2月にまく・植える野菜|春じゃがいも・春にんじんの二重保温・夏野菜の苗・玉ねぎの追肥
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
この記事で分かること
- 2月は、1年でいちばん寒い時期ですが、春に向けた準備が一気に動き出す月です。
- 春じゃがいもは、2月の中ごろから3月の初めに植えるのが一般的です。寒い地域や保温しない場合は、もう少し遅らせます。
- 春にんじんは、2月から種まきできます。ただし2月にまくなら、不織布とビニールトンネルの「二重の保温」が必要です。
- 夏野菜の苗を自分で作るなら、ナスやピーマンは2月が種まきの時期。ただし、温める設備がないとむずかしいので、苗を買うのも立派な選択です。
- 玉ねぎとにんにくの追肥は、肥料の種類と品種によって時期が変わります。「2月に必ず」とは決まっていません。
- 冬野菜の片づけと土づくりも、2月から。植える日から逆算して動きます。
2月の畑は、霜で真っ白になる朝も多くて、正直あまり行きたくない季節ですよね。
でも、春の畑がうまくいくかどうかは、実は2月の準備で大きく変わります。春じゃがいもを植える日、にんじんをまく日、夏野菜の苗を作り始める日。どれも、2月のうちに考えておくと、春になってからあわてずにすみます。
安心してください。寒い中で無理にたくさん作業する必要はありません。この記事では、2月にできること、やっておきたいことを、順番に書いていきます。
早見:2月の畑の基本(ひと目で分かる目安)
2月にできること
- 春じゃがいもの植えつけ:一般的な地域で2月中旬〜3月初旬。保温しない場合は2月下旬以降
- 春にんじんの種まき:一般的な地域で2月上旬〜4月上旬。2月は二重の保温が必要
- 夏野菜の苗づくり:ナス・ピーマン・ししとうは2月まき、トマトは3月まき、が一つの目安
- 玉ねぎ・にんにくの追肥:品種と肥料で時期を決める
- 冬野菜の片づけ:キャベツや白菜は2月下旬までに収穫を終える目安
- 土づくり・寒起こし:植える日から逆算して早めに
覚えておきたい数字
- じゃがいもは、植えてから芽が出るまで1か月くらいかかる
- にんじんの発芽にちょうどいい温度:15〜25度。8度以下でも芽は出るが、30日以上かかることがある
- にんじんのトンネル:芽が出るまでは閉めたまま。そのあとは中が20〜25度くらいを目安に換気し、30度を超えないようにする
- ナス・ピーマンの発芽にちょうどいい温度:25〜30度(温める設備が必要)
- 種いもは、5度を超えると芽が伸び始める。凍らせないように保存する
2月の作業カレンダー(上旬・中旬・下旬)
- 上旬:春の予定を立てる。種いもや種を買う。早生の玉ねぎの止め肥。ナス・ピーマンの苗づくりを始めるなら種まき
- 中旬:秋に植えた冬野菜から順に片づける。土づくり。にんにくの2回目の追肥。保温して春にんじんの種まき
- 下旬:キャベツや白菜の収穫を終える。保温できる場合は春じゃがいもの植えつけ。種いもの芽出し
地域によって、1〜2週間前後します。暖かい地域は早めに、寒い地域は遅めに考えてください。
作業の手順
ここからは、2月の作業を、順番に書いていきます。
手順1:春の予定を、植える日から逆算する
2月にまず考えたいのは、「何を、いつ、どこに植えるか」です。
たとえば、春じゃがいもを3月の初めに植えたいなら、植える場所の冬野菜を2月中に片づけて、土づくりをすませておく必要があります。土づくりには、肥料を入れてから植えるまでに時間を置くことも含まれます。
