追肥を株元にやってはいけません🌱 根から30cm離す理由
🗨️「追肥って、株のまわりにまけばいいんでしょ?」
🗨️「いつやればいいのか、毎年わからなくなる」
🗨️「あげているのに、大きくならない」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
追肥は、家庭菜園でいちばん「なんとなく」でやられている作業だと思います。私もそうでした。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきます。
★追肥を株元にやってはいけません。
根から30cmほど離した、★まだ根が届いていない場所に置きます。理由は、前にお話しした「根は先端でしか吸えない」につながります☺️
なぜ株元ではだめなのか
根の先端は、もう株元にない
前に、根の話をしました。
★根は、伸びた部分では吸収できません。吸っているのは先端だけです。
では、植えて1か月たった株の根の先端は、どこにあるでしょうか。
★株元ではありません。外へ外へ伸びていって、うねの肩のあたりまで来ています。
株元に肥料を置くということは、★吸う口がないところに食事を置くのと同じです。
★掘ると、根を切ってしまう
もうひとつ、実害があります。
追肥のとき、移植ごてで土に穴を開けます。★株元の近くを掘ると、そこに張っている根を切断してしまいます。
肥料をやろうとして、根を減らす。これでは何をしているのか分かりません。
★根が来るのを、待ち受ける
正しい考え方はこうです。
★根がまだ到達していない場所に、先に肥料を置いておく。
根は伸びていきます。数週間後、伸びた先端がそこへ到着します。★そのとき、ちょうど食事が用意されている。
追肥は「今すぐ食べさせるもの」ではなく、★「これから行く先に置いておくもの」です。
いつやるか
★1回目は、定植から1か月後
うねを作るとき、元肥を入れています。
★その元肥の養分が薄れてくるのが、植え付けからちょうど1か月後くらいです。
だから1回目の追肥は、★定植から1か月後。ここが基準になります。
★2回目からは、3週間おき
そのあとは、★3週間おきに繰り返します。
- 定植 … 元肥だけ
- ★1か月後 … 1回目
- ★その3週間後 … 2回目
- ★さらに3週間後 … 3回目
- 以降、収穫が続くあいだ3週間おき
ナス、ピーマン、ししとう、ゴーヤ、きゅうり。★この5つは同じやり方で構いません。
茎ブロッコリーは3週間に1回
秋冬のものも、考え方は同じです。
茎ブロッコリーは春まで次々とわき芽が出てくるので、★3週間に1回の追肥を続けると、長く収穫が楽しめます。
どこに、どれだけ
★根から30cm離す
位置の基準です。
- ★1回目・2回目 … 根から30cmほど離れたところ
- ★3回目以降 … うねの肩口を50cmほど開けて、その外側
回を追うごとに、★外へ外へずらしていきます。根の広がりに合わせて、いつも「少し先」を狙います。
小さい株なら、株元でもいい
例外があります。
植えたばかりで根がまだ小さい株なら、株元に近くても構いません。根がその範囲にしかないからです。
でも★株が大きくなったら、最低でも20cmは離してください。
★移植ごてが、定規になります
量と深さは、道具で測れます。
- ★移植ごての長さが、おおよそ15cm。★これが穴の深さの目安
- ★移植ごて1杯が、およそ30cc。★これが1か所ぶんの量
★1か所30cc。これだけ覚えておけば、はかりは要りません。
前に「スコップの剣先が30cm」という話をしました。★道具そのものが定規になっているのは、なかなか便利です。
手順
①穴を開ける
移植ごてを、根から30cm離れた場所に挿します。★柄の付け根まで挿すと、深さ15cmです。
そのまま★上下に少し動かすと、穴が開きます。
折れた支柱があれば、それを使ってぐるぐる回して開ける方法もあります。マルチを大きく破らずに済むので、こちらのほうがきれいです。
②30cc入れる
移植ごてで1杯ぶん、穴に入れます。
ここでひとつ注意です。★こぼれた肥料は、必ず中に入れてください。
★表面に肥料が残っていると、匂いで虫が寄ってきます。せっかくの追肥が、虫を呼ぶ道具になってしまいます。
③★水を注ぐ
肥料を入れたら、★その穴に水を注いでください。
有機の肥料は、微生物が分解してはじめて効きます。★乾いていると分解が進みません。水を入れることで、微生物が働きはじめます。
④★埋め戻す
最後に、土をかぶせて穴をふさぎます。指で押し込むだけで十分です。
★穴を開けっぱなしにしないでください。理由が2つあります。
- ★風が入って、土が乾く
- ★害虫が入り込む
とくに2つ目です。前にお話ししたとおり、ウリハムシは株元の土に卵を産みます。★開いた穴は、絶好の産卵場所になります。
