットにも同時にまいておくと安心です。だめだったら植え替えられます
マメ科は、肥料を入れてはいけません
これは理科の話とつながる、とても面白いところです。
マメ科の根には根粒菌(こんりゅうきん)という菌が住みついています。この菌は空気中の窒素を取り込んで、豆に栄養として渡してくれます。つまり豆は、自分専用の肥料工場を根に飼っているようなものなんです。
だから人が肥料を足すと、多すぎになります。すると葉やつるばかり茂って、実がつかなくなる。
- 前作の残った肥料で十分です
- とうもろこしの跡地やナスの跡地など、追肥をたくさんした場所は避けたほうが無難です
まき方で外せない3つ
- マルチの穴に4粒。穴の土は寄せて平らにする(へこんでいると水が溜まってタネが腐ります)
- 覆土したら、しっかり鎮圧。土が乾いていなければ水やりは不要
- 株間30〜40cm(つるありは45cm)
そして、これを忘れると全部無駄になります。
不織布のベタがけを必ずしてください。
豆は鳥の大好物です。まいた直後にカラスに掘り返されて全滅、というのは本当によくある話。本葉が開くころまでは、必ず不織布で守ってください。乾燥防止も兼ねられます。
本葉が2〜3枚になったら、生育のいい2本を残して間引きます。
そら豆と玉ねぎは、隣に植えると両方いい
コンパニオンプランツ(一緒に植えると育ちがよくなる組み合わせ)の中で、私がいちばん実感しているのがこれです。
- 植え付け時期も収穫時期もほぼ同じなので、うねの計画が立てやすい
- どちらも地下に根を張るので、株元が覆われて寒さのダメージを受けにくい
- 春にそら豆の根粒菌が土に窒素を残し、玉ねぎがそれを吸って玉が大きくなる
- 春にそら豆の先端につくアブラムシに、テントウムシやヒラタアブが集まってくる。その天敵が玉ねぎ側の虫も食べてくれる
いちごには、ニンニクや長ネギが合うと言われています。ネギ類のにおいをアブラムシやハダニが嫌うためです。株元から30cmほど離して植えてみてください。
ただし、コンパニオンプランツは諸説あって、必ず効くというものではありません。「効いたらラッキー」くらいの気持ちでどうぞ😊
10月最大の落とし穴は、虫ではなく雨です
これ、あまり語られないのですが、10月は雨が多い月です。ひどい年は1週間降り続きます。
そして10月は、いちご・ニンニク・玉ねぎ・そら豆と、植えるものがいちばん多い月でもあります。だから雨の影響を、いちばん受けやすい。
長雨が続くと、こういうことが起きます。
- 病気が出ます。土が湿り続けるとカビの菌が増え、白菜などが腐ってきます
- アブラムシが増えます。じめじめして風が通らない場所が、彼らにとっては天国です
- タネと根が腐ります。まいた直後のタネは水に浸かると腐り、植えて1か月の苗でも根腐れを起こします
雨のあとにやる3つのこと
- マルチの上に溜まった水を、かき出す
うねに少しへこみがあると、そこに水が溜まります。株元の湿度が上がって病気とアブラムシを呼ぶので、見つけたらかき出してください。溜まりやすい場所には、小さく穴を開けて通路へ逃がすのも手です。芽が出ている穴に水が入るのは問題ありません。
- 晴れ間に、防虫ネットを開けて風を通す
ネットの中は雨のあと、通気性が最悪になります。晴れた日に開けて空気を入れ替えてください。そのついでに、葉の裏と成長点付近をチェック。アブラムシは1匹入れば数日で増えます。ネットについた雨粒や、葉のしずくを払っておくのも効果があります。
- 通路の水が抜けるようにする
土が固まると雨水が抜けません。通路を少し深く掘るか、スコップを差し込んでおくだけでも変わります。
ただし、雨の直後に耕してはいけません
ここ、やってしまいがちです。
土がべちゃべちゃだからと、雨上がりすぐにうね間を耕す。これは逆効果です。