つまり、植える日が決まると、片づける日、土づくりをする日も決まってきます。手帳やカレンダーに、植える日から逆算して予定を書きこんでおくと、2月の動き方がはっきりします。
ただし、空いている畝を全部埋める必要はありません。春から夏にかけては、夏野菜を植える場所も必要になります。夏野菜の場所をあらかじめ空けておくのも、大事な計画です。
手順2:冬野菜を片づける
秋から育ててきたキャベツや白菜などは、地域にもよりますが、2月の下旬までには収穫を終えておきたいところです。暖かくなってくると、花を咲かせようとして茎が伸びてきて(とう立ち)、味が落ちてしまうからです。
一方、寒い時期に種をまいた大根や葉物は、3月ごろまで収穫を続けられることもあります。全部を一度に片づけるのではなく、秋に植えたものから順に片づけていきます。
片づけた野菜の残り(残さ)は、そのまま土に埋めずに、畑のすみで乾かしておくか、たい肥の山に積んでおきます。
手順3:土づくりは早めに
植える直前に、生の野菜くずや、まだ十分に発酵していないたい肥を土に入れると、土の中で分解が始まって、ガスが出ることがあります。そのガスが、植えたばかりの野菜の根を傷めてしまうんです。
よく乾いた残さなら、そこまでガスは出ませんが、未熟なものを入れるときは特に注意が必要です。植える日から逆算して、土づくりは早めに始めておきましょう。
手順4:寒起こしをする
寒起こしは、冬の寒い時期に畑の土を大きく掘り起こして、寒さにさらす作業です。土が凍ったりとけたりをくり返すうちに、かたまりがほぐれて、ふかふかの土になると言われます。
ただし、寒起こしには時間がかかります。じゃがいもを植える場所なら、2月に入ってから始めると、植える日に間に合わないかもしれません。にんじんや、春から夏に植える野菜の場所なら、2月から始めてもまだ間に合います。
手順5:種いもを買って、保存する
春じゃがいもの種いもは、1月の終わりごろから、ホームセンターに並び始めます。
「まだ植えるには早いのに」と思うかもしれませんが、人気の品種はすぐに売り切れてしまうことがあるので、欲しい品種があるなら早めに買っておくのがおすすめです。早く買うことと、早く植えることは別の話です。
買った種いもは、植える日まで、次のように保存します。
- 風通しのよい、涼しい場所に置く
- 5度を超えると芽が伸び始めるので、暖かすぎる場所は避ける
- 凍らせない(凍ると、いもが傷んでしまいます)
植える前に、芽出しをしておく
種いもは、植える2〜3週間くらい前から、明るい場所に並べて日に当てておくと、短くてがっしりした芽が出てきます。これを「芽出し」と言います。
- 直射日光が強く当たりすぎない、明るい窓辺や軒下に並べる
- 夜は冷えこむので、凍らないように室内に取りこむ
- 芽が5mmから1cmくらいの、緑や紫っぽい短い芽になれば準備完了
芽出しをしておくと、植えたあとの芽の出がそろいやすくなり、芽が出るまでの日数も短くなります。暗い場所で伸びた白くて長い芽は、植えるときに折れやすいので、芽出しは明るい場所でするのがコツです。
じゃがいもの品種を選ぶ
じゃがいもは、品種によって食感や育てやすさが違います。
- ほくほくした粉っぽい食感の品種:ふかしいもやコロッケ向き
- しっとりした、煮くずれしにくい品種:煮物やカレー向き
- 皮の色が赤や紫の品種:見た目が楽しく、料理がはなやかになる
初めてなら、お店でよく見かける定番の品種から始めると、育て方の情報も多くて安心です。食べ方から選ぶのも楽しいですよ。
春にまく種も、2月のうちにそろえる
