がっしり苗の作り方|芽が出たあとの間引き・中耕・土寄せ・水やり・鉢上げのコツ
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
📖 この記事の目次
この記事で分かること
- 芽が出たあとの苗を、がっしり育てるための作業は、大きく4つ。間引き、中耕(ちゅうこう)、土寄せ、水やりです。
- 間引きをしないと、根の張りが悪くなり、風通しが悪くなって病気が出やすくなり、日の当たり方の差でひょろひょろの苗(徒長苗)も出てきます。
- 中耕は、株と株のあいだの土を浅くほぐす作業です。根に空気が届きやすくなり、根の張りがよくなります。
- 小さな苗には、株元に1cmくらいの土寄せをすると、ぐらつきにくくなります。
- 水やりは、朝がおすすめ。毎日決まってやるのではなく、土が乾いたらやります。
- 本葉が出て落ち着いたら、ひとまわり大きなポットに移す(鉢上げ)と、根がのびのび育ちます。
種をまいて、小さな芽がいっせいに顔を出したときは、本当にうれしいですよね。
でも、そのあと、「なんだかひょろひょろ伸びてきた」「倒れそうな苗がある」「隣どうしで混みあっている」と、心配になることも多いと思います。
安心してください。芽が出たあとのちょっとした作業で、苗は見ちがえるほどがっしりします。この記事では、芽が出たあとにやる4つの作業と、ポットに移すタイミングまで、順番に書いていきます。
早見:がっしり苗の基本(ひと目で分かる目安)
芽が出たあとの4つの作業
- 間引き:混みあったところ、同じ場所から2本以上出ているところを優先して抜く
- 中耕:株と株のあいだの土を、浅くほぐす。株元は耕さない
- 土寄せ:株元に、1cmくらい土を寄せて、苗を安定させる
- 水やり:朝にやる。土が乾いたらやり、乾いていなければやらない
いい苗のサイン
- 茎が太く、がっしりしている
- 背が低めで、葉と葉のあいだ(節間)がつまっている
- 葉の色が濃く、形がそろっている
徒長苗(ひょろひょろの苗)のサイン
- 茎が細く、ひょろっと長い
- 葉と葉のあいだが長く、すかすか
- 葉の色が薄い
- ちょっとした風で倒れる
徒長の主な原因
- 混みあっていて、光の奪い合いになっている
- 日当たりが足りない
- 水のやりすぎ
- 温度が高すぎる(特に夜)
- 肥料が多すぎる
育苗に使う道具と土
- セルトレイ:小さな穴がたくさん並んだトレイ。1つの穴に1〜2粒ずつまけて、たくさんの苗を同じ大きさに育てやすい
- ポット(育苗ポット):直径7.5〜9cmくらいの黒いポットがよく使われる。鉢上げや、大きめの苗を育てるのに
- 育苗箱:浅い箱に、すじまきしてたくさんの苗を育てる。玉ねぎやねぎの苗づくりに
- 種まき用の土:肥料が控えめで、水はけと水もちのバランスがよい。芽を出させる段階に向いている
- 培養土:肥料が入っていて、鉢上げのあとの苗を育てるのに向いている
- 霧吹き、じょうろ:芽が出るまでは霧吹き、芽が出たら細かいはす口のじょうろで
芽が出るまでの管理
がっしり苗は、芽が出たあとの管理で決まりますが、その前の、芽が出るまでの管理も大切です。
- 種をまいたら、土を乾かさないように、新聞紙や不織布をかぶせておく
- 芽が出始めたら、すぐにかぶせたものを外して、日に当てる
- ここで外すのが1日遅れるだけで、苗はひょろひょろに伸びてしまう
