プランターは冬に「水のやりすぎ」で枯れます🪴 12月でも植えられる5つ
🗨️「畑がないから、家庭菜園はあきらめている」
🗨️「プランターで育てると、いつも途中で枯れる」
🗨️「冬にベランダで何か育てられる?」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
今回は、畑を持っていない方に向けた話です。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきますね。
プランターで枯れる原因のほとんどは、水のやりすぎです。
しかも冬は、その危険がいちばん高い季節です。
「そんなに水はやっていない」と思われるかもしれません。でも冬は気温が低くて土が乾きません。夏と同じ感覚でやると、確実に多すぎになります。
そしてもうひとつ。プランターは、畑を小さくしたものではありません。まったく別の環境です。そこを分けて考えると、急にうまくいくようになります☺️
📖 この記事の目次
育てる①:枯れる原因は「根が溺れている」
まず、何が起きているかを知ってください。ここが分かると、水やりの回数が自然に減ります。
★根は、土の中から酸素を吸っています。
これ、意外と知られていないと思います。根も呼吸しているんです。
土の粒と粒のあいだには、すき間があります。そこに空気が入っている。根はその空気から酸素をもらっています。
では、毎日水をやるとどうなるか。
すき間が水で埋まって、空気がなくなります。★根は、ずっと水に沈んで溺れているような状態になります。
そして酸素が吸えず、最終的に窒息して腐る。これが根腐れです。
見分け方
★健康な根は、白い色をしています。
根腐れを起こすと、茶色や灰色になり、最終的には溶けます。
根が働かなくなるので、栄養も酸素も水も吸えません。すると葉に影響が出て、変色して、最後は株全体が枯れる。
「葉が変色したから水が足りないんだ」と思ってさらに水をやる。これがいちばんまずいパターンです。
★葉がおかしいと思ったら、まず土を触ってください。湿っていたら、水のやりすぎです。
なぜ冬が危ないのか
夏は暑くてどんどん蒸発します。だから毎日やっても、土は乾きます。
でも冬は違います。気温が低くて、日も短い。一度濡れた土が、なかなか乾きません。
★夏と同じペースで水をやると、土がずっと湿ったままになります。
冬の水やりは、「乾いてから」でいいんです。むしろ「乾いてから、さらに1日待つ」くらいでちょうどいいと思っています。
育てる②:鉢を選ぶところから決まります
道具で解決できる部分は、道具で解決したほうがラクです。
初めてなら、貯水タンク付き
★上から水をやるのではなく、貯水部分に水を入れるタイプです。
すると、毛細管現象(もうさいかんげんしょう)で下から必要な分だけ吸い上がります。
毛細管現象というのは、細いすき間を水が自然に登っていく現象のことです。ティッシュの端を水につけると、上のほうまで濡れていきますよね。あれと同じです。
★必要な分だけ上がってくるので、やりすぎになりません。初めての方には、これがいちばん失敗が少ないと思います。
慣れてきたら、スリット入り
側面に細長い切れ込みが入ったタイプです。★通気性がよく、根腐れの予防になります。
ただし乾きやすいので、水の管理が必要になります。少し上級者向けですね。
土がこぼれるときは、不織布
スリット鉢を使うと、切れ込みから土が流れ出します。
ここで鉢底石を入れる方が多いのですが、★鉢底石は再利用のときに土と仕分けるのが面倒です。
おすすめは、★鉢の中に不織布を敷いてから、その中に土を入れること。
土がこぼれず、あとで土だけを取り出せます。不織布を最初に鉢の内側にぴったり沿わせてから、少しずつ土を入れてならしていくときれいに入ります。
★どうしても鉢底石を使いたい場合は、ネットに入れておいてください。あとで引き上げるだけで済みます。
★育てる③:水やりは「ドブ漬け」が理想です
いちばん確実な水やりの方法をお伝えします。
★プランターごと、水に浸ける。
これだけです。バケツや衣装ケースに水を張って、鉢を沈める。しばらくして引き上げます。
なぜこれがいいのか
上から水をやると、どうしても「どのくらい入ったか」が分かりません。多すぎたり少なすぎたりします。
でも下から吸わせると、★毛細管現象で必要な分だけ上がってきます。それ以上は入りません。
根のまわりに水が滞留しないので、根腐れしにくいわけですね。
重くて持ち上げられない場合
大きなプランターは、水を含むと相当重くなります。無理はしないでください。
- 貯水タンク付きのプランターを使う
- 深めのプラスチックの皿を用意して、そこに水を補給する
どちらでも構いません。ただし★水がずっと残ったままの状態にはしないでください。
皿の水がいつまでも減らないなら、それは吸っていないということです。捨ててください。
育てる④:土に黒マルチを敷く
これは畑ではおなじみですが、プランターでこそ効きます。
土の表面に黒いビニールを敷くだけで、こんなに効果があります。
