当サイトはアフィリエイト広告(Amazon・楽天等)を利用しています
🌱 今月の作業
← 記事一覧へ

玉ねぎの植えつけ準備と「芯が腐る」原因|いつ・何をするかの逆算表、内側の1枚が腐るしくみ、切り口での見分け方と防ぎ方

玉ねぎの植えつけ準備と「芯が腐る」原因|いつ・何をするかの逆算表、内側の1枚が腐るしくみ、切り口での見分け方と防ぎ方

この記事で分かること

この記事は、読者の方からいただいた「玉ねぎを植える準備はいつ頃、どのようにすればいい?」「収穫のとき、芯のほうが腐ったものができるのはなぜ?」という2つの質問に答えるつもりで書きました。この2つは、別々の話に見えて、実はつながっています。腐りにくい玉ねぎにできるかどうかの半分は、植える前の準備で決まるからです。

苗の選び方、植える深さ、冬越し、収穫と吊るし方まで、玉ねぎ全体の流れは「玉ねぎの育て方」にまとめています。この記事では、その中から「植える前の準備」と「内側が腐る原因」の2つだけを、深く掘り下げます。

この記事の読み方

これから植える方は、「早見」と「準備の手順」を先に読んでください。今年すでに植えた方や、去年腐らせてしまった方は、「芯が腐るしくみ」から読んでも大丈夫です。どちらから読んでも分かるように書いています。

※時期はすべて中間地(関東から関西の平野部)の目安です。寒い地域は早め、暖かい地域は遅めにずらし、苗の札や種苗店の案内もあわせて見てください。

早見:玉ねぎの植えつけ準備と腐らせないための数字

3週間前から逆算

基本の情報

準備の逆算

元肥の目安(1平方メートルあたり)

葉物より多めですが、半年以上畑にいる玉ねぎには、これくらいがちょうどいい量です。

追肥をやめる時期

この期限を過ぎて追肥すると、玉が太らないだけでなく、保存中に腐りやすくなります(理由は後ろの章で)。

腐りやすい時期

なぜ準備を3回に分けるのか

全部を1日でやってしまいたくなる気持ち、分かります。でも、準備を3回に分けるのには、それぞれ理由があります。

逆にいえば、この3つの理由さえ分かっていれば、日にちは多少前後しても大丈夫です。仕事の都合で週末しか畑に行けない方は、「3週目の週末・2週目の週末・1週目の週末」と3回の週末に割り振ると、無理なく進められます。

準備の手順(時期の順)

手順1:植える日を決める(4週間前まで)

  1. 苗が店に並ぶのは、10月の終わりから11月にかけてです。予約できる店なら、予約しておくと安心です。
  2. カレンダーに、植える日を1日書き込みます。中生・晩生なら、11月の中旬から下旬の週末が目安です。
  3. そこから3週間・2週間・1週間戻った日に、それぞれ「場所と堆肥」「酸度と石灰」「元肥・うね・マルチ」と書いておきます。

これだけで、準備の段取りはほとんど終わったようなものです。

手順2:場所を決めて、堆肥を入れる(3週間前)

  1. 日当たりのよい場所を選びます。玉ねぎは冬のあいだも葉で光合成をしているので、冬に日が当たる場所かどうかが大事です。
  2. 雨のあとに水たまりがなかなか引かない場所は避けます。玉ねぎは湿りけが続くと根も玉も傷みやすく、腐る病気の菌も増えやすくなります。
  3. ここ1〜2年、ネギのなかま(ネギ・ニンニク・らっきょう・玉ねぎ・にら)を育てた場所も避けます。玉を腐らせる菌は、土の中に残るからです。北海道の試験場の調べでも、内側のりん片が腐る病気の伝染源として、土が重要だとされています。
  4. 前の作物の根や茎、枯れ葉を片づけます。病気の出た株の残りは、畑に埋めずに外へ持ち出します。
  5. 堆肥を入れて、深さ20〜30cmくらいまでよく耕します。

