空いたうねに、あえてタネをまきます🌾 根が土を耕す話
🌾「冬のあいだ、うねが空いたままです」
🌾「同じ場所で作り続けたら、だんだん育ちが悪くなった」
🌾「緑肥って、雑草を生やすのと何が違うんですか?」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
今日は、緑肥の話です。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきますね。
★緑肥は、肥料を「買う」のではなく「育てる」方法です。
そして、いちばんの働きは肥料ではありません。★根が土を耕してくれることです。
何もまかないと、土は固くなります
裸の土は、雨で締まる
冬のうねを空けたままにすると、何が起きるか。
★雨が直接当たって、土の粒がこわれます。細かくなった土が隙間を埋めて、表面が固く締まります。
さらに★流れる水が、表面の栄養を持っていきます。畑の中でいちばん大事な、上の数センチが痩せていきます。
雑草でもいいのでは、という話
「じゃあ雑草を生やしておけば同じでは」と思いますよね。半分正解です。
でも違いが2つあります。
★1つ目は、深さです。雑草の多くは根が浅く、表面しか耕しません。緑肥は品種によって1mちかく根が入ります。
★2つ目は、タネです。雑草は放っておくとタネを落とし、来年も同じ場所で生えます。緑肥は★タネを落とす前にすき込むので、増えません。
何をまくか
迷ったら、えん麦
家庭菜園でいちばん扱いやすいのが★えん麦です。
- ★成長が早い。まいて2週間ほどで青くなる
- ★根が深くもぐる。固くなった層をこわしてくれる
- ★安い。1kg単位で買っても数百円
そして★これがいちばん大事なところですが、えん麦の一部の品種は、ネコブセンチュウを減らします。
センチュウが減る、という話
センチュウは、根にこぶを作って野菜を弱らせる小さな生きものです。★連作障害の大きな原因のひとつです。
えん麦の根には、★センチュウが入っても、そこで増えられない性質があります。
センチュウは根に入って卵を産みます。★でもえん麦の中では育たない。入ったまま行き止まりになります。
★だからえん麦を1シーズン育てると、畑のセンチュウの数がはっきり減ります。薬を使わずに減らせる、数少ない方法です。
クローバーは、窒素も作る
もうひとつの選択肢が★クリムゾンクローバーなどのマメ科です。
マメ科は根粒菌と組んでいるので、★空気中の窒素を土に固定します。つまり肥料そのものを作ってくれます。
ただし★えん麦ほど根は深くもぐりません。★土をやわらかくしたいならえん麦、肥料を足したいならマメ科、と考えると分かりやすいです。
私はこう使い分けています
- ★夏野菜の跡地(土が固い) … えん麦
- ★何年も使って痩せてきたうね … クローバー
- ★春まで空くだけのうね … えん麦(早いので)
★どちらか迷ったら、えん麦で構いません。失敗が少ないです。
まき方と、すき込む時期
まき方は、ばらまくだけ
畑を軽く耕したら、★タネをばらまいて、レーキで軽く土をかぶせます。それだけです。
★量は1平方メートルに20〜30gくらい。少し多いかなと思うくらいで大丈夫です。
肥料は要りません。★緑肥に肥料をやるのは、本末転倒です。
すき込むのは「穂が出る前」
ここがいちばん大事なところです。
★穂が出て、タネができてしまうと、緑肥が雑草になります。翌年、まいた覚えのないえん麦が畑じゅうに生えます。
★だから、穂が出る前に刈って、土にすき込みます。
もうひとつ理由があります。★若いうちのほうが、やわらかくて分解が早いんです。硬くなってからすき込むと、分解に時間がかかって、そのあいだ窒素が足りなくなります。
具体的な時期
秋にまいたえん麦なら、★3月から4月、草丈が50〜60cmになったころが目安です。
刈って、★2週間から3週間ねかせてから植え付けます。分解の途中で植えると、根が傷みます。
★春の植え付けから逆算して、1か月前には刈り込む。これで間に合います。
学ぶ:根は、どうやって土を耕すのか🔬
理科の時間です。
根が土をやわらかくする、と言われてもピンと来ませんよね。★実際には、2つのことが起きています。
★1つ目は、物理的に押し広げること。根は先端から少しずつ伸びて、土の粒のすきまに割り込んでいきます。細い根が何万本も入るので、土全体に細かい通り道ができます。
★2つ目は、根が枯れたあとです。
役目を終えた根は、土の中で分解されて消えます。★でも、根があった形の穴はそのまま残ります。
この穴が★水と空気の通り道になります。深さ50cmまで根が入っていれば、そこまで空気が届くようになる。★スコップで掘るより、ずっと深くまで耕せます。
お子さんと一緒なら、★透明なペットボトルに土を入れて、えん麦のタネをまいてみてください。★側面から、根が下へ伸びていくのが見えます。2週間もあれば、びっしり網の目になります。
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
緑肥は、冬のあいだに畑が勝手に良くなる方法です。
- ★裸のうねは雨で固く締まり、表面の栄養が流れる
- ★雑草との違いは「根の深さ」と「タネを落とさないこと」
- ★迷ったらえん麦。成長が早く、根が深く、安い
- ★えん麦はネコブセンチュウを減らす。入っても増えられないから
- ★窒素を足したいならクリムゾンクローバーなどマメ科
- ★まき方はばらまいて軽く覆土。肥料は要らない
- ★すき込みは穂が出る前。タネを作らせると雑草になる
- ★刈ってから2〜3週間ねかせて植える。分解の途中に植えない
- ★根が枯れたあとの穴が、水と空気の道になる
全部やろうとしなくて大丈夫です。まずは★空いているうねを1本だけ選んで、えん麦をまいてみてください。春に掘ったとき、土のやわらかさで違いが分かります🌾
次回は、収穫した野菜の保存。★根菜・葉物・果菜で、置く場所が全部ちがう話です🥕
えん麦のタネ
根が深くもぐって土をほぐし、ネコブセンチュウを減らします。迷ったらこれです。
三角ホー
ばらまいたあと、軽く土をかぶせるのに使います。立ったまま作業できます。
備中鍬
春に刈ってすき込むとき。若いうちのほうが分解が早いです。
くん炭(もみ殻)
緑肥と合わせると、通気性の改善が早く出ます。