★マルチを張っているなら、開けた部分もふさいでください。理想は「作業前と同じ見た目」です。
★トマトだけ、別扱い
多いと、花が落ちます
ここは例外なので、分けてお話しします。
★トマトは、初期に肥料を与えすぎると失敗します。
何が起きるか。★樹ばかりが大きくなって、花芽ができたときに、その花が落ちてしまいます。
葉も茎も立派なのに、実がつかない。前にスナップエンドウで「つるぼけ」の話をしましたが、あれと同じ現象です。
★量は20ccに減らす
だからトマトは、★1か所20ccくらいに減らしてください。
ほかの野菜が30ccなので、★3分の2ということですね。
★★葉の色で判断する
そして、トマトには分かりやすい目安があります。
★葉の色を見てください。
- ★濃い緑 … 肥料は足りています。追肥しなくていい
- ★黄緑がかっている … 肥料が効いていません。追肥どきです
とくに★栽培の前半に葉が黄緑なら、追肥のサインです。
これは便利です。カレンダーだけで機械的にやるのではなく、★株に聞いてから決められます。
★やってはいけない、3つ
①遅れた追肥は、やらない
これが意外だと思います。
「先月やり忘れたから、今やろう」
★やらないでください。
理由は、効くタイミングがずれるからです。★有機肥料は、分解に時間がかかります。冬場なら1か月ほど。
実が太る時期に肥料が効きはじめると、どうなるか。★実に使われるはずの養分が、葉のほうに使われます。
- 葉ばかり茂る(葉ボケ)
- つるばかり伸びる(つるぼけ)
- 実がつかない
そして、もうひとつこわいことがあります。
★そうなった株は、細胞ひとつひとつが弱々しくなります。だから★病気にも害虫にもやられやすくなる。
★遅れたと気づいたら、あえてやらないほうが安全です。
②結球し終わった野菜に、やらない
白菜やキャベツが巻き終わって、収穫できる状態になっている。
そこに追肥をしても、★もう大きくなりません。
それどころか、悪いことが起きます。
- ★えぐみが出る
- ★とう立ちしやすくなる
★とう立ちする前に食べる。これが正解です。小さくても、そのまま収穫してください。
③多すぎる量を、やらない
最後です。★多ければいいというものではありません。
面白い例があります。プランターの土から、★コガネムシの幼虫が150匹出てきたという話です。
原因は、★肥料と堆肥のやりすぎでした。
有機物が多いと、それを目当てに虫が集まって卵を産みます。畑でも同じことが起きます。
★多すぎる肥料は、虫まで呼びます。「効かせすぎない」は、無農薬でとくに大事な考え方です。
数字だけ、まとめておきます
この記事の要点
- ★追肥を株元にやってはいけない。★根の先端はもう株元にない
- ★株元を掘ると根を切ってしまう
- 追肥は「今食べさせるもの」ではなく★「これから根が行く先に置いておくもの」
- ★1回目は定植から1か月後(元肥が薄れるころ)
- ★2回目からは3週間おき
- ナス・ピーマン・ししとう・ゴーヤ・きゅうりは★同じやり方でよい
- ★茎ブロッコリーは3週間に1回で長く穫れる
- 位置は★根から30cm。★3回目以降はうねの肩口を50cm開けて外側へ
- ★小さい株は株元でもよいが、大きくなったら最低20cm離す
- ★移植ごての長さ=約15cm(穴の深さ)/★移植ごて1杯=約30cc(1か所ぶん)
- 手順は★①穴を開ける ②30cc入れる ③★水を注ぐ ④★埋め戻す
- ★こぼれた肥料は中へ。匂いで虫が寄る
- ★穴を開けっぱなしにしない。乾くうえ、★害虫の産卵場所になる
- ★トマトだけ別。多いと樹が大きくなって★花が落ちる。★20ccに減らす
- ★★トマトは葉の色で判断。濃い緑=足りている/黄緑=追肥どき
- ★遅れた追肥はやらない。実の養分が葉に回って★葉ボケ・つるぼけになる
- ★そうなった株は細胞が弱く、病気にも虫にもやられやすい
- ★結球し終わった野菜に追肥しない。★えぐみが出て、とう立ちしやすくなる
- ★多すぎる肥料は虫を呼ぶ
全部やろうとしなくて大丈夫です。まずはカレンダーに、苗を植えた日から1か月後の印だけ付けてください。★そこが1回目です🌱
次回は、5月の作業の話。1年でいちばん植え付けが集中する月を、順番に整理します🍅
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
発酵油かす
効きはじめるまで2週間ほどかかります。だから、まだ根が届いていない場所へ先に置いておきます。
炭化けいふん
速効性で、リン酸とカルシウムを補います。実がつきはじめてからの追肥に。
液肥
すぐ効かせたいときだけ。追肥の代わりではなく、応急処置として使います。
三角ホー
株元から30cm離したところを浅く削って、そこへ入れます。立ったまま作業できます。


