10月にまく・植える野菜|いちごの植え方、豆のタネまき、長雨の手当て、秋の虫
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
📖 この記事の目次
この記事で分かること
- 10月は、冬を越して、翌年の春から初夏に収穫する野菜を始める時期です。春どりの大根や春キャベツなどがあります。
- かぶ、ほうれん草、レタスなど、10月にタネからまける野菜もあります。夜が冷えこむ日には、不織布で保温すると芽が出やすくなります。
- 10月の主役は、いちごの植えつけです。中心の芽(クラウン)を土に埋めない、浅く植えるのがいちばんのポイントです。
- 10月下旬からは、スナップえんどうなど豆のタネまきが始まります。肥料を入れすぎず、小さな苗のまま冬を越させます。
- 10月は雨が多く、長雨で畑が水びたしになることがあります。水を逃がし、ネットを開けて風を通し、乾くまで耕さない、の3つが大切です。
- 涼しくなると、アブラムシやアオムシ、ヨトウムシなどがまた増えてきます。こまめに点検しましょう。
10月になると、暑さもすっかり落ち着いて、畑仕事がしやすい季節になりますよね。朝晩は少しひんやりして、作業をしていても汗だくになることが減ってきます。秋に植えた野菜もぐんぐん育ってきて、見回るのが楽しい時期です。
そして10月は、来年の春に向けた野菜を始める月でもあります。いちごや豆、春キャベツなど、冬を越して春に実る野菜の準備がここから始まります。
この記事では、10月にまく・植える野菜と、いちごと豆の植え方、10月に気をつけたい雨と虫について、順番に書いていきます。説明が分かれているところは、両方の考え方を並べておきますね。
早見:10月の畑の基本(ひと目で分かる目安)
10月にタネからまく野菜
- 春どり大根:この時期にまいて、春に収穫するタイプの品種を選ぶ
- 春キャベツ:冬の前に大きくしすぎない
- 正月菜(もち菜):小松菜の仲間。お正月の雑煮に使う地域もある
- かぶ:小かぶを、畝全体にばらまいて間引きながら収穫
- ほうれん草:酸性の土が苦手
- レタス(サニーレタスなど):本葉が出てから植えかえる例
10月に植える・まく
- いちご:10月中に植えつけを終えるのが目安。クラウンを埋めない
- スナップえんどう:10月中旬から11月下旬がタネまきの時期とされる
10月の注意
- 長雨:水を逃がす、ネットを開ける、乾くまで耕さない
- 虫:アブラムシ、アオムシ、ヨトウムシ、ハムシ、シンクイムシなど
今月の畑は、こんな状態
冬を越して、春に収穫する野菜を始める
10月から育てる野菜の多くは、冬を越して、翌年の春から初夏に収穫を迎えます。年をまたいで育てるので、昔は「越年」の野菜と呼ばれることもありました。
ただし、10月にまく野菜がすべて年を越すわけではありません。かぶのように、年内に収穫できる野菜もあります。
夜の冷え込みが始まる
10月に入ると、気温が急に冷えこんでくることがあります。東京でも、夜に15度以下まで冷えこむ日が出てくる、という説明があります。
寒さに弱い野菜のタネは、芽が出るまでに時間がかかったり、芽が出なかったりすることが多くなります。そんなときは、不織布をかけて保温してあげると、芽が出やすくなります。
10月にタネからまく野菜
春どり大根
大根は、まく時期によって品種を選ぶ野菜です。10月にまくなら、この時期にまいて春に収穫できるタイプの品種を選びます。タネの袋で、まく時期と収穫の時期を確かめてください。
春キャベツ:冬の前に大きくしすぎない
春キャベツには、大事なポイントがあります。冬の前にキャベツが大きくなりすぎると、とう立ち(花の茎が伸びること)のスイッチが入ってしまうことがある、と説明されます。とう立ちのスイッチが入ると、春の成長期に葉が巻かずに、真ん中から花の茎が伸びてきてしまいます。
キャベツの品種にもよる、と説明されますが、冬の前に大きく育てすぎないことが、春キャベツを成功させるコツです。