芽が出始めたかどうか、毎日のぞくようにしてください。芽が出た瞬間から、光に当てるのが、がっしり苗の第一歩です。
セルトレイとポット、どちらで育てるか
- セルトレイ:たくさんの苗を、場所をとらずに育てられる。苗の大きさがそろいやすい。ただし、1つの穴の土が少ないので乾きやすく、根がいっぱいになるのも早い
- ポット:土の量が多いので、乾きにくく、大きめの苗まで育てられる。場所はとる
たくさんの苗が必要な秋冬野菜や、玉ねぎ・ねぎなどはセルトレイや育苗箱、トマトやなすなど株数の少ない夏野菜はポット、というふうに使い分けると便利です。セルトレイで芽を出させてから、ポットに鉢上げする、という組み合わせもよく使われます。
作業の手順
ここからは、芽が出たあとにやる作業を、順番に書いていきます。
手順1:芽がそろったら、混み具合を見る
芽がそろって出てきたら、まず全体の混み具合を見ます。
- 同じ場所から、2本、3本とかたまって出ている
- 隣の苗と、葉がふれ合うほど近い
- まわりより、明らかに背が高く、ひょろっとしている苗がある
こうした状態なら、間引きの時期です。
間引きをしないでいると、苗どうしが光や水、養分を奪い合います。根の張りが悪くなり、葉が混みあって風通しが悪くなって、病気が出やすくなります。日の当たり方にも差が出て、陰になった苗がひょろひょろに伸びてしまうこともあります。
手順2:1回目の間引き
1回目の間引きでは、次のところを優先して抜きます。
- 同じ場所から2本以上出ているところ
- 混みあっているところ
苗どうしの間かくが、2cmくらいになるのが目安です(苗床にすじまきした場合)。
ただし、間引きは早すぎてもよくない、という説明もあります。芽が出たばかりの小さいうちは、まわりの苗と支え合いながら育つ(共育ち)ので、葉が少し重なり合うくらいになってから間引くといい、という考え方です。混み具合を見ながら、「葉がふれ合ってきたら」を目安にしてください。
手順3:残す株を選ぶ
間引くときは、どの苗を残すかが大事です。
残したい苗:
- 茎が太く、がっしりしている
- 葉の形がきれいで、色が濃い
- 背が低めで、葉と葉のあいだがつまっている
- 虫に食べられたあとがない
抜く苗:
- ひょろっと背だけ高い苗
- 葉の形がゆがんでいる、色が薄い苗
- 虫に食べられた苗
- 明らかに育ちが遅れている苗
背の高い苗のほうが元気そうに見えますが、ひょろっと伸びた苗は、がっしりした苗に比べて弱いことが多いです。迷ったら、茎がいちばん太くて、背の低い苗を残してください。それがいちばん丈夫に育つ苗です。見た目の大きさにまどわされないでください。見た目の大きさより、茎の太さと葉のようすで選んでください。
手順4:残す株を傷めない抜き方
間引くときは、残す株の根を傷めないように気をつけます。
- 抜く苗の株元を指でつまんで、まっすぐ上にそっと引き抜く
- 根がからみあっていて、抜くと隣の苗まで動いてしまうときは、はさみで根元を切る
- 抜いたあとは、残した苗の株元を軽く押さえて、ぐらつかないようにする
特に、玉ねぎやねぎのように苗が密集しているものは、引き抜くと隣の苗まで一緒に抜けてしまうことがあります。そういうときは、はさみで切るのが安全です。
手順5:2回目以降の間引き
苗が育つにつれて、また混みあってきます。葉がふれ合うようになったら、2回目、3回目と、少しずつ間引いて間かくを広げていきます。
一度に減らしすぎると、残した苗が風で倒れやすくなったり、乾きやすくなったりします。何回かに分けて、少しずつ減らすのがコツです。
