7月にまく・植える野菜|秋冬野菜の苗づくり・夏まきにんじん・夏の枝豆と大豆
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
📖 この記事の目次
この記事で分かること
- 7月の畑には、2つの顔があります。夏野菜を暑さから「守る」ことと、秋冬野菜を「始める」ことです。
- キャベツやブロッコリーは、9月に畑へ植える苗を、7月から作り始めます。始めるのが遅れると、玉が巻かなかったり、つぼみが小さくなったりします。
- 夏の苗づくりは、春とは逆で、暑さをやわらげるのが目的です。風通しのよい半日陰で育てます。
- にんじんの夏まきは、7月中に終わらせるのが目安。いちばんの山場は、芽が出るまで土を乾かさないことです。
- 夏にまく枝豆は、春よりむずかしくなります。若いうちにとれば枝豆、枯れるまで待てば大豆として楽しめます。
- 9月は、夏野菜が終わって秋冬野菜がまだとれない「収穫の谷間」になりがちです。7月のうちに、そこを埋める野菜も考えておきます。
7月の畑は、トマトやきゅうり、なすがどんどんとれて、毎日がにぎやかですよね。暑い中の水やりや収穫で、正直それだけで手いっぱい、という方も多いと思います。
でも実は、7月は秋冬野菜の準備が始まる月でもあるんです。「え、まだ夏真っ盛りなのに?」と思うかもしれませんが、ここで動いておくかどうかで、秋から冬の畑の充実ぶりがかなり変わります。
安心してください。全部をやる必要はありません。この記事では、7月にやることを整理して、何を優先すればいいかまで順番に書いていきます。
早見:7月の畑の基本(ひと目で分かる目安)
7月に始めるもの
- キャベツ・ブロッコリーの苗づくり:7月中に種まき → 9月前半に畑へ植える
- 冬どりキャベツ:7月下旬〜8月中旬に種まき → 8月中旬〜9月初めに植える → 11月〜1月に収穫
- にんじん(夏まき):7月中、遅くとも7月末までにまく
- 枝豆・大豆(夏まき):防虫ネットをかけて育てる。若どりで枝豆、完熟で大豆
- 夏の葉物:モロヘイヤ、空芯菜など、暑さに強いもの
- 9月の谷間を埋めるもの:四角豆(しかくまめ)、ケールなど
7月に始めなくていいもの
- 白菜:育つのが早いので、8月に入ってからでも間に合います
7月に守るもの
- トマト、なす、きゅうり、ピーマン、オクラなどの夏野菜
- 春にまいた枝豆(さやがふくらむ時期は、水切れに注意)
覚えておきたい目安
- キャベツ・ブロッコリーの苗は、本葉4〜5枚で畑に植える
- 植える畑は、土づくりから3週間くらい、時間がなければ2週間くらいあける
- にんじんは、芽が出るまでに1週間以上かかる。そのあいだ土を乾かさない
- 枝豆の発芽にちょうどいい温度は25度くらい。10度を下回ると芽が出にくくなります(春まきで気をつけたい話です)
7月の作業カレンダー(上旬・中旬・下旬)
- 上旬:秋冬に育てる野菜と品種を決める。種を買う。苗を置く場所と防虫ネットを準備する。夏野菜の株元に敷きものをする
- 中旬:キャベツ・ブロッコリーの種まき。にんじんの種まき(雨の予報を見ながら)。夏の葉物や四角豆の種まき
- 下旬:冬どりキャベツの種まき。にんじんのまき残しがあれば、月末までにまき終える。芽が出なかったところのまき直し。苗の水やりと虫の見回り
地域や、その年の梅雨明けの時期によって前後します。梅雨が長引く年は、その雨をにんじんの発芽に生かせることもあります。
