まく前に、水をやってください🥗 ほうれん草は発芽させたら勝ちです
🥗「まいたのに、まばらにしか出なかった」
🥗「毎年、ほうれん草だけうまくいかない」
🥗「9月10月は、穫るものがなくて寂しい」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
ほうれん草は、簡単そうに見えて、うまくいかない野菜の代表だと思います。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきます。
★ほうれん草は、発芽させたら勝ちです。
前ににんじんの話をしたとき、「芽が出たら勝ち」とお伝えしました。★ほうれん草もまったく同じです☺️
★端境期を、埋められます
9月10月は、穫るものが少ない
前に7月号で、端境期(はざかいき)の話をしました。
★9月から10月の中旬は、収穫物が少なくなる時期です。
夏野菜は終わりに向かい、秋冬野菜はまだ穫れない。★その谷間です。
★夏まきのほうれん草が、その谷を埋めます
そこで役に立つのが、これです。
★夏にまいたほうれん草が、ちょうどこの期間に穫れます。
前回、モロヘイヤと空芯菜が真夏の葉物になるとお伝えしました。★ほうれん草は、その次の谷を埋めてくれます。
★「7月のうちに仕込んでおく」の、具体的なひとつです。
夏まきが難しい理由
正直に、書いておきます
ただし、★夏まきのほうれん草は難しいです。理由が2つあります。
★1. そもそも、夏の野菜ではない
★ほうれん草は、秋から冬、そして春先に育つ野菜です。
★夏の高温は、生育適期ではありません。★もともと得意でない季節にやっている、ということです。
★2. 虫が多い
★夏は雨が多く、温度も高いので、虫が多い時期です。
★病気にもかかりやすく、虫にも食われる。★収量が落ちるリスクがあります。
だから、品種を選びます
難しいぶん、道具で補います。★品種選びです。
★ミラージュ
- ★暑さに強い
- ★べと病への抵抗性がある
- ★高温のときに生育が遅れにくい
★アトラス
- ★昔からある定番品種
- ★8月からまける
- ★冬もまける
- ★★1袋買えば、夏まき・秋まき・冬まきと長く使えます
★近年は、夏まきに適した品種が増えてきています。★タネ袋の裏を見て、「夏まき可」と書いてあるものを選んでください。
前にタネ袋の記事でお伝えしたとおり、★答えは裏に書いてあります。
★★酸性の土では、育ちません
ほうれん草の、いちばんの特徴
ほうれん草には、はっきりした好みがあります。
★酸性の土を嫌います。
日本の土は、雨が多いので★放っておくと酸性に傾きます。前に寒起こしの記事でもお伝えしました。
★つまり、何もしないと、ほうれん草にとって不利な土になっていきます。
★アルカリ性に寄せて、カルシウムを足す
やることは2つです。
- ★土壌のpHを、アルカリ性に寄せる
- ★カルシウムを補給する
この2つを、1つの資材でできます。
★★カキ殻の有機石灰を使います
私が使うのは、これです。
★カキ殻の有機石灰。
利点が3つあります。
★1. 穏やかに吸収される
★有機栽培にこだわるなら、こちらが向いています。急激に効かないぶん、入れすぎの失敗が起きにくいです。
★2. カルシウムが入っている
カキの殻ですから、当然です。★pH調整とカルシウム補給が同時にできます。
★3. ★★まいた後、すぐタネをまいても問題ない
★これがいちばん大きいです。
苦土石灰との、いちばんの違い
苦土石灰を使う場合、★まいてから2週間ほど空ける必要があります。
★有機石灰は、その日にまけます。
秋のスタートは日程が詰まっています。★2週間の待ち時間がないのは、大きな利点です。
★余裕があれば1〜2週間寝かせてもいいですが、必須ではありません。
量は、1平米あたり100g
目安です。
★1平米あたり、100gほど。
前に追肥の記事で「移植ごて1杯が約30cc」とお伝えしました。★このくらいの感覚で、軽くまく程度です。
★肥料は、入れなくていいことがあります
もうひとつ、うれしい話です。
★夏野菜の跡地なら、肥料分が残っています。
★改めて肥料を入れる必要はありません。
そして、★じゃがいもや玉ねぎの跡地も有効に使えます。
前に大根の記事で「大根の跡地は根張りがよくなる」とお伝えしました。★跡地には、それぞれ性格があります。
★★夏まきでは、黒マルチを使いません
ここが秋冬との違いです
大事な使い分けがあります。
★夏まきのほうれん草では、黒マルチも穴あきマルチも使いません。
理由は、葉が焼けるから
なぜか。
★マルチを使うと、芽が出たあと地表が高温になって、葉が焼けてしまいます。
前に猛暑対策の記事で、こうお伝えしました。
★黒マルチの下は、気温より5〜10℃高い。★春は味方、夏は敵。
★ここでも、まったく同じことが起きます。
秋まき・冬まきなら、使います
もちろん、時期が違えば話は別です。
- ★秋まき・冬まき … マルチを使う(地温を上げるため)
- ★夏まき … 使わない(地温を上げてはいけないから)
★同じ野菜でも、まく時期でマルチの是非が逆になります。
