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ぼかし肥料の作り方|配合例・水分の目安・温度と切り返し・完成の見分け方

肥料の主役は、竹やぶで拾えます🍂 白い菌を探してください

どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。

この記事で分かること

米ぬかって、精米所に行けば手に入るし、ホームセンターでも安く売っていますよね。でも「そのまま畑にまいていいの?」「ぼかしって言葉は聞くけど、なんだか難しそう」と迷っている方も多いと思います。

安心してください。ぼかし肥料は、材料を混ぜて、水を加えて、ようすを見ながら待つだけです。特別な道具もいりません。ただ、水の量と、作り方の方式だけは、最初に押さえておかないと失敗しやすいんです。

この記事では、材料選びから、仕込み、途中の手入れ、できあがりの見分け方、畑での使い方まで、順番に書いていきます。説明する人によって数字が違うところもあるので、そこは並べて比べました。

早見:ぼかし肥料の基本(ひと目で分かる目安)

材料の役割

配合の例(どれか1つを選ぶ)

覚えておきたい目安

いちばん大事なこと

なぜ発酵させるのか

作業の手順

ここからは、実際に作る流れを順番に書いていきます。いちばん作られることが多い、空気を入れながら発酵させる「好気」のやり方を中心にしています。嫌気のやり方は、手順のあとにまとめて書きました。

手順1:作る時期を決める

ぼかし肥料は、寒すぎず暑すぎない季節がいちばん作りやすいです。春か秋ですね。

冬でも作れないことはありません。ただ、気温が低いと微生物の動きがにぶくなって、温度が上がり始めるまでに時間がかかります。真夏は逆に、温度が上がりすぎたり、虫が寄ってきたりしやすくなります。

秋に仕込んでおくと、冬のあいだに乾かして保存しておけて、春の植えつけの準備にちょうど間に合います。初めて作るなら、秋か春の、晴れの日が続くころがおすすめです。

手順2:置き場所と入れ物を用意する

好気で作るなら、空気が通る入れ物を使います。たとえば、ふたを少しずらした衣装ケース、通気性のある袋、ブルーシートの上に山にして上から布をかける、といった形です。

置き場所は、雨が当たらず、直射日光も当たらないところ。屋根のある軒下や物置の中がちょうどいいです。米ぬかは虫やネズミにとってもごちそうなので、家のすぐ近くより、少し離れた場所のほうが気楽かもしれません。

量が少ないと温度が上がりにくい、という説明もあります。少量で作るときは、段ボールや古い毛布で囲んで、冷えないようにしてあげると進みやすくなります。ただ、好気のときは空気が必要なので、ぴったり密閉はしないでください。

手順3:材料をそろえる

早見でいくつか配合の例を書きましたが、初めてなら、手に入りやすいもので1つ選べば大丈夫です。

ここでは、家庭で少量作る例でお話しします。

この配合を紹介している方は、おからを少し入れたり、油かすを足したりもしています。ただ、そこの量は話の中で言い直しがあって、はっきりしません。おからは「あれば少し」くらいに考えておけば十分です。

米ぬかは、なるべく新しいものを使います。古くなって、すっぱいにおいや油のにおいが強いものは避けたほうがいいです。

土は、病気が出ていない場所のものを使います。畑で病気が出た場所の土を入れると、ぼかしと一緒にまた畑へ戻すことになってしまいます。心配なら、袋入りの培養土を使えば安心です。

手順4:乾いたまま、よく混ぜる

まず、水を入れる前に、乾いた材料だけをしっかり混ぜます。

米ぬか、油かす、卵の殻、土を広げて、手やスコップで全体がむらなく同じ色になるまで混ぜてください。ここで混ざっていないと、あとで水を入れたときに、ある場所は水っぽく、ある場所は乾いたまま、ということが起きます。

