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肥料の効きすぎ・肥料焼け 決定版|葉の色と形で見分けるサイン、野菜ごとの症状、立て直し方

肥料の効きすぎ・肥料焼け 決定版|葉の色と形で見分けるサイン、野菜ごとの症状、立て直し方

この記事で分かること

「元気がないから肥料を足そう」「もっと大きくしたいから多めに入れよう」。家庭菜園では、つい肥料を足したくなります。ところが、葉は青々と茂っているのに実がつかない、白菜が巻かない、大根が割れる、さつまいもがつるばかりで芋がほとんどない。その原因が、実は肥料の効きすぎだった、ということは少なくありません。

肥料は、足りないと育たず、多すぎてもうまく育たない、さじかげんのむずかしいものです。しかも、肥料の効き方は、土の性質や天気、前に育てた野菜によっても変わるので、同じ量を入れても、毎年同じ結果になるとは限りません。けれども、野菜は肥料が多すぎるとき、少なすぎるときに、葉の色や形で、ちゃんとサインを出しています。この記事では、肥料焼けのしくみから、効きすぎと肥料切れの見分け方、野菜ごとのサイン、効きすぎたときの立て直し方、肥料の失敗を防ぐ土づくりまで、順番に書いていきます。

早見:肥料の効きすぎの基本

効きすぎのサイン

肥料切れのサイン

肥料焼けのサイン

効きすぎたときにやること

効きすぎと肥料切れ

肥料の基本をおさらい

3つの主な養分

肥料の袋には、「窒素・リン酸・カリ」の3つの数字が書かれていることが多いです。それぞれ、野菜の育ちの中で、主に次のような役割をしています。

肥料の効きすぎで問題になることが多いのは、窒素です。葉の色や大きさ、茂り方に、いちばんはっきり表れます。

早く効く肥料、ゆっくり効く肥料

早く効く肥料は、少しの量の違いが、すぐに株の様子に表れます。ゆっくり効く肥料は、効きはじめるまで時間がかかるぶん、「効いていない」と思って足してしまい、あとでまとめて効きすぎる、ということが起こりがちです。

肥料ごとの気をつけどころ

肥料焼けとは

根のまわりの肥料が濃すぎる

肥料は、土の中の水に溶けて、根から吸われます。ところが、根のまわりの肥料が濃くなりすぎると、根は水を吸えなくなり、反対に根の中の水が外へ引き出されてしまいます。その結果、根が傷み、株がしおれて、ひどいときは枯れてしまいます。これが「肥料焼け」です。

塩を土にまくと野菜が育たなくなるのと、よく似たしくみです。肥料も、濃すぎれば、根にとっては毒になります。

起こりやすい場面

生の有機物によるガス

肥料焼けとは少し違いますが、よく熟していない鶏ふんや、生の米ぬか、油かすなどを、植える直前に土に入れると、分解のときにガスや熱が出て、根を傷めることがあります。有機の肥料は、植える2〜3週間前までに土に混ぜておくと安心です。

根を見て確かめる

しおれた株が肥料焼けかどうか迷ったときは、株元を少し掘って、根を見ます。

根が茶色く傷み、近くに肥料のかたまりがあれば、肥料焼けの可能性が高くなります。

肥料焼けを防ぐ

効きすぎると何が起きるのか

葉ばかり茂って、実がつかない

肥料の中でも、窒素は、葉や茎を育てる養分です。窒素が効きすぎると、野菜は葉や茎を育てることにばかり力を使い、花を咲かせたり、実を太らせたりすることが後回しになります。トマトやなす、豆の仲間、さつまいもなどで、「葉は立派なのに実がつかない」というときは、窒素の効きすぎを疑います。

病気や虫が増える

窒素が多いと、葉や茎がやわらかく、水っぽく育ちます。病気のかびが入りこみやすく、アブラムシなどの虫にとっても、汁を吸いやすいごちそうの株になります。葉が茂りすぎて風通しが悪くなることも、病気を増やす原因になります。

根の野菜が割れたり、また根になったりする

大根やにんじんは、肥料が効きすぎると、根が急に太ろうとして割れたり、根の先が肥料のかたまりに当たって傷み、何本にも分かれた「また根」になったりします。

味が落ちる

肥料が効きすぎた野菜は、大きく育っても、味がぼやけたり、えぐみが出たり、繊維がかたくなったりすることがあります。

野菜ごとのサイン

トマト

トマトは、株の先のほうを見ると、肥料の効き具合がよく分かります。

なす、ピーマン

収穫が続く夏は、2〜3週間に1回の追肥が目安ですが、効きすぎのサインが出ているときは、追肥を休んで様子を見ます。

きゅうり

きゅうりは、肥料切れにも弱い野菜です。効きすぎと肥料切れの両方のサインを、見回りのたびに確かめます。

キャベツ、白菜

巻きがゆるいからといって、追肥を足すと、かえって巻かなくなることがあります。葉の色が濃く、波打っているなら、追肥はせずに様子を見ます。少し遅れても、巻きはじめることがあります。