正月菜(もち菜)
正月菜は、別名もち菜とも呼ばれる、小松菜の仲間の葉物です。小松菜よりも色が淡く、やわらかい葉が特徴です。お正月の雑煮に入れる地域もあります。地域によって、雑煮に入れる葉物はいろいろで、それぞれの土地の野菜があります。
かぶ:ばらまいて、間引きながら食べる
小かぶの品種を選んで、マルチをせずに畝全体にタネをたくさんまく、という育て方が紹介されています。とても密にまいて、育ってきたら間引きながら、小さいうちから収穫していきます。間引いたものも、葉ごと食べられます。
ほうれん草:酸性の土が苦手
ほうれん草は、酸性の土を嫌う野菜です。葉が黄色くなって元気がない場合は、土が酸性に傾いている可能性があります。草木灰をまくと回復するかもしれない、という説明もあります。ただし、黄色くなる原因は酸性だけではないので、決めつけずに土の酸度を測ってみてください。
レタス:本葉が出てから植えかえる
葉が赤くなるサニーレタスなど、レタスもこの時期にまける野菜です。何種類かのレタスのタネがまざったものをまいて、本葉が出てから植えかえる、という例が紹介されています。赤い色は、アントシアニンという植物が作る色素によるものです。
春菊は、苗を使う手も
春菊の秋まきは、一般的な地域では8月下旬から9月中旬が適期、という説明があります。春菊が育つのに適した温度は15〜20度くらいです。10月になってからなら、タネから育てた苗を植える方法も考えられます。
春菊のタネは芽が出る割合が低めなので、ほかの野菜より多めにまくのがポイントです。春菊は酸性の土に弱いので、石灰で酸度を整えておく、という説明もあります。
タネまきのあとの不織布の使い方
10月のタネまきでは、まいたあとに不織布をかけておくと、夜の冷えこみから土を守り、乾燥も防げるので、芽が出やすくなります。不織布は、光や水を通すので、かけたまま水やりができます。
芽が出てきたら、不織布の下で苗が押されて傷まないように、ふんわりかけ直すか、外して防虫ネットに替えます。芽が出たあとも冷えこむ日が続くようなら、トンネルにして苗との間にすき間をとってかけるとよいでしょう。
10月の主役、いちご
植えつけは、10月中に終えるのが目安
いちごの植えつけは、10月中には終わらせたい、と説明されます。いちごは冬のあいだほとんど成長しないように見えますが、土の中の根はどんどん広がって成長しています。植えつけが遅れると、その大切な根の成長が遅れて、春によい実がとれなくなることがある、という説明です。
ただし、植えつけの時期には幅があります。10月中旬から11月上旬という説明や、遅くても11月まで、という説明もあります(あとで書きます)。
手順1:よい苗を選ぶ
苗選びは、いちごの成功に大きく関わります。悪い苗を選んでしまうと、育ちが遅くなったり、実がよくできなかったりします。ホームセンターなどで苗がたくさんある場合は、よく見て選びましょう。株がしっかりしていて、葉の色がよく、病気や虫のあとがないものを選びます。
品種は、ホームセンターで売られているものなら、どれを選んでも大きな差はないと思います、という説明があります。好きな味や、育てたい実の大きさで選んで大丈夫です。家庭菜園でも安定して収穫できるように、改良された品種が並んでいるからです。
手順2:畝を作り、水はけをよくする
水はけの悪い畑では、畝を高くしてから植えると安心です。いちごは、根が水びたしになると傷みやすくなります。
手順3:マルチを張る(張らない考え方もある)
畝を作ったら、マルチを張ります。いちごは、マルチをしないと失敗するというわけではありませんが、マルチを張ることの利点のほうが多い、と説明されます。マルチを張ると、実が直接土にふれて汚れたり傷んだりするのを防げます。
一方で、植えつけのときにはマルチを張らずに、冬の終わりに張る、という考え方もあります(あとで書きます)。
手順4:植える前に、苗に水を吸わせる