2月は、春から夏にまく種がお店にそろい始める時期でもあります。種袋の裏には、まく時期、育つ日数、株の間かくなど、育て方の大事な情報が書かれています。
- 「まきどき」の表で、自分の地域(寒い地域・一般的な地域・暖かい地域)の欄を確かめる
- 春まきと秋まきで、向いている品種が違うことがあるので、春まき向きかどうかを見る
- 発芽率や、有効期限も見ておく
人気の品種は早く売り切れることもあるので、育てたいものが決まっているなら、2月のうちに手に入れておくと安心です。
手順6:じゃがいもを植える日を決める
春じゃがいもの植えつけは、一般的な地域では、2月の中旬から3月の初めごろが目安です。
じゃがいもは、植えてから芽が出るまでに1か月くらいかかります。そして、芽が出たあとに霜にあたると、葉が傷んでしまいます。ですから、「芽が出るころに、もう霜の心配がない」ように植える日を決めるのがコツです。
- 早めに植えたい場合:ポリマルチや不織布のべたがけ、ビニールトンネルで保温する
- 保温しない場合:2月下旬以降、地域によっては3月に入ってから
寒い地域では、もっと遅くなります。地域ごとの植え時は、近所の畑の人やお店の人に聞いてみるのも確実です。
手順7:種いもを切って、植える
- 大きな種いもは、1片が40〜50gくらいになるように切り分けます。どの片にも芽がつくようにします
- 切り口は、数日かけて乾かしてから植えます。腐りにくくなります
- 小さな種いもは、切らずにそのまま植えます
- 植える深さは、10cmくらいが目安です
- 株と株の間は、30cmくらいあけます
芽が出て、ある程度伸びてきたら、芽の数を整理して(芽かき)、株元に土を寄せていきます(土寄せ)。土寄せをしておくと、いもが土から顔を出して緑色になるのを防げます。
手順8:春にんじんの畑を準備する
にんじんは、根がまっすぐ下に伸びてから太る野菜です。土の中に石やかたいかたまりがあると、根がそこにぶつかって曲がったり、二股に分かれたりしてしまいます。
- 深めに耕して、石やかたまりを取り除く
- 水はけのよい土にする
- 肥料は、種まきの少し前に入れておく
にんじんは、苗を作って植えかえるのには向きません。根を傷めると、形が悪くなってしまうからです。寒い時期でも、畑に直接種をまきます。
手順9:にんじんの種をまく
- 浅い溝を作って、すじまきにする
- 種の上に、ごく薄く土をかける(にんじんは光を好む種なので、厚くかけない)
- 上から手のひらやくわで押さえて、種と土をくっつける
種をまいたあとに押さえる作業を「鎮圧(ちんあつ)」と言います。種と土をしっかりくっつけることで、土の中の水分を種が吸いやすくなり、芽が出やすくなります。
ただし、雨のあとなど土が湿っているときに強く踏むと、土がかたくなりすぎてしまいます。土が湿っているときは、手で軽く押さえるくらいにしてください。
にんじんの間引き
芽が出たら、育つにつれて少しずつ間引いていきます。
- 本葉が1〜2枚のころ:混みあったところを間引いて、2〜3cm間かくにする
- 本葉が3〜4枚のころ:5〜6cm間かくにする
- 本葉が5〜6枚のころ:10〜12cm間かくにする
一度に間引きすぎると、残した株が倒れやすくなるので、何回かに分けてください。間引いたあとは、株元に軽く土を寄せておくと、株が安定します。
手順10:二重の保温をする
2月ににんじんをまくなら、保温が欠かせません。
- まず、種をまいた上に、不織布を直接かける(べたがけ)。風で飛ばないように、ところどころ土やピンで押さえる
