【保存版】にんにくは「芽かき」で大玉になる🧄 見過ごされている作業
🗨️「にんにく、植えっぱなしでいいって聞いたのに小さかった」
🗨️「芽が出ないまま、いつまでも土のまま」
🗨️「収穫はできたけど、保存してたらカビた」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
前回は玉ねぎの話をしました。今回はその仲間、にんにくです。
にんにくは「植えたらほぼ放置でいい」と言われます。実際そのとおりで、手はほとんどかかりません。9月〜10月に植えて、翌年の5月〜6月に収穫。冬の間はほったらかしです。
ただ、それでも小さいにんにくで終わる人がいます。原因はだいたいこれです。
芽かきという作業を、知らないまま通り過ぎている。
1片しか植えていないのに、1つの穴から芽が2本、3本出ることがあるんです。そのままにしておくと、栄養の取り合いになって、どっちつかずの小玉になります。
私も最初の何年かは、この作業の存在すら知りませんでした。今日はそこを中心にお話しします。
※以下の時期は中間地(関東〜関西の平野部)が目安。寒い地域は少し遅らせ、暖かい地域は早めに。種球の袋の表示もあわせて確認してください。
📖 この記事の目次
栽培データ
- 科:ヒガンバナ科(仲間=玉ねぎ・らっきょう・ネギ。同じ場所は1〜2年あける)
- タネまき:なし=種球(しゅきゅう/植える用のにんにく)を植える
- 植え付け:9月中旬〜10月中旬
- 株間:15cm(穴あきマルチの穴に1片ずつ)
- 収穫:翌年の5月中旬〜6月
植え時は、両側に失敗があります
まず時期の話から。9月中旬〜10月中旬が目安です。
この「幅」がけっこう大事で、早すぎても遅すぎてもダメなんですね。
早すぎると腐る
にんにくは寒さにはとても強いんですが、暑さには弱いです。
まだ暑い時期に植えると、土の中で種球が腐ります。ウイルス病が出ることもあります。
近年は9月に入っても30℃近い日が続くので、「暦どおり9月中旬」と決めうちせず、朝晩が落ち着いてきたかを見てから植えるほうが安全です。
遅すぎると大玉にならない
逆に遅れると、根をあまり張らないまま冬を迎えます。
にんにくは冬の間に根を張って、春に一気に太ります。その土台づくりが足りないと、大きくなりきれません。
私は2回に分けて植えます
この「早すぎても遅すぎてもダメ」への対策として、私は9月下旬と10月上旬の2回に分けて植えています。
その年が暑ければ後半のほうが上手くいくし、早く冷えれば前半が当たる。どちらかが外れても、全滅は避けられます。
畑の面積に余裕があるなら、これはおすすめです。
植え方は3つだけ守れば大丈夫
①尖った方を上にして、垂直に
にんにくの1片には、尖っているほうと平たいほうがあります。尖ったほうが芽、平たいほうが根です。
これを逆さに植えると、芽が土の中で回り道をすることになります。まっすぐ立てて植えてください。
②種球の上に3〜5cmの土
深さの目安です。深すぎず、浅すぎず。
ちなみに深さには意味があって、深めに植えると大きい球になりやすく、浅めに植えると早く芽が出ます。標準は3〜5cmで大丈夫です。
③★覆土のとき、押さえつけない
ここ、玉ねぎと真逆なので注意してください。
玉ねぎは植えたあと株元をしっかり鎮圧します(押さえて土を締める)。でもにんにくは、土をかけたら押さえつけないでください。
土が締まると、芽が出にくくなります。ふわっと土をかけて終わり。それでいいんです。
同じヒガンバナ科でも、玉ねぎは「苗」で根がすでにある、にんにくは「これから芽を出す球根」。スタート地点が違うんですね。
マルチは張ったほうがいいです
雑草対策と生育もありますが、いちばんの理由は乾燥です。
にんにくは冬に土が乾くのを嫌います。ポリマルチを張っておくと、乾燥をかなり防げます。
サイズは幅95cm、株間・条間ともに15cmの5条マルチ。じつはこれ、玉ねぎと同じものが使えます。両方作る方は使い回せるので覚えておいてください。
水やりは基本不要です。雨が降らず土が乾いているとき、または少しでも早く芽を出させたいときだけで大丈夫です。
★芽かき ー 今日いちばん伝えたいこと
さて本題です。
12月ごろ、芽が出そろってきたら、うねを1株ずつ見てください。
1つの穴から、芽が2本出ている株がありませんか。
1片しか植えていないので、本来なら1本しか出ないはずです。2本出ているということは、その1片が中で分球しているということなんですね。
放置すると、両方とも中途半端になります
大根や葉物の間引きと同じ理屈です。