生のおからを使う場合は、だまになりやすいので、ほぐしながら混ぜます。おからのかたまりは、仕込んだあとも混ぜ直すたびにくずしていくと、むらが減ります。

もみ殻くん炭を入れると、黒い粒が全体に散らばるので、混ざり具合が目で見て分かりやすい、という利点もあります。

手順5:水を少しずつ足す

ここがいちばん大事なところです。

水は、一度に全部入れません。少しずつ足して、そのたびによく混ぜます。

米ぬかは油分を含んでいるので、最初は水をはじいて、なかなか吸ってくれません。それで「まだ足りないかな」とどんどん足してしまって、気づいたらべちゃべちゃ…ということがよくあります。少し入れたら、しばらく混ぜて、なじませてから次を足すのがコツです。

生おからを使う場合は、おからが水分を持っているので、追加の水がほとんどいらないこともあります。おからの水分は、豆腐屋さんによっても、日によっても違うので、毎回、手で確かめながら足してください。

手順6:握って、水分をたしかめる

水分のちょうどいい目安は、こうです。

握っても固まらず、さらさらこぼれるなら、水が足りません。握ったら指のすき間から水がしみ出てくる、固まりがつついても崩れずにべたっとしている、なら水が多すぎます。

よく「水分50%くらい」と言われますが、家庭で水分を正確に測るのは難しいので、この手ざわりで判断して大丈夫です。

迷ったら、少し少なめで止めてください。水が足りない分は、あとから霧吹きで足せます。でも、多すぎた水を抜くのは大変です。乾いた米ぬかや土を足して調整するしかありません。

手順7:木酢液を入れるなら、ほんの少し

木酢液を入れる配合では、量は「ほんの少し」です。少しだと微生物への刺激になる一方、入れすぎると菌を抑える力のほうが強く出てしまう、という注意があります。

入れなくても、ぼかしは作れます。迷うなら入れなくて大丈夫です。

手順8:菌の元を入れる(入れなくても作れる)

ぼかしを発酵させるのは、微生物です。でも、微生物をわざわざ買ってこなくても大丈夫です。米ぬかや空気の中にも、もともと菌はいます。何も足さなくても、条件がそろえば発酵は始まります。

ただ、菌の元を少し入れると、発酵が早く立ち上がりやすくなります。よく使われるのは、次のようなものです。

土着菌を採ってくるのは、楽しい作業です。竹やぶに入って、朽ちた竹の皮をめくったり、落ち葉を少しどけたりすると、白い綿のようなものがついていることがあります。それをこそぎ落として持ち帰り、材料に混ぜます。

ただ、白いものが全部よい菌だとは、見た目だけでは言い切れません。ここは「採らないと作れない」ものではないので、気が向いたら試す、くらいで考えてください。

土着菌を採ってくる

手順9:仕込んだら、温度を見る

材料を入れ物に入れたら、上から布やシートをかけておきます。好気なので、ぴったりふたはしません。

数日すると、材料のまん中から温かくなってきます。温度は表面ではなく、まん中に手を差し込むか、温度計を差して測ってください。表面や底は冷えやすいので、まん中がいちばん正直です。

ある仕込みの例では、6日目にまん中が45度くらいになっていました。ただ、これはその時の材料・量・気温での話なので、「6日たったら必ずこうなる」とは考えないでください。冬ならもっとかかりますし、夏ならもっと早いこともあります。

手順10:温度が上がったら、切り返す

温度が上がってきたら、全体を混ぜ直します。これを「切り返し」と言います。

切り返しの目安になる温度は、説明が分かれています。45〜50度くらいになったら混ぜる、という説明もあれば、40度くらいがいちばん菌が増える温度なので上がりすぎないように、という説明もあります(あとで詳しく書きます)。

どちらの説明でも共通しているのは、熱くなりすぎたら混ぜて下げる、ということです。手を入れて「熱っ」と感じるくらいなら、混ぜどきだと思ってください。

混ぜるときは、表面だけでなく、底までしっかりひっくり返します。底のほうは水がたまりやすく、そこだけ腐る方向へ進んでしまうことがあるからです。シートや入れ物の内側に水滴がついていたら、それも全体になじませるように混ぜます。