- ★乾燥を防ぐ(水やりの回数が減る)
- ★保温になる(冬は特に)
- ★害虫の産卵を防ぐ
3つ目が、意外と大事です。
★コガネムシなどは、プランターの土に産卵します。
そして産卵されると、畑よりダメージが大きい。土の量が少ないぶん、根がそこに集中しているからです。幼虫に根を食べられると、あっという間に株全体が弱ります。
土がむき出しでなければ、産みつけられません。それだけで防げます。
きれいに敷くコツ
★平らなプラスチックの板で、鉢のふちにマルチを差し込んでいきます。
下敷きでも構いません。指でやろうとすると、うまく入らずにイライラします。板を使ってください。
苗を植えるときは、マルチに穴を開けます。★勢いよくやると、せっかく敷いたマルチが伸びてしまうので、そっと開けてください。
育てる⑤:植える前に、土を濡らす
小さなことですが、これで活着(かっちゃく/苗が新しい土に根づくこと)が変わります。
★土を入れたら、苗を植える前に、下から水が流れ出すまで濡らしてください。
理由は単純で、土の内部が乾いていると、根が伸びていけないからです。
★苗を植えてから水をやっても、うまく吸収できないことがあります。
乾いた土は、意外と水をはじきます。表面だけ濡れて、中は乾いたまま。そこに根を伸ばそうとしても、うまくいきません。
先に、しっかり湿らせておく。順番の問題です。
ベランダは風が強いので、誘引を先に
支柱を立てるものを育てるなら、ここも押さえてください。
- ★支柱は、ポットの土の外側に差す(根を傷めないため)
- ★麻ひもで誘引するとき、苗側はゆるく、支柱側はしっかり
- ★きつく縛らない。成長にともなって、首が締まる状態になります
そして、いちばん大事なこと。
★設置する前に誘引しておいてください。
ベランダは、地面より風が強いです。建物の間を風が抜けるので、思っている以上に揺すられます。「あとでやろう」と置いておくと、次の朝に倒れています。
育てる⑥:冬の置き場所で、生き残りが変わります
畑と違って、プランターは動かせます。これが最大の強みです。
冬は、この強みを使ってください。
①地面に直置きしない
★冷気は、下から来ます。
コンクリートやタイルに直接置くと、底から冷やされ続けます。土の量が少ないので、あっという間に中まで冷えます。
レンガや、すのこや、木の台。何でもいいので、★数センチ浮かせてください。それだけで底冷えがかなり減ります。
②建物の壁ぎわに寄せる
★壁は、昼のあいだ熱をためています。そして夜、それを少しずつ放します。
だから壁ぎわは、開けた場所より暖かいんです。
ベランダの手すり側ではなく、部屋側の壁に寄せる。これだけで、夜の冷え込みがやわらぎます。
③南向きの場所へ移す
★冬は太陽の高さが低くなります。
つまり、夏に日陰だった場所に日が当たることがあります。逆に、夏に一日中日が当たっていた場所が、冬は建物の影に入ることも。
冬になったら、一度ベランダの日の当たり方を見直してください。半日でも日が当たる場所に移すと、育ちがまるで違います。
④不織布を、ふわっとかける
畑と同じです。★ピンと張らず、ふわっと。
夜だけかけて朝はずす、でも効果があります。
12月でも植えられる、5つ
「もう遅い」と思っている方へ。まだあります。
★この時期はタネより、苗のほうが成功率が高いです。寒くて発芽しにくいので、苗から始めてください。
①スナップエンドウ
いちばんのおすすめです。★植えたあとの管理がほとんど要りません。
直径30cmの大型プランターで、1か月ぶんくらい穫れます。
そして、これが大きいのですが。スナップエンドウは買うと鮮度が落ちやすい野菜です。★穫ってすぐ食べられるというのは、プランターならではの価値です。
②にんにく
★紹介するなかで、いちばん育てやすいです。植えたらそのまま放置でもできるくらい。
ただし、1個植えて1個しか穫れません。たくさん収穫したい方には向きませんが、「失敗したくない」「まず1つ成功させたい」という方には、これ以上ない選択肢だと思います。
③そら豆
管理は簡単です。難点はひとつだけ。
★春になると、アブラムシが大量につきます。
これさえ乗り切れば穫れます。プランターで10〜20本ほど。
④アスパラガス
これは面白い選択です。★3年育った大苗を買ってください。
タネからだと3年かかりますが、大苗なら12月に植えて春に収穫できます。直径30cmのプランターで、春先に3本ほど。
数は少ないですが、★一度植えると10年くらい毎年穫れます。しかも年々増えていく。長い付き合いになる野菜です。
⑤玉ねぎ
正直、プランターだと難しいほうです。40cmのプランターで3〜6本しか植えられません。
ただ、ひとつ知っておいてほしいことがあります。
★玉ねぎは、上の緑の葉の部分も食べられます。しかも、おいしいです。
畑でたくさん作っていると気づかないのですが、プランターで数本だけ育てていると、この葉のありがたさが分かります。
冬の手あきに、土を作り直す
