雨の日に畑へ出ていい?🌧️ ダメなのは「土をいじる作業」だけです
🗨️「雨の日って、畑に出たらダメなんですか?」
🗨️「せっかくの休みが雨。今日まいてしまいたいんですけど…」
🗨️「雨のあと、土がカチカチになって芽が出ませんでした」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
今日は雨の話です。
家庭菜園をやっていると、これ、けっこうな確率でぶつかります。とくに秋。秋雨前線が居座って、予報が1週間ずっと雨マーク。でも大根も白菜も、まき時・植え時は待ってくれないんですよね。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきます。
★雨でダメになるのは「土をいじる作業」だけです。
まく・植えるは、むしろ雨上がりのほうが有利です。ここを分けて考えられるようになると、雨の予報を見ても慌てなくなりますよ☺️
📖 この記事の目次
まず、作業を2つに分けてください
雨の日にやっていいかどうかは、野菜で決まりません。作業の種類で決まります。
- 土をいじる作業…耕す、うねを立てる、うねの間を耕す、土寄せ、株元を掘る
- 土をいじらない作業…タネをまく、苗を植える、ネットをかける、支柱を立てる、収穫する
このうち、雨に弱いのは上だけです。
なぜかというと、濡れた土を耕したり踏んだりすると、土を「練る」ことになるから。粘土を手でこねている状態を想像してもらうと近いです。こねた粘土は、乾くとカチカチになりますよね。畑でも同じことが起きます。
そして一度固まった土は、その年のあいだ、なかなか元に戻りません。タネをまいても芽が地面を押し上げられず、根も下へ伸びられない。つまり★1日の作業で、そのうね1本を1シーズンぶん台なしにできてしまうんです。
逆に言えば、それ以外の作業は雨が上がってさえいれば、わりと気にしなくていいです。
土を握るだけで分かります
じゃあ「乾いた」の基準はどこか。天気予報とにらめっこしても分かりません。土を見るのが早いです。
やり方は簡単で、うねの土をひとつかみ取って、ぎゅっと握ります。
- 手のひらにべったりついて、開いても団子のまま…まだ早い
- 握ると固まるけど、指でつつくとポロッと崩れる…ここが当たり
- 握っても固まらず、さらさらこぼれる…乾きすぎ。まく前に水をやったほうがいい
真ん中の「ポロッと崩れる」を狙ってください。これ、農業の世界では昔から使われている確かめ方で、道具もいりません。
日数でいうと、★まとまった雨のあと2〜3日が目安です。ただし土質と日当たりで変わるので、最後は握って決めてください。
私はこれを覚えてから、雨のあとに畑へ行っても、まず土を握るようになりました。長靴に泥が団子みたいにくっつく日は、だいたい握っても崩れません。そういう日は、畑の中には入らずに帰ります。
ここを押し切ると、1うね丸ごと無駄になります
いちばん起きやすいのが、この形です。
雨が上がった翌朝に「よし、今しかない」と畑を耕して、その日に大根をまく。土はまだ重たいけれど、週末しか時間が取れないから押し切る。
すると10日たっても、芽がまばらにしか出ません。出た株も途中から育たない。
冬に掘ってみると、原因がはっきり分かります。土が板みたいに固まっていて、根が下へ行けずに横へ曲がっている。二股どころか、ほぼL字です。
★1日待てば防げたことを、3か月後に知る。秋の畑でいちばんもったいないのが、これなんですよね😇
雨上がりは、じつはタネまきの当たり日です
ここからは逆の話です。
「雨=畑仕事の敵」と思われがちですが、タネまきに限っては、雨のあとはかなり有利です。
理由は、発芽に必要なのが水だから。とくに乾くと芽が出ない野菜があります。
- にんじん…発芽までおよそ2週間かかるうえ、その間ずっと湿っていないといけない。乾いた土にまくと、ほぼ出ません
- ほうれん草…同じく水を切らすと止まる
- 小松菜、かぶ、春菊…短い日数で出るぶん、最初の数日の乾きが致命的
これらを乾いた土にまくと、毎日水やりに通うことになります。仕事をしていると、まあ無理ですよね。
なので私は、秋のタネまきは★しっかり降った雨の翌日、土が落ち着いたころを狙っています。水やりがいりませんし、発芽がそろいます。
まとめると、こうです。
- 降っている最中…✕(土をいじれない。まいても種が流れる)
- 上がって、握ってポロッと崩れる…◎(ここが当たり)