作業の手順
ここからは、7月にやることを、作業ごとに順番に書いていきます。
手順1:まず、秋冬に何を育てるか決める
7月の作業は、秋から冬に何を育てたいかで決まります。キャベツやブロッコリーを苗から作るなら、7月が種まきの時期です。苗をお店で買うつもりなら、7月は種まきをせず、畑の準備の計画だけ立てておけば大丈夫です。
自分で苗を作るか、苗を買うか。ここを最初に決めておくと、7月にやることがぐっと減ります。
苗を作る場合は、品種選びも7月のうちに。キャベツなら、秋に早くとれるもの、冬にじっくり育つもの、とんがった形のものなど、いろいろあります。ブロッコリーなら、てっぺんのつぼみをとったあとも、脇から小さなつぼみが次々出てくる品種や、茎ブロッコリーを選ぶと、長く収穫を楽しめます。
キャベツの品種の選び方
キャベツは、品種によって、植えてからとれるまでの期間がかなり違います。
- 早生(わせ):早くとれる。秋のうちに収穫したいとき
- 中生(なかて)・晩生(おくて):じっくり育つ。11月から1月ごろに収穫する冬どり向き
- 形の違うもの:とんがった形のもの、小玉のもの、葉の色が紫のものなど
冬に収穫するキャベツを狙うなら、育つ期間が少し長めの中生〜晩生の品種がおすすめです。寒さにあたって甘みが増したキャベツは、冬ならではの楽しみです。
収穫の方法によっては、とったあとの茎から新しい芽が出て、小さなキャベツがもう一度できることもあります。
ブロッコリーの品種の選び方
- てっぺんに大きなつぼみが1つできるタイプ:とったら終わり、という育て方
- てっぺんをとったあと、脇から小さなつぼみが次々出るタイプ:長く収穫できる
- 茎ブロッコリー:細長い茎の先に小さなつぼみがつく。何度も摘みとれる
家庭菜園なら、脇からつぼみが出るタイプや茎ブロッコリーを選ぶと、少しずつ長く楽しめます。
芽キャベツにも挑戦できる
芽キャベツは、太い茎のまわりに、小さなキャベツが鈴なりにつく野菜です。うまくいけば、茎の下から50cmくらいの高さまで、小さなキャベツがびっしりつきます。
キャベツと同じく7月に種をまき、9月に植えます。育つ期間が長く、追肥も大事なので、少し手はかかりますが、収穫のときの見た目のおもしろさは格別です。
手順2:9月の植えつけから逆算する
キャベツやブロッコリーは、9月に畑へ植えるのが一般的です。苗が植えられる大きさ(本葉4〜5枚)になるまでには時間がかかるので、逆算すると7月に種をまくことになります。
ここで大事なのは、遅らせないことです。秋冬野菜は、寒くなる前に、外側の葉(外葉)をどれだけ大きく広げられるかが勝負です。外葉が十分に育たないうちに寒くなると、キャベツは玉が巻かず、ブロッコリーはつぼみが小さくなってしまいます。植えつけが1週間ずれただけで、収穫に大きく響く、という説明もあるほどです。
冬どりのキャベツを狙うなら、7月下旬から8月中旬に種をまいて、8月中旬から9月初めに植え、11月から1月にかけて収穫する、という流れになります。12月に冷えこむと、キャベツは甘みが増しますよ。
手順3:苗を育てる場所を決める
夏の苗づくりは、どこで育てるかがいちばん大事です。
おすすめは、畑に直接まくのではなく、ポットやセルトレイに種をまいて、涼しい場所で育てる方法です。
- 風通しのよい、半日陰の場所
- 朝のやわらかい光は当てて、昼の強い日差しは遮る