- その上から、トンネル用の支柱を差して、ビニールトンネルをかける
これが「二重の保温」です。
3月にまく場合は、ビニールトンネルだけでも大丈夫なことが多く、3月下旬なら不織布のべたがけだけでもいけることがあります。寒さが厳しい2月だけは、二重にしておくと安心です。
手順11:芽が出るまでは閉め、出たら換気する
にんじんの芽が出るまでは、トンネルを閉めたままにしておきます。中の温度を保って、芽を出しやすくするためです。
にんじんは、もともと芽が出るまでに時間がかかる野菜です。ちょうどいい温度でも、2週間くらいかかることがあります。8度以下の低い温度だと、30日以上かかることもあります。あせらず待ってください。
芽が出たら、今度は換気が大事になります。
- 晴れた日の昼は、トンネルの中が20〜25度くらいになるように、すそを開けて換気する
- 30度を超えないように気をつける
- 夕方には閉めて、夜の冷えこみから守る
芽が出たあとも閉めっぱなしにしていると、晴れた日に中が暑くなりすぎて、せっかく出た芽が傷んでしまいます。
暖かくなってきたら、トンネルを外して、防虫ネットにかえていきます。春は虫が動き出す季節なので、保温から虫よけへ、ネットの目的が変わっていくわけです。
手順12:夏野菜の苗づくりを始めるか決める
夏野菜の苗は、4月から5月にお店にたくさん並びます。お店の苗で十分なら、2月に苗づくりをする必要はありません。
それでも自分で苗を作りたいのは、こんなときです。
- お店ではなかなか見かけない、珍しい品種を育てたい
- 固定種の品種を育てたい
- 地域に昔からある野菜を育てたい
そういう目的があるなら、2月から苗づくりを始めてみてください。
手順13:夏野菜の種をまく時期を分ける
夏野菜の苗づくりは、全部同じ日にまけばいいわけではありません。
- ナス、ピーマン、ししとう:2月に種をまいて、4月から5月に植える
- トマト:3月に種をまく
- きゅうり、かぼちゃ:育つのが早いので、もう少しあとでも間に合う
ナスやピーマンは、芽が出るのに25〜30度という高い温度が必要です。2月の寒さの中でこの温度を保つには、電気の温床(育苗用の電熱マットなど)や、発酵熱を使った温床が必要になります。
さらに、ナスやピーマンは、キャベツやレタスなどに比べて、苗を育てる期間が長く、むずかしい野菜です。慣れないうちは、ホームセンターで苗を買うのもおすすめです。
温床という方法
ナスやピーマンの苗を作るには、25〜30度という高い温度が必要です。電熱マットを使う方法のほかに、昔ながらの「温床(おんしょう)」という方法もあります。
温床は、落ち葉や米ぬか、わらなどを積み重ねて水をかけ、発酵させたときに出る熱を使って、苗を温めるしくみです。発酵がうまく進むと、中の温度がぐっと上がり、その上に置いた苗床を温めてくれます。
手間はかかりますが、電気を使わずに苗を温められるうえ、使い終わった材料は、次の年の腐葉土やたい肥としても使えます。
手順14:苗の昼と夜の管理
苗づくりを始めたら、昼と夜の温度の管理が大事になります。
- 昼は、日当たりのよい窓辺や温かい場所で、しっかり光に当てる
- 夜は、冷えこむ窓辺から離して、暖かい場所に移す
- 暖かい日に外で日光浴させたときは、夕方には必ず取りこむ
光が足りないと、苗がひょろひょろに伸びてしまいます。温度だけでなく、光の量もよく見てあげてください。
手順15:玉ねぎとにんにくの追肥
秋に植えた玉ねぎとにんにくは、2月ごろに追肥の時期を迎えます。ただ、追肥の時期は、品種と使う肥料によって変わります。
