【保存版】玉ねぎは苗選びで9割決まる🧅 太い苗を買ってはいけない理由
🗨️「玉ねぎ、途中でネギ坊主が出てきて終わった」
🗨️「葉は立派なのに、玉が全然大きくならない」
🗨️「苗、どれを買えばいいのか分からない」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
今日は玉ねぎです。11月に植えて、収穫は翌年の5月末〜6月。半年以上つきあう、いちばん長い野菜のひとつですね。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきますね。
玉ねぎの失敗は、ほぼ全部「とう立ち」です。そしてその原因は、苗を買う時点で決まっています。
ネギ坊主が出てしまうと、そこで玉は太らなくなります。抜くしかありません。半年待った結果がそれだと、けっこうこたえます。
でも安心してください。避け方はシンプルで、太い苗を選ばないこと。これだけです。
なぜ太いとダメなのか。そこには10℃と30日という、はっきりした数字があります。理由が分かると、苗売り場での迷いがなくなりますよ☺️
※以下の時期は中間地(関東〜関西の平野部)が目安。寒い地域は少し遅らせ、暖かい地域は早めに。種の袋や苗の表示もあわせて確認してください。
📖 この記事の目次
栽培データ
- 科:ヒガンバナ科(仲間=ニンニク・らっきょう・ネギ。同じ場所は1〜2年あける)
- タネまき:9月上旬〜中旬(苗から始めるならこの工程は不要)
- 植え付け:11月中(早生=わせは11月中旬まで/中生・晩生=おくては11月いっぱい。※育つのが早い品種ほど早く植えます)
- 株間:15cm(穴あきマルチの穴に1本ずつ)
まず「とう立ち」を理解すると、全部つながります
とう立ちという言葉、聞いたことはあっても、中身までは知らない方が多いと思います。ここが分かると、この記事の残り全部が「なるほど」に変わるので、先に説明させてください。
とう立ち=花を咲かせにいくこと
野菜の一生は、大きく2つの時期に分かれています。
- 栄養成長…体をつくる時期。葉を増やして大きくなる
- 生殖成長…子孫を残す時期。花を咲かせて種をつくる
この切り替わりの合図が、とう立ちです。「とう」というのは花芽のついた茎のこと。玉ねぎの場合、3月ごろになると葉の真ん中から、それまでとは明らかに違う元気な茎がにょきっと伸びてきます。先端についているのがネギ坊主ですね。
そしてここが問題です。
とう立ちすると、玉ねぎは玉を太らせるのをやめて、花に全力を注ぎます。
食べたい部分に養分が来なくなるわけです。だから抜くしかない。
スイッチが入る条件は3つ
では、なぜ生殖成長に切り替わるのか。きっかけは3つあります。
- 温度
- 日の長さ
- 栄養状態
共通しているのは、野菜が「このままここにいたら生きていけない」と危険を感じたときだということ。だったら種を残そう、と切り替わるんですね。植物なりの生存戦略です。
なぜ「太い苗」がダメなのか
ここが今日の核心です。
正常なコースはこうです。
- 秋に植えた苗が、小さいまま冬を迎える
- 寒いので休眠する
- 春に、日が長くなって気温も上がってきたのを感じて、玉が太る
問題は、苗が大きすぎる場合です。
寒くなる前に、鉛筆の太さを超えるまで育ってしまった株は、急に寒さに弱くなります。
そして、こんなことを始めます。
10℃以下の日を数え始めて、合計30日に達すると「花芽をつくれ」という命令が出る。
これがとう立ちの正体です。
面白いと思いませんか。玉ねぎは寒い日をカウントしているんです。しかも合計で数えるので、飛び飛びでもかまわない。30日たまったらスイッチが入る。
つまり、太い苗を買うということは、「30日カウントが始まる状態」を自分で買っているのと同じなんですね。
だから、割り箸サイズを選ぶ
苗売り場での結論はこれです。
- ★ベストは割り箸くらい、それもやや細めのもの
- 鉛筆サイズでもOK(初心者はむしろ植えやすい)
- 極端に太いものは避ける
ホームセンターでは、太いのと細いのが一緒の束で売られていることがよくあります。「せっかくだから立派なのを」と思って太い束を選びたくなるんですが、そこは我慢してください。
★ただし、細すぎるのもダメです
ここ、私が実際にやらかしたところなので、正直に書いておきます。
「太いとダメなら、細いほうが安全だろう」と思って、鉛筆より細い苗を植えたことがあります。
結果は、玉が十分に大きくなりませんでした。
