枯れても抜かないでください🫛 スナップエンドウの1月の乗り切り方
🗨️「暖冬で伸びすぎた。このままで大丈夫?」
🗨️「株元が枯れてきた。もうダメかな」
🗨️「1月って、何をしてあげればいいの?」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
今回は、1月から2月にかけてのスナップエンドウとそら豆の話です。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきますね。
枯れてきても、抜かないでください。
冬のスナップエンドウは、見た目がどんどん悪くなります。下の葉が茶色くなって、株元がしおれて、「これは失敗したな」と思う。
でも、そこで抜くのが早すぎるんです。
そしてもうひとつ。この野菜は、秋に植えるものの中でいちばん冬越しが難しい。それには、はっきりした理由があります☺️
📖 この記事の目次
なぜ、この野菜だけ難しいのか
同じ時期に植える野菜と比べてみます。
玉ねぎ、にんにく、いちご。この3つに比べて、★スナップエンドウは寒さに弱いです。
でも、弱いだけなら防寒すればいい。本当の問題は、失敗したときの取り返しがきかないことです。
玉ねぎは、葉が枯れても平気
玉ねぎは、葉が寒さでやられても大丈夫です。
★成長点が、地際にあるからです。
球のすぐ上、地面すれすれのところに次の葉を作る場所がある。だから上の葉が枯れても、本体は無事。春になればまた出てきます。
スナップエンドウは、そこが上にある
ところがスナップエンドウは違います。
★成長点も、脇芽が出る部分も、茎の上のほうにあります。
つまり茎が枯れると、次に伸びるはずだった芽も、一緒に失われる。
★「脇芽が出る部分を含めて枯れる」
これがこの野菜の怖いところです。玉ねぎのようなリカバリーが、そのままでは効かない。
だから「小さいまま冬に入る」ことが大事なんですね。小さければ、成長点が地面の近くにある。地面のそばは風が弱く、土の熱もあって暖かい。★守るべきものを、いちばん安全な場所に置いておくということです。
★伸びすぎてしまった人へ ー 応急処置3つ
暖冬の年は、1月の時点で40〜50cmになることがあります。私の畑でもありました。
このままだと、★伸びた部分は寒害で枯れます。全滅はしませんが、そのまま放っておくのはもったいない。
打てる手が3つあります。
①小枝を、株の周りに挿す
これがいちばん手軽で、効きます。
つるあり品種は、絡むものがないとどうなるか。★マルチの上にペタッと倒れます。倒れた株は生育が落ちます。
そこで、★小枝や笹を株の周りに挿して、つるを絡ませてあげてください。
ローズマリーの枝でも構いません。要するに、つるが巻きつける「取っかかり」があればいいんです。
★狙いは、風の強い日に地べたへ倒れ込むのを防ぐこと。
一度絡んでしまえば、★収穫までそのままで大丈夫です。あとから抜く必要はありません。
②保温する
本来、この時期にトンネルは設置しません。寒さに当てないと花が咲かないからです。
でも、★大きくなりすぎている株は例外です。
かなりしっかり保温しないと、冬を越せません。★大きいものにだけ、あえてトンネルを設置する。これしか手がないんですね。
③支柱を立てて、風を止める
くり返しになりますが、この野菜が弱いのは寒さそのものより★冷たい風です。
支柱を立てて周りを囲うだけでも、生き残りが変わります。
摘心するかどうかは、正解がありません
「先端を摘んで、下から脇芽を出させたほうがいいのでは」という考え方もあります。
正直に書くと、★どちらがいいかは決着していません。
私が話を聞いたベテランの方も、「保温したほうがいいのか、摘心して下からの脇芽を育てたほうがいいのか、今年実験してみる」と言っていました。
なので、ここは断言しません。ただ、★どちらにしても「何もしないよりはいい」というのは確かです。
★1月の追肥 ー 3つの注意
冬にやる作業は、実はこれくらいです。でも、やり方を間違えると逆効果になります。
①1月中旬までに済ませる
★有機肥料は、微生物が分解してから効きます。時間がかかる。
だから1月中旬までには入れておいてください。★遅れると、さやが大きくなる時期に肥料が効きません。
(化学肥料なら、2月でも即効性があります)
②追肥のあと、水をやらない
これは意外に思われるかもしれません。
★厳寒期に水をやると、霜柱が立ちやすくなります。また、凍って芽を傷めることもある。