手順3:酸度を測って、必要なら石灰(2週間前)

  1. 土の酸度(酸っぱさ)を測ります。土にさして測る酸度計か、水に土をとかして色で見る検査キットで十分です。
  2. 玉ねぎは酸性の土が苦手です。測って酸性に傾いていたら、苦土石灰をまきます。目安は1平方メートルに100gです。
  3. まいたら、土とよく混ぜます。表面にのせただけでは効きません。
  4. 酸度が足りていたら、石灰はまきません。

毎年なんとなく石灰をまいていると、知らないうちにアルカリ性に傾いていることがあります。アルカリ性になりすぎると、今度は鉄やマンガンなどが吸えなくなります。石灰は「測ってから」が基本です。測り方と石灰の種類の違いは「土の酸度と石灰の使い方」に詳しく書いています。

手順4:元肥・うね・マルチ(1週間前)

  1. 早見の量の元肥(牛ふん堆肥・鶏ふん・油かす)を、うねにする部分にまいて、土とよく混ぜます。
  2. うねを立てます。高さは10〜15cmが目安です。粘土質の畑や、雨のあとに水が残りやすい畑は、20cmくらいまで高くすると安心です。
  3. うねの表面を平らにならします。でこぼこがあると、低いところに水がたまります。
  4. 穴あきマルチ(穴の間隔15cm)を張ります。土が少し湿っている日に張ると、その水分を閉じこめられます。からからに乾いている日は、先に水をまいてから張ります。
  5. マルチのすそに土をかけて、風であおられないように押さえます。

マルチには、雑草を減らすほかに、冬の霜柱で苗が持ち上がるのを防ぐ役目があります。穴の間隔がそのまま株間になるので、株間をはかる手間もいりません。

手順5:植える(当日)

  1. 苗の白い部分が1〜1.5cm埋まる深さに植えます。
  2. 株元を指で押さえて、根と土を密着させます。
  3. 植えたあとは、たっぷり水をやります。その後は、雨がしばらく降らないときに水をやる程度で十分です。

苗の太さの選び方と、根がまっすぐ下を向く植え方は「玉ねぎの育て方」に書いています。

準備が間に合わないときの3つの選択肢

準備で使うものの一覧

買い忘れがないように、3回の作業で使うものを並べておきます。

芯が腐るしくみ:菌は葉から入って、首から1枚ずつ腐らせる

菌は葉から入って首から腐る

ここからは、2つ目の質問「収穫のとき、芯のほうが腐ったものができるのはなぜ?」です。

外の皮はきれいで、持った感じも普通。なのに包丁を入れると、内側の1枚、あるいは数枚が、茶色くとろけている。この症状のいちばんの原因は、細菌です。

玉ねぎの1枚1枚は、別々の葉

まず知っておきたいのが、玉ねぎの玉のつくりです。

つまり玉ねぎは、何本もの葉の付け根が、外から内へ重なってできています。

傷から入った菌が、その葉の付け根を下りてくる

葉に傷や虫の吸いあと、病気の斑点があると、そこが細菌の入り口になります。入った菌は、その葉の中を下りていき、首を通って、その葉につながっている玉の1枚に入ります。

北海道の試験場が、内側のりん片が腐る病気(りん片腐敗病)の進み方を調べています。それによると、まず葉の付け根あたりに水がしみたような斑点ができて、その葉が枯れます。続いて、枯れた葉につながるりん片が、首の部分からお尻のほうへ向かって、黄褐色から茶褐色に腐っていきます。

外側の皮とは別の層が腐るので、外からはまず分かりません。滋賀県の研究でも、玉の内側のりん片の腐りは外から見分けられず、収穫から出荷までのあいだに選び分けるのが難しい、とされています。