大根やかぶのように、最終的に1本にする野菜も、一度に1本まで減らさず、3本、2本、1本と段階を踏んで減らしていきます。
手順6:中耕をする
間引きが終わったら、そのまま中耕をします。中耕とは、株と株のあいだの土を、浅くほぐす作業です。
- 株と株のあいだを、指や小さな道具で浅くほぐす
- 深くは掘らない。表面を軽くほぐす程度
- 株元は耕さない(根を傷めるため)
土の表面は、水やりや雨でだんだん固くなっていきます。固くなった土をほぐすと、土の中に空気が入りやすくなり、根が酸素を吸いやすくなって、根の張りがよくなります。
ただし、雨のあとなど、土が湿りすぎているときは、中耕は控えます。湿った土をいじると、かえって固まってしまうからです。
中耕のタイミング
中耕は、いつやってもいいわけではありません。
- 土の表面が固くなってきたとき
- 雨のあと、土が少し乾いてきたころ(湿りすぎているときは避ける)
- 間引きのついで
間引きをすると、抜いたあとに小さな穴があいて、まわりの土がゆるみます。そのついでに株間をほぐしておけば、作業が一度ですみます。
手順7:土寄せをする
中耕と同時に、株元に少し土を寄せます。
- ほぐした土を、苗の株元に寄せる
- 量は、1cmくらいで十分
- 成長点(いちばん上の、新しい葉が出てくるところ)は埋めない
芽が出たばかりの苗は、茎が細く、根元がぐらぐらしています。株元に少し土を寄せると、苗がしっかり立って、風で倒れにくくなります。
ただし、土を寄せすぎるのはよくありません。にんじんなど、成長点が株元に近い野菜は、埋めると育ちが止まってしまいます。ねぎも、苗の段階で土をかぶせすぎると、病気が出やすくなるという説明があります。1cmくらい、と覚えておいてください。
手順8:水やりは、朝に
苗の水やりは、朝にやるのがおすすめです。
- 朝にやると、日中の光合成にしっかり水が使われる
- 日中にやると、暑さで水が温まったり、土が水分過多になったりする
- 夕方にやると、夜のあいだ土が湿ったままになり、苗がひょろひょろ伸びやすくなる
そして大事なのが、毎日決まってやるものではない、ということです。
- 土の表面が乾いていたら、たっぷりやる
- 土が湿っていたら、やらない
水が多すぎると、土の中の空気が少なくなって、根が呼吸できなくなります。また、水がいつもたっぷりあると、苗はひょろひょろ伸びやすくなります。「乾いたらやる」というメリハリをつけると、根が水を求めて伸び、がっしりした苗になります。
手順9:水やりのついでに、苗を見る
水やりは、苗のようすを見るいい機会です。
- ひょろひょろ伸びている苗はないか
- 葉の色が薄くなっていないか
- 葉の裏に虫がいないか
- 混みあってきていないか
毎朝の水やりのついでに、苗の小さな変化に気づけると、早めに手を打てます。昨日と比べて背が急に伸びていないか、葉の色が変わっていないか。毎日見ていると、少しの違いにも気づけるようになります。
手順10:鉢上げをする
セルトレイや小さなポットで育てている苗は、本葉が出てきて落ち着いたら、ひとまわり大きなポットに植えかえます。これを「鉢上げ」と言います。
- セルトレイから、苗を土ごとそっと抜く
- ひとまわり大きなポットに、新しい培養土を入れて植えかえる
- 植えかえたら、たっぷり水をやる
- 植えかえた直後は、強い日差しを避けて、落ち着くまで半日陰に置く
