株側はゆるく、支柱側はきつく🌿 誘引はこれだけ覚えてください
🗨️「支柱に結ぶだけでしょ?」
🗨️「風でトマトが折れてしまった」
🗨️「きゅうりの花は咲くのに、実にならない」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
前回、苗の植え方の話をしました。最後の手順が「支柱を立てる」でした。今日はその続きです。
支柱に結ぶ作業を、誘引(ゆういん)と言います。簡単に見えますが、★ここで差がつきます。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきます。
★株側はゆるく、支柱側はきつく。
これだけ覚えて帰っていただければ、今日は十分です☺️
よくある3つの失敗
①支柱が、株から遠い
まず多いのがこれです。
苗のそばに支柱を立てたつもりでも、10cm、15cmと離れていることがあります。そこから長いひもを渡して結ぶ。
★これでは、株はまだ揺れます。
誘引の目的は、風で株が揺すられないようにすることです。ひもが長いと、その分だけ振り子のように動きます。★支柱が遠いということは、揺れる余地を残したままということです。
支柱は、★株のすぐ近くを通してください。
②★茎を、きつく縛りすぎている
これがいちばん見落とされます。
しっかり固定しよう、と思ってぎゅっと結ぶ。植えた日は、それで問題ありません。
でも★茎は太ります。
1か月後、その茎は倍近い太さになっています。ひもの輪の大きさは変わりません。すると、どうなるか。
★茎が締めつけられて、栄養が上下に移動できなくなります。
茎の中には、水を上げる管と、葉で作った糖を下ろす管が通っています。外から締めつけると、そこで流れが止まります。★上のほうだけ元気で、下が細いまま、という株になります。
③緩すぎる
逆に、遠慮して緩く結びすぎるのもだめです。
★ひもと支柱の意味がなくなります。風が吹けば、結んでいないのと変わりません。
きつすぎても、緩すぎてもいけない。じゃあどうするのか。ここが今日の本題です。
★答えは「株側はゆるく、支柱側はきつく」
1本のひもで、役割を分ける
良い誘引は、こうなっています。
- ★支柱が、株のすぐ近くを通っている
- ★ひもが、株と支柱を短い距離で結んでいる
- ★株を結ぶ側には、少し遊びがある
- ★支柱を結ぶ側は、しっかり固定されている
つまり★1本のひもの中で、両端の役割を変えています。
株側 … 茎が太っても大丈夫なように、指が1本入るくらいの余裕を残す
支柱側 … ずり落ちないように、しっかり結ぶ
8の字に結ぶ、という言い方
この結び方は、8の字結びとも呼ばれます。
ひもを支柱と茎のあいだで一度ひねって、8の字の形にする。すると★2つの輪ができて、それぞれの大きさを変えられます。
茎側の輪を大きく、支柱側の輪を小さく。ひねりがあることで、茎が支柱に直接こすれるのも防げます。
★名前は覚えなくて大丈夫です。「株側はゆるく、支柱側はきつく」が守れていれば、結び方は何でも構いません。
★誘引は、1回で終わらない
もうひとつ大事なことがあります。
★誘引は、植えた日に済ませる作業ではありません。
株は伸びます。伸びた分だけ、上のほうに新しい結び目が必要になります。
- ★背が伸びたら、上に足す
- ★きつくなっていたら、緩める
とくに2つ目です。★過去に結んだ場所を、ときどき見てください。植えた日にちょうどよかった輪が、1か月後には食い込んでいることがあります。
★きゅうりは、誘引が遅れると実がつかない
遅れると起きること、3つ
きゅうりのようにネットを登る野菜では、誘引の遅れがはっきり結果に出ます。
★1. あとから持ち上げると、折れる
放っておいたつるを、あとからネットに絡ませようとする。★持ち上げる力がかかって、葉や茎が折れます。
★2. つるがぐしゃぐしゃになる
伸びるままにしておくと、つるが絡み合います。★風が通らなくなって、病気が出やすくなります。
★3. ★受粉がうまくいかない
これは意外でした。
つるが地面近くでこんがらがっていると、★その場所は湿度が高くなります。すると、花粉が飛びません。蜂やハエが来ても、花粉が付着しにくい。
★水分が多いと、自分の花粉で受粉する場合でもうまくいかず、実になりません。
「花は咲くのに実がつかない」の原因が、誘引の遅れだったということがあるんです。
ネットの張り方
★ピンと張る
ネットを使うときのコツは、ひとつだけです。
★ピンと張ってください。
ネットがたるんでいると、風であおられます。そこにつるが絡んでいるので、★株ごと揺すられ続けることになります。
そして★ストレスを受けた株は、実がつきにくくなると言われています。
張るのは、最初はちょっと難しく感じます。でも★ここを丁寧にやるかどうかで、夏の収穫が変わります。
合掌式が、いちばん扱いやすい
支柱の組み方はいくつかありますが、家庭菜園なら★合掌式をおすすめします。
うねの両側から支柱を斜めに立てて、上で交差させ、そこに横棒を渡す。テントの骨組みのような形ですね。
★前後にも左右にも強いのが利点です。まっすぐ立てただけの支柱は、横風に弱い。
★らせんに登らせると、収穫量が増える
これは知っておくと得をします。