玉ねぎの例です。
- 早生(わせ)の品種:1回目は植えてから2〜3週間後(12月中旬ごろ)、2回目が最後の追肥(止め肥)で、2月上旬から中旬
- 中生・晩生の品種:止め肥は、早生より少しあと
にんにくの例です。
- 有機の肥料で育てる場合、追肥は2回。1回目は12月、2回目は大きく育ち始める2月
肥料の種類でも時期が変わります。
- 発酵鶏ふんなどの有機の肥料:寒い時期は、効き始めるまでに1か月くらいかかる
- 化成肥料:1週間くらいで効き始める
ですから、有機の肥料を使うなら早めに、化成肥料なら少しあとでも間に合う、という考え方になります。
スナップえんどう・そら豆の防寒
秋に植えたスナップえんどうやそら豆は、2月の寒さで葉が傷むことがあります。
- 株の北側に、笹竹や枯れ草を立てて、冷たい風をよける
- 霜が強い地域では、不織布をかけて守る
- 暖かくなって伸び始める前に、支柱やネットの準備をしておく
寒さで少し葉が傷んでも、株元が元気なら、暖かくなればまた伸びてきます。
手順16:水やりと見回り
冬は雨が少なく、空気も乾いています。にんにくや玉ねぎ、種をまいたにんじんの畝が乾いていたら、暖かい日の午前中に水をやってください。夕方に水をやると、夜のあいだに土が冷えて、凍ることがあります。
ただ、水のやりすぎにも注意が必要です。玉ねぎやにんにくは、土がいつもじめじめしていると、病気が出やすくなります。乾いたらやる、くらいの感覚で大丈夫です。
寒い時期でも、虫がまったくいないわけではありません。暖かい日には、アブラムシなどが動き出すこともあります。見回りのときに、葉の裏も見ておきましょう。
失敗の見分け方
にんじんの芽が出ない
まず、まいてからの日数を数えてみてください。2月は、芽が出るまでに2週間から1か月以上かかることもあります。まだ日が浅いなら、もう少し待ちます。
それでも出ないときは、次のことを見直します。
- 土が乾いていなかったか:にんじんの種は、乾くと芽が出ません
- 土をかけすぎていなかったか:光を好む種なので、厚くかけると出にくくなります
- 保温が足りていたか:2月は二重の保温が必要です
- トンネルの中が暑くなりすぎていなかったか:晴れた日に閉めっぱなしだと、中が高温になります
芽が出たのに、育たない・消えた
- 換気をせずに、トンネルの中が暑くなりすぎた
- 夜の冷えこみで傷んだ
- 土がかたくなっていて、根が伸びられない
- 虫や鳥に食べられた
じゃがいもの芽が出ない・葉が傷む
- 植えてまだ1か月たっていない:じゃがいもは芽が出るまで時間がかかります
- 種いもが腐った:切り口を乾かさずに植えたり、土が湿りすぎていたりすると腐りやすくなります
- 芽が出たあとに霜にあたった:葉が黒くしおれます。霜の予報が出たら、土を寄せたり、不織布をかけたりして守ります
玉ねぎが小さい・とう立ちした
- 追肥のタイミングが合っていなかった
- 苗を植えるときの大きさが大きすぎた(大きすぎる苗はとう立ちしやすいと言われます)
- 肥料が多すぎた、または少なすぎた
とう立ちした玉ねぎは、玉がかたくなって日持ちしなくなります。早めに収穫して、先に食べてしまいましょう。
夏野菜の苗が、植える時期に間に合わない
温度が足りなかったり、種まきが遅れたりすると、苗が十分に育たないことがあります。そんなときは、無理に小さな苗を植えず、お店の苗に切りかえるのも一つの手です。
説明が分かれていること
春じゃがいもの植え時
- 収穫から逆算して、2月の初めに植える、という説明(芽が出るまでに1か月かかるので、3月初めに芽を出すため)