- カラカラで、この先も晴れ予報…△(まけるけど、水やりに通う覚悟がいる)
「雨が降る前にまいておく」は、おすすめしません
よく聞くやり方ですが、私はあまりやりません。
理由は2つあって、まず予報が外れるから。「明日は雨」と言われてまいたのに降らず、結局カラカラで水やりに通う羽目になります。
もうひとつは、まいた直後に強い雨が来ると、種が流されるからです。次で書きますね。
まいたあとに降り続くと、3つのことが起きます
これが雨のいちばん怖いところです。まく前の雨より、★まいたあとの雨のほうが厄介なんですよね。
①タネが流される
まいたばかりのタネは、まだ根を出していないので、土に引っかかっているだけです。強い雨が降ると、そのまま低いほうへ流されます。
一列にまいたはずが、うねの端に固まって芽が出ている。あれです。
②表面がカチカチになって、芽が出られない
濡れて乾いて、濡れて乾いてを繰り返すと、うねの表面だけが薄いせんべいのように固まります。
こうなると、下で芽が動いていても持ち上げられません。掘ってみると、白い芽が地面の裏側で曲がったまま止まっている。あれを見るとせつないです。
見つけたときは、表面をそっと崩してあげてください。私はU字ピン(マルチを留めるコの字の針金)の先で、うねの表面を軽く引っかいています。指でもいいですが、深く掘ると芽を切ってしまうので、あくまで表面だけ。
③水が引かないと、タネも根も腐る
土の中には、水の通り道と空気の通り道があります。ずっと水で満たされていると、空気の側がなくなります。
タネも根も呼吸をしているので、酸素がないと生きていけません。★5日も降り続くと、タネはふやけたまま腐ります。植えたばかりの苗も、根が黒くなって溶けます。
とくに見落としやすいのが、穴あきマルチの穴です。穴に水が溜まったまま何日も置くと、その穴の株だけピンポイントでやられます。
これが怖いのは、★周りの株はぴんぴんしているのに、水が溜まった穴の株だけがやられることです。
見つけたのに「長靴を取りに戻るのが面倒だから、次に来たときでいいか」と置いておく。次に行ったときには、その株だけ根元が黒くなって、指でつまむとスポッと抜けます。
★水をかき出すのに、かかる時間は1分です。
雨の翌日でも、これだけはやっていい
「畑に入るな」と書きましたが、例外があります。★水を抜く作業だけは、濡れているうちにやってください。
放っておくほど被害が広がるので、これは待てません。
- うねとうねの間(通路)に水たまりができていたら、低いほうへ向けて浅い溝を掘る。深さは10cmもあれば十分で、要は水の逃げ道を1本作るイメージです
- マルチの上に水が溜まっていたら、かき出す。手でも空き缶でもいいです。溜まりやすい場所には小さな穴を開けて、うねへ流してしまうのも手です
- 穴あきマルチの穴に水が入っていたら、これも抜く。芽が出ている穴に水が入るぶんには問題ありません
ポイントは、★溝を掘るのはいいけれど、通路を「耕す」のはダメということ。掘るのは水を逃がすため、耕すのは土をほぐすためで、目的が違います。濡れた通路を耕すと、乾いたときに通路のほうが固くなって、余計に水がはけなくなります。
このとき、うねの上にはなるべく乗らないでください。通路だけを歩く。板を1枚置いて、その上に乗って作業すると体重が分散するので、どうしても入らないといけないときはそうしています。
長雨が続くときの、5つの手当て
秋雨や梅雨のように、何日も降り続くときです。順番に書きますね。
- ①予報を見て、素直に待つ…雨マークが続くなら、土いじりは晴れ間まで待ちます。秋は遅れが取り返せない季節ですが、それでも★1〜2日の晴れ間待ちは、遅れのうちに入りません
- ②まいたら不織布をかける…白い薄い布です。雨が直接当たらなくなるので、タネが流れず、表面も固まりにくい。乾燥も防げるので、秋まきでは私はほぼ毎回かけています。本葉が1〜2枚出るまでが目安
- ③うねを高くしておく…水はけの悪い畑では、これがいちばん効きます。うねを10〜15cm高くするだけで、根のあるところが水に浸かりません。にんじんや大根が割れるのも、多くは水はけが原因です
- ④防虫ネットを晴れ間に開けて、風を通す…ネットの中は湿気がこもります。雨が続くと、中でアブラムシが一気に増えることがあるんですよね。晴れ間にネットを開けて空気を入れ、葉についたしずくを払ってやるだけで、ずいぶん違います。このとき泥が葉にはねないよう気をつけてください
