青いまま萎れたら、それは病気です🍅 株元を掴んで確かめます
🗨️「葉が白い粉をふいている」
🗨️「昨日まで元気だったのに、急に萎れた」
🗨️「畑全体に広がるんじゃないかと不安」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
前に、春の虫の話をしました。★症状から犯人を逆に引く、という方法です。
今日はその病気版です。そしてひとつ、★前回の話に大事な補足があります。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきます。
★青いまま萎れたら、それは病気です。
前回、「日中しおれて夜に元気なら根がやられている」とお伝えしました。あれは虫の話でした。★同じ症状を出す病気が、もうひとつあります☺️
📖 この記事の目次
症状から、病気を引く
覚えるのは5つで足ります
畑で出る病気はたくさんありますが、家庭菜園で実際によく出るものは限られています。
★葉が白い粉をふいたよう → うどんこ病
★青いまま、日中だけ萎れる → 青枯れ病
★葉が黄色くなって、ぐったり垂れる → べと病
★葉がまだらに黄色い → モザイク病
★葉が白くかすれる → ★これは病気ではありません
最後のひとつは、前に玉ねぎのところでお話ししました。★アザミウマという虫の食害跡です。病気と間違えて株を抜いてしまう方が多いので、覚えておいてください。
今日は上の2つを、くわしくお話しします。
★★青枯れ病 ── 緑のまま、しおれます
見た目が、独特です
まずこちらから。名前のとおり、★青いまま枯れる病気です。
畑を見ていると、1株だけこうなっています。
- ★葉は青々として、緑色をしている
- ★なのに、しゅんと垂れている
★「枯れているように見えるのに、色は元気」。この違和感が特徴です。
黄色くなってから枯れるなら分かります。でも緑のまま萎れている。初めて見たときは、何が起きたのか分かりませんでした。
★時間帯で、見え方が変わる
もうひとつの特徴があります。
- ★朝と夕方 … 比較的しゃんとしている
- ★曇りの日 … わりと元気に見える
- ★晴れた日中 … しゅんと萎れる
これ、前回の虫の話とまったく同じです。
なぜそうなるのか
理由も、虫のときと同じ理屈です。
★原因は、土の中にいる菌です。
葉に何かが付いたのではありません。★根から菌が入って、茎の中を上っていきます。
そこで何をするか。★維管束を萎縮させます。
維管束というのは、★根から吸い上げた水を、上へ運ぶ管のことです。人でいえば血管ですね。
★ここが詰まると、水が上がらなくなります。
だから、日中に葉から水がどんどん蒸発する時間だけ、追いつかなくなる。夜は蒸発が止まるので、少ない量でも足ります。
★虫は根そのものを食べる。病気は管を詰まらせる。★入口は違うのに、出てくる症状は同じです。
★★じゃあ、どう見分けるのか
株元を、掴んでください
ここが今日いちばん実用的なところです。
★しおれている株の株元を持って、軽く揺らしてみてください。
★グラグラする、抜けそう → 虫です
根を食べられているので、支えを失っています。★株元の土を浅く掘れば、白い幼虫が見つかります。
★しっかりしている、動かない → 病気です
根は無事なので、株はちゃんと立っています。★掘っても何も出てきません。
ほかの見分け方
もうふたつ、目安があります。
★葉の色
虫にやられた株は、下の葉から黄ばんできます。★青枯れ病は、青いまま萎れます。
★広がり方
虫は1株ずつ、ぽつぽつと出ます。★青枯れ病は、隣へ、そのまた隣へと広がっていきます。
なぜ隣に広がるのか
菌は土の中にいます。そして★野菜の根は、思っているよりずっと遠くまで伸びています。
前に追肥の話をしたとき、「根の先端はもう株元にない」とお伝えしました。★うねの肩まで伸びています。
その根が、菌のいるところまで届く。★そこから感染します。
だから★1株出たら、そのうねは覚悟しておいたほうがいい。私が読んだ農家さんも、「ここからビクビクしながら栽培することになる」と書いていました。
★青枯れ病が広がる条件
★地温20℃を超えると、動き出す
はっきりした数字があります。
★地面の温度が20℃を超えると、広がりやすくなります。