ブロッコリー

大根、にんじん

大根は、土の中の養分を集める力が強い野菜です。元肥を多く入れすぎないほうが、形のよい大根になります。葉が大きすぎる大根は、効きすぎのサインです。

さつまいも(つるぼけ)

さつまいもは、もともと肥料をほとんど要らない野菜です。元肥を入れていなくても、前に育てた野菜の肥料が土に残っていて、つるぼけになることがあります。

豆の仲間

えだまめ、いんげん、えんどう、そら豆などの豆の仲間は、根に住む菌の力で、空気中の窒素を養分にできます。そのため、窒素の肥料が多すぎると、葉やつるばかり茂って、花や実がつきにくくなります。元肥はごく控えめにします。

玉ねぎ、ねぎ

窒素が多すぎると、葉がひょろひょろと伸びて、べと病などの病気にかかりやすくなります。玉ねぎは、追肥の止めどきを過ぎて肥料が効いていると、玉のしまりが悪く、保存中に傷みやすくなります。

ほうれん草、小松菜などの葉物

葉物は、窒素をよく使う野菜ですが、多すぎると、葉が大きくやわらかく、水っぽくなり、虫がつきやすくなります。土が肥料を抱えておく力が弱いと、肥料の濃さが急に高くなって、根が傷み、育ちが悪くなることもあります。

かぼちゃ、すいか

かぼちゃやすいかも、さつまいもと同じように、窒素が多いとつるばかり伸びる「つるぼけ」になりやすい野菜です。葉が大きく茂り、雌花が咲いても実がつかない、ついても落ちてしまう、ということが起こります。元肥は控えめにし、実がついて太りはじめてから追肥をする、という順番にすると、つるぼけを防ぎやすくなります。

じゃがいも

窒素が多すぎると、茎や葉ばかりが大きく茂り、芋が小さいまま、ということがあります。茂りすぎた株は、葉が倒れて蒸れ、病気も出やすくなります。元肥は袋の量を守り、芽かきと土寄せのときの追肥も控えめにします。

とうもろこし

とうもろこしは、肥料をよく使う野菜です。肥料切れになると、葉の色が淡くなり、実の先まで粒が入らないことがあります。一方で、元肥をまとめて入れすぎると、根を傷めることもあるので、元肥と追肥に分けて入れます。

いちご

いちごは、根が肥料の濃さに弱い野菜です。植えつけのときに元肥を入れすぎたり、株元に追肥を固めて置いたりすると、根が傷んで、株が弱ることがあります。追肥は、株から少し離して、少量を何回かに分けて入れます。

野菜ごとのサイン

見回りでの確かめ方

肥料の効き具合を確かめるときは、次の順で見ていきます。

1.同じ畑の、同じ野菜の株を、何株か並べて見比べる

2.葉の色:さえた緑か、どすぐろい緑か、淡い黄緑か

3.葉の大きさと形:大きすぎないか、波打ったりねじれたりしていないか

4.茎:太すぎないか、細すぎないか。トマトなら株の先の茎

5.花や実:花が落ちていないか、実のつき方はどうか

6.下の葉:黄色くなっていないか

7.気になる株があれば、株元の土を少し掘って、根と土の湿り気を見る

1回の見回りで決めつけず、1週間ほど様子を見て、変化を確かめてから判断すると、間違いが減ります。

効きすぎたときの立て直し方

まず、追肥を止める

効きすぎのサインが出たら、まず追肥を止めます。追肥の予定日でも、株の様子が効きすぎなら、その回は休みます。肥料は、野菜が吸ったり、雨で流れたりして、時間とともに減っていきます。

トマト:脇芽に養分を使わせる

トマトで効きすぎのサインが出たときは、ふだんは小さいうちに摘む脇芽を、すぐには摘まずに少し大きく育ててから摘む、という方法があります。脇芽が育つときに養分を使うので、余分な肥料を減らすことができます。主枝を2本にする仕立てにして、養分を分散させる方法もあります。