★★発芽させる、3つの手順
ここが本題です
ほうれん草でいちばん大事なところです。
★夏は、雨で濡れても日中にすぐ乾きます。
そういう土にタネをまくと、どうなるか。
★温度が高くて水分が足りないので、発芽が遅れたり、発芽しないタネが増えます。
★★1. まく前に、たっぷり水を与える
順番が大事です。
★タネをまく前に、水をやってください。
- ★表面だけでなく、土の下1〜2cmまで染み渡るように
- ★少し水が染み込みづらくなるまで、しっかり
★これで2つのことが起きます。
- ★地温が下がる
- ★水分が供給される
★ほうれん草の発芽にとって、いい環境ができます。
定植のときと、同じ考え方です
前に苗の植え方の記事で、こうお伝えしました。
★苗を置く前に、穴へ水を注ぐ(水ぎめ)。
★タネも同じです。★まく前に、まく場所を湿らせておく。
★あとからかける水とは、まったく意味が違います。
★2. 鎮圧する
水をまいたあと、土の様子を見てください。
★まだふかふかしているなら、タネをまく前に鎮圧します。
理由があります。
★土の中の隙間が少なくなり、乾燥しづらくなります。
隙間が多いと、そこから水分が抜けていきます。★押さえておけば、水が長くとどまります。
★このくらいの鎮圧なら、まく前にやっても影響ありません。
★3. 溝を切って、まく
準備ができたら、まきます。
- ★溝の深さは、5mm程度
- ★溝と溝の間隔は、10〜15cm
浅めです。★深く埋めすぎると出てきません。
そして★まいて覆土したら、もう一度鎮圧してください。前回お伝えしたとおり、★発芽しない最大の原因は鎮圧不足です。
★鎮圧は、2回出てきます
整理します。
- ★まく前に、水をやって鎮圧(乾燥を防ぐため)
- ★覆土したあとに鎮圧(タネと土を密着させるため)
★目的が違う2つの鎮圧です。どちらも省かないでください。
★タネ袋の「ネイキッド」
発芽が揃わない、もうひとつの理由
前にタネ袋の記事で、この話をしました。
★ほうれん草のタネには、かたい殻がついています。
★その殻が水を通しにくいので、ほうれん草は発芽が揃いにくい野菜です。
★殻を取ってあるタネがあります
そこで、こういうタネが売られています。
★ネイキッド種子。「裸のタネ」という意味です。
★殻を取り除いてあるので、水がすぐ入ります。★発芽が早く、そろいます。
★ほうれん草で苦労した経験があるなら、ここを変えるだけで結果が違います。
水と、殻と、両方から攻める
まとめると、こうです。
- ★土の側 … まく前に水を入れて、鎮圧する
- ★タネの側 … 殻を取ってあるものを選ぶ
★どちらも「水をタネに届ける」ための工夫です。
★発芽させたら勝ち。そこに全部の手をかけます。
まく前の10分
この記事の要点
- ★ほうれん草は、発芽させたら勝ち(にんじんと同じ)
- ★9月から10月中旬は端境期。★夏まきほうれん草がその谷を埋める
- 夏まきが難しい理由=★そもそも夏の野菜ではない/★雨と高温で虫が多い
- 品種は★ミラージュ(暑さに強くべと病に抵抗性)/★アトラス(8月からまけて冬もまける)
- ★アトラスは1袋で夏・秋・冬まで使える
- ★★ほうれん草は酸性の土を嫌う。★日本の土は放っておくと酸性に傾く
- ★アルカリ性に寄せて、カルシウムを補給する
- ★★カキ殻の有機石灰なら、pH調整とカルシウム補給が同時にできる
- ★★有機石灰はまいた後すぐタネをまける(苦土石灰は2週間空ける必要がある)
- ★量は1平米あたり100gほど
- ★夏野菜の跡地なら肥料分が残っている。★じゃがいもや玉ねぎの跡地も使える
- ★★夏まきでは黒マルチも穴あきマルチも使わない
- ★マルチを使うと地表が高温になって葉が焼ける
- ★秋まき・冬まきなら使う。★同じ野菜でも、まく時期で逆になる
- ★★まく前に、土の下1〜2cmまで水を染み込ませる
- ★地温が下がり、水分も供給される
- ★水ぎめと同じ考え方。★あとからかける水とは意味が違う
- ★水をまいたあと、ふかふかなら鎮圧する。★隙間が減って乾燥しづらくなる
- ★溝は深さ5mm、間隔10〜15cm
- ★覆土したあと、もう一度鎮圧する
- ★★鎮圧は2回。★目的が違うので、どちらも省かない
- ★かたい殻が水を通しにくいのが、発芽が揃わない原因
- ★ネイキッド種子は殻を取ってあるので、発芽が早く揃う
全部やろうとしなくて大丈夫です。まずは★まく前に、水をやってください。順番を変えるだけです。それでほうれん草の失敗は、かなり減ります🥗
次回は、レタスの話。虫がつきにくくて、家庭菜園にいちばん向いている葉物です🥬
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
貝殻石灰
ほうれん草だけは石灰が要ります。有機石灰なら、まいたその日にタネをまけます。
ほうれん草のタネ
秋まきの定番です。品種によって耐暑性がちがうので、まく時期に合わせて選んでください。
穴あきマルチ
15cm間隔の穴に4粒ずつ。深さをそろえると発芽が揃います。
不織布
まいたあとにかけておくと、乾きと鳥を同時に防げます。