植える前に、苗にしっかり水を吸わせておきます。バケツにポットの半分くらいまで水を張り、20分ほどつけておけばオッケー、という説明があります。
手順5:ランナーの向きを見る
苗をよく見ると、切られた古い茎がついていることがあります。これが、親株とつながっていたランナー(つる)のあとです。いちごの実は、このランナーと反対側に出てきやすい、と言われます。
そのため、ランナーのあとを畝の内側に向けて植えると、実が畝の外側(通路側)に出て、収穫しやすくなる、という考え方があります。ただし、必ずしも反対側に出るわけではない、とも説明されています(あとで書きます)。
手順6:クラウンを埋めずに、浅く植える
いちごの株元にある、葉のつけ根が集まった太い部分を「クラウン」と呼びます。ここが新しい葉や花が出てくる、いちごの心臓部です。
いちごを植えるときは、このクラウンを土に埋めないように、浅く植えるのがいちばんのポイントです。クラウンを埋めてしまうと、育ちが悪くなったり、腐ったりすることがあります。根の部分だけを土に入れて、クラウンは土の上に出しておきます。
手順7:植えたら、植え穴に水を
植えたら、手でしっかり押さえて、苗のまわりに水が行きわたるように水をやります。いらない水は葉にかけないように、植え穴の部分だけに水をやりましょう。
植えたあとは、基本的に冬のあいだの水やりは不要、という説明があります。雨も降るので、頻繁に水をやりすぎないことが大切です。ただし、プランターや、乾燥が続いて土がからからになっている場合は別です。
手順8:新しいランナーは切る
植えたあとに伸びてくる新しいランナーは、収穫を終えるまで切り続けるのが基本的な育て方、と説明されます。ランナーに栄養が取られるのを防ぐためです。ただし、切り忘れたからといって、実がつかないわけではありません。
肥料は、条件しだい
いちごは、肥料が多すぎるのを避けたい野菜です。肥えた場所なら、肥料なしで育てる、という提案もあります。
元肥を入れていない場合は、植えつけから半月〜1か月後に追肥をする、という手順も紹介されています。株元から15〜20cmほど離して、1株あたり10ccくらいの肥料を入れる、という例です。
にんにくと一緒に植える
いちごの近くに、にんにくを植える方法も紹介されています。いちごの株元から20〜30cmほど離して植える、という例があります。近すぎると、にんにくのほうの玉が小さくなった、という話もあります。
株を増やすなら、孫株から
いちごの株は、抜かずに置いておくと、ランナーで子株、孫株と増えていきます。株分けをする場合は、孫株以降を植えかえる、という説明があります。病気は子株までは受け継がれやすいけれど、孫株ではそれが少なくなる、という考え方です。
10月下旬、豆のタネまき
スナップえんどうのまきどき
スナップえんどうは、だいたい10月中旬から11月下旬がタネまきの時期とされます。ただ、ここ数年は夏の暑さが秋遅くまで続くので、少し遅めにまくのがよいかもしれない、という説明もあります。
小さな苗で冬を越させる
スナップえんどうは、寒さに当たることで花をつける準備をします。ただし、大きく育ちすぎた苗は、真冬の冷たい風に当たりやすくなるので、冬越しが難しくなります。冬を越すときの高さは、10cmくらいが理想、という説明と、真冬の時点で15cmくらい、という説明があります。
肥料は入れすぎない
スナップえんどうの土づくりで気をつけたいのは、肥料を入れすぎないことです。マメ科の植物は、根に根粒菌(こんりゅうきん)という菌をすまわせていて、この菌が窒素分を供給してくれます。そのため、窒素の肥料をたくさん入れる必要はありません。
前の野菜の肥料が残っている場所なら、肥料なしでも十分、という説明があります。ただし、牛ふん堆肥などで土づくりをする例もあり、「肥料をいっさい入れてはいけない」というわけではありません。
タネのまき方
- マルチの穴に、タネを4粒ほどまく