- 防虫ネットで囲んで、虫を防ぐ
- 地面に直接置かず、台や棚の上に置いて、照り返しの熱と虫を避ける
日陰といっても、真っ暗な場所はだめです。光が足りないと、苗がひょろひょろと伸びてしまいます。朝は日が当たって、昼からは日陰になるような場所がちょうどいいです。そういう場所がなければ、遮光ネットで昼の日差しをやわらげます。
手順4:種をまく
ポットやセルトレイに種まき用の土を入れて、種をまきます。
- 土は、まく前にしっかり湿らせておく
- 種は、浅めにまく
- まいたら、軽く土をかけて、手で押さえる
- 芽が出るまで、乾かさないように新聞紙や不織布をかけておく(芽が出たらすぐ外す)
芽が出たら、かぶせていたものを外して、光に当てます。ここで外し忘れると、一晩でひょろひょろになってしまうので、毎朝のぞいてください。
苗床で育てる方法もある
ポットやセルトレイではなく、畑のすみに小さな苗床を作って、そこに種をまいて育てる方法もあります。
- 苗床の上に、日よけと防虫ネットをかける
- すじまきして、混んできたら間引く
- 本葉が出てきたら、植える場所へ移す
たくさんの苗をまとめて作れて、ポットより乾きにくいのが利点です。ただ、虫の見回りや水やりは、ポットと同じようにこまめに必要です。
セルトレイから、ポットに植えかえる
セルトレイにまいた場合は、本葉が2枚くらいになったら、ひとまわり大きなポットに植えかえると、根がのびのび育ちます。そのまま本葉4〜5枚までセルトレイで育てる方法もありますが、根がつまってくるので、水切れしやすくなります。
手順5:苗を育てる
夏の苗は、とにかく乾きやすいです。朝に水をやっても、夕方にはからからになっていることもあります。
- 朝、土の表面が乾いていたら、たっぷり水をやる
- 夕方にもう一度、土の乾き具合を見る
- 昼の暑い時間の水やりは、ポットの中が蒸れやすいので避ける
虫も、夏は多いです。キャベツやブロッコリーの苗は、青虫やコナガの幼虫に、あっという間に食べられてしまいます。防虫ネットは、種をまいた日から、苗を植えるまでずっとかけておいてください。
手順6:植える畑の準備をする
苗を育てているあいだに、植える畑の準備も進めておきます。
夏野菜の片づけが終わったら、土を耕して、たい肥や肥料を混ぜます。土づくりから植えつけまでは、3週間くらい、時間がなければ2週間くらいあけるのが目安です。9月前半に植えるなら、8月中には土づくりをすませておきたいところです。
夏野菜がまだとれているうちは、無理に片づけなくても大丈夫です。畑のどこを先に空けるか、7月のうちに見当をつけておくだけでも、8月の動きがずいぶん楽になります。
植える前に、日差しに慣らす
日陰で育てた苗を、いきなり真夏の畑に植えると、強い日差しに驚いて、しおれてしまうことがあります。
植える1週間くらい前から、少しずつ日に当てる時間を長くして、外の環境に慣らしておくと、植えたあとの落ちつきが早くなります。植える日は、曇りの日や、夕方の涼しい時間を選ぶとさらに安心です。
手順7:9月、苗を植える
本葉が4〜5枚になったら、畑へ植えます。
9月になっても暑い日が続くことが多いので、植えつけたあとも、しばらくは寒冷紗(かんれいしゃ)や遮光ネットで日差しをやわらげてあげると、苗が落ちつきやすくなります。防虫ネットもかけておきます。
手順8:にんじんをまく
