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べと病対策の決定版|玉ねぎは冬から春が勝負、きゅうりは湿気と肥料切れに注意

べと病対策の決定版|玉ねぎは冬から春が勝負、きゅうりは湿気と肥料切れに注意

この記事で分かること

玉ねぎを植えて冬を越し、春になってこれから玉が太るというころに、葉が黄色っぽくなってしおれ、まわりの株にもどんどん広がっていく。梅雨どきのきゅうりの下の葉に、黄色い四角い模様が出て、あっという間に上の葉へ広がっていく。どちらも、べと病でよく見られる光景です。

べと病は、症状が出てから手当てをしても、なかなか止められない病気です。特に玉ねぎは、秋に植えてから翌年の初夏に収穫するまで、半年以上も畑にいます。そのどの時期に何が起きているのかを知らないと、春に症状が出てから慌てることになります。そのかわり、いつ、どこから、どうやって広がるのかが分かっていれば、前もって手を打つことができます。この記事では、べと病の正体から、玉ねぎ、きゅうり、ねぎなど野菜ごとの症状と1年の流れ、薬を使わない予防、見つけたときの手当て、似た症状との見分け方まで、順番に書いていきます。特に、これから植えつけの時期を迎える玉ねぎについて、くわしく書きます。

早見:べと病の基本

見た目

出やすい条件

やること

症状の見分け方

べと病という病気

かびの仲間による病気

べと病は、かびの仲間(水を好むかびのなかま)が原因の病気です。湿った空気の中で葉の上に胞子を作り、その胞子が風や雨のしずくで運ばれて、新しい葉に感染していきます。

名前のとおり、湿気が多く「べとっ」とした時期に広がりやすい病気です。葉の表面がぬれている時間が長いほど、胞子が芽を出して葉の中に入りこみやすくなります。

野菜の仲間ごとに、かびの種類が違う

べと病は、多くの野菜に出ますが、原因になるかびは、野菜の仲間ごとにだいたい決まっています。

たとえば、きゅうりのべと病が、すぐとなりの玉ねぎにうつる、ということはふつうありません。一方で、玉ねぎとねぎ、わけぎのように、同じ仲間どうしでは、うつりやすいと考えておきます。玉ねぎを植える場所の近くに、べと病の出たねぎやわけぎがあると、そこからうつることがあります。

何が困るのか

葉に斑点が広がると、その部分は光合成ができなくなり、やがて枯れていきます。葉が枯れると、株全体が弱り、収穫量が減ります。

玉ねぎのべと病

玉ねぎは、もともと育てやすい野菜

玉ねぎは、虫の被害が比較的少なく、薬を使わない家庭菜園でも育てやすい野菜です。気をつけたい病気は、春のべと病やさび病などに限られます。だからこそ、べと病の対策を押さえておけば、薬を使わなくても、十分に収穫を楽しめます。

1年の流れを知っておく

玉ねぎのべと病は、1年の中で、感染する時期と、症状が出る時期と、広がる時期がはっきり分かれています。この流れを知っておくことが、対策のいちばんの近道です。

1.土の中で生き残る:前の年にべと病が出た葉や株の中で作られた、殻の厚い胞子が、土の中に残ります。この胞子は長生きで、十数年も休眠しているものもあると言われています。

2.秋から初冬に感染する:玉ねぎの苗を植えたあと、秋から初冬にかけて、土の中の胞子から苗に感染します。このときは、まだ症状は出ません。

3.2〜3月に症状が出る(越年罹病株):冬を越した株の中で病気が進み、2〜3月を中心に、症状が出てきます。こうした株を「越年罹病株(えつねんりびょうかぶ)」と呼びます。

4.春の雨で広がる(二次感染):越年罹病株の葉にできた胞子が、風や雨で運ばれ、まわりの株に感染します。気温が10〜20℃で、雨が降って葉がぬれる日に感染しやすく、特に3月中旬〜5月中旬に多くなります。感染してから症状が出るまでは、2週間ほどかかります。

