【4月にまく・植える野菜】夏野菜の苗は、まだ買わないでください🌱
🗨️「暖かくなったし、そろそろ夏野菜だ」
🗨️「お店に苗が並んでるから、もう植えていいはず」
🗨️「去年、植えたあとに枯れてしまった」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
毎月の「今月まく・植える野菜」、4月号です。
そして今回は、前回と逆のことを言います。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきます。
★夏野菜の苗は、4月にはまだ買わないでください。
前回、「夏野菜は前倒しの時代」と書きました。あれは本当です。でも★前倒しするのはタネまきのほうで、畑に植えるのは急いではいけません☺️
📖 この記事の目次
前倒しするもの、しないもの
育苗と定植は、別のもの
矛盾しているように聞こえますよね。順に整理します。
★タネまき・育苗 … 前倒しする
- 場所は室内や簡易温室
- ★温度をこちらが決められる
- 冷えたら取り込める
★定植(畑に植える) … 急がない
- 場所は外
- ★遅霜と、夜の低温にさらされる
- 一度植えたら動かせない
違いは★「温度を自分で決められるかどうか」です。
室内なら、寒い日は取り込めます。畑に植えてしまったら、その夜の気温をそのまま受けるしかありません。
だから3月は種まき、5月が植え付け
流れにするとこうなります。
- 2月末〜3月 … タネをまく(室内)
- 3月〜4月 … 苗を育てる(簡易温室)
- ★5月・ゴールデンウィーク前後 … 畑に植える
前倒しできるのは前半だけ。★後半の日取りは、気温が決めます。
①4月に植えると、枯れます
★霜は、0℃でなくても降りる
4月に植えていちばん多い失敗が、遅霜です。
ここで大事な数字があります。
★霜は、気温3℃前後で発生しやすいんです。
0℃を下回ったら霜、と思っている方が多いのですが、違います。天気予報が「最低気温3℃」と言っている日でも、畑には霜が降ります。
理由は、★天気予報の気温は地上から1.5mほどの高さで測っているからです。地面のすぐ上は、それより冷えます。晴れて風のない夜は、地表の熱が空へ逃げていく。だから畑は予報より寒い。
トンネルをしても、やられるときはやられる
私が読んだ農家さんの話で、印象に残っているものがあります。
★ビニールトンネルをかけて、さらに不織布も敷いていたのに、ズッキーニの苗が枯れた。
二重にしてもだめだった、という話です。4月の寒さは、それくらい侮れません。
「花冷え」「寒の戻り」という言葉があります。桜が咲くころに急に冷える。昔から名前が付いているということは、★毎年起きるということです。
②★もっとこわいのは、枯れないほうです
根が浅くなる
枯れれば、失敗したと分かります。植え直せます。
こわいのは、★枯れずに生き残ったけれど、根が浅くなっている場合です。見た目は普通に育っているので、気づきません。
なぜそうなるのか。ここが面白いところです。
★野菜は、最低気温を見ている
野菜が見ているのは、最高気温ではありません。
★トマトは、最低気温が10℃ないと成長しません。
ナス、ピーマンなどのナス科も、だいたい同じです。昼に25℃まで上がっても、夜が8℃なら、トマトは動けません。
そして★4月は、九州以外のほとんどの地域で、最低気温が10℃を下回ります。九州でも、山のほうは下回ります。
苗の気持ちで考えてみる
4月の午前中に植えられた、トマトの苗になったつもりで考えてみてください。
★昼
「あたたかいな。よし、伸びよう」
★その夜
「寒い。想像よりずっと寒い。時期を間違えたかもしれない」
★次の判断
「このままだと枯れるかもしれない。★枯れる前に、子孫を残しておこう」
★結果
花芽をつけはじめます。
★花に切り替わると、根が止まる
植物の成長には、2つのモードがあります。
- ★栄養成長 … 根・茎・葉を大きくする
- ★生殖成長 … 花を咲かせ、実をつけ、タネを残す
寒さで「危ない」と判断した苗は、★栄養成長から生殖成長へ切り替えます。
そうすると、根を伸ばす作業が止まります。まだ体ができていないのに、子孫づくりを始めてしまう。
★根が浅い株は、吸える水も養分も少ない。だから夏になって本気で実をつける時期に、力が足りません。収穫量が減ります。
★4月に植えた1日が、7月の収穫に響く。これが「見えない失敗」です。
★じゃあ、なぜ店には並んでいるのか
悪意はありません
ここは、多くの方が引っかかるところだと思います。
「植えちゃいけないなら、なぜ4月から売っているの?」
答えは単純で、★早く植えたい人の需要に応えているだけです。
- トンネルをかけて温度を管理できる人
- ハウスを持っている農家さん
- 去年うまくいったから今年も早めに、という経験者
そういう方には、4月の苗は必要です。★売ること自体は間違っていません。
危ないのは「売っているから大丈夫」
問題は、★はじめて野菜を育てる方が「店に並んでいるのだから、今が植えどきなのだろう」と受け取ってしまうことです。
これはとても自然な受け取り方です。私も最初の年、まったく同じことを考えました。
そして枯らして、「野菜づくりは難しい」と思ってやめてしまう。★いちばんもったいないのが、これです。
良心的なお店もあります
「4月には夏野菜の苗は売りません」と張り紙を出しているお店もあるそうです。