にんじんの夏まきは、7月の大事な作業の1つです。目安は、7月中、遅くとも7月末までに終わらせること。それより遅れると、寒くなる前に根が十分に太らず、収穫に影響が出ます。
にんじんは、芽が出るまでがいちばんの山場です。
- 種まきの前に、畑をしっかり湿らせておく
- 溝を浅く作って、種をまく(にんじんは光を好む種なので、土は薄くかける)
- まいたら、上から手やくわで軽く押さえる(土と種をくっつけて、水を吸いやすくするため)
- その上に、もみ殻や刈った草、わら、不織布などをかけて、乾燥を防ぐ
にんじんは、条件がそろっていても、芽が出るまでに1週間以上かかります。そのあいだ、土を乾かさないことが何より大事です。真夏の日差しだと、朝に水をやっても夕方には乾いてしまうこともあるので、乾燥を防ぐかぶせものが欠かせません。
雨の前にまいて、雨の水を利用する、という方法もあります。天気予報を見ながら、まく日を決めるのも1つの手です。
手順9:にんじんに水をやる
にんじんの種は軽くて、上から勢いよく水をかけると流れてしまいます。
水をやるときは、じょうろを低い位置に下げて、種をまいた筋の横から、そっと水を流しこむようにします。こうすると、種を流さずに、土をしっかり湿らせることができます。
芽が出たあとも、本葉が出てくるまでは、土の湿り気を保ってください。
それでも、夏まきのにんじんは、なかなか一度ではうまくいかないことがあります。7月の早めにまいておけば、芽が出なかったときにもう一度まき直す時間が残ります。「早めにまく」のは、失敗したときの保険でもあるんですね。
手順10:夏の枝豆・大豆をまく
春にまいた枝豆がとれたあと、もう一度枝豆をまく、という楽しみ方もあります。
ただ、夏にまく枝豆は、春よりむずかしくなります。
- 梅雨明けからは、カメムシなど、さやを食べる虫が一気に増える
- 暑くて雨が少ないと、さやがなかなかふくらまない
春の枝豆を6月中にとってしまうのは、この虫が増える前に逃げきるため、という考え方があるくらいです。
夏にまくなら、次のことを守ってください。
- 種をまいた日から、防虫ネットを必ずかける
- 肥料の多い畑は避けて、やせ気味の場所にまく(葉ばかり茂って実がつかない「つるぼけ」を防ぐため)
- さやがふくらむ時期は、水を切らさない
夏にまいた豆は、9月の終わりごろに枝豆としてとれます。そのまま枯れるまで待てば、大豆として収穫することもできます。1回の種まきで2通り楽しめるのは、夏まきならではですね。
手順11:夏の葉物をまく
暑さに強い夏の葉物も、7月にまけます。
- モロヘイヤ
- 空芯菜(くうしんさい)
どちらも暑さに強く、夏のあいだ葉や茎の先を摘みとりながら、長く収穫できます。葉物が少なくなる夏の食卓に、ありがたい存在です。
モロヘイヤ・空芯菜の育て方のこつ
モロヘイヤは、草丈が30〜40cmくらいになったら、先端を摘みとります。すると脇から新しい芽が次々に伸びて、その先をまた摘みとれるようになります。こうして、夏から秋口まで長く収穫できます。
ひとつ注意があります。モロヘイヤは、秋になると花が咲いて、さやができます。このさやや種は食べられません。毒になる成分を含むので、食べないように、と農林水産省も注意をよびかけています。花が咲いたら、葉の収穫もそろそろ終わり、と考えてください。
空芯菜は、水が大好きな野菜です。乾かさないように育てると、茎がやわらかく育ちます。こちらも、伸びた茎の先を摘みとると、脇から次の芽が出てきます。
夏野菜を守る作業