- 2月中旬から3月初旬に植える、という説明
- 寒い地域では、2月下旬はまだ早い。3月に入ってからが無難、という説明
- 1月下旬から4月まで幅があり、保温すれば早く、保温しなければ2月下旬以降、という説明
地域と、保温するかどうかで大きく変わります。保温しないなら、芽が出るころに霜の心配がない時期を逆算して決めてください。
にんじんの種:裸の種か、加工した種か
- まわりを粘土などで包んで粒を大きくした種(ペレット種子・コート種子)は、まきやすく、芽が出る率も少し上がる、という説明
- 加工していない裸の種を多めにまくほうが、芽がよく出て管理しやすい。加工した種は、まわりを溶かすのに水がたくさん必要、という説明
どちらにも理由があります。土の水分をしっかり保てるなら加工した種も使いやすく、乾きやすい畑なら裸の種を多めにまくほうが安心です。
玉ねぎ・にんにくの2月の追肥
- にんにくは2回目の追肥を2月に、玉ねぎは12月の1回だけ、という説明
- 2月に入ったら、有機の肥料での追肥は控える。寒い時期は効くまでに1か月かかり、肥料が効いてほしい時期とずれる、という説明
- 玉ねぎは、早生か晩生かで、止め肥の時期を変える、という説明
- 化成肥料と有機の肥料では、効き始める早さが違うので、止め肥の時期も変わる、という説明
同じ人でも、使う肥料や品種によって説明が変わります。「2月に必ず」と覚えるより、「使う肥料がいつ効くか」から逆算する、と考えるとすっきりします。
にんじんの鎮圧の強さ
- 種をまいたあと、しっかり押さえる、という説明
- 土が湿っているときは、強く踏むとかたくなりすぎるので、軽く押さえる、という説明
土の湿り具合で加減してください。乾いた土ならしっかり、湿った土なら軽く、です。
じゃがいもは、無農薬でも簡単か
- じゃがいもは育てやすい野菜、という説明
- 無農薬で、病気にまったくかからないように育てるのはむずかしい、という説明
「収穫できる」という意味では育てやすい野菜ですが、「病気をゼロにする」のはむずかしい、ということです。水はけのよい場所に植えて、肥料をやりすぎないことが、病気を減らす基本になります。
よくある質問
Q. 2月は寒すぎて、何もしたくありません
A. 無理をしなくて大丈夫です。2月にいちばん大事なのは、春の予定を立てることと、種いもや種を手に入れておくことです。畑での作業は、暖かい日を選んで少しずつ進めれば十分です。寒い朝に無理をして体を冷やすより、日が高くなった昼前後に、30分だけ畑に出る、くらいの気持ちでいいと思います。それでも、片づけや草とりは少しずつ進んでいきます。
Q. 種いもは、スーパーのじゃがいもでもいいですか?
A. おすすめしません。食用のじゃがいもは、病気の検査を受けていないことがあり、病気を畑に持ちこむおそれがあります。一度畑に病気が入ると、次の年からも同じ場所で出やすくなるので、ここはけちらずに専用の種いもを選んでください。また、芽が出にくくなる処理をしているものもあります。種いもは、検査を受けた専用のものを使ってください。
Q. 種いもに、もう芽が出てきてしまいました
A. 短い芽なら、そのまま植えて大丈夫です。芽を全部かきとってしまうと、芽が出るまでにさらに時間がかかるので、なるべく残して植えてください。むしろ、植える前に日に当てて、短くてがっしりした芽を出させておく(芽出し)と、植えたあとの芽の出がそろいやすくなります。ひょろひょろと長く伸びた芽は、植えるときに折れやすいので、気をつけて扱ってください。