株の先が止まってしまった場合は、花の下から伸びている勢いのある脇芽を1本残して、そちらに伸びる役目を引き継がせます。

さつまいも:つるを返す、先を切る

つるぼけ気味のさつまいもは、地面に伸びたつるを持ち上げて、つるの節から出ている根を土から離し、ひっくり返しておきます(つる返し)。つるが土から養分を吸うのを減らすことができます。

暑い時期のつる返しが大変な場合は、伸びすぎたつるの先を切る方法もあります。勢いが強い株なら、先を切っても大きな問題はありません。支柱やネットにつるを上へ伸ばして、地面に根を下ろさせない方法もあります。

大根:次の作付けで調整する

大根は、育ってしまってから立て直すのはむずかしい野菜です。次の作付けで、次のことを試します。

なす、ピーマン:収穫を早めに進める

効きすぎで葉が茂りすぎたなすやピーマンは、追肥を休み、ついている実を早め早めに収穫して、株に実を育てる仕事をさせます。混みあった枝や葉を整理して、株の中に光と風を入れると、病気の予防にもなります。

豆の仲間:花が咲くまで待つ

窒素の効きすぎで茂った豆の仲間は、追肥をせずに、花が咲くのを待ちます。つるが伸びすぎた場合は、先を摘んで、わきから出る枝に花をつけさせる方法もあります。

キャベツ、白菜:待つ

効きすぎで巻きがゆるいときは、追肥をせずに待ちます。葉の色が落ちついてくると、少し遅れて巻きはじめることがあります。

水やりで肥料を流すか

プランターで明らかに肥料を入れすぎた場合は、たっぷり水をやって、鉢底から水が流れ出るようにし、土の中の余分な肥料を少し洗い流す方法があります。畑では、水で肥料を流す効果は限られるうえ、水のやりすぎで根を傷めることもあるので、無理に流そうとはしません。

肥料切れのときは

サインを確かめてから足す

葉の色が淡い、下の葉から黄色くなる、葉が小さい、といった肥料切れのサインが出たら、追肥をします。ただし、葉が黄色くなる原因は、肥料切れだけではありません。

土を少し掘って、根の様子や、土の湿り気を確かめてから、追肥をするかどうかを決めます。根が傷んでいるときに肥料を足すと、かえって肥料焼けを起こすことがあります。

寒さで葉の色が変わることも

秋から冬にかけて、キャベツやブロッコリー、白菜などの葉が、紫っぽく色づくことがあります。これは、多くの場合、寒さに当たったことによるもので、肥料の不足とは限りません。気温が上がると、元の色に戻ることもあります。冬の葉の色の変化を見て、すぐに肥料を足さないようにします。

足すときは少しずつ

肥料切れだからといって、一度にたくさん足すと、今度は効きすぎや肥料焼けになります。決められた量を、何回かに分けて足し、株の様子を見ながら調整します。

液体の肥料を使うとき

液体の肥料は、水やりといっしょに与えられ、早く効くのが特徴です。そのぶん、濃さを間違えると、すぐに肥料焼けにつながります。

プランターや育苗中の苗など、土が少ない場所では、表示よりさらにうすめに使うと安心です。

季節ごとに気をつけること

春の植えつけ

夏

秋冬

冬の土づくり

プランターの肥料

土が少ないぶん、効きすぎやすい

プランターは土の量が限られているので、同じ量の肥料でも、畑より濃くなりやすく、効きすぎや肥料焼けが起こりやすくなります。一方で、水やりのたびに肥料が流れ出るので、肥料切れも起こりやすい、という難しさがあります。

肥料の失敗を防ぐ土づくり

堆肥で「肥料をたくわえる力」をつける

土には、肥料を抱えこんでたくわえておく力があります。この力が大きい土は、肥料を入れても急に濃くなりにくく、雨で流れ出しにくくなります。人にたとえると、胃袋が大きいようなものです。

この力を大きくするのが、堆肥や腐葉土などの有機物です。有機物が分解されてできる「腐植」が、肥料を抱えこむはたらきをします。有機物の少ないやせた土は、胃袋が小さく、少し肥料を入れすぎただけで濃くなりすぎ、肥料焼けを起こしやすくなります。毎年堆肥を入れるのは、この胃袋を大きくするためでもあります。

前の作付けの肥料を考える

前に育てた野菜に多く肥料を入れていると、次の野菜を植えるときにも、土に肥料が残っていることがあります。特に、さつまいもや豆の仲間など、肥料を控えたい野菜を植えるときは、前の野菜で肥料をたくさん使っていなかったかを思い出します。栽培の記録をつけておくと役に立ちます。