5.5月中旬以降は落ちつく:気温が上がると、病気の勢いは衰えます。ただし、病気の葉の中では、また殻の厚い胞子ができて、土の中に残ります。

越年罹病株の見分け方

2〜3月に出てくる越年罹病株は、次のような姿をしています。

寒さで葉先が枯れている株とは、葉全体の色と、ねじれ方で見分けます。寒さによる傷みは、葉先から茶色く枯れていくのに対し、越年罹病株は、葉全体が淡い色になって縮みます。

2〜3月の見回りの手順

1.晴れた日の昼より、朝の早い時間か、くもりの日に見回ると、葉の色の違いが分かりやすくなります。

2.うねの端から、1株ずつ、葉の色とねじれ方を見ていきます。まわりの株と比べて、明らかに色の淡い株、縮んでねじれた株がないかを探します。

3.気になる株があれば、葉の表面をよく見ます。湿った朝なら、灰色がかったかびが見えることがあります。

4.越年罹病株と分かったら、その場で根ごと抜き、用意しておいた袋に入れます。

5.抜いたあとの穴は、土を戻して平らにしておきます。

6.袋は口をしばって、畑の外へ持ち出して処分します。

2月から3月にかけて、週に1回この見回りを続けます。1回で全部見つけきれなくても、何度か見るうちに、見落としが減っていきます。

越年罹病株は、見つけたら抜く

越年罹病株は、春の間ずっと胞子を作り続け、まわりへの感染の出どころになります。少ない数でも、そこから畑全体に広がることがあります。

1株抜くのはもったいなく感じますが、その1株が、まわりの何十株への感染の元になります。二次感染が始まる前の、早い時期に抜くことが大切です。

春は、雨のあとに見回る

3月中旬からは、二次感染の時期です。雨の数日あと、2週間ほどあとに、新しい斑点が出ていないか見回ります。葉に黄白色の大きな斑紋が出た株は、病気の葉を取るか、ひどい場合は株ごと抜きます。

雨の多い春は、特に注意

二次感染は、暖かい雨の日に起こりやすくなります。3月に大雨が降り、そのころ気温の高い日が重なった年は、感染に好都合な条件だった、と注意をうながす資料もあります。また、春の気温が平年より高くなる予報が出ている年は、べと病が出やすくなると考えられています。

雨の多い春や、暖かい春は、いつもより見回りの回数を増やし、うね間の溝が詰まっていないか、水がたまっていないかも確かめておきます。

広がってしまったら、早めに収穫

収穫の近い時期に、べと病が広がって葉が次々に枯れてしまった場合は、玉の大きさにこだわらず、早めに収穫するほうがよいこともあります。そのまま置いておくと、玉そのものが傷んで、保存中に腐りやすくなります。

