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【11月にまく・植える野菜】冬を越せるのは「小さい株」です🍂

【11月にまく・植える野菜】冬を越せるのは「小さい株」です🍂

🗨️「11月って、もう何も植えられないよね?」

🗨️「スナップエンドウ、順調に伸びてるから安心」

🗨️「冬に畑がまるごと鳥に食べられた」

どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。

毎月お届けしている「今月なにをまく・植えるか」の定期便、11月号です。

先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきますね。

冬を越せるのは、大きく育った株ではなく、小さい株です。

これ、直感と逆だと思います。私も最初はそうでした。スナップエンドウが元気にぐんぐん伸びているのを見て、「今年はうまくいってる」と喜んでいたら、年が明けてから見事に枯れました。

隣の畝で、まだひょろっとしていた遅まきの株のほうが、生き残ったんです。

11月は、まく月であると同時に、そういう「守り方」を決める月です。今日はそこを中心にお話しします☺️

※以下の時期は中間地(関東〜関西の平野部)が目安。寒い地域は少し早め、暖かい地域は少し遅らせて。タネ袋の裏の時期も必ずチェック✨️

今月の畑は、こんな状態

11月は、春に収穫する野菜の植え付け時期です。

ただし後半になると初霜が降りて、環境が一気に厳しくなります。同じ11月でも、上旬と下旬ではまるで別の月だと思ってください。

ホームセンターに苗が並び始めるのも中旬ごろ。ここは無理せず、買う判断をしていい時期です。

★植える場所は「跡地」を使ってください

11月にいちばん困るのが、土づくりの時間がないことです。

肥料は土の中で分解されてから効きます。それに2週間以上かかる。今から肥料を入れて、分解を待って、それから植える。もう間に合いませんよね。

そこで使うのが、跡地です。

9月に植えて、いま収穫期を迎えている野菜。そこを少し早めに片づけて、そのまま次を植える。前の野菜のために入れた肥料が残っているので、あらためて施肥しなくていいんです。

このあたりが狙い目です。「まだ穫れるけど、そろそろかな」というくらいで見切りをつけるのが、11月のコツですね。

11月に植える・まく5つ

11月に植える5つの野菜

①スナップエンドウ

11月の主役です。

さやえんどうのおいしいさやの中に、グリーンピースのような甘い豆が入っている。両方いっぺんに味わえる、いいとこ取りの野菜です。しかも実がたくさんつきます。

買うと高いんですよね、スナップエンドウ。でも自分で作ると、食べきれないくらい穫れます。

唯一にして最大の難点が、冬越しが必要なこと。そこは次の章でみっちりお話しします。

②グリーンピース

スナップエンドウの陰に隠れがちですが、私はこれをもっと作ってほしいと思っています。

グリーンピースって、シュウマイやチャーハンの上に乗っているあの緑の粒、というイメージの方が多いんじゃないでしょうか。冷凍のあれです。

ゆでたてのグリーンピースは、まったくの別物です。

香りがあって、豆そのものが甘い。スナップエンドウの倍くらいある大きなさやを開けると、中に豆が6〜10個ぎっしり詰まっています。あれを開ける瞬間が、けっこう楽しいんですよ。

11月にまいて、収穫は6月ごろ。栽培期間が長いのが難点ですが、病害虫の心配はほとんどありません。穫れたらまず塩ゆで、それから豆ごはん。これは本当におすすめです。

③春大根

大根の第3ラウンドです。

9月にまくのが年内どり、10月にまくのが年越しどり、そして11月にまくのが春どり。同じ大根なのに、まく月で三度楽しめる野菜なんですね。

そして春大根で成否を分けるのは、防寒対策です。暖かくしてあげれば、どんどん育ちます。逆に何もしないと、ほとんど大きくなりません。ここは資材をケチらないほうがいいところです。

④からし菜(わさび菜)

これは知る人ぞ知る、無農薬向きの葉物です。

からし菜はアブラナ科なのですが、★アブラナ科の中では群を抜いて虫が寄りつきません。あの辛味成分のおかげですね。防虫ネットの手間をかけたくない方には、これ以上ない選択肢だと思います。