Q. にんじんの種は、どれくらいまけばいいですか?
A. すじまきなら、1cmに1〜2粒くらいが目安です。にんじんは芽の出がそろいにくいので、少し多めにまいて、あとで間引いて調整します。
Q. トンネルの換気を毎日できません
A. 穴のあいたトンネル用のビニールを使うと、閉めたままでも中が暑くなりすぎにくくなります。または、トンネルではなく不織布のべたがけだけにして、まく時期を3月にずらすのも一つの方法です。
Q. 夏野菜の苗づくり、電熱マットがなくてもできますか?
A. トマトやきゅうりなら、暖かくなる3月以降に、日当たりのよい窓辺で育てることもできます。ナスやピーマンは高い温度が必要なので、温める設備がないとむずかしいです。無理をせず、苗を買うのがおすすめです。
Q. 2月にとうもろこしもまけますか?
A. 保温の設備があれば、早まきする方もいます。とうもろこしは、保温しない畑なら、霜の心配がなくなる4月から5月にまくのが一般的です。早まきすると、実を食べる虫(アワノメイガ)が増える前に収穫しやすい、というよさがあります。
Q. 玉ねぎやにんにくのまわりの草は、2月も抜いたほうがいいですか?
A. はい、小さいうちに抜いておくのがおすすめです。冬の雑草は目立ちませんが、春になると一気に大きくなって、玉ねぎやにんにくの養分や日当たりをうばってしまいます。根が深くなる前の2月なら、軽く引くだけで抜けます。抜くときは、玉ねぎやにんにくの根を傷めないように、株のまわりはそっと作業してください。
Q. 2月に追肥を忘れてしまいました
A. 化成肥料なら、効き始めが早いので、少し遅れてもまだ間に合うことがあります。有機の肥料は効き始めるまでに時間がかかるので、遅れて入れると、玉が太る時期に効きすぎてしまうおそれがあります。迷ったら、今年は追肥を見送って、来年の予定表に早めの日付を書いておくのも一つの考え方です。
Q. 春の畑、どうやって場所を割り振ればいいですか?
A. まず、夏野菜(トマト・ナス・きゅうりなど)を植える場所を先に決めて、空けておきます。夏野菜は5月ごろに植えるので、それまでの短い期間に、ラディッシュや小松菜など、早くとれる葉物をまいておくこともできます。春じゃがいもやにんじんは、6月から7月に収穫が終わるので、そのあとに何を植えるかも、ざっくり考えておくと1年の流れがつながります。
Q. 霜柱で、植えたにんじんの芽が浮き上がってしまいました
A. 霜柱が立つと、土ごと持ち上げられて、小さな芽の根が切れたり、浮き上がったりすることがあります。見つけたら、そっと土を押さえて戻してあげてください。不織布のべたがけやトンネルをしておくと、霜柱が立ちにくくなります。
学ぶ🔬 なぜ2月は「逆算」の月なのか
ここからは、2月の作業のしくみについて、少しだけ深く書いておきます。読み飛ばしても大丈夫です。
野菜は、カレンダーではなく温度で動く
野菜が芽を出したり、育ったりするのは、カレンダーの日付ではなく、温度によってです。
にんじんなら15〜25度、ナスやピーマンなら25〜30度が、芽を出しやすい温度です。2月の畑は、晴れた日の昼でも10度前後、夜は氷点下になることもあります。何もしなければ、野菜にとっては寒すぎるんですね。
だから、2月に始めるなら、保温して「野菜にとってちょうどいい温度」を人の手で作ってあげる必要があります。保温しないなら、自然に暖かくなるのを待つ。2月の作業は、この2つのどちらを選ぶかから始まります。
なぜじゃがいもは、霜をいちばん気にするのか
じゃがいもは、南米の高地が生まれの野菜です。涼しい気候は好きですが、霜には弱く、葉に霜がつくと、葉の中の水が凍って細胞が壊れ、黒くしおれてしまいます。
種いもは土の中にあるので、植えたばかりのうちは霜の影響をあまり受けません。問題は、芽が土の上に出てきたあとです。だから、じゃがいもは「植える日」ではなく「芽が出る日」から逆算して、植える日を決めるんですね。
寒起こしで、土がふかふかになるわけ
冬に掘り起こした土のかたまりは、夜の寒さで中の水分が凍ってふくらみ、昼の日差しでとけてしぼむ、ということをくり返します。
水は凍ると体積が増えるので、かたまりの中で凍るたびに、内側から少しずつ押し広げられて、ひびが入っていきます。これをくり返すうちに、大きなかたまりが細かくくずれて、ふかふかの土になっていくんです。
また、土の中にもぐって冬を越そうとしている虫や、病気のもとになる菌の一部を、寒さにさらして減らすはたらきもあると言われます。
なぜ二重にすると、ぐっと温かくなるのか