土の中には団粒(だんりゅう)という、細かい粒がくっついてできた小さなかたまりがあります。この粒と粒のすき間が、水と空気の通り道になっている。濡れた状態で耕すと、この構造が押し潰されて、かえって硬い土になります。
耕すのは、土が多少乾いてからが正解です。
10月から冬に注意する虫、この6匹
「涼しくなったから虫は終わり」と思っていると、痛い目にあいます。むしろ産卵時期の終わりが近い虫ほど、冬前に子孫を残そうとして必死に卵を産みます。
①シンクイムシ ー 1匹で株が止まる
ガの幼虫で、株の真ん中の成長点に潜り込みます。1株に1匹いるだけで成長が止まり、ひどいと枯れます。縦じま模様なので、見つけさえすれば分かりやすい虫です。葉をめくって芯を覗く癖をつけてください。
②アブラムシ ー 10〜11月がピークです
これは意外に思われるかもしれません。アブラムシが繁殖する適温は20〜25℃。つまり真夏より、涼しくなった10〜11月のほうが増えるんです。
1週間で数百倍から数千倍になります。しかもウイルス病を運んでくるので、被害が二重になります。
見つけるコツをひとつ。アリがいたら、ほぼ間違いなくアブラムシがいます。アリはアブラムシの排泄物を食べに来ているだけで、野菜そのものには害を与えません。アリの行列は、アブラムシへの案内板だと思ってください。
③アオムシ ー 卵のうちに取る
モンシロチョウの幼虫です。最近は暖かいので、関東では冬の間もずっと白い蝶が飛んでいます。白い蝶を見かけたら、ほぼ確実に卵を産んでいると思っていいです。
コツは、卵の段階で取ること。モンシロチョウの卵は葉の表面に産まれます。薄い黄色の小さなつぶつぶを見つけたら、それが卵。ここで拭き取れば、幼虫を探す手間が丸ごとなくなります。
④ヨトウムシ ー 1匹いたら周りも見る
葉を食べ尽くして、ひどいと葉脈だけにしてしまいます。この虫の特徴は、一度に大量に発生すること。1つの株で見つけたら、その周りの株にもまず間違いなくいます。1株だけ見て安心しないでください。
⑤ハムシ ー ネットの中で冬を越します
キスジノミハムシやダイコンハムシのことです。この虫のやっかいなところは、防虫ネットの中で冬の間も繁殖し続けること。
土の中と葉の上を行き来しているので、見つけて確実に潰していくと、翌年の数がはっきり減ります。小さくて素早いので、筆にのりをつけてペタペタ取る方法もあります。
⑥タバコガ ー 巻かれる前に
芯に潜っていく虫です。レタス・白菜・キャベツのように巻く野菜では、結球の中に入られたらもう捕まえられません。中身を全部食べられます。
だから、巻き始める前が勝負です。葉についた卵や小さな幼虫のうちに取り除いてください。
白菜を育てている方へ
10月は白菜の下葉処理の時期でもあります。ここに大事な注意点があります。
枯れた下葉を残すと、腐って匂いで害虫を呼び、風通しが悪くなって病気が出ます。だから取る。
でも、取りすぎてはいけません。
白菜が巻くのは、外葉が光合成して栄養を送り込むからです。外葉を取ると巻かなくなります。取っていいのは、完全に枯れた葉だけ。少しでも青みが残っていれば残してください。
あわせて、マルチの上に乗った泥を払っておくと湿度が下がります。追肥は苗を植えてから約1か月後、外葉が横に広がり出したタイミングで。土寄せもセットでやると、肥料の効きがよくなって溝もでき、水はけが改善します。
葉が防虫ネットに当たって窮屈そうなら、緩めてあげてください。当たったままだと風通しが悪くなって病気が出ます。
学ぶ:なぜ、寒さに当てないと実がならないのか🔬
理科の時間です。今回はいちごのクラウンの話を、もう一歩だけ深めます。
いちごは、秋に植えてもすぐには花を咲かせません。冬をはさんで、春に咲きます。なぜわざわざ待つのでしょうか。