- 穴を開けたときに土がへこむと水がたまりやすいので、まわりの土を寄せて平らにする
- 土をかぶせて、しっかり押さえる
- 芽が出たら、元気なものを残して間引く
まいたあとは、鳥にタネや芽を食べられないように、ネットや不織布をかけておきましょう。豆のタネは大きくて目立つので、鳥にとっては格好のえさになります。
畝の高さ
畝の高さは、ふつうは10cmくらいでよい、という説明があります。水はけがよくない畑なら、15cm以上の高い畝にするのもよい方法です。
冬は、閉め切りすぎない
冬のあいだ、ネットや不織布で苗を囲うときは、閉め切りすぎないのが基本です。中が暖かくなりすぎると、苗が大きく育ちすぎてしまいます。ただし、伸びすぎてしまった苗は、あえて防寒して守る、という例外もあります。
豆と一緒に植える野菜
豆の畝に、春菊などの苗を一緒に植える方法もあります。タネから3週間ほど育てた春菊の苗を、豆の近くに植える例が紹介されています。
すでに育てている野菜の、10月の手入れ
大根:10月は葉を大きく育てる月
9月にまいた大根にとって、10月はとても重要な月だ、と説明されます。10月は葉が大きく広がり、1週間ごとに葉のサイズがどんどん大きくなっていきます。この10月に葉が大きく広がることで、10月後半から11月にかけて、根の部分が大きく太っていく、という説明です。
逆に言うと、この時期に葉が大きくならないと、小ぶりな大根になったり、うまく育たなかったりすることがあります。10月は週に1回は大根を観察して、虫がついていないか、葉の色はどうか、必要なお世話をしてあげましょう。
白菜:追肥と土寄せ
白菜は、植えつけてから約1か月後、外側の葉が広がってきたときと、結球が始まったときの2回、追肥をする、と説明されます。
- 防虫ネットを開ける
- 草が生えていたら、葉を傷つけないように軽く草取りをする
- 外側の葉の下あたりに、肥料をぱらぱらとまく
- 軽く土寄せをする
- ネットを閉じる
白菜:成長点に入りこむ虫に注意
白菜でとくに注意したいのが、ヨトウムシなどが成長点(中心の新しい芽)の近くに入りこんでしまうことです。このあと結球が始まると、玉の中に入りこまれて、取り除けなくなってしまいます。
葉に穴が開いていたり、株の上にふんが落ちていたりしたら、虫がいる可能性があります。葉をよくチェックして、マルチの下なども見ておきましょう。
ネットに葉がつっかえてきたら
野菜が大きくなって、葉がネットにふれて窮屈になってきたら、ネットを少しゆるめてあげます。外してしまうのではなく、ゆるめたり、支柱を足して高さを出したりして、虫よけは続けます。
10月の落とし穴は、雨
10月は、雨が多い
10月は気温が落ち着いてくる一方で、雨が多く、畑全体の湿度がなかなか下がりません。ひどい年は、雨が1週間ほど続くこともある、と説明されます。
畑が水びたしの状態が続くと、野菜が病気になったり、アブラムシが出たり、根が腐ったりする原因になります。長雨のあとは、次の3つの手当てをしましょう。
手当て1:マルチの上の水を逃がす
マルチの上に水がたまっていると、湿度が高くなって、野菜が病気になったり、アブラムシが出たりしやすくなります。水がたまっている場所があれば、早めにマルチに小さな穴を開けて、水を逃がしてあげましょう。
手当て2:晴れ間に、ネットを開けて風を通す
防虫ネットをかけたままだと、中に湿気がこもります。雨のあとの晴れ間には、ネットを開けて風を通し、ついでに虫がいないか点検しましょう。点検が終わったら、また閉じておきます。
手当て3:通路の水が抜けるようにする
雨で土が固まると、雨水がなかなか抜けなくなります。通路を少し深く掘ったり、スコップを差しこんでおいたりして、水が抜けやすい状態にしておくとよい、と説明されます。
ぬれた土は、乾くまで耕さない
雨のあと、土がぬれているうちに耕すと、土が固まってしまいます。ぬれた土をこねると、土の粒がつぶれて、乾いたときにかちかちになるからです。一度固まった土は、なかなか元に戻りません。耕したり、タネをまいたりするのは、土が乾いてからにしましょう。