7月は、始める作業と同時に、いま育っている夏野菜を守る作業もあります。
乾燥を防ぐ
梅雨が明けると、畑は一気に乾きます。株元に、わらや刈った草、もみ殻などを敷いて、土の乾燥を防ぎます。
おもしろい方法として、収穫が終わったキャベツの外葉を乾かして、株元に敷く、というやり方もあります。葉が大きいので、1枚ずつはがして、しっかり乾かしてから使います。
枝豆は、さやがふくらむ時期に水を
春にまいた枝豆は、7月ごろ、さやの中の豆がふくらむ時期に入ります。この時期は、水がたっぷり必要です。
マルチをしている畑なら、ある程度は水分が保たれます。マルチをしていない畑やプランターなら、わらを敷いたり、水やりをしたりして、乾かさないようにしてください。ただ、水のやりすぎで土がずっとじめじめしているのもよくないので、乾きすぎず、湿りすぎず、を心がけます。
水やりは、朝か夕方に
真夏の昼に水をやると、土の中で水が温まって、根をいためてしまうことがあります。水やりは、朝の涼しいうちか、夕方の日が落ちてからにします。
朝にたっぷりやって、夕方に乾き具合を見て足りなければ足す、というのが基本です。
とり遅れに気をつける
夏野菜は、とれる量が一気に増える時期です。きゅうりやオクラは、少し目を離すと、すぐに大きくなりすぎてしまいます。とり遅れると、実がかたくなったり、株が疲れたりするので、こまめに収穫してください。
9月の「収穫の谷間」を埋める
9月は、とれる野菜が少なくなる
9月ごろは、夏野菜が終わりに近づき、秋冬野菜はまだ育っている途中、という時期です。とれる野菜が途切れやすく、昔から、野菜が少ない季節と言われてきました。
毎年、9月になると畑がなんとなくさびしい…と感じる方は、この谷間にはまっているのかもしれません。
谷間を埋める野菜の例
7月のうちに種をまいておくと、9月ごろに収穫できる野菜もあります。
- 四角豆(しかくまめ):アジア生まれの豆で、暑さに強い野菜です。さやの断面が四角い形をしているのが名前の由来です
- ケール:葉がちりめん状に縮れた種類もあります。夏に植えて、秋から収穫できます
- モロヘイヤや空芯菜:夏のあいだから、秋口まで長く摘みとれます
四角豆とケールのこと
四角豆は、まだあまり知られていない野菜ですが、真夏でもよく育ちます。つるが伸びるので、支柱やネットに絡ませて育てます。若いさやを、さっとゆでたり炒めたりして食べます。
ケールは、キャベツのなかまで、葉を1枚ずつかきとって収穫します。葉がちりめん状に縮れた種類は、見た目もかわいく、サラダや炒めものにも使えます。春に植えたものを夏越しさせて、秋まで収穫を続ける、という育て方もあります。
一度に全部とらない、という考え方
家庭菜園では、同じ野菜を一度にたくさん作って一斉にとるより、少しずつ、長い期間とれるようにするほうが、食卓には向いています。たくさん一度にとれても、食べきれないですよね。
キャベツなら、早くとれる品種と冬にとれる品種を組み合わせる。ブロッコリーなら、脇からつぼみが出てくる品種を選ぶ。種まきの時期を少しずつずらす。こうした工夫で、収穫の谷間を小さくできます。
7月の優先順位
全部はできなくて当たり前
暑い7月に、夏野菜の世話も、秋冬の準備も、全部完ぺきにこなすのはたいへんです。
迷ったら、こう考えてみてください。
- キャベツ・ブロッコリーを苗から作るなら:種まきと、苗を置く場所の準備がいちばん先
