つるの節から根が出たら、そこにも芋を作ろうとします🍠 だから裏返す
🍠「葉ばかり茂って、いもができていない」
🍠「つるが隣の区画まで伸びてしまった」
🍠「つる返しって、やらないとだめ?」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
7月の終わり、さつまいものつるが一気に伸びます。
この時期にやるかやらないかで、秋の芋の大きさが変わります。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきます。
★さつまいものつるは、途中から根を下ろします。
そして★その根が地面に入ると、そこにも芋を作ろうとします☺️
📖 この記事の目次
★★不定根(ふていこん)という根
つるの節から、根が出ます
さつまいものつるを持ち上げてみてください。
★節のところから、細い根が出ています。
これを★不定根(ふていこん)と言います。「決まった場所ではないところから出る根」という意味です。
★そこにも、芋を作ろうとします
問題はここからです。
★不定根が地面に潜っていくと、株はそこにも芋をつけようとします。
さつまいもの芋は、★根が太ったものです。だから根があれば、そこで芋を作ろうとする。
すると、どうなるか。
★吸い上げた養分が、あちこちに分散します。
★本来ねらっていた株元の芋が、その分だけ小さくなります。
だから、裏返します
対策は簡単です。
★つるを持ち上げて、裏返す。
地面から離してやれば、不定根は伸びていけません。★これが「つる返し」です。
★正直に言うと、意見は分かれます
ここは正直に書いておきます。
★「不定根が伸びても、大した影響はない」という方もいらっしゃいます。
私が読んだ資料でも、両方の意見が紹介されていました。★絶対にやらなければいけない作業ではありません。
ただ、こう言われています。
★家庭菜園の規模なら、作業はそこまで大変ではない。★やらないよりは、やったほうが大きい芋がねらえる。
★迷うくらいなら、やっておく。私はそう考えています。
★もうひとつ、大事な理由があります
つるは、四方に伸びます
家庭菜園には、収穫量とは別の問題があります。
★さつまいものつるは、株を中心にして四方に伸びていきます。
放っておくと、どこまでも伸びます。★2m、3mと平気で伸びます。
★隣の区画に、はみ出します
市民農園や、区画を借りている畑では、これが問題になります。
★隣の区画へはみ出してしまう。
自分の畑でも、通路をふさいだり、他の野菜の上に乗ったりします。
★つる返しは、場所の管理という意味でもやったほうがいいです。
★収穫量のためだけの作業ではありません。まわりに迷惑をかけないための作業でもあります。
やり方
持ち上げて、反対側へ
作業そのものは、拍子抜けするほど簡単です。
★伸びているつるを持ち上げて、反対側に向ける。
それだけです。★こちらへ伸びていたつるを、あちら側へ折り返す。
★重さに気をつけてください
ひとつだけ注意があります。
★大きくなると、つるを束ねたときにかなり重くなります。
7月の初めはまだ軽いのですが、8月になると相当な重さです。★腰を痛めないように、少しずつやってください。
そして★引っぱらないでください。持ち上げて、置く。引くと不定根が切れるのではなく、★株元が動いてしまいます。
★防草シートがあるなら、心配は少ない
もしうねに防草シートを張っているなら、朗報です。
★不定根はシートに防がれるので、地面に入っていけません。
それでも★つるが伸びすぎる問題は残るので、場所の管理としてはやっておいてください。
★★葉を見れば、つるぼけが分かる
さつまいもの、いちばん多い失敗
さつまいもでいちばん多い失敗が、★つるぼけです。
★つるも葉も立派なのに、掘ってみたら芋が小さい。
前にスナップエンドウのところでも、つるぼけの話をしました。★原因は同じで、肥料が効きすぎです。
★★葉に、3つのサインが出ます
つる返しをするときが、点検のチャンスです。★葉を見てください。
★1. 葉1枚が、極端に大きくなっていないか
普通より明らかに大きい葉が出ていたら、要注意です。
★2. 色が、濃い緑になっていないか
前に追肥の話をしたとき、「トマトは葉の色で判断する」とお伝えしました。★黄緑なら足りない、濃い緑なら足りている。
★さつまいもの場合、濃すぎるのは「効きすぎ」のサインです。
★3. 葉が、波打っていないか
葉の縁がうねうねと波打っている。これも肥料が多いときに出ます。
★この3つのどれかが出ていたら、つるぼけの可能性があります。
★★正直に言うと、出てからでは難しい
つらいことをお伝えします。
★つるぼけは、発生してからの適切な対処が難しいです。
★土に入ってしまった肥料分を、あとから抜くことはできません。
前に「遅れた追肥はやらない」という話をしました。★入れてしまったものは戻せない、というのは肥料の宿命です。
できることは、消費させること
それでも、打てる手はあります。
★つるを少しカットして、葉の数を減らす。
葉が減れば、★光合成の量が減ります。作られる養分が減れば、つるを伸ばす勢いも落ちます。
★勢いを止める、という考え方です。
★★空中栽培という手
やぐらを組んで、上に伸ばす
もうひとつ、面白い方法があります。