元肥は少なめ、追肥で調整

元肥を最初から多く入れると、あとから減らすことはできません。元肥は控えめにして、足りない分は、株の様子を見ながら追肥で足すほうが、失敗が少なくなります。

肥料を止める時期を知っておく

野菜によっては、収穫が近づいたら追肥をやめる時期があります。

「いつまで追肥するか」を、植えるときに決めておくと、効きすぎを防げます。

記録をつける

何に、いつ、どの肥料を、どれだけ入れたか。そして、そのとき株がどうなったか。これを簡単にメモしておくと、次の年の失敗がぐっと減ります。

同じ場所で、前の年にどの野菜を育て、どれだけ肥料を入れたかが分かれば、次に植える野菜の元肥を決めやすくなります。

量は、量ってから

「ひと握り」の量は、人によってずいぶん違います。肥料の袋に書かれた量を目安に、はかりや計量カップで一度量っておき、自分の手で何杯分かを覚えておくと、まきすぎを防げます。

立て直しと防ぐ土づくり

説明が分かれるところ

有機の肥料なら、効きすぎないか

有機の肥料は、ゆっくり効くので、効きすぎにくい、と言われることがあります。たしかに、化成肥料よりは急に効きにくいものが多いのですが、量が多ければ、有機の肥料でも効きすぎや肥料焼けは起こります。鶏ふんのように比較的早く効くものもあります。「有機だから安心」とは考えず、量を守ります。

効きすぎたトマトは、水を減らすか

肥料が効きすぎて茂りすぎたトマトは、水を控えると、株の勢いが落ちつく、という考え方があります。一方で、水を控えすぎると実が割れたり、尻腐れが出たりする心配もあります。まずは追肥を止め、脇芽で養分を使わせる方法から試すのが無難です。

無肥料で育てるか

前の作付けの肥料が残っている土なら、さつまいもや豆の仲間は、肥料を入れずに育てる人もいます。一方、やせた土で無肥料にすると、育ちが悪くなります。土の状態によって答えが変わるので、株の様子を見ながら判断します。

よくある失敗

元気がないので、肥料を足した

元気がない原因が、根の傷みや水の加減だった場合、肥料を足すとかえって悪くなります。原因を確かめてから足します。

植え穴に肥料を入れて、すぐ植えた

根が肥料にじかに触れて、肥料焼けを起こします。肥料の上に土をかぶせるか、植える前に時間をおきます。

追肥を株元に固めて置いた

株元の肥料が濃くなりすぎて、根を傷めます。株から少し離して、ばらまいて混ぜます。

巻かない白菜に、追肥をした

葉の色が濃く波打っているなら、効きすぎで巻かないのかもしれません。追肥はせずに待ちます。

さつまいもに、ほかの野菜と同じだけ元肥を入れた

つるぼけになって、芋が太りません。さつまいもは、元肥をごく少なく、または入れずに育てます。

よくある質問

葉の色が濃いのは、元気な証拠ではないのですか

健康な葉は、その野菜らしい、さえた緑色をしています。黒っぽい、どすぐろい緑になっているときは、肥料、特に窒素が効きすぎていることが多いです。同じ野菜の、元気な株の葉の色と見比べてみてください。

プランターで肥料焼けしました。どうすればいいですか

たっぷり水をやって、鉢底から水を流し、土の中の余分な肥料を少し洗い流します。そのうえで、しばらくは追肥をせず、日陰で株を休ませます。根が大きく傷んでいる場合は、新しい土に植え替えることも考えます。

肥料を入れすぎた畑は、どのくらいで元に戻りますか

雨の量や土の性質、育てる野菜によって違うので、はっきりした期間は言えません。肥料を多く使う野菜(葉物やとうもろこしなど)を育てて養分を吸わせる、深く掘って上下の土を入れかえる、堆肥を入れて土の「胃袋」を大きくする、といった方法で、少しずつ整えていきます。次の作付けでは、元肥を減らすか、入れずに始めて、株の様子を見ながら追肥で調整すると安心です。

肥料の袋の量は、そのまま守ればいいですか

袋に書かれた量は、一般的な目安です。土に堆肥がたっぷり入っている、前の作付けの肥料が残っている、といった場合は、少なめから始めます。株の様子を見ながら調整してください。

土の養分を測る道具は役に立ちますか

土の酸っぱさや、肥料の濃さの目安を測る、家庭向けの簡単な道具や検査の仕組みがあります。毎年肥料の失敗が続く場所や、前の作付けの肥料がどれだけ残っているか分からない場所では、一度測ってみると、元肥の量を決める手がかりになります。ただ、数字だけで決めず、実際の野菜の様子とあわせて判断します。