2本が同じ場所で栄養を取り合うので、どちらも大きくなりきれません。結果、どっちつかずの小さい玉が2つできます。
私、正直これを何年か見過ごしていました。「なんか2本出てるな」と思いながら、そのままにしていたんです。知ってからは毎年やっています。
やり方
- 弱いほう、小さいほうを選ぶ
- 根元からハサミで切る
引き抜かないでください。抜くと土が動いて、残すほうの根を傷めます。ここは大根の間引きと同じ考え方です。
3本出ていることもあります。その場合はいちばん大きい1本を残して、あとは切ります。
★2つだけ、守ってほしいこと
これが地味に大事です。
- 必ず晴れた日にやる
- ハサミはアルコールで除菌してから使う
にんにくは、思っている以上に病気にかかりやすい野菜です。切り口から菌が入ります。
雨の日や湿った日にやると、切り口が乾かないまま菌にさらされます。ハサミを使い回すのも同じで、前に切った株の菌を運んでしまう。
除菌したハサミで、晴れた日に。これだけで結果がだいぶ変わります。
大玉にするカギは「さび病」でした
にんにくを大きくするポイントは、じつは肥料ではありません。
3月〜5月に出る「さび病」を、いかに食い止めるかです。
さび病は、葉に赤茶色の小さな斑点が出る病気です。名前のとおり、鉄がさびたような色。
なぜ、そこまで重要なのか
にんにくが太るのは、春です。3月〜5月にかけて、葉で作った養分を球に送り込んでぐんぐん肥大します。
その大事な時期に葉がさび病でやられると、養分を作る工場が止まるわけです。
逆に言えば、収穫直前までさび病を抑えられれば、その間ずっと肥大が続きます。だから大玉になる。
予防でやること
無農薬でやるなら、予防がすべてです。
- マルチの上を土で汚さない…土の中の菌が跳ね上がって葉につくのを防ぎます。マルチの表面はきれいに保ってください
- 株元の風通しを良くする…雑草を放置しない。マルチの穴から出てくる草も、こまめに取ります
- ★株を弱らせない…ここで芽かきが効いてきます
3つ目が意外と見落とされます。分球したまま栄養を取り合っている株は、それだけで消耗しています。消耗した株は病気に弱い。
つまり芽かきは、玉を大きくするだけでなく、病気に強い株を作る作業でもあるんですね。
★追肥で元気にする、は逆効果です
ここ、勘違いしやすいところです。
「株が弱っているなら肥料をあげよう」——これ、にんにくでは逆に出ます。
肥料をやりすぎると栄養過多になって、病害虫にとても弱くなります。人間が食べ過ぎて体調を崩すのと似ています。
まずは環境を整えること。風通し、マルチの清潔さ、芽かき。この順番です。
11月にやってはいけないこと3つ
植えたあとの秋は、「何もしない」が正解です。むしろやってしまいがちなことを3つ挙げておきます。
①水やり
乾いているように見えても、水はやらないでください。
にんにくに水をやりすぎると、病気の原因になります。とくにべと病(葉が黄色っぽく変色する病気)が出やすくなります。
②追肥
まだ早いです。
にんにくはこれから休眠期に入ります。「芽が大きくならないな」と思って肥料をあげたくなりますが、この時期は大きくならなくて正常です。
③芽が出ない株を、放置する
これだけは動いてください。
植えて3〜4週間経っても芽が出ない株があったら、掘って確認します。
芽が出ないときの見分け方
掘ってみると、だいたい2つのどちらかです。
◯ まだ出ていないだけ
種球がしっかりしていて、根が張っている。この場合は大丈夫です。
そのまま埋め戻してください。もうすぐ出てきます。1か月くらいは待ってあげましょう。
✕ 腐っている
種球が溶けていたり、どろっとしていたり。この場合は回復しません。植え直しです。
植え直しは11月上旬まで
まだ間に合います。ただしコツが2つあります。
★薄皮まで全部むいてから植える
普段はむかなくていいのですが、植え直しのときはむいてください。理由は、傷や腐りがないかを目で確認できるからです。せっかく植え直すのに、また腐る種球を選んでは意味がありません。
食用のにんにくで代用してもかまいません。その場合も、皮をむいて中を確認してから植えます。
★少し浅めに植える
通常は3〜5cmですが、植え直しのときは浅めに。
浅いほうが、芽が地上に出るまでのエネルギーが少なくて済みます。つまり早く芽が出る。遅れを取り戻すための工夫です。
深さの使い分けをまとめると、こうなります。
- 早い時期に植える → やや深め(大きい球になりやすい)
- 遅れて早く発芽させたい → 浅め
収穫と、カビさせない乾燥
翌年の5月中旬〜6月。ようやく収穫です。
収穫のサイン
3つあります。