答えは、いちごにとって「今が春かどうか」を判断する必要があるからです。
秋の気温と春の気温は、実はよく似ています。10月の20℃と、4月の20℃。温度だけでは見分けがつきません。もしいちごが「暖かくなった、花を咲かせよう」と秋に判断してしまったら、咲いた花はそのまま冬の寒さで枯れてしまいます。
そこでいちごが使っているのが、寒さの記憶です。
一定期間、5℃以下の低温にさらされる。それを経験してはじめて、「冬が終わった」と判断できるようになる。だから寒さを通り過ぎた後の暖かさだけが、本物の春として認識されます。
このしくみが花芽分化です。そしてそのセンサーがある場所が、クラウンなんです。
だから、クラウンを土に埋めてはいけない。土の中は地上より温度が安定していて、冷え込みが伝わりにくいからです。センサーに冬が届かないと、いちごはいつまでも「まだ春じゃない」と判断し続けます。
同じ理屈で、ビニールトンネルも不要です。よかれと思って温めると、寒さの記憶が積み上がらず、かえって花が減ります。
玉ねぎや春キャベツの「10℃以下が30日でとう立ちのスイッチが入る」というのも、同じ寒さの数え方です。植物は温度計とカレンダーを両方持っている。そう考えると、冬の畑が少し面白く見えてきませんか😊
お子さんと一緒なら、12株のうち2株だけわざと深植えして、春に比べてみてください。花が咲く株と咲かない株がはっきり分かれます。ちょっと残酷ですが、これ以上ない実験になります🍓
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
10月は、9月に出遅れた人が巻き返せる月です。ポイントを整理しておきますね。
- いちごはクラウンを埋めない。植え穴に土を戻して、浅く植える。高うね15〜20cm、肥料と水はやらない
- 10月にまくのは冬を越して春に穫る野菜。小さいまま冬に入れるのが正解。春キャベツは葉7〜8枚、スナップエンドウは高さ10cm
- 春どり大根は品種が全て。タネ袋の裏のスケジュール表を必ず見る
- マメ科(そら豆・スナップエンドウ)に肥料は入れない。根粒菌が自前で窒素を作っている
- 10月の敵は雨。溜まった水をかき出し、晴れ間にネットを開けて風を通す。雨の直後に耕さない
- 虫は減らない。アブラムシは10〜11月がピーク。アリがいたらアブラムシがいる
全部やろうとしなくて大丈夫です。まずはいちごを3株だけ、クラウンを出して植えてみてください。それだけで来年の春が、ぜんぜん違うものになります🌱
次回は、10月に植える球根野菜の代表「にんにく」。植えっぱなしにせず大玉にする話をします🧄
いちご苗(越後姫)
10月中に植えるのがいちごの絶対条件です。記事のとおり、クラウンを埋めないように浅く植えてください。3株あれば、来年の春に子どもが喜ぶくらいは穫れます。
不織布
10月にまくものは、まいた日にこれをかけます。防虫というより保温のためです。生育適温15℃を下回る日が出てきたら、あるとないとで発芽が変わります。
穴あき黒マルチ
いちごは10月から春まで6か月以上そのままなので、マルチがあると草取りの手間がまったく違います。株間30cmで使ってください。
スナップエンドウのタネ(つるなしホルンスナック)
つるなしなので、やぐらを組まずに支柱4本で済みます。子どもと一緒に穫るなら断然こちらです。10月下旬まきで、年末に10〜15cmを目指してください。
そら豆のタネ(駒栄)
秋まき用の品種です。10月下旬から11月はじめにまいて、小さいまま冬を越させます。玉ねぎの隣に植えると、お互いによく育ちます。
カキ殻石灰
ほうれん草と春菊は酸性の土だと育ちません。カキ殻の石灰はゆっくり効くので、まく直前に入れても大丈夫。熱も出ないので扱いやすいです。