収穫した玉ねぎは、晴れた日に畑で乾かしてから、葉と根を切ります。収穫してすぐに切ると、切り口から出る汁が、かびや腐れの原因になることがあります。

玉ねぎの1年の流れ

収穫と保存でできること

病気の株の玉と元気な株の玉をいっしょに保存すると、傷んだ玉から腐れが広がることがあります。収穫のときに分けておくと、保存の失敗が減ります。

玉ねぎのべと病の予防

植えつけの準備で気をつけること

玉ねぎのべと病の予防は、苗を植える前の土づくりとうね作りから始まります。

1.植える場所を選ぶ

病気の元は、土の中で長く生き残ります。一度べと病が多く出た場所は、何年か、ねぎの仲間を植えないようにします。

2.うねを高くして、水はけをよくする

玉ねぎのべと病の予防で、いちばん基本になるのが水はけです。

3.肥料は控えめに、時期を守って

窒素の多い肥料を効かせすぎると、葉がやわらかく、ひょろひょろと伸び、病気にかかりやすくなります。

4.病気の残さを畑に残さない

収穫のあとの玉ねぎの葉や、病気の株は、畑に残さず、外へ持ち出して処分します。病気の葉を土にすきこむと、その中でできた殻の厚い胞子が、土の中に残り続けます。

5.苗を植えたら、秋から気にかける

感染は、苗を植えたあとの秋から初冬に起こります。植えつけのときから、水はけと風通し、肥料の加減に気を配っておきます。

手づくりの液や、市販の資材

薬を使いたくない人の中には、納豆菌をふやした液や、木酢液を、秋から冬にかけて玉ねぎにかけて、べと病を予防する、という方法を試している人もいます。効き目のほどははっきりしていないので、ここまでに書いた基本の予防と組み合わせて考えてください。

市販の資材には、銅を含む薬など、有機栽培でも使えるものがあります。使う場合は、ラベルに書かれた野菜の名前、使う時期、回数を必ず確かめてください。べと病は、出てからでは抑えにくいので、どの方法も、予防として使うものです。

きゅうりのべと病

症状

出やすい条件

予防

見つけたら

きゅうりの見回りの手順

1.株元から上へ、下の葉を中心に、葉の表と裏を見ます。

2.黄色い斑点がないか、あれば角ばった形か、裏にすすのようなかびがないかを確かめます。

3.斑点の出た葉は、はさみで葉のつけ根から切り、袋に入れます。

4.黄色くなった古い葉、地面に近い葉も、あわせて整理します。

5.葉の色が全体に薄くなっていないか、実が曲がってきていないかを見て、肥料切れなら追肥をします。

雨の続く時期は、2〜3日に1回くらい見回ると、斑点が少ないうちに気づけます。

ねぎ、白菜、ほうれん草のべと病

ねぎ

ねぎの葉に、黄白色の斑紋が出て、先のほうから枯れこんでいくことがあります。黒っぽい斑点が出ている葉は、根元から切り取ります。ねぎは、まん中から新しい葉が次々に出てくるので、病気の葉を取っても、株が元気なら回復します。

夏の暑さで、古い葉の先が自然に枯れていくのは、病気とは限りません。葉先から一様に枯れているか、途中に斑点があるかで見分けます。

ねぎの仲間は、まとめて気にかける

玉ねぎ、ねぎ、わけぎ、にらなどのねぎの仲間は、べと病の原因になるかびが共通していることがあります。畑の中でねぎの仲間を育てている場所が近い場合は、どれか1つにべと病が出たら、ほかの仲間の株も見回ります。

玉ねぎを植える場所を決めるときは、近くで育てているねぎやわけぎに、病気が出ていないかも確かめておきます。

白菜、大根などアブラナの仲間

秋に雨が多いと、白菜や大根の外葉に、葉脈に区切られた黄色っぽい斑点が出ることがあります。外葉に出たものは、その葉を取り、畑の外へ出します。株のまん中の若い葉が元気なら、育ちを大きく妨げることは少なくなります。

ほうれん草

冷たい雨が続く時期に、葉に黄色っぽい斑点が出て、葉の裏に灰色がかったかびが出ることがあります。株が混みあうと出やすいので、間引きをして風通しをよくします。

秋冬の葉物でも、株元の整理を

秋から冬にかけて育てる葉物やキャベツの仲間でも、株元の枯れた葉や、マルチにはりついた葉を残しておくと、湿気がこもって病気が出やすくなります。下の枯れた葉は、光合成にはほとんど役立っていないので、見回りのたびに整理しておきます。株が混みあっている部分は、外側の葉を少し取って、風を通します。

メロン、かぼちゃ、ゴーヤ

きゅうりと同じうりの仲間なので、きゅうりと同じような角ばった黄色い斑点が出ることがあります。梅雨どきや、雨の多い時期に、下の葉から見回ります。予防と手当ては、きゅうりと同じです。

レタス

涼しく湿った時期に、葉に黄色っぽい斑点が出て、葉の裏にかびが出ることがあります。外側の葉に出たら、その葉をはがして畑の外へ出します。株元の枯れた葉を残さないようにします。