これからの季節は、気温がどんどん上がります。★とくに黒マルチをしている方は注意してください。
前にじゃがいものところでお話ししたとおり、★黒マルチの下は気温より5〜10℃高くなります。天気予報が20℃でも、マルチの下はもう25〜30℃です。
★保温のためにかけたマルチが、菌にとっても好条件になります。
★★水で移動します
もうひとつ、大事な性質があります。
★この菌は、水を媒介して移動します。
雨が降ると、土の中を水が流れます。菌もそれに乗って動きます。
すると、どうなるか。
★雨の翌日に広がる。★梅雨明けに一気に出て、全滅する。
このパターンがいちばん多いそうです。★去年それで全滅した、という話も読みました。
★雨と気温、両方がそろうのが梅雨明けです。ここが山場だと思っておいてください。
出てしまったら
★正直に言うと、治りません
つらい話ですが、はっきり書きます。
★青枯れ病は、出てからでは直す方法がありません。
農薬でも治りません。抜くしかない。
★疑わしい株は、抜く
やることは1つです。
★少しでも疑いがあるなら、抜いてください。
抜くのをためらう気持ちは分かります。でも、
- ★残しても、もう収穫できません
- ★半月から1か月で、どのみち枯れます
- ★その間ずっと、菌の温床になります
★置いておく理由が、ひとつもありません。
できれば株のまわりをスコップで掘って、根ごと取り除いてください。★隣の株の根も来ているので、無理なら引き抜くだけでも構いません。
★★ハサミが、病気を運びます
そしてもうひとつ、絶対に忘れてはいけないことがあります。
★感染した株をハサミで切ると、その汁がハサミに付きます。
そのまま隣の株を切ったら、どうなるか。★自分の手で、菌を運ぶことになります。
前にじゃがいものモザイク病のところで、まったく同じ話をしました。★ウイルスも、細菌も、人間が運びます。
★ハサミは株ごとにアルコールで拭く。この習慣だけは、面倒でも続けてください。
★うどんこ病 ── 白い粉
見た目そのままの名前です
こちらは分かりやすい病気です。
★葉の表面が、うどんの粉をまぶしたように白くなります。
正体は★カビの一種です。土の中に潜んでいて、★風に乗って飛んできます。
★出る時期は5月から11月と長いです。
★雨のあと、晴れると広がる
いちばん広がるタイミングが決まっています。
★雨が続いたあと、カラッと晴れたとき。
湿気でカビが増えて、晴れて風が吹くと、その胞子が一気に飛ぶ。★梅雨明けが要注意なのは、青枯れ病と同じです。
何が困るのか
白くなるだけなら、見た目の問題です。でも、そうではありません。
★葉の表面が白いカビでふさがれると、光合成ができなくなります。
光が届かない。エネルギーが作れない。★株はどんどん弱って、最後には枯れます。
★見た目の病気ではなく、飢えさせる病気です。
★★でも、隣の野菜には移りません
ここは安心してください
うどんこ病が出ると、「畑全体に広がるのでは」と不安になります。
★大丈夫です。
実は、★うどんこ病のカビには、たくさんの種類があります。
そして★それぞれ、決まった野菜にしかかかりません。
ウリ科のものは、ウリ科だけ
具体的に言うと、こうです。
★かぼちゃについたうどんこ病のカビは、ウリ科(きゅうり・メロン・ズッキーニ・スイカ)にしかかかりません。
- 隣のさつまいもには移りません
- トマト、ナス、ピーマンにも移りません
★「うどんこ病」とひとくくりに呼ばれているだけで、中身は別の生きものです。
これを知っているかどうかで、心の余裕がまったく違います。★私はこれを知って、ずいぶん気が楽になりました。
うどんこ病の原因は4つ
ほとんどが「風通し」と「肥料」
出る原因は、はっきりしています。
★1. 日当たりが悪い
★2. 水はけが悪い
★3. 密植して、風通しが悪い
★4. ★窒素が多すぎる、またはカリが少なすぎる
1〜3は、カビ全般と同じですね。じめじめして暗いところが好きです。
★窒素が多いと、体が弱くなる
4つ目だけ、少し説明します。
★窒素をやりすぎると、植物は軟弱になります。
前に玉ねぎの止め肥のところでお話ししました。★窒素で急いで作られた細胞は、壁がうすい。だから菌が入りやすくなります。
そして逆に、★カリが少なすぎてもかかりやすくなります。