小さな容器のままだと、根がいっぱいになって、苗の育ちが止まってしまいます。鉢上げをすると、根がのびのび伸びられるようになり、がっしりした苗に育ちます。
苗を移すときは、茎を持たずに、根鉢(根と土のかたまり)や葉を持つようにします。葉なら少し傷ついても、また新しい葉が出てきます。茎は細くて傷つきやすく、傷むとそこから先が育たなくなるからです。
野菜ごとの育苗のポイント
トマト
- 芽が出るには25〜30度くらいの暖かさが必要。春先は保温して芽を出させる
- 芽が出たら、日によく当てる。光が足りないと、すぐにひょろひょろになる
- 本葉が出てきたら、ポットに鉢上げする
- 苗を作る期間は、種まきから60日くらいが目安
なす・ピーマン
- トマトより高い温度が必要で、芽が出るのにも時間がかかる
- 苗を作る期間が80〜90日くらいと長いので、早めに種をまく
- 寒さに弱いので、夜の冷えこみに気をつける
きゅうり
- 育つのが早く、苗を作る期間は40日くらい
- 本葉が2〜3枚くらいで、畑に植えられる大きさになる
- 苗が大きくなりすぎると、植えたあとの根づきが悪くなるので、植え遅れないように
キャベツ・ブロッコリー・白菜
- 夏に苗を作るので、暑さ対策が大切。半日陰と風通しを
- 虫がつきやすいので、防虫ネットで囲う
- 間引いて1つの穴に1本にし、本葉4〜5枚で畑に植える
レタス
- 暑いと芽が出にくい野菜。夏まきなら、涼しい場所で芽を出させる
- 光を好む種なので、土はごく薄くかける
玉ねぎ・ねぎ
- 育苗箱やセルトレイに、すじまきや数粒まきで育てる
- 乾燥が苦手なので、特にセルトレイでは乾かしすぎない
- 混みあってきたら間引く。密集しているので、抜くと隣も抜けやすい。はさみで切るのが安全
- 葉が伸びすぎて倒れるようなら、先を少し切りそろえると、苗がしっかりする、という方法もある
鉢上げのくわしい手順
- 植えかえる前に、セルトレイやポットの苗に水をやって、土を湿らせておく(根鉢がくずれにくくなる)
- 新しいポットに、培養土を半分くらい入れておく
- セルトレイの底を指で押し上げるか、割りばしでそっと持ち上げて、苗を土ごと抜く
- 苗の葉や根鉢を持って、新しいポットのまん中に置く
- まわりに培養土を足して、根鉢の上の面が少しかくれるくらいにする
- ポットのふちを軽くトントンとたたいて、土を落ち着かせる
- たっぷり水をやり、数日は強い日差しを避けて半日陰に置く
鉢上げのあと、苗が少ししおれることがありますが、新しい土に根が伸びてくれば元に戻ります。
寒い時期の苗の保温
春先に夏野菜の苗を作るときは、寒さから守る工夫が必要です。
- 発泡スチロールの箱:保温力が高く、ふたをすれば夜の冷えこみから守れる
- 衣装ケースやプラスチックの箱:透明なものなら、ふたをしたまま日に当てられる
- 簡易温室:棚にビニールのカバーがかかったもの。ベランダにも置ける
- 育苗用の電熱マット:温度を一定に保てる。芽を出させるのに便利
どの方法でも、晴れた日の昼は中が暑くなりすぎるので、ふたやカバーを開けて換気してください。夜は閉めて保温する、という切りかえが大切です。
暑い時期の苗づくり
秋冬野菜の苗は、夏に作る
キャベツやブロッコリー、白菜などの秋冬野菜の苗は、真夏に作ることになります。夏は、苗にとって厳しい季節です。
- 風通しのよい、半日陰の場所に置く
- 西日が強く当たる場所は避ける
