4月にまく・植える野菜|夏野菜を植えるのはいつ?遅霜と根張り、苗の選び方と植え方、4月の畑仕事
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
📖 この記事の目次
この記事で分かること
- 夏野菜(トマト、なす、ピーマン、きゅうりなど)を、守るものなしで畑に植えるなら、5月の連休前後が一般的な目安です。
- 4月は、まだ遅霜(おそじも)が降りることがあります。霜に当たると、夏野菜は枯れてしまいます。
- 霜が降りなくても、夜の冷え込みで根の張りが悪くなることがあります。こちらは見た目では気づきにくい失敗です。
- 苗を「買う時期」と、畑に「植える時期」は分けて考えます。人気の品種は早く売り切れるので、早めに買って、植える日まで手元で育てる方法もあります。
- どうしても早く植えたいなら、ビニールトンネル、不織布、袋で作る「あんどん」などで守ります。ただし、守っていても枯れることはあります。
- 4月は、畝作りと元肥、マルチ張り、苗選びの準備など、5月の植えつけに向けた「準備の月」です。
4月になると、ぽかぽか暖かい日が増えてきますよね。ホームセンターの店先にも、トマトやなす、きゅうりの苗がずらりと並びはじめます。
「暖かくなったし、苗も売っているし、もう植えていいのかな」。そう思う方は多いと思います。
でも、4月の畑には、まだ落とし穴があります。この記事では、夏野菜を植える時期の考え方と、4月のうちにやっておきたい準備を、順番に書いていきます。説明が分かれているところは、両方の考え方を並べておきますね。
早見:4月の畑の基本(ひと目で分かる目安)
夏野菜の植えつけ時期の目安
- 守るものなしで植える:5月の連休前後(地域によって前後する)
- 早くて4月下旬から。4月中旬は霜の心配がまだ大きい
- 4月中旬に植えるなら:あんどんやトンネルなどで守る
- 初めて育てる方:4月の終わりから5月の連休あたりがおすすめ
4月にやること
- 畝作りと元肥(植える2週間前までが目安)
- マルチを張って、地温を上げておく
- 苗の準備(自分で育てている苗の世話/買う苗の本数と品種を決める)
- じゃがいもの芽かき
- 玉ねぎの病気の株を抜く、追肥は控える
- ねぎの苗を植える
苗を選ぶときに見るところ
- 茎が太く、葉と葉のあいだが詰まっている(ずんぐりした形)
- 葉に虫食いや病気のあとがない
- 同じ値段なら、大きいポットのもの
- 病気に強くしたいなら、接ぎ木苗(少し高い)
なぜ4月に植えるのは早いのか
育苗と、畑に植えるのは別のこと
夏野菜は、早めにタネをまいて苗を育てておく「前倒し」がよく紹介されます。ここで分けて考えたいのが、苗を育てることと、畑に植えることです。
- 苗を育てる(育苗):家の中や簡易な温室など、温度をある程度こちらで調整できる場所で行う。寒い日は取り込める
- 畑に植える(定植):外で行う。一度植えたら動かせないので、その夜の冷え込みをそのまま受ける
前倒しできるのは、苗を育てるほうです。畑に植える日は、気温に合わせて決めます。
霜に当たると、夏野菜は枯れる
夏野菜は、霜に当たると枯れてしまいます。そして霜は、遅い時期でもたまに降りることがあります。特に4月の初めごろは、「暖かくなったからもう植えよう」と思っても、まだ霜が降りる可能性があります。
昔から「八十八夜の別れ霜」という言葉があります。立春から数えて88日目ごろ(5月2日ごろ)を過ぎると、ようやく霜が降りなくなる、という意味です。夏野菜の植えつけが、5月の連休前後と言われるのは、この言葉とも重なります。
霜が降りなくても、低い気温で傷む
こわいのは霜だけではありません。霜が降りないくらいの夜でも、気温が低いと、植えたばかりの苗が弱ったり、枯れたりすることがあります。小さな苗ほど、寒さの影響を受けやすい、と説明されます。
ビニールトンネルをかけて、さらに不織布もかけていたのに、苗が寒さで枯れてしまった、という農家さんの話もあります。4月の寒さは、それくらい油断できません。
枯れなくても、根の張りが悪くなる