- 苗を買うなら:7月は夏野菜の世話を優先して、8月に土づくり
- にんじんを作りたいなら:7月末までに種まき
- 時間に余裕があれば:夏の枝豆、夏の葉物、谷間を埋める野菜
手帳やカレンダーに書いておく
7月の作業は、9月の植えつけ、10月以降の収穫へとつながっていきます。種をまいた日、芽が出た日、植える予定の日を、手帳やカレンダーに書いておくと、次の年の計画がずっと立てやすくなります。今年うまくいかなかったことも、書いておけば来年の作戦になりますよ。
暑さに気をつけて
真夏の畑仕事は、体への負担も大きいです。朝の涼しいうちや夕方に作業をして、こまめに水分をとりながら進めてください。無理をしないことも、7月の大事な仕事の1つです。
失敗の見分け方
苗がひょろひょろに伸びた
光が足りないか、芽が出たあとも、かぶせものを外し忘れた可能性があります。日陰すぎる場所なら、朝の光が当たる場所に移してください。混みあっているなら、間引いて風通しをよくします。
苗の葉が白っぽく焼けた
昼の強い日差しに当たりすぎた可能性があります。遮光ネットをかけるか、昼から日陰になる場所に移します。
苗が穴だらけになった
青虫やコナガなどに食べられています。防虫ネットに、すき間や破れがないか確かめてください。ネットの中に虫が入りこんでいたら、見つけて取り除きます。
にんじんの芽が出ない
いちばん多いのは、土の乾燥です。種をまいたあと、一度でも土がからからに乾くと、芽が出にくくなります。かぶせものが足りていたか、水やりの間隔が空きすぎていなかったか見直してください。7月中なら、まき直しも間に合います。
夏の枝豆のさやがふくらまない
暑さと水不足、または虫の被害が考えられます。さやに小さな穴があったり、しみがあったりしたら、カメムシなどの虫です。防虫ネットを見直し、さやがふくらむ時期の水やりを増やしてください。
キャベツが巻かない・ブロッコリーのつぼみが小さい(秋になってから)
苗を植えるのが遅れて、寒くなる前に外葉が十分に育たなかった可能性があります。次の年は、7月の種まきを少し早めてみてください。
説明が分かれていること
にんじんの種:そのままの種か、コーティングした種か
- そのままの種がいい、という説明:コーティングした種は、まわりの膜が溶けるのに水がたくさん必要で、乾きやすい夏はかえって芽が出にくい。値段のわりに粒数も少ない
- コーティングした種がいい、という説明:粒が大きくて、1粒ずつまきやすい。芽を出させやすい
どちらにも理由があります。夏の乾燥が心配なら、そのままの種。まきやすさを重視するなら、コーティングした種。水をしっかり保てるかどうかで選ぶといいと思います。
にんじんの肥料:前の野菜の残りで育てるか、肥料を入れるか
- 前に育てた野菜の肥料が残っている畑なら、新しく肥料を入れなくてもいい、という説明
- 最初から肥料を効かせて育てたほうがいい、という説明
畑のこれまでの使い方によって変わります。夏野菜をよく育てた畑なら、肥料が残っていることが多いので、控えめから始めると安心です。
にんじんの畑:マルチなしか、穴あきマルチか
- マルチをせずに、筋まきして、不織布をかけて乾燥を防ぐ、という一般的なやり方
- 穴のあいたマルチを張ってまく、というやり方
マルチをすると、土の乾燥や雑草を防ぎやすくなります。ただ、黒いマルチは夏に地温が上がりすぎることもあるので、白黒のマルチ(白い面を上にするもの)を使う、という工夫もあります。