10月から冬に注意する虫
暑さが落ち着いて、虫も減ってくるように思える時期ですが、寒さに強い虫や、冬の前に最後の繁殖をする虫もいます。10月から冬にかけて注意したい虫を紹介します。
シンクイムシ
野菜の中心の新しい芽(成長点)を食べてしまう虫です。成長点がやられると、その株は育たなくなってしまいます。大根やキャベツ、白菜などの中心部を、よく見ておきましょう。
アブラムシ
アブラムシは、夏のあいだ畑から姿が見えなくなったように思えます。でも、気温が20〜25度くらいになってくると、また盛んに増えはじめる、と説明されます。10月から11月の涼しい時期は、意外とアブラムシの被害が多くなる時期でもあります。アリがたくさん歩いている株は、アブラムシがいないか確かめてみてください。
アオムシ
アオムシは、モンシロチョウの幼虫で、キャベツや白菜などのアブラナ科の野菜につく虫です。最近は気温が高い影響で、関東地方ではほぼ一年じゅう、モンシロチョウが飛んでいるのが見られる、と説明されます。白いチョウが飛んでいたら、卵を産みつけられている可能性が高いので、葉をよく見ておきましょう。
ヨトウムシ
ヨトウムシは一年じゅう発生しますが、特に8月以降、秋から冬にかけて増える、と説明されます。夜に出てきて、葉を大きく食べてしまいます。葉に大きな穴があいていたら、株のまわりの土の中も探してみてください。近くの株にもいる可能性が高い、と説明されます。
ハムシ
キスジノミハムシやダイコンハムシなどは、秋から冬にかけても発生が続きます。ネットの中でも、冬のあいだに増え続けることがある、という話もあります。土の中と葉の上を行き来するので、見つけたら早めに取り除きましょう。
白菜の下の葉は、取りすぎない
白菜の下のほうの葉が枯れて腐っていると、そのにおいに虫が寄ってくることがあります。完全に枯れた葉は取り除いてよいのですが、まだ緑の外の葉は、結球のために働いているので取りすぎないようにしましょう。
10月の畑の回り方(例)
10月は、タネまきや植えつけと、すでに育てている野菜の手入れが重なる月です。畑に行ったときに回る順番を決めておくと、やり忘れが減ります。ひとつの例として並べておきます。
1:虫の点検から
まずは、育てている野菜の葉の裏や中心の芽を見て回ります。アオムシやヨトウムシ、アブラムシがいないか、葉に穴やふんがないかを確かめます。ネットをかけている畝は、ネットを開けて中を見ます。
2:水たまりと水はけ
雨のあとなら、マルチの上や通路に水がたまっていないかを見ます。たまっていれば、水を逃がします。
3:追肥と土寄せ
植えてから1か月ほどたった野菜は、追肥と土寄せをします。
4:タネまきと植えつけ
土が乾いていれば、タネまきや植えつけをします。ぬれていれば、次の晴れの日に回しましょう。
失敗の見分け方
いちごの株が、冬のあいだに枯れた
クラウンを土に埋めてしまったか、水が多すぎて根が傷んだ可能性があります。次は、クラウンを土の上に出して浅く植え、水はけのよい畝で育ててみてください。
春キャベツが、巻かずにとう立ちした
冬の前に大きく育ちすぎた可能性があります。次は、まく時期を少し遅らせるか、品種の時期を確かめてみてください。
豆の芽が出ない
鳥に食べられたか、土が乾きすぎた、または湿りすぎた可能性があります。まいたあとは、ネットや不織布で鳥よけをしておきましょう。
長雨のあと、葉物の育ちが急に悪くなった
畑が水びたしになって、根が傷んだ可能性があります。水を逃がし、通路の水はけをよくして、様子を見てください。
説明が分かれていること
いちごのマルチは、いつ張るか
- 秋の植えつけのときにマルチを張る。利点のほうが多い、という説明
- 植えつけのときは張らずに、冬の終わりに張る、という説明(ただし、話している人自身も、作業の都合で先に張ることがある、と話している)