冬は植えるものが少ないので、時間があります。使い終わった土を、作り直しておきましょう。
捨てなくていいんです。何回でも再生できます。
手順
- 残った土の量をざっくり測る(例:3L)
- ★土3Lに対して、米ぬか1L(3対1)
- ★発酵を助けるために、砂糖を100ccほど。種類は何でも構いません
- よく混ぜて、水を加える
- 透明でないビニール袋に入れて、★密封せずに軽く口を縛る
- 暖かい場所に置いておく
水の量のコツ
ここだけ、感覚が要ります。
★握って「バラバラ」と崩れるくらい。
「ボロリ」とかたまりで崩れるなら、水が多すぎです。ぼかし肥を作るときより、水は少なめだと思ってください。
何が起きるか
★3日ほどで、袋の中が温かくなります。
そして★白いカビが、綿菓子のようにわさわさと湧いてきます。
初めて見るとぎょっとしますが、これは順調な証拠です。米ぬかをエサに微生物が増えている状態ですね。
やがて温度が下がったら、完成です。土を足して、底のほうからえぐるように混ぜてください。
★石灰や元肥を入れる場合は、植え付けまで2週間ほど寝かせてください。入れないなら3日ほどで落ち着きます。
袋を密封しないのは、★酸素のある状態で発酵させたいからです。あと、虫が入らないようにする意味もあります。
学ぶ:土のすき間には、空気が入っています🔬
理科の時間です。この記事の全部が、ひとつの話につながります。
土は、粒でできています。そして粒と粒のあいだには、必ずすき間があります。
このすき間が、2つの仕事をしています。
- ★水の通り道
- ★空気の部屋
そして根は、この「空気の部屋」から酸素をもらっています。
水をやりすぎると、何が起きるか
すき間が水でいっぱいになります。空気の部屋がなくなります。
すると根は息ができません。人間が水の中で息を止めているのと同じです。少しの時間なら耐えられますが、ずっとは無理です。
だから根腐れは、「水が多すぎて溶けた」のではなく、★「窒息して死んだ」というほうが正確なんですね。
プランターが畑より難しい理由
畑には、土が無限にあります。多すぎた水は、下へ下へと抜けていきます。
でもプランターは、底が閉じています。土の量も限られています。★逃げ場がありません。
同じ「水をやりすぎる」でも、畑では吸収されて、プランターでは致命傷になる。これが、畑の感覚をそのまま持ち込んではいけない理由です。
お子さんと一緒なら
透明なコップに土を入れて、ゆっくり水を注いでみてください。
★土のすき間から、小さな泡がぷくぷくと出てきます。
あれが、押し出された空気です。「根が吸っていた空気が、いま出ていった」と分かる。水やりの意味が、目で見えます🪴
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
プランターは、コツさえつかめば畑より手軽です。ポイントを整理しておきますね。
- ★枯れる原因のほとんどは水のやりすぎ。根は土の中の空気から酸素を吸っていて、水で埋まると窒息する
- ★冬は乾かない。夏と同じペースでやらない。「乾いてから、さらに1日待つ」くらいで
- 初めてなら貯水タンク付き。慣れたらスリット鉢+不織布。★水やりはドブ漬けが理想
- ★土に黒マルチを敷く。乾燥防止・保温・コガネムシの産卵防止の3つが一度に効く
- ★プランターは地面に直置きしない。壁ぎわに寄せて、南向きへ。冬は日の当たり方が変わる
- 12月でも植えられる ー スナップエンドウ・にんにく・そら豆・アスパラガス(3年大苗)・玉ねぎ。★タネより苗
- 使い終わった土は捨てない。★米ぬかと砂糖で発酵させれば、何回でも再生できる
全部やろうとしなくて大丈夫です。まずはプランターを1つ、レンガの上に載せて壁ぎわに寄せてみてください。それだけで、冬の生き残りが変わります🪴
次回は毎月の定期便、12月号です。「もう遅い」と思われがちな12月に、実はまだ植えられるものをまとめます🍂
給水式菜園プランター 650型
記事で「初めてなら貯水タンク付き」と書いたのがこれです。底のトレーに水をためると、毛細管現象で必要な分だけ吸い上がります。上からやりすぎる心配がないので、冬の根腐れをいちばん確実に防げます。土は約30L入ります。
不織布
冬はプランターにふわっとかけるだけで生き残りが変わります。換気がいらないので、かけっぱなしにできるのが強み。鉢の中に敷いて土がこぼれるのを防ぐ使い方もできます。
穴あき黒マルチ
土の表面に敷くと、乾燥防止・保温・コガネムシの産卵防止が一度に効きます。プランターは土の量が少ないぶん、産卵されたときのダメージが畑より大きいので、これは効きます。
米ぬか(土のリセット用)
使い終わった土は捨てなくていいんです。土3Lに米ぬか1Lと砂糖100ccを混ぜて袋に入れておけば、3日で温かくなって再生が始まります。何回でも繰り返せます。
スナップエンドウのタネ(つるなし)
12月でも植えられる5つの筆頭です。つるなしなので支柱4本で済み、直径30cmのプランターで1か月ぶんくらい穫れます。苗が手に入らない時期は、こちらから。