もうひとつ気をつけたいのが、枯れずに生き残った場合です。
寒い時期に植えると、苗の根の張りが悪くなることがある、と説明されます。寒さで「このままでは危ない」と感じた苗が、根や葉を育てるより先に、花をつけて子孫を残すほうに力を回してしまう、という説明をする人もいます。
根の張りが悪い株は、吸える水や養分が少なくなります。見た目は普通に育っているように見えても、夏になって実をたくさんつける時期に、力が足りなくなることがあります。
夏野菜は、夜の気温を見ている
夏野菜の育ち方を考えるときは、昼の暖かさより、夜の冷え込み(最低気温)を見ることが大切です。
トマトは、最低気温が10度くらいないと育ちが進まない、という説明があります。一方で、最低気温が8度を上回っていれば植えられる、8度を下回る日が5日以上続くと危ない、という説明もあります(あとで書きます)。どちらにしても、「昼が暖かいから大丈夫」とは言えない、ということです。
「桜が咲いてから1か月」という目安
植える時期の目安として、桜の開花からだいたい1か月後くらいになると、最低気温が8度を下回る日が少なくなってくる、という説明があります。
カレンダーの日付は地域によって当てはまらないことがありますが、桜の開花は、その土地の春の進み具合を表しています。自分の住んでいる地域で桜が咲いた日を覚えておいて、そこから1か月後を目安にする、という考え方は分かりやすいと思います。
4月下旬でも、朝晩は冷える
4月の下旬になると、関東あたりでは霜が降りる可能性はかなり低くなってきます。それでも、朝晩はまだ冷え込みます。最低気温が10度を下回る日もある、と説明されます。
4月下旬に植える場合も、あんどんや不織布のトンネルで、寒さ対策をしておくと安心です。中間地の愛知県でも、4月の夜に10度を下回り、7〜8度まで下がることがある、という話もあります。
それでも、4月に苗が売られている理由
早く植えたい人のために売っている
「4月に植えるのが早いなら、なぜお店で売っているの?」と思いますよね。
これは、早く苗がほしい人の需要に応えているから、と説明されます。ハウスやトンネルで温度を管理できる人や、早めに買って手元で育てたい人にとっては、4月の苗は必要なものです。売っていること自体が間違い、というわけではありません。
人気の品種は、早く売り切れる
「5月まで待っていたら、ほしい品種の苗が売り切れてしまう」。これも本当です。人気の品種や珍しい品種は、早く売り切れてしまうことがあります。
そういう場合は、苗を早めに買っておいて、畑に植える日まで手元で育てる、という方法があります。苗を買う時期と、畑に植える時期を分けて考える、ということです。
早めに買うなら、まだ若い苗を
苗は、花のつぼみがつきはじめたくらいの大きさで畑に植えるのがよい、と説明されます。根が張りやすいからです。
4月の初めに苗を買うなら、まだ花がついていない、若い苗を選んで、植える日まで水やりをしながら育てておくのがよい、という説明があります。花がたくさんついた大きな苗を早くに買うと、植える時期まで待つあいだに、育ちすぎてしまうことがあります。
「売っているから植えどき」とは限らない
気をつけたいのは、「お店に並んでいるのだから、今が植えどきなのだろう」と考えてしまうことです。初めて野菜を育てる方ほど、そう受け取りやすいと思います。
4月に夏野菜の苗の販売を見合わせているお店もある、という話もあります。苗が並んでいるかどうかではなく、自分の地域の気温を見て、植える日を決めてください。
買った苗を、植える日まで待たせるには
早めに苗を買った場合は、植える日まで手元で元気に保つ必要があります。
- 昼は、日当たりのよい場所に置く
- 夜に冷えこみそうな日は、家の中や軒下に取り込む
- ポットの土が乾いたら、水をやる
- 根がポットの中で回ってきたら、ひと回り大きなポットに植え替える
植えどきの目安は、花のつぼみが見えはじめたころ、という説明があります。つぼみが見えてきて、夜の冷え込みもおさまってきたら、いよいよ畑に植える準備をしましょう。