- 苗床やポットを、地面から少し浮かせて置くと、照り返しの熱を避けられる
- 遮光ネットで、強い日差しをやわらげる
夏の水やりは、乾き具合を見て回数を変える
夏は、朝に水をやっても、夕方にはからからに乾いていることがあります。ポットやセルトレイは、特に乾きやすいです。
夏の育苗では、朝夕の2回くらい水やりが必要になる、という説明もあります。朝にやるのを基本にして、夕方に土がからからになっていたら、もう一度やる、と考えてください。
苗を囲うなら、換気を忘れずに
寒い時期に苗を保温するためにビニールや衣装ケースで囲っている場合、晴れた日の昼は、中がとても暑くなります。芽が出たあとは、日中は開けて風を通し、夜は閉めて保温する、という切りかえを忘れないでください。閉めたままだと、苗が蒸れて、ひょろひょろに伸びてしまいます。
畑に植える前に、苗を外に慣らす
家の中や、囲いの中で育てた苗は、畑の強い日差しや風に慣れていません。植える1週間くらい前から、少しずつ外に出す時間を長くして、外の環境に慣らしておくと、植えたあとの根づきがよくなります。
- 最初の数日:日中の数時間だけ外に出す
- 慣れてきたら:日中はずっと外に、夜は取りこむ
- 植える直前:夜も外に出しておく(寒すぎない時期なら)
外に慣らすと、苗の葉が厚くなり、茎もさらにがっしりしてきます。
毎日の見回りチェックリスト
- 朝:土の乾き具合を見て、乾いていれば水をやる
- 朝:苗の背丈と茎の太さを見る。ひょろひょろの苗がないか
- 朝:葉の色と、葉の裏の虫を見る
- 晴れた日の昼:囲いをしているなら換気。夏は日差しが強すぎないか
- 夕方:夏は土がからからになっていないか。囲いは閉める
- 数日おき:混み具合を見て、必要なら間引きと中耕、土寄せ
慣れてくれば、毎朝数分で回れるようになります。小さな変化に早く気づけるのが、いちばんの上達のコツです。
失敗の見分け方
苗がひょろひょろに伸びた
- 混みあっている:間引いて間かくを広げる
- 日当たりが足りない:日当たりのよい場所に移す
- 水が多い:土が乾いてからやるようにする
- 温度が高い:特に夜、暖かすぎないようにする。囲いをしているなら換気する
苗が倒れる
- 茎が細く、ひょろっとしている:徒長の原因を取り除く
- 株元がぐらぐら:1cmくらい土寄せする
- 根元が細くくびれて、倒れて枯れる:苗立枯病(なえたちがれびょう)の可能性。水のやりすぎや、蒸れが原因になることが多い
葉の色が薄い・黄色い
- 光が足りない
- 本葉が出てきて、土の養分が足りなくなってきた
- 水のやりすぎで、根が弱っている
鉢上げの時期に来ているなら、新しい土に植えかえると元気になることがあります。
土の表面に、白いカビや緑の苔が生えた
水のやりすぎや、風通しの悪さで土がいつも湿っていると、土の表面にカビや苔が生えることがあります。水やりの回数を減らし、風通しのよい場所に置いてください。表面の土を薄くこそげ取って、新しい土を少し足すのもいい方法です。
苗が、みんな同じ方向に傾いている
窓辺で育てていると、苗が光の来る方向へ傾いて伸びることがあります。ときどき鉢やトレイの向きを回して、まんべんなく光が当たるようにしてあげてください。
間引いたら、残した苗まで倒れた
一度に間引きすぎたか、抜くときに残す苗の根を傷めた可能性があります。株元に土を寄せて軽く押さえ、苗を立たせてあげてください。次からは、少しずつ間引くようにしましょう。