肥料焼けした苗は、元に戻りますか

根の傷みが軽ければ、追肥を止めて、土が乾きすぎないように水をやっていると、新しい根が伸びて回復することがあります。数日たっても、しおれたまま新しい葉が出てこない場合は、根が大きく傷んでいるので、予備の苗に植え替えることも考えます。植え替える場合は、肥料の濃い場所を避けて植えます。

雨のあとに追肥するのはよいですか

雨のあとは、土が湿っているので、肥料が溶けて根に届きやすくなります。ただし、大雨の直後で土がぬかるんでいるときは、作業で土を踏み固めてしまうので、少し乾いてから行います。反対に、大雨の直前に追肥すると、肥料が流れてしまうことがあります。

ほうれん草が、ところどころ育ちません

ほうれん草は窒素をよく使う野菜ですが、土の「胃袋」が小さい畑に肥料を多く入れると、肥料が濃くなりすぎて根が傷み、ところどころ株が育たず、すき間だらけになることがあります。酸性の土にも弱いので、石灰で土の酸っぱさを整え、堆肥をしっかり入れてからタネをまきます。

効きすぎかどうか、迷います

同じ畑の、同じ野菜の、元気に育っている株と見比べるのがいちばんです。葉の色、葉の大きさ、葉の形(波打つ、ねじれる)、茎の太さを比べてみてください。迷うときは、追肥を1回休んで、様子を見るのが安全です。

学ぶ:肥料のしくみ🔬

なぜ、濃すぎる肥料で根が傷むのか

水は、濃さの薄いほうから濃いほうへ移ろうとする性質があります。根の中の水よりも、根のまわりの土の水のほうが肥料で濃くなると、水は根の中から外へ引き出されてしまいます。根は水を吸えなくなるどころか、根の中の水まで失って、しおれて傷みます。なめくじに塩をかけると縮むのと、同じしくみです。

なぜ、窒素が多いと実がつきにくいのか

植物は、手に入る養分と光で作った栄養を、葉や茎を育てることと、花や実を育てることに振り分けています。窒素がたっぷりあると、植物は「まだまだ体を大きくできる」と、葉や茎を育てることを優先します。花を咲かせ、実をつけるのは、体がある程度育ち、養分の勢いが落ちついてきてからです。窒素が効きすぎると、この切りかえが遅れ、いつまでも葉や茎ばかり伸びることになります。

なぜ、肥料切れは下の葉から黄色くなるのか

窒素は、植物の体の中で移動させることができる養分です。肥料が切れて、根から吸える窒素が足りなくなると、植物は、古い下の葉にたくわえていた窒素を、これから育つ新しい葉へ移します。窒素を抜き取られた下の葉は、緑の色を保てなくなり、黄色くなっていきます。

下の葉から順に黄色くなるのは、植物が「若い葉を優先して守っている」しるしなのです。反対に、新しい葉ばかり色が悪い、葉の一部に斑点が出る、といった場合は、窒素の不足とは別の原因(ほかの養分の不足や、病気、寒さなど)を考えます。

なぜ、堆肥を入れると肥料の失敗が減るのか

土の中の腐植や粘土の粒は、表面に、肥料の成分をくっつけておく力を持っています。肥料を入れると、その一部が粒の表面にくっついて、土の水の中の濃さが急に上がるのを防ぎます。そして、野菜が養分を吸って水の中の濃さが下がると、粒の表面から少しずつ離れて、水の中に戻っていきます。こうして、腐植の多い土は、肥料の濃さを一定に保つ、ゆとりのある土になるのです。

まとめ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!

肥料の効きすぎ・肥料焼けのポイントを、もう一度まとめておきます。

肥料は、野菜の様子を見ながら加減するものです。袋の量や、人から聞いた量は、あくまで出発点です。まずは今度の見回りで、いちばん元気な株と、気になる株の葉の色と形を見比べてみてください。野菜が出しているサインが、きっと見えてきます🌿

肥料の失敗を防ぐ土づくりに使うもの

牛ふん堆肥

養分は少なめで、土の「胃袋」を大きくする役割が中心。毎年入れると、肥料の濃さが急に上がりにくい土になります。

腐葉土

土をふかふかにし、肥料をたくわえる力を高めます。堆肥といっしょに冬の土づくりに。

鶏ふん

比較的早く効く有機の肥料。効きすぎやすいので、袋の量を守り、株元に固めて置かないようにします。