不織布とビニールトンネルを重ねると、そのあいだに空気の層ができます。空気は熱を伝えにくいので、この層が、毛布のように熱が逃げるのを防いでくれます。
昼に日の光で温まった土の熱は、夜になると空へ逃げていきます。ビニール1枚だけだと、夜のあいだにかなりの熱が逃げてしまいますが、二重にすると逃げにくくなります。冬の服を1枚の厚着より重ね着にしたほうが温かいのと、同じしくみです。
そのぶん、晴れた日の昼は中が温まりやすいので、芽が出たあとの換気がより大切になります。
なぜナスやピーマンは、高い温度がいるのか
ナスやピーマンは、もともと熱帯に近い暖かい地域で生まれた野菜です。芽を出すにも、育つにも、高い温度を必要とします。
トマトも暖かい地域の野菜ですが、ナスやピーマンよりは少し低い温度でも芽を出しやすいと言われます。種をまく月が、ナス・ピーマンは2月、トマトは3月と分かれるのは、このためです。
なぜ有機の肥料は、冬は効くのが遅いのか
有機の肥料は、そのままでは野菜が吸えません。土の中の微生物が分解して、根が吸える形にしてくれて、初めて効き始めます。
微生物は、寒いと動きがにぶくなります。だから、冬は分解に時間がかかり、効き始めるまでに1か月くらいかかるんです。
化成肥料は、はじめから根が吸える形になっているので、微生物の力を借りずに、早く効きます。追肥の時期が肥料の種類で変わるのは、このためです。
なぜ玉ねぎは、止め肥が遅れるといけないのか
玉ねぎは、春に日が長くなってくると、葉を育てるのをやめて、玉を太らせる時期に入ります。
この時期に肥料が効きすぎていると、玉の中に水分が多くなって、収穫したあとに傷みやすい玉ねぎになると言われます。だから、玉が太り始める前に肥料の効き目が落ちつくように、最後の追肥(止め肥)の時期を逆算するんです。
なぜにんじんは、芽が出るまでに時間がかかるのか
にんじんの種は、とても小さく、中にたくわえている栄養も少ないです。そのため、芽を出すまでの準備にも時間がかかります。
さらに、にんじんの種は水を吸ってから芽を出すまでのあいだ、ずっと湿っている必要があります。途中で一度でも乾くと、芽を出しかけた種が干からびてしまいます。寒い時期は芽が出るまでの日数が長くなるぶん、乾かさないことがさらに大切になるんですね。
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
2月の畑のポイントを、もう一度まとめておきます。
- 2月は、春の予定を植える日から逆算する月
- 冬野菜は、秋に植えたものから順に片づける。土づくりは早めに
- 種いもは早めに買って、5度を超えない涼しい場所で、凍らせずに保存
- 春じゃがいもは、芽が出るころに霜の心配がないように植える日を決める
- 春にんじんは、2月なら不織布とビニールトンネルの二重の保温。芽が出るまでは閉め、出たら換気
- 夏野菜の苗は、ナス・ピーマンは2月、トマトは3月が目安。温める設備がなければ苗を買う
- 玉ねぎ・にんにくの追肥は、品種と肥料から逆算する
- 水やりは、暖かい日の午前中に
寒い2月の畑は、ついつい足が遠のきがちです。でも、この時期に春の段取りを立てておくと、3月、4月が驚くほど楽になります。
畑に行けない日は、こたつで種袋を読んだり、去年の記録を見返したりするだけでも、立派な2月の畑仕事です。どの野菜を、どこに、いつ植えるか。紙に書き出してみると、春の畑の姿が少しずつ見えてきて、寒い季節も楽しく過ごせますよ。
まずは、春に育てたい野菜を書き出して、植える日から逆算するところから始めてみてください🥔
にんじんのタネ
2月上旬から4月上旬までまけます。春まきは夏まきより簡単です。にんじんの最大の失敗要因は乾燥ですが、2月はそもそも土が乾きません。覆土は薄く、そのかわり鎮圧はしっかり。まいたあとの水やりも忘れずに。
不織布
2月にまくときは、ビニールトンネルとの二重がけにしてください。3月なら片方でよく、3月下旬なら不織布だけで足ります。2月だけが二重です。3月と同じ感覚でやると、いつまでも芽が出ません。
トンネル用ビニール
不織布の上にかぶせて二重にします。穴なしのタイプなので、芽が出たら晴れた日は端を開けて風を通してください。日中は中が30℃を超えます。春が終わったら夏野菜の雨よけにも使えます。
炭化鶏ふん
有機の肥料は分解に時間がかかります。2月に入れておくと、ちょうど春に効いてくる。植え付けの2週間前までに済ませてください。分解している最中の土に根を入れると傷みます。