苗がひょろひょろになるのは、間引きが遅いからです🌱 中耕という作業
🗨️「芽は出たのに、ひょろひょろで倒れる」
🗨️「間引くのが、かわいそうでできない」
🗨️「水やりは、朝でも夜でも同じでしょ?」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
前に、苗づくりのコツは3つだけ、という話をしました。冷蔵庫の上で発芽させて、簡易温室で育てて、油かす液肥を使う。
あれは★「どうやって芽を出させるか」の話でした。
今日はその続きです。★芽が出たあと、どうやってがっしりさせるか。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきます。
★苗がひょろひょろになるのは、間引きが遅いからです。
肥料でも、日当たりでもありません。混んでいることが原因です☺️
①間引きは、遅らせない
間引かないと、3つのことが起きる
間引きは、いちばんやりたくない作業です。せっかく出た芽を抜くわけですから。
でも、遅らせるとこうなります。
★1. 根張りが良くならない
土の中では、根も場所を取り合っています。隣の株と根が絡んでいる状態では、どちらも十分に広がれません。
★2. 通気性が悪くなり、病気の原因になる
葉が密集すると、風が通りません。湿気がこもったところは、カビの温床です。
★3. 日当たりの差で、徒長する株が出る
これがいちばん大きいです。
★混んでいると、光の奪い合いになる
植物には、隣の葉に日陰にされると★「もっと上へ伸びなければ」と反応するしくみがあります。
上に伸びる。その結果、茎が細く長くなる。これが徒長です。
つまり★徒長は、光が足りないから起きるのではなく、隣に負けているから起きます。
日当たりのいい窓辺に置いていても、セルトレイの中で混み合っていれば、その中で日陰になっている株が出ます。★場所の問題ではなく、密度の問題です。
1回目に間引くところ
最初の間引きでは、こういうところを優先します。
- ★混雑しているところ
- ★同じ穴から2本出ているところ
まず、★同じ場所から出ているものを1本にする。ここが最優先です。
タネをまくときに間隔をあけたつもりでも、どうしても2本出てしまう場所があります。そこを先に片づけます。
★残す株の選び方
残すのは、こういう株です。
- ★虫食いがない
- ★しっかり太くて、立派に育っている
- 葉の色が濃い
そして、★徒長したものは省きます。
ここで迷う方が多いのですが、★背が高いものが優秀なのではありません。むしろ逆です。★背が低くて、太くて、がっしりしているほうが良い苗です。
間隔は2cm
セルトレイやすじまきの場合、★2cm間隔になるように間引いていきます。
ひとつだけ注意点があります。★引っぱると、隣までつられて抜けます。
根が絡んでいるので、よくあります。私は残したい株のほうを指で押さえながら、抜きたい株を引くようにしています。心配なら、★ハサミで根元を切ってしまってもかまいません。
②中耕 ── いちばん知られていない作業
間引いたら、そのまま土をほぐす
中耕(ちゅうこう)という言葉を、聞いたことがあるでしょうか。
私は5年目くらいまで知りませんでした。★間引きとセットでやる作業です。
やり方は簡単です。
- ★株と株のあいだを、3〜4cmの深さで浅く耕す
- ★手でサクサクと、小刻みに
- 道具は要りません
★株元は耕さない
ひとつだけ、守ってほしいことがあります。
★株元は耕さないでください。
根が張っているのは株のすぐ下です。ここに指を入れると、育っている根を切ってしまいます。★あくまで、株と株のあいだだけです。
なぜ効くのか
土をほぐすだけで、3つのことが起きます。
- ★水はけが良くなる
- ★酸素を吸収しやすくなる
- ★根張りが良くなる
意外に思われるかもしれませんが、★根も呼吸しています。土が固まって空気が入らないと、根は息ができません。水をやりすぎると根が腐るのは、水そのものが悪いのではなく、★水が土の空気を追い出してしまうからです。
中耕は、土に空気の通り道を戻す作業です。
★間引き+中耕=病気予防
そして、この2つをセットでやると意味が変わります。
- 間引き → 地上の風通しが良くなる
- 中耕 → 地下の空気の通りが良くなる
★上も下も風通しが良くなるので、そのまま病気の予防になります。
農薬を使わない畑では、これがとても大きいです。★病気は、治すより起こさないほうがずっと簡単です。
③土寄せ ── 1cmで、倒れなくなる
中耕と、同時にやる
中耕でほぐした土を、そのまま株元に寄せます。
- ★両サイドから、株元へ
- ★やや少なめに、1cmほど
- 埋めてしまわないように
たった1cmです。それだけで、変わります。
なぜ倒れなくなるのか
苗が倒れる原因は、たいてい★根元のぐらつきです。
細い茎が地面から立ち上がっているところ。ここが風で揺すられ続けると、根の周りに隙間ができて、そこからぐらつきはじめます。
★株元に少し土を寄せておくと、この付け根が支えられます。1cmでも、支点が変わるので効きます。
★強い風に耐えられるようになりますし、安定するぶん根も張りやすくなります。
本葉が出たら、思い出すこと
前にお話ししたとおり、★本葉が出はじめるということは、タネの栄養を双葉が全部使い切ったということです。
ここから先は、外から栄養をもらうしかありません。かといって化成肥料をどんと入れると、一気に伸びて徒長します。