- 葉の色が3割〜5割くらい黄色くなった
- 下葉が3〜4枚枯れた
- にんにくの芽(花芽)を摘んでから2週間ほど経った
そして最終確認は、試し掘りです。
1株だけ抜いてみて、玉のお尻の部分が平らになっていたら収穫していいサインです。まだ丸みが残っていたら、もう少し置きます。
なお、病気が出始めたときは、時期を待たずに早めに収穫してください。粘っても悪くなる一方です。これは玉ねぎも同じです。
収穫する日は、晴れが続いて土が乾いているときを選びます。
★乾燥の手順(ここでカビが決まります)
穫ったあとが本番です。せっかく育てたのに保存中にカビた、というのが本当にもったいない。
- ①収穫したらすぐ、ハサミで根を切る…時間が経つと根が硬くなって、切るのが大変になります。穫ってすぐならスッと切れます
- ②畑でそのまま2〜3時間乾かす
- ③軸の長さを15cmほどに切る…★最初から短く切らないでください。切り口から雑菌が入って腐ります。15cmは、そのための余裕なんですね
- ④さらに3〜4週間、よく乾かす…麻ひもで縛って吊るすか、かごやコンテナに入れます。場所は、雨の当たらない風通しのいいところ
- ⑤完成の見きわめ…水分が3割ほど抜けて、玉の底の部分が硬くなったらOK
仕上げは、軸を短く切って、薄皮をむいてきれいにしてから、ネットに入れて保存します。
ここまでやると、翌年の春先まで持ちます。そして残しておいた玉が、来シーズンの種球になります。
学ぶ:にんにくの1片は「葉」だった🔬
理科の時間です。
にんにくを1片むいてみてください。中から出てくるのは、白い実のようなかたまりですよね。
あれ、実ではありません。葉です。
前回、玉ねぎの玉が「養分をためて太った葉の根元」だという話をしました。にんにくもまったく同じ仲間なので、構造が一緒なんです。
にんにくを横に切ってみると分かりやすいのですが、いくつかの片が、中心にある短い茎のまわりに並んでいます。この茎から、下向きに根が出ている。
- 中心の短い茎…本当の茎
- そのまわりの片…養分をためた葉
- 伸びている緑の部分…葉
だから、1片を植えると1株になるんですね。あの片には、次の株を立ち上げるだけの養分が全部詰まっています。栄養の入ったお弁当を持って旅立つようなものです。
そして面白いのが、にんにくは種で増えないということ。
普通、野菜は花を咲かせて種をつくります。でも畑で育てているにんにくは、花を咲かせても種ができにくい。だから毎年、自分の体の一部(1片)を分けて増えていきます。
つまり畑のにんにくは、全部クローンなんですね。何年も同じ株を受け継いでいくと、その畑に合った性質が引き継がれていきます。
お子さんと一緒なら、にんにくを横に切って中心の茎を探してみてください。「これが茎で、まわりは全部葉っぱなんだよ」と言うと、たいてい驚かれます。玉ねぎも同じように切って見比べると、仲間なのがよく分かりますよ☺️
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
にんにくは手がかからない野菜です。でも、押さえどころを外すと小玉で終わります。
- 植え時は9月中旬〜10月中旬。早すぎると腐り、遅すぎると大玉にならない
- 尖った方を上に、種球の上に3〜5cmの土。★覆土は押さえつけない(玉ねぎとは逆)
- ★芽が2本出ていたら、弱いほうを根元からハサミで切る。晴れた日に、除菌したハサミで
- 大玉のカギは3〜5月のさび病を抑えること。マルチをきれいに・風通しよく・株を弱らせない
- 秋は水やりも追肥もしない。芽が出ない株だけ掘って確認(植え直しは11月上旬まで)
- 収穫後は根をすぐ切り、軸は15cmで切って3〜4週間乾かす。短く切ると雑菌が入る
まずは今年、うねを見に行くときに「芽が2本出ていないか」だけ気にしてみてください。1本切るだけで、来年のにんにくがひとまわり大きくなりますよ🧄
次回は、寒くなってからの畑仕事。冬にやっておくと春がラクになる作業をお話しします🌱
にんにく種球(ホワイト六片)
食用のにんにくではなく、植えるための種球です。ホワイト六片は寒さに強く、粒が大きくなる定番。記事で書いた「お尻・傷・大きさ」のチェックをして、いいものから植えてください。
穴あき黒マルチ(15cm間隔)
にんにくも株間15cm。玉ねぎと同じマルチが使えます。にんにくは春の草取りがしんどいので、マルチを張っておくと冬から春がまるごとラクになります。
麻ひも
収穫後、軸を15cmで切って吊るすときに使います。ビニールひもより麻のほうが湿気を吸ってくれるので、乾燥中にカビが出にくいです。