★4月はまだ寒いので、植えても失敗するリスクが高い。5月になったら買いに来てください、と。
もし近所にそういうお店があったら、大事にしてください。
どうしても4月に植えたいなら
道具で守る
事情があって早く植えたい場合は、方法があります。
- ★ホットキャップ … 育苗用の透明な帽子。1株ずつ、ぽんとかぶせる
- ★ビニールトンネル … うね全体を覆う。4月に植えるなら必須
- ★肥料の袋をかぶせる … 現場の工夫です。底を切って、上からかぶせる
トンネルを張るほど広くない、という方にはホットキャップが向いています。
最速ラインは「4月中旬+トンネル」
これらを使ったうえで、★4月中旬が最速です。
そして、★手間をかけたくないなら5月から。これで何も問題ありません。
★1〜2週間の遅れは、根がしっかり張るぶんで、あとから追い越します。急がば回れが、そのまま当てはまります。
4月にやること、5つ
1位:★うね作りとマルチ張り
いちばん大事なのがこれです。
5月に植えるための場所を、4月のうちに作っておきます。
- うねを立てる
- ★肥料を入れるなら、植え付けの2週間前までに
- 黒マルチを張って、地温を上げておく
★肥料を入れてすぐ植えてはいけません。有機の肥料は分解に時間がかかり、その2〜3週間は土の中で熱やガスが出ます。ここに根を入れると傷みます。
先に済ませておけば、5月は「植えるだけ」になります。
2位:育苗の続き
2月末にまいた苗が育っています。
- 混んできたら間引く
- ★株間を浅く耕して土を寄せる(中耕)
- 本葉3〜4枚でポットへ移す
- ★水やりは必ず朝
このあたりは前にくわしくお話ししました。★4月は「苗をがっしりさせる最後の1か月」です。
3位:じゃがいもの芽かきと土寄せ
2月に植えたじゃがいもが伸びています。
- 芽は★2〜3本に絞る
- ハサミは★株ごとに除菌する
- ★4月中旬にマルチを外す
とくに最後がこの月の要です。★黒マルチの下は気温より5〜10℃高くなります。じゃがいもの適温は20〜25℃なので、4月中旬にはもう暑すぎます。
4位:玉ねぎ・にんにくの草取り
★追肥はもう終わりです。3月頭の止め肥が最後でした。
4月にやるのは草取りだけです。玉ねぎは根が浅いので、草に場所を取られると負けます。マルチを張っていても、植え穴から生えてきます。
手で1本ずつ抜いてください。道具で削ると、玉ねぎの根まで切ります。
5位:★きゅうりのタネまき
最後は、私がおすすめしたい作り方です。
★きゅうりは、4月・5月・6月と3回に分けてまいてください。
そうすると、★秋まで収穫が続きます。
なぜ3回に分けるのか
きゅうりは、育つのが早いかわりに、株の寿命が短い野菜です。夏の後半になると、うどんこ病が出て弱ってきます。
1回しか植えていないと、そこで終わりです。
でも★3回に分けてまいておくと、1株目が弱ってきたころに2株目が穫れはじめます。★バトンタッチできるんです。
すると、うどんこ病に悩む時間そのものがなくなります。
★品種の強さで勝つのではなく、栽培の組み方で勝つ。これは無農薬でとても有効な考え方です。前に、とうもろこしを3月に植えて虫の時期をずらす話をしました。あれと同じ発想です。
4月は「準備の月」
この記事の要点
- ★夏野菜の苗は、4月にはまだ買わない
- 前倒しするのは★タネまき・育苗。★定植は急がない
- 違いは★温度を自分で決められるかどうか
- ★霜は0℃でなくても降りる。気温3℃前後で発生しやすい
- 天気予報の気温は★地上1.5mの高さ。地面のすぐ上はもっと冷える
- ★トンネル+不織布の二重でも枯れることがある
- ★こわいのは枯れないほう。★根が浅くなって、その後ずっと響く
- ★トマトは最低気温が10℃ないと成長しない
- 4月は★九州以外のほとんどの地域で最低気温が10℃を下回る
- 寒さで「危ない」と判断した苗は★生殖成長に切り替えて花芽をつける → 根が止まる
- ★店に並ぶのは、早く植えたい人の需要に応えているだけ。悪意はない
- 危ないのは★「売っているから大丈夫」と受け取ること
- 早く植えるなら★ホットキャップ/トンネル/肥料袋。最速は★4月中旬+トンネル
- ★適期は5月・ゴールデンウィーク前後
- 4月にやること=★うね作りとマルチ/育苗の続き/★じゃがいもの芽かきと土寄せ/草取り/きゅうりのタネまき
- ★肥料は植え付けの2週間前までに入れる
- ★マルチは4月中旬に外す
- ★きゅうりは4月・5月・6月と3回に分けてまくと秋まで穫れる
- ★品種の強さではなく、栽培の組み方で勝つ
全部やろうとしなくて大丈夫です。まずはカレンダーの5月の連休に「夏野菜を植える」と書いて、4月は場所づくりに使ってください。それだけで、今年の夏が変わります🌱
次回は、その植え付けの話。苗をどう選んで、どう植えると、根が早く張るのかをお話しします🍅
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
簡易温室
4月に苗を買ってしまったときの逃げ場になります。夜だけ入れて、朝出す。これができるなら前倒しも可能です。
トンネルビニール
遅霜と北風から守ります。連休までは、いつ冷え込んでもおかしくありません。
穴あきマルチ
4月のうちに張って、地温を上げておきます。土が温まっていないところに植えるのが、いちばんよくない。
牛ふん堆肥
植える2週間前に入れておくもの。4月は準備の月なので、ここが本番です。