菌が入るのは、収穫よりずっと前

腐っていることに気づくのは収穫の日や保存中ですが、菌が入ったのはもっと前です。

北海道は春に植えて夏に穫る作り方なので、月は違います。秋に植える中間地に置きかえると、玉が一気に太る4〜5月が、いちばん気をつける時期になります。

菌の入り口は3つ

入り口1:ネギアザミウマの吸いあと

ネギアザミウマは、体長1〜2mmほどの細長い小さな虫です。葉の汁を吸うので、吸われた葉には、かすれたような白い斑点が並びます。

島根県の農業技術センターが、畑のネギアザミウマの数と、収穫後に腐った玉の割合を調べています(収穫から60日後の調査)。

虫が多い畑では、収穫した玉のおよそ7割が腐っていたことになります。島根県では、これまで玉ねぎではあまり気にしていなかったこの虫の防除を、栽培の予定に組み入れるようになったそうです。

ネギアザミウマは暖かくなると増えるので、春の見回りで、葉に白いかすり模様が増えていないかを見ます。

入り口2:べと病などの病気の斑点

葉にほかの病気が出ていると、その斑点も細菌の入り口になります。特に影響が大きいのが、春に雨が続くと広がるべと病です。

佐賀県の農業試験研究センターが、べと病の多い場所と少ない場所で、保存中に腐った玉の割合を比べています。

同じ資料では、ふつうは大きい玉ほど保存中に腐りやすいけれど、べと病が多いと大きくない玉でも腐りやすい、とも書かれています。べと病の見分け方と予防は「べと病対策の決定版」にまとめています。

入り口3:風・雹・作業でついた傷

島根県の病害虫防除所は、玉ねぎの腐敗病・軟腐病の細菌は、主に傷口とほかの病気の斑点から感染する、としています。そのうえで、次のことを呼びかけています。

葉が折れたり裂けたりすると、そこから菌が入ります。株と株のあいだの草取りや追肥は、葉を手でよけながら、そっとやるのが基本です。

腐りやすさを上げてしまう「太らせすぎ」

入り口とは別に、玉そのものを腐りやすくしてしまうのが、肥料の効かせすぎです。

「春にもうひと押し追肥して、大きくしたい」と思うのは自然なことです。でも、玉ねぎは葉が役目を終えて枯れていくことで、養分を玉に送り切ります。遅い追肥は、この切りかえを遅らせて、葉がいつまでも青く、首が太いままの玉にします。追肥は、有機なら1月末、化成なら3月のはじめで止めましょう。

失敗の見分け方(症状→原因→やること)

腐り方で見分ける

腐った玉を見つけたら、捨てる前に縦に半分に切って、断面をスマホで写真に残しておきましょう。どこから腐っているかで原因の見当がつき、来年の対策を決めるときの答え合わせになります。

切ると、首から内側の1枚(数枚)が茶色くとろけている

お尻(根の出る平たい部分)のほうから腐っている

真ん中に硬い棒のような芯が通っている

収穫してしばらくは平気だったのに、吊るしているあいだに次々腐る

葉が倒れる前に、株元からとろけて嫌なにおいがする

準備でよくある失敗(症状→原因→やること)

芯腐れの話とは別に、植える前後の準備でつまずきやすいところもまとめておきます。

植えて1〜2週間のうちに、しおれて倒れる苗がいくつも出る

冬に苗が持ち上がって、根が見えている

雨のあと、いつまでもうねのまわりに水が残る

葉ばかり大きく、5月になっても首が太いまま

苗の葉先が黄色くなって、なかなか育たない

品種と、腐りやすさ・保存のしかた

玉ねぎは、育つ早さで大きく2つに分かれます。どちらを植えたかで、収穫の時期も、保存のしかたも変わります。

極早生・早生(ごくわせ・わせ)

中生・晩生(なかて・おくて)

植える品種を決めるときの考え方

無農薬で腐らせないためのチェックリスト

腐らせない5つのこと

私は農薬を使わずに育てているので、菌の入り口を作らないことと、菌を増やさないことで守ります。季節ごとに見るところをまとめました。

植える前(10〜11月)