説明が分かれていること
間引きは早めか、葉が重なってからか
- 混みあったところ、同じ場所から出ているところを優先して、こまめに間引く、という説明
- あまり早く間引くと、苗どうしが支え合って育つ効果が薄れるので、葉が重なり合うくらいになってから間引く、という説明
どちらも、混みあいすぎる前に間引く、という点は共通しています。芽が出てすぐに全部減らすのではなく、葉がふれ合ってきたら、少しずつ、と考えるといいと思います。
水やりは朝だけか、朝夕か
- 育苗の水やりは、必ず朝にする、という説明
- 夏のポット育苗は乾きやすいので、朝夕2回くらい必要、という説明
- 育った夏野菜なら、朝でも夕方でもいい、という説明
苗の大きさと、季節によって変わります。基本は朝。夏で乾きが早いときは、夕方にも土を見て、からからなら足す、と考えてください。
中耕は必要か
- 中耕をすると、根の張りがよくなり、病気の予防にもなる、という説明
- 必ずしも中耕しなくてもいい、という説明
土の表面がかたくなっているなら中耕を、ふかふかのままなら無理にしなくても大丈夫です。湿りすぎているときは、控えてください。
玉ねぎの苗の水やり
- 玉ねぎやねぎの苗は乾燥が苦手なので、水やりを忘れないように、という説明
- 根をぐんぐん育てたい時期は、枯れない程度に水を控える、という説明
季節や苗の育ち具合によって変わります。セルトレイなど乾きやすい容器では、乾かしすぎに気をつけてください。
植えたあとの水
- 植えたあとは、どんな野菜でも必ず水をやる、という説明
- 植えたあとの水やりは、しばらく控えめにする、という説明
雨が降るかどうか、土の湿り具合、苗が根づいたかどうかで変わります。植えた日はたっぷり、そのあとは乾き具合を見て、というのが無難です。
よくある質問
Q. 間引いた苗は、どうすればいいですか?
A. 大根やかぶ、小松菜などの間引き菜は、おいしく食べられます。やわらかくて、育った野菜とはまた違ったおいしさがあります。みそ汁やおひたし、炒めものにどうぞ。キャベツやブロッコリーなどの苗は、元気なものなら、別のポットに植えかえて育てることもできます。
Q. 間引くのがもったいなくて、つい残してしまいます
A. 気持ちはよく分かります。でも、混みあったまま育てると、どの苗も細く弱くなってしまいます。少ない苗をがっしり育てるほうが、結果的にたくさん収穫できることが多いです。
Q. 中耕に、道具はいりますか?
A. 苗が小さいうちは、指や割りばしで十分です。株が大きくなってきたら、小さな熊手や、移植ごてを使うと楽です。根を傷めないように、浅くほぐしてください。
Q. 苗が徒長してしまいました。もう手遅れですか?
A. 手遅れではありません。日当たりのよい場所に移し、水を控えめにすれば、そこからはがっしり育っていきます。夜の温度が高すぎないかも見直してください。少し徒長した苗は、ポットに移すときや畑に植えるときに、少し深めに植えて、茎の一部を土に埋めて安定させる方法もあります(接ぎ木苗では、つぎ目を埋めないように注意)。
Q. 苗に肥料はいりますか?
A. 育苗用の土には、最初から少し肥料が入っていることが多いので、芽が出てすぐには肥料はいりません。本葉が増えてきて葉の色が薄くなってきたら、鉢上げで新しい土に植えかえるか、薄い液体肥料を少し与えます。肥料が多すぎると、苗がひょろひょろ伸びる原因になるので、控えめにしてください。
Q. 苗が倒れて、根元が細くくびれていました
A. 苗立枯病の可能性があります。土の中の菌が原因で、根元が細くなって倒れ、枯れてしまう病気です。水のやりすぎや、蒸れた環境で出やすくなります。倒れた苗は取り除き、ほかの苗は水やりを控えめにして、風通しをよくしてください。次に種をまくときは、新しい種まき用の土を使うと安心です。
Q. 間引きには、どんな道具を使えばいいですか?
A. 小さな苗なら、指でつまんで抜くのがいちばん手軽です。抜く前に土を少し湿らせておくと、根が切れにくく、すっと抜けます。苗が密集していて指が入らないときは、ピンセットが便利です。根がからんでいて抜くと隣まで動いてしまうときは、先の細いはさみで根元を切ってください。道具を使うと、残す苗を傷めにくくなります。
Q. プランターに直接種をまきました。間引きは同じですか?
A. 基本は同じです。プランターは土の量が限られているので、混みあいすぎると、苗どうしの奪い合いが畑以上に激しくなります。最終的に育てたい株数を考えて、少しずつ間引いてください。間引いた葉物は、ベビーリーフとしてサラダにも使えます。
Q. 苗に液体肥料をやってもいいですか?
A. 本葉が増えてきて、葉の色が薄くなってきたら、薄めた液体肥料を少し与えてもかまいません。ただし、濃すぎたり、回数が多すぎたりすると、苗がひょろひょろ伸びたり、根を傷めたりします。袋に書かれた倍率より薄めにして、ようすを見ながら使ってください。鉢上げで新しい土に植えかえる方法もあります。
Q. 苗の数が多すぎて、全部は植えられません
A. 元気な苗を選んで植え、残りは家族や友人に分けたり、プランターで育てたりするのはどうでしょう。多めに作っておくと、植えたあとに虫や鳥にやられたときの予備にもなります。予備の苗も、ポットで元気に育てておきましょう。
Q. 種を多くまきすぎて、びっしり芽が出てしまいました
A. 一度に全部を間引くと、残した苗が倒れたり、根を傷めたりするので、何回かに分けて減らしていきます。最初は、はさみで根元を切って、混みあっているところを少しずつ減らすと安全です。次からは、まく量を減らすか、セルトレイで1つの穴に1〜2粒ずつまくと、間引きの手間が減ります。