切り返しのたびに、握って水分も確かめてください。乾きすぎていたら霧吹きで少し足し、湿りすぎていたら乾いた米ぬかを足します。

最初のころは温度がどんどん上がるので、混ぜる間隔は短めに。だんだん上がり方がゆるやかになってきたら、間隔をあけていきます。

手順11:熱が冷めて、さらさらになったら完成

切り返しを続けていると、やがて温度が上がらなくなります。混ぜても温かさを感じなくなって、材料がさらさらしてきたら、できあがりです。

好気のある例では、仕込みからおよそ3週間で、このような状態になっていました。ただ、ここも日数だけで決めないでください。温度・手ざわり・においで判断するのが確実です。

においは、甘いような、みそのような、香ばしいにおいになっていれば順調です。

手順12:広げて乾かす

完成したら、すぐに袋に詰めるのではなく、一度うすく広げて乾かします。

水分が残ったまま保存すると、また発酵が始まったり、腐る方向の菌が増えたりすることがあるからです。シートの上にうすく広げて、日陰や風通しのよい場所で乾かします。ある例では2日くらい干していましたが、量や天気で変わるので、手でさわってしっとり感がなくなるまで、と考えてください。

手順13:保存する

よく乾いたら、袋に入れて保存します。発酵中は空気が必要なので閉じませんでしたが、乾いた完成品は、逆に湿気を吸わないように口を閉じて保存します。工程によって「閉じる・閉じない」が逆になるので、ここは混同しないように気をつけてください。

置き場所は、湿気の少ない、雨の当たらない場所です。米ぬかのにおいで虫やネズミが寄ってくることがあるので、ふたつきの入れ物に入れておくとさらに安心です。

嫌気(けんき)で作る場合

嫌気は、空気を断って発酵させる作り方です。乳酸菌のはたらきで発酵させるので、「乳酸発酵ぼかし」と呼ばれることもあります。

好気は切り返しの手間がかかるかわりに早くでき、嫌気は手間が少ないかわりに時間がかかる、と考えると分かりやすいです。

大事なのは、途中で方式を混ぜないこと。嫌気で仕込んだのに、心配になって袋を開けて混ぜてしまうと、空気が入って、どちらつかずの状態になってしまいます。

同じ材料で、2つの方式を試すこともできる

材料を半分ずつに分けて、片方は好気、片方は嫌気で仕込んでみる、という楽しみ方もあります。同じ材料でも、においや進み方がずいぶん違うので、比べてみると発酵のしくみが体で分かってきます。

材料と配合

畑での使い方

できあがったぼかしの使い方です。

元肥にも、追肥にも使える

ぼかしは、植えつけ前に土に混ぜる「元肥(もとごえ)」にも、育っている途中に足す「追肥(ついひ)」にも使えます。どちらかといえば追肥に向いている、という説明もあります。

発酵がある程度すんでいるので、生の米ぬかや油かすよりも早く効きはじめ、それでいて、じわじわ長く効く、という両方の性質があると言われます。

量は少なめから

ぼかしはよく効きます。だからこそ、最初は少なめに使います。

ある例では、追肥として1平方メートルに100gくらいを使っていました。別の方は、加工した米ぬかの肥料を、同じくらいの量で追肥に使っています。ただ、材料によって肥料の成分はかなり違うので、この数字はあくまで目安です。

まずは少しまいて、葉の色や伸び方を見て、足りなそうなら足す。この順番なら失敗しにくいです。

株元に集めない

追肥するときは、株のすぐ根元ではなく、少し離れたところにまきます。根の先は、株元よりも外側に広がっているので、そのあたりにまいて、軽く土と混ぜるか、上から土を寄せておきます。

株から何cm離すかは、野菜の大きさによって変わります。株元にぎゅっと集めない、というのを覚えておけば大丈夫です。

生の米ぬかとの使い分け

米ぬかは、ぼかしの材料にもなりますし、ほかの使い方もあります。

同じ米ぬかでも、使う場所によって役割が変わるんですね。生の米ぬかを畑に直接入れるときの待ち時間は、説明が分かれています(あとで書きます)。

失敗の見分け方

ぼかし作りでよくある失敗と、その見分け方・直し方です。

いつまでたっても温かくならない

くさい(どぶのような、腐ったにおい)