植えつけの時期、畑の水はけ、作業のしやすさで選んでください。
ランナーの向きはそろえるか
- ランナーの向きをそろえると収穫しやすくなるので、植え方の注意点として大切、という説明
- 必ずしも反対側に実が出るわけではないので、家庭菜園ではあまり気にしなくてよい、という説明
いちごに防虫ネットはいるか
- 植えたばかりのころは、防虫ネットはいらない、という説明
- 冬は、風よけとしてネットを張る、という説明
- クラウンが小さい株には、不織布とネットで守る。順調な株は、ふつうはネットなし、という説明
いちごの植えつけはいつまでか
- 10月中には終わらせたい、という説明
- 10月中旬から11月上旬、という説明
- 遅くても11月まで、という説明
収穫が終わったいちごの株は
- 古い株は弱ってくるので、新しい苗に植えかえる、という説明
- 親株は撤去して子株を育てたほうがよいという話と、根をしっかり張った親株のほうがよいという話の両方がある、という説明
豆の冬越しの高さ
- 10cmくらいが理想、という説明
- 真冬の時点で15cmくらい、という説明
どちらも「小さな苗で冬を越す」という方向は同じです。
よくある質問
Q. いちごは、何株くらい植えればいいですか?
A. 家族の人数や、どれくらい食べたいかによって変わります。初めてなら、数株から始めて、育て方に慣れてから増やすのがおすすめです。株は、ランナーで増やすこともできます。
Q. いちごの苗が、11月になっても植えられていません
A. 11月でも植えつけはできる、という説明もあります。ただし、根の成長が遅れるぶん、春の収穫に影響することがあります。株が大きく、クラウンのしっかりした苗を選び、早めに植えてください。
Q. スナップえんどうのタネは、何cmの深さにまけばいいですか?
A. タネの袋に書いてある深さを確かめてください。深すぎると芽が出にくく、浅すぎると乾いたり鳥に見つかったりしやすくなります。まいたあとは、しっかり押さえておきましょう。
Q. 10月にまいたかぶは、いつ収穫できますか?
A. かぶは育つのが早い野菜なので、年内に収穫できることもあります。密にまいた場合は、小さいうちから間引きながら収穫していきます。
Q. 長雨のあと、すぐにタネをまいてもいいですか?
A. 土がぬれているうちは、耕したりタネをまいたりするのは避けましょう。土が乾いて、手で握っても固まりすぎないくらいになってから作業します。
Q. 虫を見つけたら、どうすればいいですか?
A. 見つけたら、手で取り除くのが基本です。アオムシやヨトウムシは、葉の裏や株元、土の中を探します。防虫ネットをかけている場合も、ネットの中に虫が入っていないか、ときどき点検してください。
Q. いちごに、冬のあいだ水はいりませんか?
A. 畑なら、植えたときにたっぷり水をやったら、冬のあいだの水やりは基本的に不要、と説明されます。雨も降るからです。ただし、プランターで育てている場合や、晴れが続いて土がからからに乾いている場合は、水をやってください。
Q. 豆のタネまきが遅れてしまいました
A. 11月中旬ごろからは、スナップえんどうやそら豆の苗も売られはじめます。タネまきが遅れたら、苗を買って植えるのも、もちろんありです。
Q. 大根の葉が、あまり大きくなりません
A. 10月は、大根の葉が大きく広がる大事な時期です。葉が大きくならないと、根も太りにくくなります。虫に食べられていないか、土が乾きすぎていないか、肥料が足りているかを確かめてください。葉の色が薄いようなら、追肥を考えます。