Q. 苗を買ってきた場合も、この記事の作業は必要ですか?
A. 買ってきた苗は、すでに間引きや鉢上げがすんでいることが多いです。すぐに畑に植えるなら、植える前に外に慣らすことと、植える前の水やりだけで大丈夫です。ポットのまましばらく育てる場合は、水やりの考え方や、日当たり、風通しは、この記事と同じように気をつけてください。
Q. 苗の茎が、紫色っぽいのは大丈夫ですか?
A. トマトやなすなどは、品種によって、もともと茎が紫っぽいものがあります。また、寒さにあたったときに一時的に色が濃くなることもあります。葉が元気で、茎ががっしりしていれば、心配いりません。
Q. 苗が大きくなりすぎて、ポットからはみ出しそうです
A. 畑に植える準備ができていれば、早めに植えてしまいましょう。まだ植えられない場合は、ひとまわり大きなポットに鉢上げします。ポットの中で根がいっぱいになったまま置いておくと、苗が老化して、植えたあとの根づきが悪くなります。
Q. 苗の葉が、紫っぽくなりました
A. 寒さにあたったり、土の中のりん酸という養分が足りなかったりすると、葉が紫っぽくなることがあります。夜の冷えこみが強い時期なら、保温してあげてください。暖かくなっても戻らない場合は、鉢上げで新しい土に植えかえると、元気を取り戻すことがあります。
Q. 苗づくりに、どれくらいの日数がかかりますか?
A. 野菜によって大きく違います。きゅうりなら40日くらい、トマトなら60日くらい、なすやピーマンなら80〜90日くらいが目安です。畑に植える日から逆算して、種をまく日を決めてください。
Q. 室内で苗を育てていますが、ひょろひょろになります
A. 室内は、窓辺でも外に比べて光がずっと少ないので、苗が徒長しやすくなります。晴れた日の昼間は、外に出して日に当ててあげてください。夜は、暖房の効いた部屋だと温度が高すぎることがあるので、少し涼しい場所に置くと、がっしり育ちやすくなります。
学ぶ🔬 なぜ苗は、ひょろひょろになるのか
ここからは、苗が育つしくみについて、少しだけ深く書いておきます。読み飛ばしても大丈夫です。
光を求めて、背を伸ばす
植物は、光を受けて栄養を作ります。光が足りないと、少しでも多くの光を受けようと、背を伸ばして上へ上へと伸びていきます。
混みあった苗床では、隣の苗の葉に光がさえぎられます。陰になった苗は、隣より上に出ようとして、どんどん背を伸ばします。でも、栄養を作る力は足りないままなので、茎は細く、ひょろひょろになってしまうんです。間引きが徒長を防ぐのは、このためです。
夜が暖かいと、伸びやすい
植物は、昼に光合成で作った栄養を、夜のあいだに使って体を作ります。夜の温度が高いと、呼吸がさかんになって、栄養をたくさん使い、茎を伸ばす方向に体が向かいやすくなります。
昼はしっかり日に当てて、夜は少し涼しくする。この温度の差が、がっしりした苗を作るコツと言われます。
なぜ苗は、光の方へ曲がるのか
植物には、光の来る方向へ茎を伸ばそうとする性質があります。茎の、光が当たらない側の細胞が、当たる側より多く伸びることで、茎が光の方へ曲がっていくんです。
窓辺の苗が窓の方へ傾くのは、このためです。向きを回して光を均等に当てると、苗はまっすぐ、がっしり育ちます。光が十分にあれば、苗は光を探して背を伸ばす必要がなくなるので、徒長も防げます。
伸びてしまった茎は、元に戻らない
一度ひょろひょろに伸びてしまった茎は、残念ながら縮むことはありません。でも、そこから先の伸び方は、環境を変えれば締めることができます。
日当たりのよい場所に移し、水を控えめにし、夜の温度を下げる。そうすると、そのあとに出てくる葉や茎は、節間のつまった、がっしりしたものになっていきます。徒長に気づいたら、その日から環境を見直すことが大切です。
根の量が、苗の強さを決める
がっしりした苗は、地上の茎や葉だけでなく、土の中の根もしっかり張っています。根がたくさんあると、水や養分をたくさん吸えるので、畑に植えたあとも、新しい土に早く根を伸ばして根づくことができます。