- ⑤通路に落ち葉やもみ殻を敷く…歩いても土が固まりにくくなります。しかも敷いたものは、そのまま下から分解されて土に還ります。私は近所の公園で落ち葉をもらってきて、通路に敷いています。大雨のあとでも通路がぐちゃぐちゃにならず、長靴に泥がつきません。これ、地味やけどいちばん楽になった工夫かもしれません
それでも間に合わないときの、最後の2手
雨が止む気配がなく、まき時だけが過ぎていく。そういう年もあります。そのときの逃げ道を2つ。
- ★根菜以外は、セルトレイにまいて家で育てる…白菜・キャベツ・ブロッコリー・レタス・葉物は、セルトレイ(小さい仕切りのある苗づくり用の容器)にまいて、軒下や室内の明るいところで育てられます。雨に左右されずに日数を稼げるので、畑が乾いたころには植えられる苗ができています。大根やにんじんのような根菜は、移植すると又割れするのでこの手は使えません
- ビニールトンネルで雨をよける…うねにトンネルをかけて、上からの雨を防ぎます。裾を開けておかないと蒸れるので、晴れ間には必ず風を通してください
もうひとつ、待ち方の話も。タネ袋に書いてある発芽日数を過ぎても出てこないときは、★待たずにまき直してください。秋は遅れが取り返せないので、「もう少し待てば出るかも」がいちばん損をします。
学ぶ:踏むと、なぜ土が固まるのか🔬
理科の時間です。ここが分かると、「濡れてるときは入らない」が理屈で腹に落ちます。
いい畑の土を虫めがねで見ると、細かい粒がくっついて、小さな塊になっています。この塊を「団粒(だんりゅう)」と呼びます。
大事なのは、塊そのものより★塊と塊のすきまです。このすきまが、水の通り道になり、空気の通り道になります。根はここを通って伸びていきます。ふかふかの土というのは、要するにすきまが多い土のことです。
では、濡れているときに踏むと何が起きるか。
水が潤滑油のはたらきをして、粒同士がつるっとすべります。すべった粒はすきまに入り込み、塊がつぶれて、全体が一枚の粘土に変わります。そして乾くと、そのまま固まる。レンガや瓦を作るときと、まったく同じ工程なんですよね。畑でレンガを焼いているようなものです。
乾いているときに踏んでも、粒は動きにくいので、こうはなりません。「乾いていれば踏んでいい、濡れていたらダメ」の理由はここにあります。
お子さんと一緒なら、これは家で試せます。同じ土を2つ用意して、片方は水でぬらしてからぎゅっと握り、片方は乾いたまま握る。そのまま2〜3日置いて乾かします。
ぬらして握ったほうは、指で押しても崩れない塊になります。乾いたまま握ったほうは、さわるとほろほろ崩れる。同じ土なのに、です。
畑で起きているのは、まさにこれ。目の前で見られるので、なかなか面白いですよ☺️
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
雨の日の畑は、判断がつきにくくて迷う場面だと思います。でも見るところは、そんなに多くありません。
- 雨でダメになるのは「土をいじる作業」だけ。まく・植える・ネットをかけるは、上がっていればやっていい
- 判断は土を握るだけ。ポロッと崩れたら当たり、手にべったりつくならまだ早い
- タネまきは、しっかり降った雨の翌日がむしろ狙い目。にんじんやほうれん草は、乾いた土ではそもそも出ない
- 怖いのはまいたあとの雨。種が流れる・表面が固まる・水が引かず腐るの3つ。不織布1枚でだいぶ防げる
- 水を抜く作業だけは、濡れていてもすぐやる。ただし通路を「耕す」のはダメ
- 間に合わないときは、根菜以外をセルトレイで家で育てる。発芽日数を過ぎたら待たずにまき直す
天気は変えられませんが、どの作業を今日やるかは選べます。雨の日は道具を洗ったり、タネ袋を並べて次の段取りを考えたり。私はそういう日、けっこう好きなんですよね。
次の晴れ間に、まず土を握るところから始めてみてください🌧️
なお、9月に何をまく・植えるかは【9月にまく・植える野菜】にまとめています。大根の締め切りやニンニクの植え時が気になる方は、そちらもどうぞ🌱
不織布
まいたあとにかけておくと、雨で種が流れず、表面も固まりません。秋まきでは毎回使っています。
セルトレイ
雨が続いて畑に入れないとき、根菜以外はこれで家で育てられます。日数を稼げます。
トンネル用ビニール
うねにかけて雨をよけます。裾を開けて風を通すのを忘れずに。
ジョウロ
逆に乾いているときは水やりが要ります。ハス口が細かいものだと種が流れません。