似た症状との見分け方

うどんこ病との違い

同じ「かびの病気」でも、好む天気がまったく違います。晴れが続いて白い粉ならうどんこ病、雨が続いて黄色い斑点ならべと病、と天気と合わせて考えると、見分けやすくなります。

肥料切れ

肥料が切れて葉が黄色くなる場合は、斑点ではなく、葉全体が均一に黄色くなります。また、下の古い葉から順に、まんべんなく色が薄くなっていきます。べと病は、葉の一部に斑点ができて、それが広がっていきます。

寒さや暑さによる葉先の傷み

冬の玉ねぎの葉先が茶色く枯れるのは、寒さによることが多く、葉先から枯れていきます。夏のねぎの葉先が枯れるのは、暑さによることもあります。べと病は、葉全体の色が淡くなる、葉の途中に斑紋や斑点ができる、という違いがあります。

玉ねぎのさび病

玉ねぎやねぎの葉に、オレンジ色の小さな盛り上がった斑点ができ、さわると粉がつくのは、さび病です。べと病と同じく春に出やすく、いっしょに出ることもあります。べと病は黄白色の斑紋と灰色がかったかび、さび病はオレンジ色の粉、と色で見分けます。どちらも、水はけと風通し、肥料の加減で予防するのは同じです。

玉ねぎの春の腐れ(細菌の病気)

春、それまで元気だった玉ねぎが急に元気をなくし、最後はいやなにおいを出して腐ってしまうことがあります。これは、細菌による病気で、べと病とは別のものです。3〜5月の、気温15℃前後で雨が続く時期に出やすく、雨の泥はねで傷口から細菌が入りこみます。

べと病と同じく、水はけをよくし、泥はねを防ぐことが予防になります。腐った株は、まわりに広げないよう、早めに抜いて畑の外へ出します。

ほかの病気

きゅうりには、べと病と似た斑点の出る病気がほかにもあります。斑点が古くなって穴があく、斑点に白っぽい菌のかたまりが見える、といった場合は、べと病以外の病気のことがあります。べと病は、古くなっても穴があかず、葉の裏にすすのようなかびが出るのが特徴です。

予防と見つけたとき

季節ごとにやること(一般的な地域の目安)

玉ねぎ

白菜、大根など秋冬の野菜

きゅうりなど夏の野菜

説明が分かれるところ

病気の株は抜くか、葉だけ取るか

玉ねぎの越年罹病株は、胞子を作り続けるので、抜いて畑の外へ出すのが基本です。一方、春の二次感染で一部の葉に斑紋が出た程度なら、その葉だけを取って様子を見る、という考え方もあります。病気が広がる時期の前は「抜く」、収穫が近い時期は「病気の葉を取って早めに収穫」と、時期で考えるのが現実的です。

手づくりの液は効くか

納豆菌の液や木酢液などを予防にかける方法は、「効果があった」という声がある一方、はっきり確かめられたものではありません。水はけ、植える場所、肥料、病気の株を取り除く、という基本の予防が先です。手づくりの液を使う場合は、それに加える形で考えてください。

重曹の液をかけるか

きゅうりなどで、べと病の広がりを抑えようと、うすめた重曹の液をかける人もいます。重曹は、うどんこ病の手当てに使われることの多い資材で、べと病にどのくらい効くかは、はっきりしていません。かけるとしても、病気の葉を取る、風通しをよくする、追肥で株を元気にする、という基本の手当てといっしょに行います。

草木灰や石灰をまくか

アルカリ性の草木灰や石灰をまいて、病原菌を抑える、という考え方もあります。一方で、石灰をまきすぎると土がアルカリ性に傾きすぎ、根を傷めたり、養分の吸収が悪くなったりします。土の酸っぱさを整える目的の量を守り、病気よけのためにまきすぎないようにします。