水が多すぎて、空気が足りず、腐る方向に進んでいる可能性があります。

発酵がうまく進んでいないと、かなり強いにおいが出ます。甘い・みそっぽい・香ばしい、なら順調。鼻をつく、どぶのような、なら水の入れすぎを疑ってください。

カビが生えた

白いカビが表面や中に広がるのは、発酵が進んでいるサインとして見られることが多いです。

黒っぽいカビや、黒ずんだかたまりが出てきたら、腐る方向に進んでいる注意のサインと言われます。水が多すぎたり、混ぜ足りなかったりした場所に出やすいです。

ただし、カビの色だけで、そのカビが何なのか、安全かどうかを決めることはできません。黒い部分が広がっている、においも悪い、というときは、無理に使わず、畑のすみの堆肥の山に入れてしまうのも1つの手です。

熱くなりすぎた

手を入れていられないほど熱くなったら、すぐに切り返します。熱くなりすぎると、菌が弱ったり、肥料の成分が逃げたりすると言われます。

広げて温度を下げる、混ぜる間隔を短くする、で調整します。

虫がわいた・ネズミが来た

米ぬかは、微生物だけでなく、虫やネズミにとってもごちそうです。保管しているだけでも、小さな虫が寄ってきたり、卵を見つけたりすることがあります。

完成したと思ったのに、また温かくなった

乾かし方が足りず、水分が残っていると、保存中にまた発酵が始まることがあります。もう一度広げて、しっかり乾かしてください。

説明が分かれていること

ぼかし肥料は、作る人によってやり方がかなり違います。ここでは、説明が分かれているところを並べておきます。どれが正解というより、材料や量、置き場所が違えば、ちょうどいいところも変わる、と考えてください。

切り返しの温度:40度前後か、45〜50度か

方式や材料、保温の仕方が違うので、どちらかに統一はできません。家庭で少量作るなら、「手を入れて熱いと感じたら混ぜる」で十分です。

菌は買う必要があるか

方式ごとに話がまざりやすいところです。少なくとも好気なら、買わなくても作れます。

保存期間:半年以上か、1年くらいか

材料、乾かし方、入れ物が違うので、同じ期限にはまとめられません。どちらにしても「よく乾かして、湿らせない」が前提です。

生の米ぬかを畑に入れてから、植えるまでの日数

ぼかしではなく、生の米ぬかを直接畑に入れた場合の話です。

ずいぶん幅がありますよね。入れる量、土の温度、混ぜ方で、分解にかかる時間が変わるためだと考えられます。量を多く入れるときや、気温が低い時期ほど、長めにあけておくと安心です。

この待ち時間が気になる方こそ、ぼかしにしてから使う意味があります。畑の外で発酵をすませておけば、こうした待ち時間を気にしなくてよくなるからです。

できあがりまでの日数

同じ「発酵」でも、方式によって完成のサインも違います。好気は「熱が冷めて、さらさら、みそのようなにおい」。嫌気は「甘ずっぱい、チーズのようなにおい」。好気の完成サインで嫌気を判断したり、その逆をしたりしないようにしてください。

追肥の量

数字は近いですが、使っている資材が違うので、同じ推奨量だと考えないでください。どちらも「最初は少なめに、ようすを見て」が共通しています。

よくある質問

Q. 冬に作ってもいいですか?

A. 作れます。ただ、気温が低いと微生物の動きがにぶくなるので、温度が上がり始めるまでに時間がかかります。段ボールや古い毛布で囲んで保温したり、日中だけ日の当たる軒下に置いたりすると進みやすくなります。急がないなら、春まで待つのも1つの考え方です。