どうしても早く植えたいとき
守る道具
事情があって早く植えたいときは、苗を寒さや風から守る道具を使います。
- ビニールトンネル:畝全体をおおって、中を暖かく保つ
- 不織布:トンネルの上からかけたり、苗に直接かけたりして保温する
- あんどん:苗のまわりを、ごみ袋や肥料の袋で囲む。袋の底を切って筒にし、支柱で立てる
- 防虫ネット:苗のまわりを囲んで、冷たい風をやわらげる
守っていても、絶対ではない
守る道具を使った苗が、予報で0度の夜を越せた、という試験の例もあります。一方で、トンネルと不織布をかけていても枯れてしまった、という経験も語られています。
道具を使えば、必ず霜や寒さを防げる、というわけではありません。早く植えるほど、失敗の可能性も上がる、と考えておいてください。
4月中旬に植えるなら
4月中旬ごろは、まだ苗が根づきにくい気温だ、と説明されます。この時期に植えるなら、あんどんなどの対策をして植えるのがよい、という説明があります。
初めて夏野菜を育てる方は、4月の終わりから5月の連休あたりに植えるのが安心です。手間をかけたくないなら、5月まで待つ。それで何の問題もありません。
4月にやる準備の手順
ここからは、5月に植えるための準備を、順番に書いていきます。
手順1:何をどれだけ植えるか決める
苗を買いに行く前に、畑の畝に何株植えられるかを考えておきます。売り場でたくさんの苗を見ると、ついあれもこれもと買いたくなりますよね。でも、植える場所が足りなければ、苗が余ってしまいます。
畝の長さと、野菜ごとの株と株のあいだの広さから、植えられる数を先に決めておきましょう。
手順2:畝を作って、元肥を入れる
植える場所の土を耕して、畝を作ります。たい肥や肥料(元肥)を入れるなら、植える日より前に済ませておきます。
元肥の分解には時間がかかるので、植えつけの2週間前までには入れておく、という説明があります。肥料を入れてすぐに植えると、分解の途中で根が傷むことがあるからです。待つ期間は説明によって違います(あとで書きます)。
手順3:マルチを張る
元肥を入れた畝には、マルチ(畝の表面をおおうシート)を張っておきます。マルチを早めに張っておくと、中で肥料の分解が進み、地温も少しずつ上がっていく、と説明されます。
マルチは、土の表面にぴったり密着させて張ります。すそは土の中にしっかり埋めこんで、風で飛ばされないようにします。土とのあいだにすき間があると、保温や保湿、雑草を防ぐ効果が十分に出ません。
手順4:元肥が間に合わないときは「穴肥」
土作りが間に合わなかった場合は、植える穴だけに肥料を入れる方法(穴肥)があります。
- 植え穴を、ポットより深く掘る
- 穴の底に肥料を入れる
- その上に、肥料の入っていない土をかぶせてふたをする
- その上に苗を植える
肥料が直接根にふれないようにするのがポイントです。ただし、この方法は、植えたばかりのころは根が肥料に届かず、育ちが進んで根が広がったころには、まわりに肥料が少ない、という弱点があります。追肥をタイミングよく行う必要がある、と説明されます。
手順5:苗を選ぶ
苗を買うときは、次のところを見ます。
- 茎が太く、葉と葉のあいだが短い。全体にずんぐりした形のもの
- ひょろっと細長く伸びた(徒長した)苗は避ける
- 葉に虫食いや病気のあとがないもの。葉の裏も見る
- 同じ値段なら、ポットの大きいもの(土が多く、根もよく張っている)
- ポットの土が乾きすぎていないもの
葉に、白っぽいまだら模様のようなあとがついている苗は、寒さで傷んだ(低温障害)可能性があります。軽いものなら、その後暖かくなれば問題ないことが多い、と説明されます。ひどいものは避けて、ほかの苗を選んでください。
手順6:接ぎ木苗にするか決める
苗には、「自根苗(じこんなえ)」と「接ぎ木苗(つぎきなえ)」があります。接ぎ木苗は、病気に強い別の株(台木)に、育てたい野菜をつないだ苗です。根元に、つなぎめを留めるクリップがついているので見分けられます。
接ぎ木苗は少し値段が高いですが、病気や害虫に強いので、おすすめされることが多いです。