Q. 豆の畝の土づくりは、どうすればいいですか?
A. 前の野菜の肥料が残っている場所なら、新しい肥料はほとんどいりません。根粒菌が働きやすいように、腐葉土や堆肥など、土の中の微生物が増えるものを入れる、という方法もあります。水はけの悪い畑なら、畝を高めにしておきましょう。
Q. いちごの冬の防寒は、どうすればいいですか?
A. 株が順調で、クラウンがしっかりした株なら、ふつうは特別な防寒はいらない、と説明されます。クラウンが小さい株は、不織布や防虫ネットで囲んで守る、という方法があります。冬は、冷たい風よけとしてネットを張る例もあります。霜柱で株が持ち上げられたら、クラウンを埋めないように気をつけて、土を戻してあげましょう。
Q. 不織布は、いつ外せばいいですか?
A. タネまきのあとにかけた不織布は、芽が出そろったら、外すか、トンネルにしてかけ直します。かけたままにすると、苗が布に押されたり、中が蒸れたりすることがあります。冷えこむ日が続く間は、トンネルにして保温を続けるとよいでしょう。
Q. 10月にまいた葉物は、年内に収穫できますか?
A. かぶや小松菜の仲間など、育つのが早い葉物は、年内に収穫できることもあります。ただ、10月後半になると気温が下がって育ちがゆっくりになるので、不織布で保温しながら育てるのがおすすめです。
学ぶ🔬 秋から冬に、野菜の中で起きていること
ここからは、10月に始める野菜の中で起きていることのしくみを、少しだけ深く書いておきます。読み飛ばしても大丈夫です。
いちごは、秋に花の準備をして、冬に眠る
いちごは、日が短くなってきて、気温が低くなってきたころに、花芽(花のもと)を作る、と説明されます。秋のうちに、春に咲く花の準備を始めているんですね。
そして冬になると、いちごは休眠と呼ばれる、眠ったような状態に入ります。地上の葉はあまり育たなくなりますが、土の中では根が広がっていきます。冬の寒さを一定の期間経験すると、休眠からさめて、春に暖かくなると再び成長を始め、花を咲かせて実をつけます。
10月にいちごを植えつけるのは、冬に入る前に、根をしっかり張らせておくため、というわけです。
春キャベツは、なぜとう立ちするのか
キャベツは、ある程度の大きさに育った株が、冬の寒さに一定の期間当たると、「花を咲かせる時期だ」と感じて、とう立ちの準備を始める、と説明されます。小さい株のうちは、寒さに当たってもこの準備が始まりにくいとされます。
だから、春キャベツは、冬の前に大きくしすぎないことが大切なんですね。どのくらいの大きさで、どのくらいの寒さに当たるととう立ちしやすいかは、品種によって違います。タネの袋に書いてあるまき時期を守るのがいちばん確かです。
豆と根粒菌の助け合い
マメ科の野菜の根を掘ってみると、小さなつぶつぶがついていることがあります。これが根粒で、中には根粒菌という菌が住んでいます。
根粒菌は、空気中にたくさんある窒素を、植物が使える形に変えて、豆に渡します。そのかわりに、豆は、葉で作った栄養を根粒菌に渡します。おたがいに助け合っているんですね。豆に窒素の肥料をたくさん入れなくてよいと言われるのは、このためです。
赤いレタスの色の正体
サニーレタスの赤い色は、アントシアニンという色素によるものです。アントシアニンは、ぶどうやなすの皮の紫色と同じ仲間の色素です。植物は、強い光や寒さから葉を守るために、この色素を作ると考えられています。秋から冬にかけて、赤い色がきれいに出やすいのは、このためです。
