大根は畑に埋めて保存します🔵 葉を根元から切るのが全て
🗨️「大根が一気に穫れて、食べきれない」
🗨️「畑に置いておいたら、スが入っていた」
🗨️「冷蔵庫に大根5本は無理…」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
今回は、穫ったあとの話です。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきますね。
大根は、畑に埋めて保存できます。そのとき、葉を根元からスパッと切るのが全てです。
前回まで「いつ穫るか」の話をしてきましたが、家庭菜園の本当の悩みは、そのあとに来ます。
一度に10本穫れて、家族3人。食べきれません。冷蔵庫に入れようにも、大根は場所を取ります。
そこで畑を冷蔵庫として使う。昔からある方法で、道具もほとんど要りません☺️
📖 この記事の目次
置いておくと、大根は自分で悪くなります
まず、なぜ保存が必要なのかという話から。
「まだ食べないから、畑に置いておこう」
これ、私も最初はやっていました。でも、うまくいきません。
何が起きるか
★葉が枯れるまで畑に置いておくと、スが入ります。
スというのは、大根の中に細かい空洞ができて、スカスカになる状態のことです。こうなると食感も味も落ちます。
そして★表面がシワシワになります。水分が抜けていくからですね。
さらに暖かい時期になると、★菜の花が咲いて、種取りのような状態になってしまいます。こうなるともう食べられません。
つまり、こういうことです
大根は畑に置いておけば保つ、のではありません。
★置いておくと、大根は自分で自分の中身を使ってしまう。
だから「置いておく」のではなく「保存する」必要がある。ここが出発点です。
★土中保存 ー 天然の冷蔵庫
いちばん確実で、いちばん長持ちする方法です。
手順①:葉を根元からスパッと切る
ここが全てです。
★スーパーの大根のような切り方では、甘いです。
売っている大根は、葉を少し残した状態で切ってありますよね。あれでは不十分。
★葉の付け根から一気に、一刀両断してください。
よく切れる包丁で、迷わずスパッと。ちょっと残ってしまったら、もう一度切り直します。
なぜそこまでするのか。
★葉が伸びてくる隙を、与えないためです。
少しでも葉の付け根が残っていると、大根はそこから葉を伸ばそうとします。そして伸ばす材料は、根にためた養分。つまり自分の中身を使ってしまう。
★切ってしまえば、成長のエネルギーが大根の中に閉じ込められます。
出口をふさぐ、というイメージですね。
手順②:切り口を保護する
切ったまま埋めてはいけません。
★切り口から雑菌が入ります。
生傷のまま土に埋めるようなものなので、当然といえば当然です。
そこで使うのが、ケイ酸(シリカ)の粉です。じゃがいもの切り口に使うものとして売られていますが、大根にも使えます。
★切り口にまぶすだけ。
これで切り口が守られます。天然の鉱物が原料で、水分を吸着して腐敗を抑えてくれます。
★草木灰は使わないでください
「灰でもいいのでは」と思われるかもしれませんが、ここは注意が必要です。
★草木灰はアルカリが強すぎます。
アルカリなので殺菌はできるのですが、強すぎる。特にじゃがいもに使うと、★そうか病の原因になることがあります。じゃがいもはアルカリを嫌う野菜だからですね。
大根の切り口保護には、ケイ酸の粉のほうが安心です。
手順③:層にして埋める
ここからは簡単です。
- ★大根が収まるサイズの穴を掘る
- ★大根同士がなるべくくっつかないように並べる
- 土をかける
- ★またその上に大根を並べて、土をかける
これを2層、3層と重ねていきます。曲がった大根でも、割れた大根でも構いません。
手順④:雨よけをする
最後に、★上にシートをかけて雨よけをします。
風で飛ばないように、石などを載せておいてください。
これで完成です。★天然の冷蔵庫のできあがり。かなり長い間、新鮮なまま保存できます。
抜かない保存 ー もっと手軽な方法
「掘り起こすのが面倒」という方には、こちらもあります。
土中保存より保存期間は短いのですが、★掘る手間がまったくいりません。
やり方
- ★大根を抜かずに、葉だけを切り落とす(切り方は土中保存と同じ)
- ★切り口にケイ酸の粉をまぶす
- ★周りの雑草を抜いておく
これだけです。
★スが入ったり、シワシワになったり、傷んだりしません。余裕で1か月くらいはキープできます。
★1つだけ注意
★霜に当たると傷みます。
葉を切ってしまうと、切り口が上を向いた状態で寒さにさらされます。
★不織布やネットを、ふんわりかけておいてください。それだけで違います。
干して甘くする
もうひとつ、昔からある方法です。
★大根は、干すと甘みが出ます。
漬物の原料になるのは、この甘みがあるからですね。
ベランダでもできます
畑がなくてもできる方法です。
★割り干し大根なら、1週間ほど干すだけ。
縦に細く割って、風通しのいいところに吊るしておく。それだけで甘くなります。
そして面白いのが、★スーパーで買った大根でも同じようにできること。
穫れすぎた年でなくても試せるので、一度やってみると「干すとこんなに変わるのか」と驚きます。
★大根の跡地は、次がよく育ちます
穫ったあとの話をもうひとつ。これは得な話です。
★大根は、根が深く伸びて土をほぐしてくれます。