手順7:植える前に、苗に水を吸わせる
植えたばかりの苗は、根がまだ畑の土になじんでいないので、すぐには水や養分を吸えません。だから、植える前にポットの土全体に水を吸わせておくことが大切です。
- ポットごと水に30分ほどつけておく
- 時間がなければ、植え穴に水を注ぎ、水が引いてから植える
手順8:深さを合わせて植える
植え穴にポットごと入れてみて、ポットの土の高さと畝の土の高さが同じくらいになるように、穴の深さを調整します。
深く植えすぎると、水がたまりやすくなります。接ぎ木苗の場合は、つなぎめを土に埋めないようにします。深く埋めると、台木のほうから芽が出てくることがあるからです。
手順9:すき間なく土を寄せ、水をたっぷり
苗を植えたら、まわりから土を寄せて、すき間が残らないように手でしっかり押さえます。根のまわりにすき間があると、根が乾いたり、土になじみにくくなったりします。
植えたあとは、もう一度たっぷり水をやります。ポットの中にあった根が、畑の土へ早く伸びていく(根づく)のを助けます。
手順10:風と寒さから守る
植えたあと、強い風や寒い日が続くようなら、防虫ネットで囲んだり、あんどんを作ったりして、苗を守ります。5月になると寒さはあまり気にしなくてよくなりますが、強い風が吹くことはあります。仮の支柱を立てて、苗が風で揺さぶられないようにしておくと安心です。
きゅうりやすいかの畝は、浅めに耕す
きゅうりやすいかは、浅いところに根を張る野菜です。そのため、深く耕すより、浅めに耕したほうが肥料が効きやすい、という説明があります。
畝の高さは10cmくらい、水はけの悪い場所なら15cmくらいと少し高めにして、黒いマルチを張って植えつけを待つ、という例があります。土作りは、遅くとも4月の中旬までに済ませておく、と説明されます。
きゅうりの苗の選び方
きゅうりの苗は、次のようなものを選ぶとよい、という説明があります。
- 葉と葉のあいだ(節と節のあいだ)が開きすぎていない
- 葉の緑が濃く、厚みがある
- 本葉が3〜4枚出ている
初めて育てる方には、接ぎ木の苗がおすすめ、という説明もあります。
植えたら、すぐに支柱で支える
なすやピーマンは、植え終わったら株元に水をたっぷりやり、すぐに支柱を立てて、苗と支柱をひもで結んでおく、という手順が紹介されています。植えたばかりの苗は、風で揺れると根が切れやすいので、早めに支えてあげることが大切です。
きゅうりやすいかの虫よけ
4月の後半になると、きゅうりやすいかの葉を食べるウリハムシが出てきます。植えたばかりの小さな苗は、葉を食べられると一気に弱ってしまいます。
植えたあとは、防虫ネットやあんどんで苗を囲んでおくと、寒さよけと虫よけの両方に役立ちます。とうがらしを焼酎に漬けた液を、虫よけとして使う例も紹介されています。
4月の畑仕事
夏野菜の準備のほかにも、4月にやっておきたい作業があります。
自分で育てている苗の世話
2月や3月にタネをまいて苗を育てている方は、苗の世話が続きます。小さな育苗トレーで育てている苗は、そのままだと栄養が足りなくなるので、途中で大きめのポットに移します。
苗を育てる期間の目安は、トマトで2か月ほど、きゅうりは40日ほどと短め、という説明があります。植える日から逆算して、苗の大きさを見ながら世話を続けてください。
じゃがいもの芽かき
2月や3月に植えたじゃがいもから、芽がたくさん出てきます。芽が多すぎると、いもが小さくなるので、元気な芽を残して、ほかの芽をかき取ります。3本ほどに減らす、という説明があります。
玉ねぎの管理
秋に植えた玉ねぎは、春になると大きく育ってきます。この時期は、追肥を控える、という説明があります。
葉が2つに折れたようになっていたり、病気が出ていたりする株は、早めに抜いて処分します。また、畑が水びたしにならないよう、水はけにも気をつけましょう。
ねぎの苗を植える
春は、ホームセンターなどでねぎの苗が売られる時期です。ねぎは、ほかの野菜とは植え方が違います。
- ほかの野菜:畝を高くして、そこに植える