キャベツ・ブロッコリーの植えつけ:遅らせないか、暑い年は少し遅くてもいいか
- 植えつけを遅らせないことがいちばん大事、という説明
- 暑い年は、植えつけが多少遅れても影響が出にくい。ただし9月中旬までには植え終わる、という説明
その年の暑さによって変わります。どちらの説明でも、「9月のうちに、なるべく早めに」は共通しています。
ブロッコリーの追肥:控えめか、こまめにか
- 植えて1か月少々で追肥する。たくさんやると虫や病気が増えたり、味が落ちたりするので、量を控えめにする、という説明
- 2週間に1回くらい、こまめに追肥する。てっぺんのつぼみをとったあとも、脇から出るつぼみのために続ける、という説明
脇からつぼみがたくさん出る品種で長くとりたいなら、追肥も長く続けることになります。てっぺんの1個をとって終わりなら、控えめで十分です。
芽キャベツは、初心者向けか
- 初めての人でも、ゲーム感覚で楽しめる、という説明
- 追肥や時期の管理が大事で、慣れた人向け、という説明
茎のまわりに小さなキャベツが鈴なりになるようすは、見ているだけで楽しいです。挑戦するなら、追肥と、植える時期を遅らせないことに気をつけてください。
よくある質問
Q. 7月に苗を作る時間がありません
A. 9月にお店で苗を買えば大丈夫です。苗を買う場合は、7月は種まきをせず、夏野菜の世話を優先して、8月に土づくりをすませておきましょう。
Q. 白菜も7月にまいたほうがいいですか?
A. 白菜は育つのが早いので、7月にまかなくても間に合います。8月に入ってからの種まきで大丈夫です。
Q. キャベツの苗を畑に直接まいて育ててもいいですか?
A. できないわけではありません。その場合は、遮光ネットと防虫ネットをかけて、水をしっかりやり、暑さをやわらげる対策を必ずしてください。ポットで育てたほうが、目が届きやすく、管理は楽です。
Q. にんじんの種まきが8月になってしまいました
A. 地域にもよりますが、遅れるほど、寒くなる前に根が太りにくくなります。8月にまくなら、早く育つ品種を選んだり、小さめでとることを考えたりするといいと思います。
Q. ベランダでも7月の苗づくりはできますか?
A. できます。ベランダの、昼から日陰になる場所は、夏の苗づくりに向いていることも多いです。防虫ネットで囲うのを忘れずに。照り返しが強い場合は、台の上に置いてください。
Q. 夏の枝豆と、春の枝豆の品種は同じでいいですか?
A. 春に育てた品種をそのまま夏にまくと、うまく育たないことがあります。夏まきに向いた品種を選ぶか、大豆の品種をまいて、若いうちに枝豆としてとる方法もあります。
Q. 苗を植える前に、夏野菜を抜かないといけませんか?
A. 植える場所だけ空いていれば大丈夫です。夏野菜がまだとれているなら、別の場所に植えるか、植える場所の夏野菜から順に片づけていきましょう。
Q. にんじんの芽が出たら、次は何をすればいいですか?
A. 芽がそろってきたら、混みあったところから間引いていきます。本葉が1〜2枚のころに1回目、3〜4枚のころに2回目、というように、何回かに分けて少しずつ間を広げていくのが基本です。間引いた若い葉は、みそ汁やかき揚げに使えます。夏まきのにんじんは、芽が出たあとに雑草も一緒に伸びてくるので、小さいうちに草をとっておくと、あとが楽になります。
Q. 苗を買う場合、いつごろお店に並びますか?
A. 地域にもよりますが、キャベツやブロッコリーの苗は、8月の終わりから9月にかけて店頭に並ぶことが多いです。人気の品種は早くなくなることもあるので、こまめにのぞいてみてください。
Q. 種をまいたら、芽がそろわずにばらばらに出てきました
A. 夏は、場所によって土の乾き方が違うので、芽の出方がばらつくことがあります。遅れて出てきた芽も、そのまま育てて大丈夫です。苗の大きさがそろわないときは、大きいものから順に植えていきましょう。
Q. 防虫ネットをかけたのに、苗に虫がつきました
A. ネットのすそにすき間があったり、種をまく前から土の中に虫や卵がいたりすると、ネットの中で増えることがあります。すそを土や重しでしっかり押さえ、ネットの中もときどきのぞいて、見つけたら取り除いてください。
Q. 7月に、ほかにまけるものはありますか?
A. この記事で紹介したもの以外にも、地域によっては、秋に収穫するいんげんや、夏の終わりに向けたきゅうりなどをまく方もいます。ただ、真夏の種まきは乾燥と虫との勝負になるので、最初は2〜3種類にしぼると、世話が行き届きやすいです。
学ぶ🔬 なぜ夏の苗づくりは「冷やす」のか