考えてみれば当たり前で、玉ねぎは冬の間ほとんど成長しません。休眠しているからです。春に一気に太るための体力は、冬に入る前に作っておかないといけない。
苗が小さすぎると、その体力が足りないまま春を迎えます。だから太りきらない。
つまり苗選びは、こういう幅の話なんですね。
- 細すぎる…冬を越す体力が足りず、玉が太らない
- ちょうどいい(割り箸〜鉛筆)…冬を越して、春に太る
- 太すぎる…寒さに弱くなり、とう立ちする
「太いのを避ける」だけ覚えていると、私のように反対側に振り切ってしまいます。狙うのは真ん中です。
すでに太い苗を植えてしまった方へ
大丈夫です。打つ手があります。
とう立ちの条件は「10℃以下が合計30日」でしたよね。ということは、10℃以下に当たる日数を減らせばいい。
不織布や防虫ネットをかけて、少しでも寒さを和らげてやる。それだけで、カウントの進みが遅くなります。100%防げるとは言えませんが、やる価値は十分あります。
理屈が分かっていると、こういう対策が自分で思いつけるようになるんですよね。
植え付けは「深さ」だけ気をつければいい
苗さえ選べれば、あとは植えるだけです。ここもコツは1つだけ。
正解は1〜1.5cm
土に埋める白い部分の長さが、1〜1.5cm。これがベストです。
失敗は2パターンあります。
- 浅すぎる…苗が倒れる。倒れたまま寝ていると、そこから腐ります
- 深すぎる…土に埋まった部分が腐ります
どちらも腐るんですよね。玉ねぎの苗はけっこうデリケートです。
★一度深く入れて、引き上げる
ここ、私がやり方を変えて明らかに良くなったところです。
普通に1cmの穴を掘って植えると、根っこが横や上を向いたまま埋まってしまいます。これだと根の張りが悪い。
なので、こうします。
- ①割り箸で、深さ5〜6cmの穴をあける
- ②苗を、その穴の底まで落とし込む(根が上を向いてしまってOK)
- ③ゆっくり引き上げて、白い部分が1〜1.5cm埋まる位置で止める
- ④株元をしっかり鎮圧する(押さえて土を締める)
この「一度落として引き上げる」という動作で、根がまっすぐ下を向くんです。すると根張りが良くなって、活着(根が土に張って動き出すこと)が早くなります。
割り箸1本でできるので、ぜひ試してみてください。ちなみに苗を選ぶときの太さの基準も割り箸なので、1本持って売り場に行くと便利ですよ☺️
④の鎮圧も省略しないでください。根と土が密着していないと、根の張り出しが遅れます。
穴あきマルチをおすすめします
雑草対策もありますが、いちばんの理由は霜柱です。
冬にマルチなしで育てていると、霜柱が立って苗が持ち上がってしまいます。根が浮くと枯れます。マルチを張っておくと、これを防げます。
穴の間隔がそのまま株間になるので、測る手間もなくなります。
元肥は、葉物より多めに
玉ねぎは半年以上かかる長丁場です。なので元肥はしっかり入れておきます。
1平方メートルあたり、牛ふん3L・鶏ふん200cc・油かす100ccが目安です。ほかの葉物と比べると多めですが、これでちょうどいいくらいです。
★余った苗は、捨てないでください
これ、知らないと損します。
玉ねぎは、植えて1週間ほどすると、腐って倒れる株がいくつか出ます。どれだけ丁寧に植えても、一定数は出ます。
なので、余った苗は畑の隅に埋めておいてください。まとめてで構いません。根の白い部分を土に入れておくだけです。
倒れた株が出たら、そこから1本抜いて植え直す。これで穴が空きません。
苗を買ったけど畑の準備が間に合わない、という場合も同じです。この「仮植え」をしておけば、苗を傷めずに待てます。
追肥は1月末でやめてください
これも理由を知らないとやってしまう失敗です。
春になって「もっと大きくしたい」と追肥を続けると、玉が太らなくなります。
玉ねぎは「枯れることで」太る
順を追って説明しますね。
玉ねぎが太るしくみは、葉にためた養分を玉に送り込むことです。そして養分を送り終えた葉は、役目を終えて枯れます。
玉ねぎの収穫時期の目安が「葉が倒れて枯れたころ」なのは、これが理由です。枯れたということは、養分を全部玉に渡し終えたということなんですね。
ここで追肥を続けるとどうなるか。
土の栄養状態がずっと良いままなので、葉が「もう終わりだ」という信号を受け取れません。すると葉はいつまでも元気なまま。養分が玉に移らない。
結果、葉ばかり立派で玉が小さい、という状態になります。
やめる時期の目安
- 有機肥料なら、1月末まで。それ以降は入れない
- 化学肥料なら、3月頭まで