- ねぎ:溝を深く掘って、その中に植える
ねぎが伸びてきたら、まわりの土を少しずつ寄せていきます。土寄せをくり返すと、土に埋まった白い部分が長く育ちます。植えたときに土を厚くかけすぎると病気が出やすくなるので、最初の土は薄めにする、という説明があります。
さつまいもの畝は、肥料を入れずに
さつまいもは、肥料を入れすぎると、葉やつるばかりが茂って、いもが育ちにくくなる(つるぼけ)ことがあります。さつまいもの畝は、肥料を入れずに耕して、畝を立てる程度にしておく、という説明があります。
夏野菜以外の植えつけ
夏野菜の注意は、4月にはすべての野菜を植えてはいけない、という意味ではありません。春のキャベツやブロッコリー、ねぎ、アスパラガスなど、4月に植えたり世話をしたりする野菜もあります。里芋やしょうがの芽出しを始める人もいます。育てる野菜ごとに、時期を確かめてください。
失敗の見分け方
植えた翌朝、苗の葉がしおれて黒っぽくなっていた
霜に当たった可能性があります。霜に当たった夏野菜は、回復しないことが多いです。苗を植え直す場合は、次は気温が上がってから植えるか、あんどんやトンネルで守ってください。
枯れはしないが、なかなか大きくならない
夜の冷え込みで根の張りが悪くなっているか、まだ根づいていない可能性があります。暖かくなるとともに育ちはじめることもあるので、しばらく様子を見てください。
植えた苗が、風で倒れていた
植えたばかりの苗は、根が浅いので風で倒れやすいです。仮の支柱を立てて、ひもでゆるく結んでおきましょう。風が強い日は、防虫ネットなどで囲むのも効果があります。
植えたあと、葉の色が悪くなった
元肥を入れてすぐに植えて、分解の途中で根が傷んだ可能性があります。次からは、植える日の2週間前までに元肥を入れておきましょう。
接ぎ木苗の根元から、違う芽が出てきた
接ぎ木のつなぎめを土に埋めてしまい、台木のほうから芽が出てきた可能性があります。台木から出た芽は、見つけたら早めにかき取ってください。
説明が分かれていること
いつから植えてよいか
- 守るものなしで植えるなら、5月の連休前後まで待つ、という説明
- 4月下旬から植えはじめ、遅れると収穫の始まりも遅れる、という説明
地域や、守る道具を使うかどうかで変わります。「4月は絶対にだめ」「4月なら誰でも大丈夫」のどちらでもなく、自分の地域の気温と、使える道具で決めてください。
苗をいつ買うか
- まだ買わずに、植える時期になってから買う、という考え方
- 人気の品種は売り切れるので、早めに買って手元で育てる、という考え方
早めに買う場合は、まだ花がついていない若い苗を選び、植える日まで世話をする手間がかかります。
トマトの「寒さ」の目安
- 最低気温が10度くらいないと育ちが進まない、という説明
- 最低気温が8度を上回っていれば植えられる、8度未満が5日以上続くと危ない、という説明
育ちが進むかどうかの話なのか、植えてよいかどうかの話なのかで、数字の意味が違います。どちらも、昼ではなく夜の気温を見る、という点は共通しています。
元肥を入れてから、どれくらい待つか
- 植えつけの2週間前までに入れる、という説明
- 理想は2週間以上、最低でも1週間は空ける、という説明
- トマトは3週間くらい前に入れる、という説明
入れる肥料の種類や量によって変わります。迷ったら、早めに入れておくのが安心です。
守る道具を使えば大丈夫か
- トンネルと不織布で守っていても枯れた、という経験
- 守る道具の中の苗が、0度の予報の夜を越えた、という試験
どちらも本当にあったことです。道具は失敗の可能性を下げるもので、なくすものではない、と考えてください。
植えるとき、根をほぐすか
- なすの苗で、ポットの中で巻きすぎた根を少しほぐしてから植える、という説明
- 白菜の苗で、根を切ると成長が止まるので、ほぐしたり切ったりしない、という説明
野菜も季節も違う話です。根をやさしくほぐすことと、根を切ることは同じではありません。根がポットの形にがちがちに固まっているときだけ、底のほうを軽くほぐす、くらいに考えておくのが無難です。