つるを伸ばす方向を、あらかじめ決めてください。
- 成長点を右へ誘引する
- ネットの端まで来たら、今度は左へ
- ★それを繰り返して、らせん状に登らせる
なぜこうするか。★まっすぐ上へ伸ばすより、つるが通る距離が長くなるからです。
きゅうりは、つるの節ごとに実をつけます。★距離が伸びる=節が増える=収穫量が増えるということです。
同じネットでも、伸ばし方で収穫量が変わります。
下葉は、切る
もうひとつ、誘引を始めたらセットでやることがあります。
★下のほうの葉をカットしてください。
理由は2つです。
- ★下から徐々に枯れてくる。枯れた葉は病気の元になる
- ★下の葉は、もう役割を終えている
上のほうの若い葉が光合成の主役です。★下の古い葉は、日陰になっていてほとんど働いていません。残しておく理由がありません。
そして、切ることで★地面と葉のあいだに空間ができます。雨で泥がはねても、葉に付きにくくなる。★泥はねは、病気のいちばん多い入り口です。
それでも折れたときは
トマトなら、かなり助かる
どれだけ気をつけても、強風で折れることはあります。
そのときの手当てです。
★トマトは、成功率が高いです。
一方、★ナス・ピーマン・きゅうりは、正直あまりうまくいきません。一か八かのつもりでやってみてください。
方法1:割り箸でギプス
軽く折れた(完全に切れていない)場合です。
- ★折れた場所の両側に、割り箸を2本立てる
- ★2本の間をなるべく狭くして、茎がまっすぐになるように固定する
- 麻ひもで、折れた部分の上をしっかり結ぶ
人の腕が折れたときに添え木をするのと、まったく同じ考え方です。
ここでひとつ、★誘引とは逆になることがあります。
★このときは遊びを作りません。きつめに固定して構いません。
目的が違うからです。誘引は「太る余地を残す」、ギプスは「くっつけるまで動かさない」。
方法2:テープを巻く
もっとはっきり折れている場合は、テープを使います。
園芸用テープかビニールテープを、★折れた部分に直接巻きつけます。弱いと思ったら2〜3周しても問題ありません。
★成功したかどうかの見分け方
数日後、こう判断します。
- ★折れた部分より上の葉が元気なら、成功。水と養分が上下に行き来しています
- ★上が枯れてきたら、つながっていません
うまくいかなかったときは、あきらめるのもひとつの判断です。★植えた直後で背が低いなら、植え直すほうが早いこともあります。
背が高くなってからなら、脇芽を使う
もうひとつ手があります。
★折れた場所の下から出てくる脇芽を伸ばして、そこを新しい主枝にする。
トマトは脇芽がどんどん出る野菜です。★上を失っても、下から作り直せます。ある程度育ってから折れた場合は、こちらのほうが確実なことがあります。
芽かきのときにも折れます
最後にひとつ。
★トマトは、脇芽をかくときに誤って主枝を折ることがあります。
私も何度かやりました。手が滑って、ぽきっと。あのときの気持ちは、なかなかのものです。
★この手当てを知っていると、その瞬間の絶望が小さくなります。覚えておいて損はありません。
植えた日にやること
この記事の要点
- ★誘引の答えは「株側はゆるく、支柱側はきつく」
- 悪い例① ★支柱が株から遠い → 揺れる余地が残る
- 悪い例② ★きつく縛りすぎ → 茎が太って締めつけられ、★栄養が上下に移動できなくなる
- 悪い例③ 緩すぎる → ひもと支柱の意味がない
- ★株側は指が1本入るくらいの遊び、支柱側はしっかり
- ★8の字に結ぶと2つの輪の大きさを変えられる(名前は覚えなくていい)
- ★誘引は1回で終わらない。★背が伸びたら足し、★きつくなったら緩める
- きゅうりの誘引が遅れると ①持ち上げて折れる ②通気性が落ちる ③★受粉しない
- ★湿度が高いと花粉が飛ばず、蜂やハエにも付着しない
- ★ネットはピンと張る。たるむと風であおられて株がストレスを受ける
- ★合掌式は前後左右に強く、家庭菜園でやりやすい
- ★らせんに登らせるとつるの距離が伸び、節が増えて収穫量が増える
- ★下葉は切る。役割を終えているうえ、★泥はねが病気の入り口になる
- 折れたら ★トマトは成功率が高い/ナス・ピーマン・きゅうりは難しい
- ★割り箸でギプス(このときは遊びを作らない・きつめでよい)/重症ならテープを巻く
- ★上の葉が元気なら成功、枯れてきたら失敗
- ★背が高くなってからなら、下から出る脇芽を新しい主枝にする
全部やろうとしなくて大丈夫です。まずは今ある結び目をひとつ、指で触ってみてください。★指が1本入らないなら、結び直しどきです🌿
次回は、春の虫の話。苗が小さいこの時期にだけ効く、見つけ方をお話しします🐛
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
麻ひも
株側はゆるく、支柱側はきつく。麻ひもはそのゆるさを作りやすく、シーズンが終わればそのまま土に還ります。
支柱150cm
仮支柱にちょうどいい長さです。本支柱に切り替えるまでの1か月を支えます。
支柱クリップ
ひもが苦手なら、これで留めるだけでも構いません。茎を締めつけないのが利点です。
きゅうりネット
きゅうりは誘引が遅れると実がつきません。植えたらすぐ張ってください。