そして面白いのが味の変化です。

暖かい時期に作ると、ただ辛いだけ。でも寒い時期に作ると、辛味の中に甘みが乗ってきます。

おすすめは「わさび菜」。名前のとおり、わさびのような風味のからし菜です。サラダに入れると、それだけで一皿の主役になります。収穫は2〜3月ごろ。

ちなみに、中華料理でおなじみのザーサイもこの仲間なんですよ。

⑤玉ねぎ(苗を買って植える)

11月の玉ねぎは、タネからではなく苗を買って植えます。

株間15cmというのが玉ねぎのいいところで、面積あたりの収穫数がとても多い。1畳ぶんの畝があれば、家族の1年分がだいたい賄えます。

玉ねぎの詳しい植え方は、以前に一本まるごと書いています。苗選びのところがいちばん大事なので、これから買う方はそちらもぜひ。

★冬を越せるのは「小さい株」です

育ちすぎた株と、ちょうどいい10〜15cmの株の比較

ここからが今月の本題です。

スナップエンドウとそら豆について、はっきりした数字があります。

12月末の時点で、高さ10〜15cm。これが理想です。

それより大きく育ってしまった株は、12月から2月にかけて、ほぼ枯れます。

なぜ大きいと枯れるのか

意外に思われるかもしれませんが、スナップエンドウもそら豆も、寒さそのものには結構強いんです。

弱いのは、冷たい風です。

背が高く育った株は、風にまともに当たります。しかも茎が伸びて柔らかい部分が増えている。そこがやられる。

背が低い株は、地面のすぐ上にいるので風をよけられます。地面は空気より冷えにくいので、そこにへばりついているほうが安全なんですね。

だから11月に「よく育っているな」と喜ぶのは、実は危険信号です。今の私は、伸びすぎている株を見ると逆に不安になります。

★もう伸びてしまった場合

「うちのはもう20cm超えてる…」という方も大丈夫です。手はあります。

そして、いちばんお伝えしたいのがこれです。

枯れても、諦めないでください。

長く伸びた茎が寒さで枯れても、根が生きていれば、株元から新しい脇芽が出てきます。それを育てればちゃんと収穫できます。

上が茶色く枯れた姿を見ると「今年はもうダメだ」と抜きたくなりますが、そこで抜かないでください。春になってから、下から出てきますから。

買い直すという選択肢も

11月中旬ごろから、ホームセンターにスナップエンドウとそら豆の苗が並びます。

タネまきが遅れた方、失敗した方は、素直に苗を買っていいと思います。ちょうど適期サイズの苗が売られているので、むしろ確実です。

家庭菜園は意地を張るところではないので、使えるものは使いましょう😊

防寒は、株数で選ぶ3パターン

株数で選ぶ防寒の3パターン

防寒のやり方はいくつもありますが、迷ったら「何株あるか」で選んでください。

パターン1:4〜6株 → 行灯(あんどん)を作る

株数が少ないなら、これがいちばんしっかり守れます。

  1. 150cmの支柱を4本用意する
  2. 株元から20cm離した四隅に、垂直に立てる。風で倒れないよう、しっかり押し込む
  3. 地面から15cmのところで、四隅を囲むように紐を張って結ぶ(1段目)
  4. さらに15〜30cm間隔で、2段目・3段目・4段目と張る
  5. 防虫ネットを周りに巻いて、洗濯バサミで留める

紐は結び方にこだわらなくて大丈夫です。ほどけなければ何でもいいです。

この紐が地味に効きます。あとで株が伸びてきたときに、つっかい棒の役目をして、外側へベタッと倒れるのを防いでくれるんですね。防寒だけでなく、支柱としても働いてくれる。