植えたあとの水やり
- トマトは、植えるときと植えた直後に水をたっぷりやり、そのあとは控えめにする、という説明
- 秋の白菜は、根づくまで朝か夕方に水を切らさない、という説明
これも、野菜と季節で条件が違います。春の夏野菜は、植えたときにたっぷりやったら、あとは土の乾き具合を見て、という考え方でよいと思います。
よくある質問
Q. 暖かい地域でも、5月まで待ったほうがいいですか?
A. 暖かい地域では、もう少し早く植えられることもあります。大切なのは、カレンダーの日付より、その年のその地域の夜の気温です。近くの園芸店や、ご近所で畑をしている人に、このあたりではいつごろ植えているかを聞いてみるのが確かです。
Q. 4月に苗を買ってしまいました。どうすればいいですか?
A. 植える時期まで、手元で育てておきましょう。日当たりのよい場所に置き、寒い夜は家の中や軒下に取り込みます。土が乾いたら水をやります。ポットが小さくて根が回ってきたら、ひと回り大きなポットに移すと、植えるまで元気に保てます。
Q. 天気予報の最低気温が5度なら、霜は降りませんか?
A. 天気予報の気温は、地面から少し離れた高さで測っています。晴れて風のない夜は、地面の近くがそれよりずっと冷えるので、予報の最低気温が0度より高くても、畑に霜が降りることがあります。4月に植えるなら、霜の注意報も確かめてください。
Q. あんどんは、何で作ればいいですか?
A. ごみ袋や肥料の袋の底を切って筒にし、苗のまわりに支柱を4本ほど立てて、そこに袋をかぶせて囲みます。上は開けておきます。暖かくなってきたら、中が暑くなりすぎないように外してください。
Q. 苗を植えるのは、朝と夕方のどちらがいいですか?
A. トマトの植えつけを朝に行う、という説明があります。植えたあとに、その日のうちに根が落ち着く時間がとれるからです。ただし、真夏の暑い時期や、植える野菜によっては夕方がよいという説明もあります。春の夏野菜なら、暖かい日の午前中が無難です。
Q. 植えたあと、毎日水をやったほうがいいですか?
A. 植えた直後にたっぷり水をやったら、そのあとは土の乾き具合を見て水をやります。ただし、植えてすぐの乾燥には気をつけてください。トマトは、水やりのいちばんよいタイミングは朝、という説明があります。
Q. 接ぎ木苗と自根苗、どちらがいいですか?
A. 病気に強くしたいなら接ぎ木苗、値段をおさえたいなら自根苗です。同じ場所で同じ仲間の野菜(トマトやなすなどのナス科)を続けて育てている畑なら、接ぎ木苗を選ぶと安心です。
Q. きゅうりは、いつごろタネをまけばいいですか?
A. きゅうりは、苗を育てる期間が40日ほどと短めです。植えたい日から逆算して、タネをまく日を決めましょう。タネの袋には、まく時期と、育つのに適した温度が書いてあるので、まずは袋の裏を読んでみてください。
Q. 4月にタネを直接畑にまける野菜はありますか?
A. 野菜の中には、苗を育てて植え替えるのに向かず、直接畑にまくほうがよいものがあります。大根やにんじんのように、太い根がまっすぐ下に伸びる野菜(直根タイプ)です。春にまける品種もあるので、タネの袋で時期を確かめてください。