★この時期は雨がしっかり土に染み込むので、水やりはほぼ不要です。
③★追肥は、1回だけ
ここがいちばん大事です。
この時期は追肥をしても、目に見えて大きくなりません。だから「効いていないのかな」と思って、何度もやってしまう人がいる。
でも、それが逆効果になります。
- ★肥料が多いと、害虫を呼びます。アブラムシがつきやすくなる
- ★つるぼけになります。つるだけが大きく育って、実つきが悪くなる
1回だけ。これを守ってください。
量と、入れる場所
具体的に書いておきます。
- ★1か所あたり10cc
- ★株と株の間に、移植ごてを10cmほど差し込む
- 前後に少し押し広げて、そこに入れる
- 埋め戻して、しっかり押さえる
★この10ccは「1株ぶんの量」です。1株だけ育てているなら、左右に5ccずつ入れてください。4株なら4か所に10ccずつ。
★根はまだそこまで伸びていないので、傷つける心配はありません。
そして、ここが面白いところなんですが。
★根がこの場所に届くのが3月ごろ。有機肥料が分解しきるのも、ちょうどそのころ。
つまり★根の到達と、肥料が効き始めるタイミングが、ぴったりそろうんです。そして4月以降、花が咲いてさやがつく時期に使われる。
1月に入れる意味が、ここにあります。
★株元が枯れてきたら ー 3つの見分け方
1月後半が、冬越しのいちばん重要な時期です。ここを乗り越えれば、あとは春に向かうだけ。
畑に行って、株がどの状態か見てください。3つに分かれます。
①株元が枯れ始めているが、先端は元気
★対策をすれば復活しそうな状態です。あきらめないでください。
②伸びすぎていて、成長点は元気だが株元に元気がない
少し心配な状態。保温を強化してください。
③伸びているが株元も元気で、脇芽が出始めている
★いちばんいい状態です。ただし、これから寒さの被害に遭う可能性があるので、予防はしておきましょう。
★★株元の枯れ葉は、取らないでください
これが今回いちばんお伝えしたいことです。
株元が枯れると、その葉を摘み取りたくなりますよね。見た目も悪いし、病気になりそうな気がする。
でも、★取ると、寒さが直接当たるようになります。
枯れた葉は、株元にとって毛布のようなものなんです。汚らしく見えても、そこに置いておく。
★そのまま冬越しさせて、春先になってから取れば問題ありません。
元気なつるに、印をつけておく
もうひとつ、今のうちにやっておくといい作業があります。
★先端が黄色く変色しているつるは、冬越しに成功してもうまく育たない可能性が高いです。
でも、★長くなってくると、どれが元気なつるか分からなくなります。
そこで今のうちに、間引く予定のものに目星をつけておく。★株元まで指でたどって、何か印をつけておいてください。
そして2月中旬ごろに、その印の下のものを間引く。冬のうちに判断しておくと、春に迷いません。
枯れていても、防寒でしのぐ
株元が枯れてしまった株にも、まだ手があります。
- ★不織布を株元にかける
- ★わらなどで株元を囲うように挟み込む
- 背が高い場合はビニールトンネル
★ポイントは、「トンネル」と「株元の保温」を両方やることです。上からかぶせるだけでは、株元に寒さが当たり続けます。
そして正直に書いておくと、★復活しないこともあります。
なので、★ポット苗を今のうちから準備しておくと安心です。だめだったら植え替えられます。保険をかけておくのは、負けではありません。
寒波が来る前に、もう1枚
普段は防虫ネットで、風対策と軽い防寒をしている方が多いと思います。
でも、★強い寒波が予想されるときは、それだけでは足りません。
やり方
- 防虫ネットを一度外す
- ★不織布を上からベタがけする
- 風が強そうならUピンで留める
- ★その上から、防虫ネットを戻す
★この1枚があるだけで、かなり寒さがしのげます。
そして★雪が降るときも、上に防虫ネットがあれば直接積もりません。二重にする意味は、そこにもあります。
★外すのを忘れないでください
これ、大事な注意点です。
★1月2月の厳寒期を越えたら、すぐに外してください。
外さないとどうなるか。
- ★中で気温が上がって、どんどん成長してしまい、絡んでしまう
- ★通気性が悪くなって、病気になる
寒さをしのぐための道具が、暖かくなった途端に害になる。かけたら外す、をセットで覚えておいてください。
小さい株には、牛乳パックという手も