特に冷え込む日は、この上から不織布をかけると万全です。

パターン2:株数が多い → ネットの上に不織布を重ねる

★いちばん効率がいいのがこれです。

すでに防虫ネットのトンネルをしているなら、その上から不織布をかぶせるだけ。新しく支柱を立てる必要がありません。

固定にコツがあります。下の防虫ネットを留めているUピンを一度外して、ネットと不織布を2枚重ねてから挿し直す。こうするとピンが増えず、きれいに留まります。

パターン3:苗が10〜15cm以下 → 不織布を直接ベタがけ

小さい苗なら、これがいちばん簡単です。不織布を上から直接かけて、Uピンで留めるだけ。

ただし条件があります。

★小さい苗のときだけです。大きくなった株にベタがけすると、布の重みで押されて傷みます。

そしてもうひとつ。★ピンと張らず、ふわっとかけてください。株が伸びる余裕を残しておく感じですね。

どのパターンでも、期間の目安は12月の終わりから2月いっぱいです。

すでに植えたものの、11月のお世話

玉ねぎのトンネル要否と、にんにくの年内追肥

玉ねぎ ー 実は、放っておいても大丈夫な株が多い

玉ねぎの生育適温は15〜20℃。25℃を超えると生育が止まります。

そして寒さについては、意外と強いんです。★生育初期なら、マイナス8℃くらいまで耐えます。

なので基本的に、玉ねぎにトンネルは不要です。

トンネルをしたほうがいいのは、この3つに当てはまる方だけ。

理由は霜柱です。小さい苗や根がまだ張っていない苗は、霜柱に持ち上げられて浮いてしまいます。浮いた苗は風で倒れ、根がむき出しになって枯れます。

資材はこう選んでください。

「かけっぱなしでいい」というのは、忙しい方にとって想像以上に大きなメリットです。私は不織布派ですね。

にんにく ー ★年内の追肥で大玉が決まります

にんにくの追肥は、11〜12月と2〜3月の2回です。

そして、11〜12月のほうが大事です。

なぜかというと、こういう仕組みだからです。

★本格的な寒さが来る前に、本葉5枚くらいの大きさにしておく。ここまで育っていないと、春にどれだけ追肥しても大玉になりません。

冬の間、にんにくは地上部をほとんど伸ばしません。つまり冬に入る時点の体の大きさが、春のスタートラインになる。ここで小さいと、最後まで小さいままなんですね。

だから、植えるのが遅れた方や、生育が遅れている方ほど、年内の追肥が効きます。

生育がかなり遅れている株には、追肥に加えて不織布のトンネルをかけてあげてください。

★雪の日、鳥がやってきます

雪の日に鳥がブロッコリーの葉を食べる被害と対策

これ、経験するまで信じられない話だと思います。

ブロッコリーやカリフラワーが大きくなってくると、防虫ネットに収まらなくなりますよね。虫ももう減っている。だから外そうかな、と思う。

そこで外すと、冬に大変なことになります。

何が起きるか

12月から1月、特に雪が降った後です。

畑が一面真っ白になると、鳥にとって食べ物が消えます。そんな中で、雪の上にひとつだけ緑色が突き出している。ブロッコリーの葉です。

鳥は集団でやってきます。そして★花蕾(食べる部分)ではなく、葉を食べます。ひどいときは一晩で坊主です。

葉を全部食べられた株は、光合成ができないので、その後まったく育ちません。せっかくここまで育てたのに、収穫直前で終わります。

だから、ネットは「用途を変えて」張り直す

防虫ネットを外すのではなく、防鳥+防寒のために張り直す。これが11月にやっておく仕事です。

  1. 50cmの支柱を4本、株を中心にして四隅に差す(2株以上なら中間にも足す)
  2. 防虫ネットを周りに巻きつける
  3. 下のほうから洗濯バサミで留めていく
  4. 上はネットをたぐり寄せて、紐で縛る

風のない日にやってください。風がある日は本当に作業になりません。何度もネットを持っていかれて、心が折れます。

その前に、倒れかけた株を起こす

ネットを張る前に、もうひとつ。

秋の風で傾いてしまった株はありませんか。あれ、放っておくと危険です。さらに強い風が吹いたときに、根が浮いたり茎が折れたりします。

これはネットを張らない方にも、ぜひやっておいてほしい作業です。

ちなみに茎ブロッコリーを育てている方は、この時期に頂花蕾(てっぺんの、直径4cmくらいのかたまり)を切ってください。そうすると脇芽がどんどん出てきます。茎ブロッコリーで食べるのは、その脇芽のほうですからね。