Q. トマトのわき芽は、いつ取ればいいですか?
A. わき芽を取ると、その切り口から雑菌が入りやすくなる、と説明されます。わき芽かきは、切り口が早く乾くように、晴れた日に行うのがおすすめです。植えたばかりの苗は、まず根づくのを待ってから、わき芽の世話を始めましょう。
Q. 苗を育てる土は、何を使えばいいですか?
A. 小さなトレーにタネをまくときは「種まき用の土」、大きめのポットに移すときは「育苗用の土」と、専用の土を使い分ける例があります。どちらもホームセンターで売られています。土は、使う前に少し湿らせておくと、扱いやすくなります。
Q. プランターでも、5月まで待ったほうがいいですか?
A. プランターは動かせるので、寒い夜は家の中や軒下に取り込むことができます。そのぶん、畑より少し早めに始めやすいのが強みです。ただし、外に出しっぱなしにするなら、畑と同じように夜の冷え込みに気をつけてください。
学ぶ🔬 4月の畑で起きていること
ここからは、4月の畑で起きていることのしくみを、少しだけ深く書いておきます。読み飛ばしても大丈夫です。
なぜ、地面の近くはより冷えるのか
晴れて風のない夜、地面は、昼のあいだにためた熱を、空に向かってどんどん逃がしていきます。これを放射冷却(ほうしゃれいきゃく)と呼びます。雲があると、雲が毛布のように熱を受け止めてくれますが、晴れた夜は、熱がそのまま空へ逃げていきます。
地面が冷えると、そのすぐ上の空気も冷やされます。気象台の気温は、地面から1.5mほどの高さで測っています。だから、地面のすぐ上は、予報で出る気温より低くなることがあるんです。苗の葉があるのは、まさにこの、いちばん冷える高さです。
「根づく」とは、どういうことか
ポットで育てた苗の根は、ポットの土の中でぐるぐると回っています。畑に植えたあと、この根が、ポットの外の畑の土に向かって伸びていくことを、「活着(かっちゃく)」、つまり根づく、と言います。
根づくまでのあいだ、苗は、ポットの中にあった根だけで水を吸っています。だから、植える前にポットの土に水をしっかり吸わせておくことや、根のまわりにすき間を作らないことが大切なんですね。寒いと根の伸びがゆっくりになるので、根づくまでの時間が長くなり、そのぶん苗は弱りやすくなります。
接ぎ木苗のしくみ
接ぎ木苗は、病気に強い、根の丈夫な株(台木)の上に、おいしい実をつける品種(穂木)をつないで作った苗です。
根は台木のものなので、土の中の病気に強くなります。実は穂木のものなので、育てたい品種の実がなります。それぞれのよいところを組み合わせた苗、というわけです。
だから、つなぎめを土に埋めてしまうと、穂木のほうからも根が出て、せっかくの台木の強さが活かせなくなったり、台木から芽が出てきたりすることがあります。植えるときは、つなぎめを土の上に出しておきましょう。
苗作りに向く野菜、向かない野菜
野菜の根には、大きく分けて2つのタイプがあります。
- 直根タイプ:大根のように、太い根がまっすぐ下に伸び、そのまわりに細かい根が出るもの
- ひげ根タイプ:細い根が、たくさん広がるもの