★10cm程度の小さい株なら、寒波の前に牛乳パックをかぶせるだけでも十分な効果があります。
防寒効果が高く、元気に育ちます。お金もかかりません。
★ただし大きくなると先端が枯れるリスクがあるので、そのときは別の対策に切り替えてください。
学ぶ:守るべき場所が、どこにあるか🔬
理科の時間です。この記事の全部が、ひとつの話につながります。
植物には「成長点」があります。次の葉や茎を作り出す、いわば工場の司令室です。
そして★この司令室がどこにあるかで、寒さへの強さが決まります。
地際にあるか、上にあるか
- 玉ねぎ、にんにく、ネギ … ★成長点が地際にある
- スナップエンドウ、そら豆 … ★成長点が茎の上のほうにある
地際は、いちばん安全な場所です。土は昼の熱をためていて、夜もゆっくり放します。風も当たりにくい。
一方、茎の上は無防備です。風がまともに当たるし、放射冷却で真っ先に冷える。
だから玉ねぎは葉が枯れても平気で、スナップエンドウは茎が枯れると次がない。★同じ「冬越し野菜」でも、守り方がまったく違うわけですね。
だから「小さいほうが強い」
ここで、秋に書いた話とつながります。
★小さい株は、成長点が地面の近くにあります。
大きく伸びた株は、司令室を高いところに掲げているのと同じ。目立つし、寒風にさらされる。
「小さいまま冬に入れる」というのは、★守るべきものを、安全な場所に置いておくということなんです。
なぜ厳寒期に水をやってはいけないのか
もうひとつ、水の話も同じ理屈で説明できます。
土に水が多いと、夜に凍って霜柱が立ちます。霜柱は株を持ち上げる。
それだけではありません。★根の周りの水が凍ると、氷の結晶が根を物理的に傷つけます。
水は凍ると体積が増えます。細胞のすぐそばで氷が育つと、押しつぶされたり、突き破られたりする。
★寒い時期の水やりが危険なのは、「冷たいから」ではなく「凍るから」なんですね。
お子さんと一緒なら
畑にある冬越し野菜を、★「成長点がどこにあるか」で分けてみてください。
玉ねぎ、にんにく、ネギ、いちご、スナップエンドウ、そら豆。
指で株元をたどって、「次の葉はどこから出てくる?」と探す。地面の近くから出ているものと、上のほうから出ているものに分かれます。
そして、★冬を越したあとにもう一度見る。どちらが元気だったかが、はっきり出ますよ🫛
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
スナップエンドウの冬は、耐える時間です。ポイントを整理しておきますね。
- ★この野菜は「脇芽が出る部分ごと枯れる」から難しい。玉ねぎは成長点が地際なので葉が枯れても平気
- 伸びすぎたら3つ ー 小枝を挿してつるを絡ませる/保温する/支柱で風を止める
- ★追肥は1月中旬まで、1か所10cc、1回だけ。多いとアブラムシを呼び、つるぼけになる
- ★追肥のあと水をやらない。凍って根を傷める
- ★★株元の枯れ葉は取らない。取ると寒さが直接当たる。春先に取ればいい
- 寒波の前に、防虫ネットの下へ不織布を1枚。★厳寒期を越えたら、すぐ外す
- ★復活しないこともある。ポット苗を保険に準備しておく
全部やろうとしなくて大丈夫です。まずは畑に行って、株元の枯れ葉を「取らずに」帰ってきてください。何もしないことが、いちばん効く日もあります🫛
次回は、穫ったあとの話。大根を畑に埋めて、長く保存する方法をお話しします🔵
スナップエンドウのタネ(つるなし)
まだ間に合う地域もあります。つるなしなら支柱4本で済み、草丈1mほど。年内に10〜15cmの小さい株にしておくのが、冬越しの正解です。大きく育てすぎないでください。
そら豆のタネ
スナップエンドウと同じ時期に、同じ管理で育ちます。そら豆のほうが寒さに強いので、初めての冬越しならこちらのほうが失敗しにくい。並べて植えておくと、比べられて面白いです。
不織布
寒波の予報が出たら、防虫ネットの下にもう1枚。これだけで体感の温度が変わります。1月2月の厳寒期を越えたら、すぐに外してください。かけっぱなしにすると、今度は蒸れます。
支柱150cm
つるなしでも支柱は要ります。つるが絡めば、風で倒れません。倒れた株は根が浮いて、そこから寒さで傷みます。冬のあいだ株を立たせておくための道具だと思ってください。
鶏ふん
1月の追肥に使います。株間に10ccほど、1か所だけ。追肥は1回だけです。やりすぎるとつるぼけして、実がつかなくなります。