有機のほうが早いのは、分解に時間がかかるからです。1月末に入れたものが効いてくるのが、ちょうど春先になります。
このわざと栄養を切らすことを、「肥切れ」といいます。玉ねぎには必要な工程なんですね。
これは玉ねぎだけの話ではありません
同じしくみが、冬を越す野菜すべてに当てはまります。
キャベツ、にんにく、いちご。どれも「太い苗はとう立ちしやすい」「追肥を引っ張りすぎない」が共通します。
なので今日の話は、玉ねぎ1つ覚えれば、そのまま他にも応用できます。おトクな知識だと思います。
冬に葉が枯れてきても、慌てない
12月〜1月、葉が黄色くなって枯れてくることがあります。
これは正常です。葉の養分を根にためて、春を待っている状態なんですね。
ただし1つだけ注意点があります。
全部の葉が枯れてしまうのはNGです。
そこまでいくと、春に立ち上がる力が残りません。そうなる前に、不織布や防虫ネットをかけて保温してください。そうすれば春に新しい葉が出てきます。
「枯れてきた=失敗」ではなく、「全部枯れそう=手を打つ」と覚えておくといいです。
学ぶ:玉ねぎの「玉」は何者なのか🔬
理科の時間です。
玉ねぎの丸い部分、あれは何だと思いますか。根っこでしょうか。実でしょうか。
答えは、葉です。
正確には、養分をためて太った葉の根元の部分。玉ねぎを縦に切ると、層になっているのが見えますよね。あの1枚1枚が、葉の付け根なんです。
証拠があります。玉ねぎを切ったとき、いちばん下に平べったい部分がありますよね。ヒゲ根が生えている、少し硬いところ。あれが本当の茎で、専門的には「盤茎」といいます。
つまり玉ねぎの構造は、こうなっています。
- いちばん下の平たい部分…茎(ここから根が出る)
- その上に重なっている層…葉の根元(食べるところ)
- 上に伸びている緑の部分…葉
葉が根元で太った野菜、というわけですね。
そう考えると、追肥をやめる理由もすっきりします。玉ねぎにとって玉は、次の世代のための貯金なんです。葉を枯らして、貯金を全部そこに移す。その貯金を横取りして食べている、ということになりますね。
お子さんと一緒なら、玉ねぎを縦に切ってみてください。層が下の平たい部分から生えているのが見えます。「ここが茎だよ」と教えると、あの丸いものの正体が一気に分かります。
ついでに、玉ねぎを切ると涙が出る理由も。あれは切られたときに出る成分が、目に届いて刺激するからです。虫や動物に食べられないための防御なんですね。冷やしてから切ると涙が出にくいのは、成分が飛びにくくなるからです。これも実験できますよ☺️
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
玉ねぎは長くつきあう野菜ですが、山場は最初の1日だけです。
- 玉ねぎの失敗はほぼ「とう立ち」。原因は苗を買う時点で決まっている
- 太い苗は寒さに弱くなり、10℃以下が合計30日でとう立ちのスイッチが入る
- だから割り箸サイズ(やや細め)を選ぶ。太すぎるととう立ち、細すぎると玉が太らない
- 植える深さは1〜1.5cm。5cmの穴に落として引き上げると根がまっすぐ下を向く
- 追肥は有機なら1月末まで。続けると葉が枯れず、玉が太らない
- 余った苗は畑の隅に埋めておく。1週間後に倒れる株が出るので、そこから補植
まずは苗売り場で、束の太さを見比べるところからです。割り箸を1本持っていくと、迷いません。それだけで今年の玉ねぎは、かなり変わりますよ🧅
次回は毎月の定期便、10月号です。10月の主役いちごを、なぜ「埋めてはいけない」のかまで踏み込みます🍓
玉ねぎ苗(中晩生 ネオアース)
記事で「太すぎる苗を買ってはいけない」と書きましたが、逆に細すぎても大きくなりません。中晩生は保存がきくので、6月に穫って年明けまで食べられます。100本あれば家族の1年ぶんです。
穴あき黒マルチ(15cm間隔)
玉ねぎは株間15cmでびっしり植えます。この穴あきマルチなら、間隔を測らずに植えられるので、100本植えてもあっという間です。にんにくとも共用できます。
牛ふん堆肥(完熟)
玉ねぎは、肥料そのものより「土のふかふかさ」で太り方が変わります。冬のあいだ根がゆっくり伸びられる土にしておくのが、春の肥大につながる。完熟のものを選んでください。未熟な堆肥は、根を傷めます。植え付けの2週間前までに入れておくのが理想です。
不織布
小さい苗を植えた方、植えるのが遅れた方は、霜柱で苗が浮きます。不織布は換気がいらないので、かけっぱなしにできるのが強みです。