直根タイプの野菜は、苗を植え替えるときに太い根が傷むと、うまく育たないことがあります。だから、大根やにんじんは、畑に直接タネをまくのが基本です。
一方、トマトやなす、きゅうりなどは、苗を育てて植え替えることができます。苗作りをすると、小さな場所で水やりや虫よけがしやすく、いちばん大事な最初の育ちを守りやすい、と説明されます。
八十八夜は、昔の人の観察
「八十八夜の別れ霜」は、立春から数えて88日目ごろに、霜の季節が終わる、という昔からの言い伝えです。
昔の人は、天気予報がなかった時代に、毎年の霜の時期を観察して、この言葉を残しました。もちろん、地域や年によっては、もっと遅く霜が降りることもあります。それでも、夏野菜を植える時期を考えるときの、ひとつの目安になる言葉です。
黒いマルチで、地温が上がるしくみ
黒いマルチを張ると、地温(土の温度)が上がります。これには、2つの理由があります。
1つ目は、黒い色が太陽の光をよく吸収して、熱に変えるからです。黒い服を着ると、日なたで暑く感じるのと同じです。マルチが受け取った熱が、すぐ下の土に伝わります。
2つ目は、マルチが土の表面をおおって、水分が蒸発するのを防ぐからです。水は蒸発するときに、まわりから熱をうばいます。水分の蒸発が減ると、そのぶん土が冷えにくくなります。
夏野菜は、暖かい土が好きです。植える前からマルチを張っておくと、苗が植えられたときには、すでに土が暖まっている、というわけです。
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
4月の畑のポイントを、もう一度まとめておきます。
- 前倒しするのは苗を育てるほう。畑に植える日は、気温で決める
- 守るものなしで植えるなら、5月の連休前後が目安
- 4月は遅霜が降りることがある。霜が降りなくても、夜の冷え込みで根の張りが悪くなる
- 夏野菜は、昼の暖かさより夜の冷え込みを見る
- 苗を買う時期と、植える時期は分けて考えてよい。早く買うなら若い苗を
- 早く植えるなら、トンネル・不織布・あんどんで守る。ただし絶対ではない
- 元肥は植える2週間前までに。マルチは早めに張って、土に密着させる
- 苗は、ずんぐりして、虫食いや病気のあとがないものを
- 植える前にポットに水を吸わせ、深さを合わせ、すき間なく植えて、たっぷり水を
- じゃがいもの芽かき、玉ねぎの病気の株の処分、ねぎの植えつけも4月の仕事
4月は、5月の植えつけに向けた「準備の月」です。あわてて植えるより、畝と苗をしっかり整えておくほうが、夏の収穫につながります。焦らず、一つずつ進めていきましょう。
まずは、夏野菜を植える畝を決めて、元肥とマルチの準備から始めてみてください🍅
簡易温室
4月に苗を買ってしまったときの逃げ場になります。夜だけ入れて、朝出す。これができるなら前倒しも可能です。
トンネルビニール
遅霜と北風から守ります。連休までは、いつ冷え込んでもおかしくありません。
穴あきマルチ
4月のうちに張って、地温を上げておきます。土が温まっていないところに植えるのが、いちばんよくない。
牛ふん堆肥
植える2週間前に入れておくもの。4月は準備の月なので、ここが本番です。