★油かす1に対して水9で薄めた液肥。だいたい1000倍。これをうすく続けるのが、いちばん失敗が少ないやり方です。
④★水やりは、必ず朝
時間帯で、結果が変わる
水やりは、いつやっても同じだと思っていました。違いました。
★育苗の水やりは、必ず朝にやってください。
朝がいい理由
★朝にやった水は、その日の光合成にそのまま使われます。
植物は、日が昇っている時間に光合成をします。そのとき水が必要です。朝のうちに水があれば、1日ぶんまるごと使えます。
日中がいけない理由
日中にやると、こうなります。
- ★簡易温室やトンネルの中が高温になっているところに水が入り、蒸れる
- ★夕方まで水分が残りすぎて、過湿になる
とくに簡易温室の中は、春先でも日中30℃を超えます。そこへ水を足すと、蒸し風呂です。
★毎日やるものではない
もうひとつ、大事なことがあります。
★水やりは、必ず毎日やるものではありません。
「乾いたらやる」。これが原則です。土の表面を指で触って、乾いていたらやる。まだ湿っていたら、やらない。
★湿っている状態に何度も水をやると、根腐れします。
さきほど書いたとおり、根は呼吸しています。ずっと水びたしでは、息ができません。かわいがって毎日やった結果、根を窒息させてしまう。これは私も一度やりました。
水やりのついでに、見る
朝に水をやると決めておくと、★1日1回、必ず苗を見る時間ができます。
- 徒長しはじめていないか
- 葉に虫がついていないか
- 混んできていないか
★間引きのタイミングを逃さないためには、この見る時間がいちばん効きます。
ポットへ移すタイミング
本葉が3〜4枚になったら
セルトレイで育てた苗は、どこかでポットに移します。
★本葉が3〜4枚になって、株が落ち着いたころが目安です。
セルトレイの1マスは小さいので、そのまま置いておくと根が回りきってしまいます。根が行き場を失うと、そこで生育が止まります。
移すときのコツ
- ★土を湿らせてから抜く(乾いていると根がちぎれる)
- 下から押し出すようにして、根鉢を崩さずに取り出す
- ポットの土に穴をあけて、そのまま置いて、まわりを埋める
★根を洗ったり、ほぐしたりしないでください。この時期の根は細くて、触るだけで切れます。
移したあとは、★2〜3日は直射日光を避けて、風の当たらないところに置きます。移植は苗にとって手術のようなものなので、回復の時間が要ります。
芽が出たあとの、4つの作業
この記事の要点
- ★苗がひょろひょろになるのは、間引きが遅いから
- 間引かないと ★根張りが悪い/通気性が悪く病気/★日当たりの差で徒長
- ★徒長は光が足りないからではなく、隣に負けているから起きる
- 1回目は★混雑しているところ・同じ穴から2本出ているところを優先
- 残すのは★虫食いがなく、太くて立派なもの。★徒長したものは省く
- ★背が高いものが優秀ではない。★低くて太いほうが良い苗
- 間隔は★2cm。引くと隣までつられるので、★ハサミで切ってもよい
- ★中耕=株間を3〜4cmの深さで浅く耕す。手でよい
- ★★株元は耕さない(根を切る)
- 中耕の効果=★水はけ/★酸素の吸収/★根張り
- ★根も呼吸している。水のやりすぎは、水が土の空気を追い出すから悪い
- ★間引き(地上)+中耕(地下)=そのまま病気予防
- ★土寄せは1cmでいい。株元の付け根が支えられて倒れなくなる
- 本葉が出たら★油かす1:水9の液肥をうすく続ける
- ★★水やりは必ず朝。その日の光合成にそのまま使われる
- 日中は★高温のところに水が入って蒸れ、★過湿になる
- ★毎日やるものではない。「乾いたらやる」
- 朝の水やりは★1日1回、苗を見る時間になる
- ポットへ移すのは★本葉3〜4枚。★根鉢を崩さない。移植後2〜3日は日陰で休ませる
全部やろうとしなくて大丈夫です。まずは今週末、セルトレイをのぞいて、同じ穴から2本出ているところだけ1本にしてください。それが第一歩です🌱
次回は、春の植え合わせの話。何と何を隣に植えると、お互いに助け合うのかをお話しします🌿
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
プラグトレー128穴
1マスが小さいので置き場所を取りません。ただし根が回りきると生育が止まるので、本葉が3〜4枚になったらポットへ移します。移すときは土を湿らせてから、根鉢を崩さずに。この時期の根は触るだけで切れます。
油かす
本葉が出はじめたら、油かす1に対して水9で薄めた液肥を。約1000倍です。化成肥料と違って効き方がゆるやかなので、一気に伸びて徒長することがありません。臭わないタイプなら室内でも平気です。
簡易温室(ビニールカバー付き)
発芽したあと、そのまま外に置くと育ちません。3月の外気では生育適温に届かないからです。ただし日中は30℃を超えるので、水やりは必ず朝に。日中にやると蒸し風呂になります。
土壌温度計
タネ袋の適温は気温ではなく地温です。空気が20℃でも土の中は12℃ということがあります。土に挿すだけで分かるものが1本あると、「まだ早い」「もういける」の判断がつきます。
種まき培土
畑の土ではなく、専用の培土を使ってください。細かくて水はけがよく、雑草のタネや病原菌が入っていません。まくときは先に水をまいてから。逆にするとタネが浮いて流れます。