★やぐらを組んで、つるを上へ誘引する。★空中栽培と呼ばれるやり方です。
★家庭菜園ならではの小技だと思います。
★なぜ、つるぼけに効くのか
これが理屈として面白いところです。
★養分を上へ運ぶので、蓄えたエネルギーを消費してくれます。
つるが上へ伸びるには、力が要ります。★その力を使わせることで、余っていた肥料分を減らしていく。
★抜けないなら、使わせる。
土から肥料を取り除くことはできませんが、★株に使わせてしまうことはできます。
場所の節約にもなります
もうひとつ利点があります。
★上に伸ばすので、地面の面積を取りません。
狭い畑や、プランターで育てている方には、これだけでも試す価値があります。★きゅうりをネットで上へ伸ばすのと、同じ発想です。
★ウイルス病にも気をつけて
葉に、小さな斑点が出ていないか
つる返しのついでに、もうひとつ見てほしいものがあります。
★葉に、小さな斑点のようなものが出ていないか。
★さつまいもは、ウイルスによる病気が問題になっています。
対処のしかた
- ★目についた葉は、取り除く
- ★ひどくなる前に、株ごと抜く必要もある
前にじゃがいものモザイク病のところでお伝えしたとおり、★ウイルスは治せません。広がる前に取り除くしかない。
そして★ハサミは株ごとに除菌してください。人間が運ぶ、という話もじゃがいもと同じです。
★葉は、健康状態のバロメーターです
つるぼけも、ウイルス病も、★どちらも葉に出ます。
さつまいもは地面の下で育つので、★様子が見えない野菜です。
★見えるのは葉だけ。だから葉をよく見る。つる返しは、その機会にもなります。
★切ったつるは、苗になります
7月には、もう苗が売っていません
最後に、リカバリーの話をします。
★7月に入ると、さつまいもの苗(芋づる)はもう売っていません。
もし、それまで植えていた株が枯れてしまったら。★普通なら、その年はあきらめることになります。
★★でも、つる返しで切ったつるが使えます
方法があります。
★つる返しをして伸びたつるを、そのまま苗にできます。
やり方はこうです。
- ★先端から葉を7枚ほど残して切る
- ★長さは30〜40cmくらい
- ★それを植える
2週間で、根づきます
★2週間ほどで、しっかり定着して新しい芽も伸びてきます。
さつまいものつるは、それだけ生命力が強い。★もともと苗が「芋づる」であることを考えれば、当たり前とも言えます。
★ただし、期待しすぎないでください
正直に書いておきます。
★この時期の植え付けなので、大きい芋がたくさん穫れることは期待できません。
育つ期間が短いからです。★あくまで「枯らしてしまったときのリカバリー」です。
それでも、★何も穫れないよりはずっといい。捨てるはずのつるが苗になるなら、試す価値はあります。
7月の終わりに、1回
この記事の要点
- ★★さつまいものつるは、節から不定根(ふていこん)という根を出す
- ★不定根が地面に入ると、そこにも芋を作ろうとする
- ★★吸い上げた養分が分散して、株元の芋が小さくなる
- ★対策は、つるを持ち上げて裏返す(つる返し)
- ★「不定根は大した影響はない」という意見もある。★絶対の作業ではない
- ★家庭菜園の規模なら大変ではない。★迷うくらいならやっておく
- ★つるは四方に2〜3m伸びる。★隣の区画にはみ出す
- ★つる返しは、場所の管理という意味でもやったほうがいい
- やり方は★持ち上げて反対側へ。★引っぱらず、持ち上げて置く
- ★8月には束ねると相当重い。少しずつやる
- ★防草シートがあれば不定根は地面に入れない
- つるぼけのサインは葉に出る=★①葉が極端に大きい ②★色が濃い緑 ③★葉が波打つ
- ★★出てからの対処は難しい。★土に入った肥料は抜けない
- できることは★つるを少しカットして葉を減らし、光合成の量を抑える
- ★★空中栽培=やぐらを組んで上へ誘引する
- ★養分を上へ運ぶので、蓄えたエネルギーを消費してくれる。★抜けないなら、使わせる
- ★地面の面積を取らないので、狭い畑にも向く
- ★葉に小さな斑点が出ていないか見る。★さつまいもはウイルス病が問題になっている
- ★目についた葉は取り除く。★ひどければ株ごと抜く。★ハサミは株ごとに除菌
- ★さつまいもは地下で育つので、★見えるのは葉だけ
- ★7月にはもう苗が売っていない
- ★★つる返しで切ったつるを、そのまま苗にできる
- ★先端から葉を7枚ほど残して、30〜40cmで切って植える
- ★2週間ほどで定着して、新しい芽も伸びる
- ★ただし大きい芋がたくさんは期待できない。あくまでリカバリー
全部やろうとしなくて大丈夫です。まずは今週末、★つるを1本持ち上げて、節を見てみてください。細い根が出ていたら、それが不定根です🍠
次回は、秋じゃがいもの話。男爵が秋に向かない理由を、はっきりお話しします🥔
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
収穫ハサミ
つるを切って苗にするときにも使います。切ったつるは、そのまま挿せば根がつきます。
黒マルチ
つるが地面に触れなければ、不定根そのものが出にくくなります。
アーチ支柱
空中栽培にするなら、つるを持ち上げておく骨が要ります。
ネット
つるを這わせて浮かせます。つる返しの手間がほとんど無くなります。