よくある失敗

越年罹病株を「寒さのせい」と思って放っておいた

2〜3月に、葉が淡い色になって縮んでいる株は、べと病のことがあります。放っておくと、春にまわりへ広げる元になります。

毎年、同じ場所に玉ねぎを植えた

病気の元は土の中に長く残ります。べと病が出た場所には、何年かねぎの仲間を植えないようにします。

病気の葉を、うね間に捨てた

取った葉からも胞子が飛び、土の中に病気の元が残ります。袋に入れて畑の外へ出します。

肥料で元気にしようとして、窒素を効かせすぎた

葉がやわらかくなり、かえって病気にかかりやすくなります。量と時期を守ります。

きゅうりの追肥を切らした

肥料切れで株が弱ると、べと病が広がりやすくなります。収穫が続く時期は、追肥を切らさないようにします。

よくある質問

越年罹病株を1株見つけたら、まわりの株も抜きますか

まわりの株まで抜く必要はありません。まわりの株は、葉の色やねじれを確かめて、同じ症状がなければ残します。ただし、見つけた株のまわりは、しばらくの間、特に念入りに見回ります。

去年べと病が出た畑しか、植える場所がありません

できるだけ、病気の出た場所から離れた場所を選びます。それもむずかしい場合は、次のことを組み合わせて、病気の出る条件を減らします。

病気の葉を取りすぎると、株が弱りませんか

一度にたくさんの葉を取ると、株が弱ります。斑点の出た葉と、古く枯れかけた葉を中心に取り、上のほうの元気な葉は残します。広がっている場合は、数日に分けて少しずつ取ります。葉を取ったあとは、追肥をして、新しい葉が出るのを助けます。

べと病が出た場所には、何年あければいいですか

玉ねぎのべと病の元は、土の中で十数年も休眠しているものがあると言われるので、「何年あければ安心」とは言いきれません。できるだけ長く、ねぎの仲間以外の野菜を育てる場所にします。家庭菜園で場所が限られる場合は、病気の出た場所の中でも、水はけのよいところを選び、うねを高くし、2〜3月の見回りを念入りにする、という組み合わせで備えます。

べと病の玉ねぎは食べられますか

食べられます。ただ、病気の株の玉は傷みやすく、保存中に腐ることがあるので、長く保存せず、早めに食べるようにします。

買ってきた苗は大丈夫ですか

苗を選ぶときは、葉の色が濃い緑で、つやがあり、ねじれや斑点のないものを選びます。植えたあとは、2〜3月の見回りで、越年罹病株がないかを確かめます。

玉ねぎの苗を自分で育てています。気をつけることは

苗床でも、秋のうちに土の中の病気の元から感染することがあります。苗床は、前にべと病の出た場所やねぎの仲間を育てていた場所を避け、水はけのよいところに作ります。苗が混みあうと風通しが悪くなるので、間引きをして株の間をあけます。植えつけのときは、色が淡い苗、ねじれた苗、斑点のある苗は使わないようにします。

わけぎやにらにも出ますか

わけぎ、にら、らっきょうなどのねぎの仲間にも、べと病が出ることがあります。玉ねぎの近くで育てている場合は、いっしょに見回り、葉に淡い色の斑紋や、湿った朝のかびがないかを確かめます。

プランターでも出ますか

出ます。プランターは、受け皿に水がたまっていたり、壁ぎわで風通しが悪かったりすると、湿気がこもりやすくなります。受け皿の水を捨て、プランターどうしの間をあけて、風を通します。前にべと病が出たプランターの土は、同じ仲間の野菜には使わないようにします。

冬の間にできることはありますか

冬は、玉ねぎのべと病の症状がまだ表に出ていない時期です。この間に、うね間の溝を掘り直して水はけを保つ、冬の追肥をごく少なめにする、株元の雑草を取って風通しをよくする、といった手入れをしておくと、春の広がりを抑えることにつながります。