Q. 発酵中は、毎日見に行かないといけませんか?

A. 好気で作るなら、温度が上がってくる最初のころは、できれば毎日のぞいてください。熱くなりすぎていないか、くさくなっていないかを確かめるだけでも十分です。温度の上がり方が落ち着いてきたら、数日おきでも大丈夫です。嫌気なら、閉じたまま置いておくので、ほとんど手はかかりません。

Q. 米ぬかだけで作れますか?

A. 作れます。米ぬかに水を加えて、菌の元を少し入れるだけでも発酵は進みます。納豆の空き容器を使って、米ぬかと水だけで少量作る例もあります。油かすや魚粉を足すと、肥料としての力が強くなります。

Q. 油かすがないと、だめですか?

A. なくても作れます。たんぱく質の多い材料として、魚粉やおからでも代わりになります。どれもない場合は、米ぬか中心のぼかしとして作れば大丈夫です。

Q. 土は入れたほうがいいですか?

A. どちらでも作れます。土を入れると、全体が薄まって、においや成分が逃げるのをおさえる、という説明があります。入れるなら、病気が出ていない場所の土か、袋入りの培養土を使ってください。

Q. もみ殻くん炭は必要ですか?

A. 必須ではありません。入れると、混ざり具合が見えやすくなったり、土の改良に役立つと考えて入れる人がいます。なくても作れます。

Q. 生のもみ殻で、もみ殻くん炭の代わりになりますか?

A. 同じものとは考えないほうがいいです。もみ殻くん炭は、もみ殻を焼いて炭にしたもので、性質が違います。

Q. 雨の日に作業しても大丈夫ですか?

A. 仕込みの作業は屋根の下なら大丈夫です。ただ、完成後に広げて乾かす作業は、晴れの日にしたほうが早く乾きます。

Q. 発酵中に雨が入ってしまいました

A. 握ってみて、水っぽくなっていたら、乾いた米ぬかや土を足して、すぐに切り返してください。においが悪くなっていないかも確かめます。

Q. ベランダでも作れますか?

A. 少量なら作れます。ただ、発酵中はにおいが出ますし、虫も寄ってきやすいので、ご近所との距離や風向きには気をつけてください。嫌気で、袋を閉じて作るほうが、においは外に出にくいです。

Q. 完成したぼかしは、どの野菜にも使えますか?

A. 多くの野菜に使えます。ただ、葉ばかり茂ってしまう野菜や、肥料を控えめにしたほうがいい野菜もあるので、量はそれぞれの野菜に合わせて少なめから使ってください。

Q. ぼかしを使ったら、虫が増えた気がします

A. まいたぼかしが土の表面に出たままだと、虫が寄ってくることがあります。まいたら軽く土と混ぜるか、上から土をかけておくと寄ってきにくくなります。

Q. 去年作ったぼかしが残っています

A. 乾いた状態で、湿っていなければ、使えることが多いです。においを確かめて、かびくさい・湿っている、なら新しい仕込みの材料に「戻しぼかし」として少し混ぜて使う、という手もあります。

Q. 市販のぼかし肥料と、自分で作るのは何が違いますか?

A. 市販品は、成分がそろっていて、すぐ使える手軽さがあります。自分で作ると、材料を選べて、手元の米ぬかなどを生かせます。どちらが正解ということはないので、まずは市販品で使い方に慣れてから、自分で作ってみるのもいいと思います。

学ぶ🔬 なぜ「発酵させてから」使うのか

ここからは、ぼかし肥料のしくみについて、少しだけ深く書いておきます。読み飛ばしても大丈夫です。

生の有機物を土に入れると、何が起きるか

米ぬかや油かすのような生の有機物を、そのまま土に混ぜると、土の中の微生物が一気にそれを食べ始めます。

このとき、いくつかのことが起きます。

植えたばかりの苗や、まいたばかりの種のすぐ近くでこれが起きると、根が弱ったり、芽がうまく出なかったりすることがあります。生の米ぬかを入れたあと、植えるまでに期間をあけるように言われるのは、このためです。