11月にやってはいけないこと3つ

①肥料を入れて、すぐタネをまく

分解に2週間以上かかります。寒くなるとさらに遅くなり、分解しきっていない肥料が障害を起こすことがあります。

11月は、跡地を使って肥料なしでまき、あとから生育を見て追肥する。これが正解です。

②防虫ネットをすぐ外す

葉がつっかえてきても、外さないでください。虫はまだ活動していますし、このあと鳥が来ます。

外すのではなく、緩めるか、支柱を足して高さを稼いでください。

③結球中の下葉を取る

キャベツや白菜の下葉が地面についていると気になりますが、成長段階の外葉は結球のために働いています。ここで取ると巻きません。

取っていいのは、完全に黄色くなった葉だけです。

おまけ:11月中旬までに穫っておくもの

学ぶ:なぜ、小さい株のほうが冬に強いのか🔬

理科の時間です。この記事の「小さいほど強い」を、もう一歩深めます。

まず、植物が冬に枯れる原因は、思っているのと少し違います。

凍って死ぬより、乾いて死ぬほうが多いんです。

冬の風は、とても乾いています。その風が当たると、葉から水分がどんどん奪われます。ところが土は冷たく、根は水を吸う力が落ちている。出ていく一方で、入ってこない。

これが、冬に植物が枯れる主な理由です。だから防寒より「防風」のほうが効く。行灯を作って風を止めるのが、実は理にかなっているんですね。

では、なぜ小さい株のほうが強いのでしょうか。

理由は2つあります。

ひとつは、風です。背が低ければ、地面のすぐ上にいることになります。地面のそばは風が弱く、しかも土が昼間に受けた熱を少しずつ放しているので、空気より暖かい。小さい株は、いちばん条件のいい場所にしゃがんでいるわけです。

もうひとつは、細胞の中身です。

植物は寒さに当たると、細胞の中のデンプンを糖に変えてためこみます。砂糖水が水より凍りにくいのと同じで、糖が濃いほど凍りにくくなる。いわば、自分で不凍液を作っているんですね。

そして、ゆっくり育った小さく締まった株ほど、この糖の濃度が高くなります。逆に、急いで大きくなった株は水っぽくて、凍りやすい。

ここで、面白いことがつながります。

冬の野菜が甘くなるのは、この不凍液のせいなんです。

ほうれん草を収穫の1週間前に寒さに当てると甘くなるのも、からし菜が冬になると辛味の中に甘みを持つのも、全部これ。野菜は自分が凍らないために糖をためていて、人間はそれを「おいしい」と言って食べているわけです。

お子さんと一緒なら、同じ野菜を「トンネルの中」と「外」で育てて、食べ比べてみてください。外で寒さに当たったほうが甘い。生き延びるための工夫を、そのまま味わえます😊

まとめ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!

11月は、まく月であり、守り方を決める月です。ポイントを整理しておきますね。

全部やろうとしなくて大丈夫です。まずは畑に出て、スナップエンドウの背丈を測ってみてください。10〜15cmなら、そのまま冬へ。伸びすぎていたら、今日のうちに先を摘む。それだけで来年の6月が変わります🍂

次回は、寒くなってからが本番の話。冬の畑で野菜が甘くなるしくみと、その甘さを引き出す穫り方をお話しします🥬

11月に用意するもの

スナップエンドウのタネ(つるなしホルンスナック)

11月の主役です。つるなしなので支柱4本で済み、草丈1mほど。子どもと一緒に穫れる高さなのがうれしいところです。年末に10〜15cmを目指してまいてください。

そら豆のタネ(駒栄)

秋まき用。11月はじめまでにまいて、小さいまま冬へ。玉ねぎと隣り合わせに植えると、春にお互いを助け合います。

玉ねぎ苗(中晩生 ネオアース)

11月は苗を買って植える月です。株間15cmでびっしり植えられるので、狭い畑でも50個以上穫れます。中晩生は保存がきくのがありがたいです。

不織布

防寒の3パターンすべてで使います。換気がいらないので、かけっぱなしにできるのがいちばんの利点。玉ねぎにも豆にも、これ1つで足ります。

支柱(150cm)

行灯(あんどん)を作るのに、株を囲んで4本立てます。紐を4段張れば、防寒と支柱を兼ねてくれます。

炭化鶏ふん

にんにくの年内追肥に使います。鶏ふんはリン酸が多くてにんにくと相性がよく、これが冬前の本葉5枚を作ります。粒状なのでまきやすいです。