太い根が地中深くまで入っていくので、抜いたあとには縦の道ができる。★後作は自然と根張りが良くなります。
しかも、大根は1〜2回なら連作できます
これは意外に思われるかもしれません。
理由は、いま書いたことの裏返しです。
大根栽培は、土を深く耕す必要があります。★でも前の大根が、すでに深く耕してくれている。
だから軽く耕すだけで、次の大根が作れる。★1〜2回なら連作できるというのは、そういうことです。
「連作障害が怖くて場所を空けている」という方は、大根に関しては少し気楽に考えていいと思います。
じゃがいもと入れ替えるという手
私が聞いていいなと思ったのが、★大根とじゃがいもを入れ替えるように育てるやり方です。
どちらも土を深く使う野菜なので、相性がいい。
ちなみに、じゃがいもの取り残しが、翌年の大根と一緒に育ってしまうこともあるそうです。大根を掘ったら小さいじゃがいもがコロコロ出てくる。おまけみたいなものですね😊
ほかの野菜も、畑が冷蔵庫になります
大根だけではありません。冬野菜には、共通の考え方があります。
白菜
★外葉で全体を包んで、紐で縛る。
これで2月ごろまで畑に置けます。必要なときに1個ずつ穫る。
にんじん
★12月に土をかけておく。
3月上旬まで畑で持ちます。しかも寒さに当たり続けるので、★置くほど甘くなります。
ネギ
★大きくなったものから順に穫る。
2月ごろまで穫れます。抜かずに置いておけば、それが保存になっています。
つまり
★冬の畑は、それ自体が冷蔵庫です。
温度が安定していて、湿度も保たれる。しかも電気代がかかりません。
「収穫したら全部持って帰る」ではなく、「必要なときに必要なだけ穫る」。冬野菜のいちばん贅沢な食べ方だと思っています。
学ぶ:なぜ葉を切ると、中身が減らないのか🔬
理科の時間です。ここが分かると、「根元からスパッと」の意味が腑に落ちます。
大根の食べる部分は、根です。そして根は、★貯蔵器官です。
葉が光合成で作った糖やデンプンを、せっせと運び込んで貯めこんだもの。それが、あの白い部分の正体です。
葉が生きていると、引き出しが開いたまま
さて、葉がついたままだとどうなるか。
葉は生き続けようとします。新しい葉を伸ばそうとします。
そのとき使うのは、★根に貯めておいた養分です。
つまり、貯金を引き出して使ってしまう。★スが入るというのは、中身を使い果たして空洞になった状態なんですね。
★葉を切るというのは、引き出しにカギをかけることです。
エネルギーの出口をふさげば、中身は減りません。
とう立ちも、同じ話
暖かくなると、大根は花茎を伸ばして花を咲かせます。とう立ちですね。
★このときも、根の貯金を全部使います。
だから春の大根はスが入りやすい。「収穫が遅れると味が落ちる」の正体は、これです。
★大根にとって、あの白い部分は「次の世代のための貯金」なんです。それを横取りして食べている、ということになりますね。
なぜ土の中が保存に向くのか
もうひとつ。冷蔵庫がやっていることを考えてみてください。
- 温度を低く、一定に保つ
- 乾燥しないようにする
- 暗くしておく
★土の中は、この3つを全部やっています。
地中は地上より温度変化が小さい。土は水分を含んでいるので乾かない。そして当然、真っ暗です。
★冷蔵庫と同じことを、土がタダでやってくれている。だから「天然の冷蔵庫」なんですね。
お子さんと一緒なら
これ以上ない実験があります。
★葉を根元から切った大根と、葉を少し残した大根を、同じ日に同じ場所に埋める。
1か月後に掘り出して、両方を縦に切ってみてください。
葉を残したほうは、★中がスカスカになっています。切ったほうは、みずみずしいまま。
「使う出口があるかどうか」で、こんなに変わる。目の前ではっきり差が出ます🔵
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
穫ったあとにも、やれることがあります。ポイントを整理しておきますね。
- ★置いておくと大根は自分の中身を使ってスカスカになる。だから「保存する」
- ★★葉は根元からスパッと一刀両断。スーパーの切り方では甘い。葉が伸びる隙を与えない
- ★切り口にケイ酸の粉をまぶす。★草木灰はアルカリが強すぎるので使わない
- 大根同士をくっつけず、層にして埋める。上に雨よけのシート
- 手軽にやるなら「抜かない保存」。葉を切って切り口を保護して雑草を抜く。★霜よけに不織布を
- ★大根の跡地は根張りが良くなる。しかも★1〜2回なら連作できる
- 白菜は縛って2月まで、にんじんは土をかけて3月まで。★冬の畑は冷蔵庫
全部やろうとしなくて大丈夫です。今度大根を穫るとき、1本だけ葉を根元からスパッと切って、そのまま畑に戻してみてください。1か月後に掘れば、違いが分かります🔵
次回は毎月の定期便、1月号です。ほとんどの人が畑を休む1月に、実は始められることをまとめます🌱
ケイ酸(シリカ)の粉
切り口に付けておくと、そこから傷むのを防げます。じゃがいもの切り口にも同じものが使えるので、1袋あると冬から春まで出番があります。草木灰は逆にアルカリになるので、使わないでください。
不織布
埋めない大根には、上から1枚かけておきます。霜で葉先が傷むのを防げます。畑にそのまま置いておく保存なら、これだけで年明けまでもちます。
収穫ハサミ
葉を根元からスパッと切るための道具です。中途半端に残すと、大根が自分の中身を使ってスカスカになる。一刀両断できる切れ味のものを選んでください。