ぼかしは、それを畑の外ですませておく

ぼかし肥料は、この「分解の最初のにぎやかな時期」を、畑の外ですませておくものです。

発酵の中で、米ぬかに含まれるでんぷんなどは糖に、魚粉やおからに含まれるたんぱく質はアミノ酸に、と少しずつ分解されていく、という説明があります。分解がある程度進んでいるので、畑に入れたあと、根が吸いやすい形になるまでが早い。それでいて、まだ分解しきっていない部分が残っているので、ゆっくり長く効く。ぼかしが「早く効いて、長く効く」と言われるのは、このためです。

ただ、ぼかしを使えば、どんな問題も起きなくなる、というわけではありません。まきすぎれば、やはり濃すぎて根をいためることがあります。だからこそ、少なめから使うのが大事なんですね。

乾かすと、菌は「眠る」

完成したぼかしを乾かすと、発酵は止まります。でも、菌が全部いなくなったわけではありません。水分がなくなって、休んでいる状態です。

だから、畑にまいて土の水分にふれると、また動き出します。新しい仕込みに前のぼかしを混ぜる「戻しぼかし」で発酵が早まるのも、休んでいた菌が水分をもらって目を覚ますからです。

逆に言えば、保存中に湿気を吸うと、袋の中で菌が動き出してしまいます。保存のときに乾燥が大事なのは、このためです。

量が少ないと温度が上がりにくい理由

発酵で出る熱は、材料の量が多いほどたまりやすくなります。山が大きいと、まん中で出た熱が外へ逃げにくいからです。逆に、少しだけ作ると、出た熱がすぐに外へ逃げてしまって、温度が上がりきりません。

農家さんが大きな山で作るときと、家庭でバケツ1杯ぶん作るときで、同じ日数・同じ温度にならないのはこのためです。少量で作るときは、温度計の数字にこだわりすぎず、手ざわりとにおいで進み具合を見てあげてください。

「ぼかし」という名前

「ぼかし」という名前には、いくつかの説明があります。

どちらが本当の由来かは決まっていません。どちらの説明も、「強すぎるものを、ちょうどよくする」という意味では共通しているのが面白いところです。

好気と嫌気で、はたらく菌が違う

好気で作るときは、空気の中の酸素を使って活動する菌が中心になります。こうじかびのなかまや、納豆菌のなかまなどですね。酸素を使って活発に分解するので、熱が出て、温度が上がります。だから切り返しが必要になります。

嫌気で作るときは、酸素がない状態で活動する菌が中心です。乳酸菌が代表的です。乳酸菌は、まわりを酸っぱくすることで、ほかの腐る方向の菌が増えにくい環境を作ります。熱はあまり出ないので、切り返しはいりません。

同じ「ぼかし」でも、中でおきていることが違う。だから、途中の手入れも、完成のサインも違うわけです。

なぜ水分が「多すぎ」だと失敗するのか

水が多すぎると、材料のすき間が水でふさがって、空気が入りません。好気で作っているつもりでも、中は酸素の少ない状態になって、乳酸菌のようによい方向に働く菌ではなく、腐る方向の菌が増えやすくなります。どぶのようなにおいが出るのは、このためです。

水が少なすぎる場合は、菌が動けないだけで、腐ることはあまりありません。水を足せば、また進み始めます。「迷ったら少なめ」と言われるのは、取り返しがつくかどうかの違いなんですね。

まとめ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!

ぼかし肥料の作り方のポイントを、もう一度まとめておきます。

最初は、量を少なめにして、1回作ってみるのがいちばんです。発酵のにおいや温かさを一度体で感じると、2回目からはぐっと楽になりますよ。

秋のうちに仕込んでおけば、春の畑づくりに使えます。米ぬかが手に入ったら、ぜひ試してみてください🌾

ぼかし肥料の材料

米ぬか

微生物のごちそうです。ぼかし肥料の主材料になります。

発酵油かす

窒素の供給源。米ぬかと合わせて発酵させます。

貝殻石灰

アルカリがきつくなく、カルシウムとミネラルを補えます。

くん炭(もみ殻)

通気性と肥料もちをよくします。仕上がりが扱いやすくなります。

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