大根は、葉で作った栄養を根にためる
大根の白い部分は、根(と、根に近い茎の部分)が太ったものです。葉で光合成をして作った栄養が、根に送られて、たくわえられていきます。
だから、根を大きくするには、まず葉を大きく育てることが大切なんですね。10月に葉が大きく広がると、11月にかけて根がぐんぐん太っていく、と説明されるのは、このしくみがあるからです。葉が虫に食べられたり、傷んだりすると、そのぶん根に送られる栄養も減ってしまいます。
アブラムシは、なぜ秋にまた増えるのか
アブラムシは、暑すぎる夏には数が減り、20〜25度くらいの過ごしやすい気温になると、また盛んに増えはじめる、と説明されます。
アブラムシは、暖かい時期には、メスだけで子どもを次々に産んで増えていく、という性質を持っています。卵ではなく、子どもの形で生まれてくるので、増えるスピードがとても速いんです。数匹だと思っていたら、数日で葉の裏がびっしり、ということがあるのは、このためです。秋は、見つけたらすぐに取り除くことが大切です。
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
10月の畑のポイントを、もう一度まとめておきます。
- 10月は、冬を越して春に収穫する野菜を始める月
- 春どり大根、春キャベツ、正月菜、かぶ、ほうれん草、レタスなどがまける。夜が冷える日は不織布で保温
- 春キャベツは、冬の前に大きくしすぎない
- いちごは10月中の植えつけが目安。苗に水を吸わせ、クラウンを埋めずに浅く植える
- 植えたあとのいちごは、新しいランナーを切る。冬の水やりは基本不要
- スナップえんどうは、肥料を入れすぎず、小さな苗で冬を越させる。鳥よけを忘れずに
- 長雨のあとは、水を逃がす、ネットを開けて風を通す、乾くまで耕さない
- アブラムシ、アオムシ、ヨトウムシ、ハムシ、シンクイムシに注意
10月は、来年の春に向けた種まきと植えつけの月です。同時に、秋に植えた野菜がいちばん大きく育つ月でもあります。長雨と虫に気をつけながら、週に1回は畑をひと回りして、野菜の様子を見てあげてください。
まずは、いちごの苗のクラウンがどこにあるか、手に取ってよく見てみてください。葉のつけ根が集まった、ころんとした太い部分です。ここを埋めないことだけ覚えておけば、植えつけの失敗はぐっと減ります🍓
いちご苗(越後姫)
10月中に植えるのがいちごの絶対条件です。記事のとおり、クラウンを埋めないように浅く植えてください。3株あれば、来年の春に子どもが喜ぶくらいは穫れます。
不織布
10月にまくものは、まいた日にこれをかけます。防虫というより保温のためです。生育適温15℃を下回る日が出てきたら、あるとないとで発芽が変わります。
穴あき黒マルチ
いちごは10月から春まで6か月以上そのままなので、マルチがあると草取りの手間がまったく違います。株間30cmで使ってください。
スナップエンドウのタネ(つるなしホルンスナック)
つるなしなので、やぐらを組まずに支柱4本で済みます。子どもと一緒に穫るなら断然こちらです。10月下旬まきで、年末に10〜15cmを目指してください。
そら豆のタネ(駒栄)
秋まき用の品種です。10月下旬から11月はじめにまいて、小さいまま冬を越させます。玉ねぎの隣に植えると、お互いによく育ちます。
カキ殻石灰
ほうれん草と春菊は酸性の土だと育ちません。カキ殻の石灰はゆっくり効くので、まく直前に入れても大丈夫。熱も出ないので扱いやすいです。