カリは根を丈夫にし、寒さや病気への抵抗力を上げる肥料でした。★足りないと、守りが薄くなります。
★肥料のバランスが、そのまま病気のかかりやすさになります。
うどんこ病の対策
①泥はねを防ぐ(出る前に)
カビは土の中にいます。★雨で泥がはねて、葉に付くのが入口です。
- ★黒マルチを張る
- ★敷きわらを敷く
- ★防草シートを敷く
何かしら地面を覆っておけば、泥はねが減ります。★誘引のところでお話しした「下葉を切る」も、同じ目的です。
②白くなった葉を、切る
出てしまったあとです。
★最初の少しなら、自然に治ることもあります。
でも、★広がってからでは難しい。白い部分が目立ってきたら、★その葉をハサミで切り取ってください。
残しておくと、そこから胞子が飛び続けます。★弱った葉は、もう働いていません。切って損はありません。
③お酢をうすめてスプレー
農薬を使わない方法として、★お酢をうすめてかける手があります。
前にアブラムシのところで油石けんの話をしました。★あれと同じで、これも農薬ではありません。
濃いと葉を傷めるので、ごく薄くしてください。
全部に共通する、4つの予防
結局、同じ話になります
ここまで2つの病気を見てきましたが、予防は共通しています。
★1. 風通しをよくする
密植しない。下葉を切る。誘引する。★6月号でお話しした「風通しをよくして日を当てる」が、そのまま病気の予防です。
★2. 泥はねを防ぐ
マルチ、敷きわら、下葉を切る。
★3. 窒素を効かせすぎない
軟弱な株は、病気に弱い。★足りているところに足さない。
★4. ★ハサミを株ごとに除菌する
★人間が、いちばん確実な運び屋です。ここだけは道具でしか防げません。
治すより、起こさない
無農薬でやっていると、はっきり分かることがあります。
★病気は、治すより起こさないほうがずっと簡単です。
薬で叩けないぶん、出てからできることは限られます。だからこそ、★出る前の4つに手をかける価値があります。
この記事の要点
まとめ
- ★青いまま萎れたら、それは病気(青枯れ病)
- ★葉は緑なのに、しゅんと垂れる。★晴れた日中だけ萎れる
- ★原因は土の中の菌。★根から入って維管束を萎縮させ、水が上がらなくなる
- ★★見分けは株元を掴むこと。★グラグラ=虫/★しっかり=病気
- 虫は下葉から黄ばむ。★青枯れ病は青いまま萎れる
- 虫は1株ずつ、★青枯れ病は隣へ広がる
- ★★地温20℃を超えると広がる。★黒マルチの下は気温+5〜10℃なので注意
- ★★水を媒介して移動する。★雨の翌日・梅雨明けに一気に出る
- ★出てからでは治らない。★疑わしい株は抜く(残しても半月〜1か月で枯れ、温床になる)
- ★★感染株を切ったハサミが、隣の株へ菌を運ぶ
- ★うどんこ病はカビ。葉が白い粉をふいたようになる
- ★雨のあとカラッと晴れると一気に広がる
- ★白いカビで光合成ができなくなり、株が飢えて枯れる
- ★★★うどんこ病のカビは種類が多く、★ウリ科のものはウリ科にしかかからない
- ★かぼちゃのカビは、隣のさつまいもやトマトには移らない
- 原因は★日当たり/水はけ/密植/★窒素過多とカリ不足
- ★窒素が多いと細胞の壁がうすくなって、菌が入りやすい
- 対策は★泥はねを防ぐ/★白い葉を切る/★お酢をうすめてスプレー
- 共通の予防4つ=★風通し/★泥はね/★窒素を効かせすぎない/★ハサミの除菌
- ★病気は、治すより起こさないほうがずっと簡単
全部やろうとしなくて大丈夫です。まずは畑に出て、いちばん元気のない株の株元を掴んで、揺らしてみてください。★動くか動かないか。それだけで、次にやることが決まります🍅
次回は、夏の水やりの話。朝と夕方でどう違うのか、どれだけやればいいのかをお話しします💧
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
剪定ばさみ
株ごとに拭くのが前提です。感染した株を切った汁が、そのまま次の株へ移ります。
敷きわら
病気の多くは、雨の泥はねで葉に上がります。地面を覆うのがいちばん確実です。
黒マルチ
同じ理由で泥はねを止めます。ただし地温が上がるので、青枯れ病が出た畑では慎重に。
不織布
雨よけの代わりに。風通しを保ったまま、雨が直接打ちつけるのを弱められます。