水のメリハリをつけたり、中耕で空気を入れたり、鉢上げで根を伸ばせる場所を作ったりするのは、どれも根を育てるための作業です。目に見えない土の中の根を育てることが、がっしり苗の本当のポイントなんですね。
支え合って育つ「共育ち」
芽が出たばかりの小さな苗は、1本だけで立っているより、まわりに何本か苗があるほうが、支え合ってしっかり立つことがあります。また、まわりに苗があると、土の乾き方がゆるやかになったり、風が直接当たりにくくなったりします。
これを「共育ち(ともそだち)」と呼ぶことがあります。間引きが早すぎるとよくないと言われるのは、この効果が薄れてしまうからです。
ただ、混みあいすぎると、今度は光や水の奪い合いになります。共育ちの効果を生かしつつ、混みあいすぎる前に少しずつ間引く。このバランスが、がっしり苗を作るコツです。
水が多いと、根が呼吸できない
根も、呼吸をしています。土の中のすき間にある空気から、酸素を取りこんでいるんです。
水をやりすぎて、土のすき間がいつも水で満たされていると、根が酸素を吸えなくなります。根が弱ると、水や養分を吸う力も落ちて、苗全体が弱々しくなります。「乾いたらやる」が大切なのは、根に呼吸させる時間を作るためでもあるんです。
中耕で、土に空気を入れる
水やりや雨で、土の表面はだんだん固くなり、すき間がつぶれていきます。表面が固くなると、土の中に空気が入りにくくなります。
中耕で表面をほぐすと、すき間ができて、土の中に空気が入りやすくなります。根が呼吸しやすくなり、根の張りがよくなる。中耕は、根に空気を届けるための作業なんですね。
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
がっしり苗を作るポイントを、もう一度まとめておきます。
- 芽がそろったら、混み具合を見る。同じ場所から出ている苗、混みあった苗から間引く
- 残すのは、茎が太く、背が低めで、葉の色が濃い苗
- 抜くと隣を傷めそうなら、はさみで切る。一度に減らしすぎない
- 間引いたら、株と株のあいだを浅くほぐす(中耕)。株元は耕さない
- 株元に1cmくらい土を寄せて、苗を安定させる。成長点は埋めない
- 水やりは朝。乾いたらやり、湿っていたらやらない
- 本葉が出て落ち着いたら、ひとまわり大きなポットに鉢上げ
- 夏は半日陰と風通し、囲っているなら日中は換気
がっしりした苗は、畑に植えたあとも、根づきが早く、病気や風にも強く育ちます。芽が出たあとの毎朝の見回りが、その土台を作ります。
間引き、中耕、土寄せ、水やり。どれも、一つひとつは数分でできる小さな作業です。でも、その積み重ねが、植えたあとの株の強さや、収穫の量にまでつながっていきます。苗が日に日にがっしりしていくようすを見るのは、育苗のいちばんの楽しみですよ。
まずは明日の朝、水やりのついでに、苗の混み具合をのぞいてみてください🌱
プラグトレー128穴
1マスが小さいので置き場所を取りません。ただし根が回りきると生育が止まるので、本葉が3〜4枚になったらポットへ移します。移すときは土を湿らせてから、根鉢を崩さずに。この時期の根は触るだけで切れます。
油かす
本葉が出はじめたら、油かす1に対して水9で薄めた液肥を。約1000倍です。化成肥料と違って効き方がゆるやかなので、一気に伸びて徒長することがありません。臭わないタイプなら室内でも平気です。
簡易温室(ビニールカバー付き)
発芽したあと、そのまま外に置くと育ちません。3月の外気では生育適温に届かないからです。ただし日中は30℃を超えるので、水やりは必ず朝に。日中にやると蒸し風呂になります。
土壌温度計
タネ袋の適温は気温ではなく地温です。空気が20℃でも土の中は12℃ということがあります。土に挿すだけで分かるものが1本あると、「まだ早い」「もういける」の判断がつきます。
種まき培土
畑の土ではなく、専用の培土を使ってください。細かくて水はけがよく、雑草のタネや病原菌が入っていません。まくときは先に水をまいてから。逆にするとタネが浮いて流れます。