雨よけをすれば防げますか

雨が直接葉に当たらないようにすると、葉がぬれる時間が短くなり、べと病は出にくくなります。トマトやきゅうりで雨よけの屋根をかける人もいます。ただし、雨よけの下はアブラムシが増えやすいなど、別の注意も出てくるので、見回りは続けます。

学ぶ:べと病のしくみ🔬

なぜ、湿気が多いと広がるのか

べと病のかびは、葉の表面に水があるときに、胞子が芽を出して、葉の気孔などから中に入りこみます。葉がぬれている時間が長いほど、感染の機会が増えます。また、葉の中で育ったかびは、湿った夜から朝にかけて、葉の外へ胞子を作る枝を伸ばし、新しい胞子をたくさん作ります。雨が続くと、この「感染」と「胞子づくり」の両方が進み、一気に広がるのです。

なぜ、2週間遅れて症状が出るのか

かびの胞子が葉に入りこんでから、葉の中で増えて、目に見える斑点や斑紋になるまでには、時間がかかります。玉ねぎのべと病では、感染してから症状が出るまでに、2週間ほどかかると言われています。

つまり、雨の日に感染していても、その日には何も見えません。2週間ほどたってから、急に斑紋が出てくるのです。春の見回りで「雨の2週間ほどあと」を意識するのは、このためです。症状が見えたときには、すでに次の感染が起きているかもしれない、という前提で、早めに病気の葉や株を取り除きます。

なぜ、土の中で何年も生き残れるのか

べと病のかびは、病気になった葉の中で、2つの性質の違う胞子を作ります。1つは、風に乗って次々に広がるための、薄い殻の胞子。もう1つは、厳しい環境を生き抜くための、厚い殻に守られた胞子です。厚い殻の胞子は、乾燥や寒さに強く、土の中で長い間休眠して、そばに同じ仲間の野菜が植えられるのを待ちます。玉ねぎのべと病が、病気の出た場所に続けて植えると出やすいのは、このためです。

なぜ、5月中旬を過ぎると落ちつくのか

玉ねぎのべと病のかびが新しく感染できるのは、気温が10〜20℃ほどの、やや涼しい湿った時期です。5月中旬を過ぎて気温が上がってくると、かびにとっては暑すぎるようになり、新しい感染が起こりにくくなります。そのため、病気の勢いは自然に衰えていきます。

ただし、それまでに病気になった葉の中では、土の中で生き残るための殻の厚い胞子ができています。勢いが落ちついたからといって安心せず、収穫のあとに病気の葉や株を畑から持ち出すことが、次の年への備えになります。

なぜ、肥料が多すぎても少なすぎてもいけないのか

窒素が多すぎると、葉は大きくやわらかく育ち、表面の守りが十分にできあがりません。葉が茂って風通しも悪くなり、湿気がこもります。反対に、肥料が切れると、株は弱り、病気に抵抗する力が落ちます。きゅうりで「肥料切れで株が弱るとべと病が出やすい」と言われるのは、このためです。どちらにも傾けず、株を元気に、でも茂りすぎずに育てることが、病気の予防になります。

まとめ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!

べと病対策のポイントを、もう一度まとめておきます。

べと病は、出てから止めるのがむずかしいぶん、予防がよく効く病気です。水はけ、植える場所、肥料の加減、そして2〜3月の見回り。この4つを続けるだけで、春の玉ねぎ畑の様子は大きく変わります。これから玉ねぎを植える方は、まず植える場所の水はけと、去年の様子を思い出すところから始めてみてください🧅

べと病の予防に使うもの

敷きわら

株元に敷いて、雨の泥はねを防ぎます。泥といっしょに病気の元が葉にはね上がるのを減らせます。

園芸ばさみ

斑点の出た葉は、はさみで葉のつけ根から切り取り、袋に入れて畑の外へ出します。

穴あき黒マルチ(15cm間隔)

玉ねぎの植えつけに。泥はねを防ぎ、株間もそろえやすくなります。