ここからは、7月の作業のしくみについて、少しだけ深く書いておきます。読み飛ばしても大丈夫です。
春の苗づくりと、夏の苗づくりは目的が逆
春の苗づくりは、寒さとの勝負です。トマトやなす、枝豆などの夏野菜は、暖かくないと芽が出ません。だから、ビニールで囲ったり、日当たりのいい場所に置いたりして、温めながら育てます。
夏の苗づくりは、その逆で、暑さとの勝負です。キャベツやブロッコリーは、もともと涼しい気候を好む野菜です。真夏の強い日差しと暑さの中では、苗が弱ってしまいます。だから、日陰に置いたり、風通しをよくしたりして、暑さをやわらげながら育てます。
同じ「苗を作る」でも、春は温めて、夏は冷やす。ここが、7月の苗づくりのおもしろいところです。
なぜ秋冬野菜は、始めるのが遅れるとだめなのか
キャベツやブロッコリーは、寒くなるにつれて、葉を広げる勢いがだんだん落ちていきます。そのため、寒くなる前に、どれだけ大きな外葉を広げておけるかが大切です。
外葉は、光を受けて栄養を作る工場のようなものです。工場が小さいと、作れる栄養も少なくなります。キャベツの玉も、ブロッコリーのつぼみも、外葉が作った栄養で育つので、外葉が小さいと、玉もつぼみも小さくなってしまうんですね。
秋の日は、どんどん短くなっていきます。1週間遅れると、そのぶん外葉を育てられる時間が減ってしまう。始めるのが遅れるといけないのは、このためです。
にんじんは、なぜ芽が出るまでがむずかしいのか
にんじんの種は、とても小さくて、中にたくわえている栄養が少ないです。そのため、土を厚くかけると、芽が地上に出る前に力尽きてしまいます。だから、光を感じて芽を出す性質があって、浅くまく必要があります。
ところが、浅くまくと、今度は乾きやすくなります。夏の強い日差しで表面の土がすぐ乾いてしまうと、芽を出しかけた種が干からびてしまうんです。
浅くまかないといけないのに、乾かしてもいけない。この2つを両立させるために、もみ殻や不織布で表面を覆ったり、種をまいたあとに土を押さえたりするわけです。
夏の枝豆に、虫が多い理由
梅雨が明けるころから、カメムシなどの虫は数がぐっと増えていきます。春にまいた枝豆は、虫が増える前に収穫が終わりますが、夏にまいた枝豆は、ちょうど虫がいちばん多い時期に、さやがふくらんでいきます。
さやの中の豆は、虫にとってもごちそうです。夏の枝豆に防虫ネットが欠かせないのは、このためです。
冬のキャベツが甘くなる理由
寒くなると、キャベツは、葉の中に糖をためこみます。水に糖が溶けていると凍りにくくなるので、寒さから身を守るためのしくみだと考えられています。
12月ごろに冷えこむと、キャベツの甘みがぐっと増すのはこのためです。冬どりのキャベツを狙って7月に種をまくのは、この甘さを味わうためでもあるんですね。
9月の谷間ができるわけ
夏野菜は、暑さが落ちつくころから、だんだん実のつき方が少なくなっていきます。一方、秋冬野菜は、9月に植えたばかりで、とれるのは早くても10月以降です。
この、夏の終わりと秋の始まりのあいだに、とれる野菜が少なくなる時期ができます。暑さに強い野菜を夏にまいておいたり、早くとれる品種を組み合わせたりすると、この谷間を小さくできます。
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
7月の畑のポイントを、もう一度まとめておきます。
- 7月は「守る」と「始める」の2つの顔がある月
- キャベツ・ブロッコリーの苗は、7月から。9月前半の植えつけから逆算し、遅らせない
- 夏の苗づくりは、暑さをやわらげるのが目的。朝の光は当てて、昼の日差しは遮る
- にんじんは7月末までに。芽が出るまで、土を乾かさない
- 夏の枝豆は防虫ネットが必須。若どりで枝豆、完熟で大豆
- 9月の収穫の谷間に備えて、四角豆やケール、夏の葉物も考えておく
- 全部はできなくて当たり前。苗を買うなら、7月は夏野菜の世話を優先
暑い中での作業は大変ですが、7月に少しだけ先を見て動いておくと、秋から冬の畑がぐっと豊かになります。
まずは、育てたい秋冬野菜を1つ決めるところから始めてみてください。キャベツでも、ブロッコリーでも、にんじんでも大丈夫です。1つ決まれば、7月にやることが自然と見えてきます🥕
セルトレー128穴
秋冬野菜は7月から育て始めます。畑に直まきせず、涼しい日陰で管理できるのが利点です。
たねまき培土
育苗はタネまき用の土で。畑の土を使うと、発芽のところで失敗します。
日よけ・遮光ネット
春は温めるため、夏は冷やすための育苗。ここが正反対です。
にんじんのタネ
7月にまける数少ない直まき野菜です。発芽まで乾かさないことが全部。