冬(12〜3月)

春(4〜5月)

収穫と保存(5〜6月)

農薬を使う方は、ネギアザミウマやべと病に登録のある薬を選び、ラベルの使い方を守ってください。

説明が分かれていること

石灰は毎年まくのか

ネギアザミウマは玉ねぎでは気にしなくていいのか

追肥はいつまでか

よくある質問

準備は何週間前から始めればいいですか

植える日の3週間前から始めると、無理がありません。3週間前に場所と堆肥、2週間前に酸度と石灰、1週間前に元肥・うね・マルチです。時間が取れない場合でも、元肥を入れてから植えるまで1週間あける、という点だけは守ってください。

去年、芯が腐った畑にまた植えても大丈夫ですか

できれば場所を変えてください。内側を腐らせる菌の伝染源として、土が重要だとされています。ネギのなかまを1〜2年植えていない場所を選び、うねを高くして水はけをよくします。

外から見て、芯が腐っているかどうか分かりますか

ほとんど分かりません。外側の皮とは別の層が腐るためです。目安になるのは首の柔らかさです。首を指で軽く押して、ぶよっと柔らかい玉や、首から汁がにじむ玉は、吊るさずに先に使ってください。

腐った部分を取りのぞけば、残りは食べられますか

腐った層がごく一部で、残りに変色やにおいがなければ、腐った層とそのまわりを厚めに取りのぞけば使えます。広く変色していたり、嫌なにおいがしたりする玉は、無理をせず処分してください。

ツタンカーメンと一緒に植えても大丈夫ですか

ツタンカーメンは、紫のさやのエンドウです。玉ねぎとはなかまが違うので、同じ畑で育ててかまいません。エンドウは、冬に大きく育ちすぎると寒さで傷むので、まく時期を早めすぎず、小さめの姿で冬を越させるのがこつです。

雨の次の日に植えても大丈夫ですか

土がべたべたのうちは、1〜2日待ってください。土をひと握りにぎって、指で押したときにほろっと崩れるくらいが、植えどきの湿りけです。ぬれた土を踏んだり押さえたりすると、固まって水はけが悪くなり、腐る病気が出やすい畑になってしまいます。

堆肥は何を入れればいいですか

よく熟した牛ふん堆肥が使いやすいです。においがほとんどなく、さらさらしているものを選びます。まだにおいの強い、なまの堆肥を入れるときは、植える3週間より前に入れて、土の中でなじませておきます。

腐った玉ねぎは、畑に埋めてもいいですか

埋めないでください。腐った玉や病気の株には、菌がたくさんいます。畑に埋めると、そこが次の作物の伝染源になります。袋に入れて、畑の外へ持ち出して処分します。

プランターでも腐ることはありますか

あります。プランターは水がたまりやすいので、底に穴があいているか、受け皿に水が残っていないかを見てください。水やりは、土の表面が乾いてからにします。プランターでの育て方は、別の記事でまとめる予定です。

学ぶ:なぜ「1枚だけ」腐るのか🔬

同じ玉の中なのに、腐る層と腐らない層がある。考えてみると、ふしぎですよね。

層と層は、つながっていない

玉ねぎの層は、外から見ると1つのかたまりですが、1枚1枚は別の葉です。それぞれの葉には、水や養分を運ぶ細い管が通っていて、葉の先から首を通って、その葉の付け根までつながっています。

細菌は、この1本の葉の中を下りてきます。だから最初に腐るのは、入り口のあった葉につながる1枚だけです。ほかの層は別の葉なので、すぐには巻きこまれません。時間がたつと、腐った層からまわりに広がっていきます。

なぜ「首から」なのか

菌が入るのは葉の傷なので、玉に入る入口は首になります。北海道の調べのとおり、腐りは首からお尻の方向へ進みます。だから、切ったときに首に近いほうから茶色くなっているのが、この病気の特徴です。

逆に、お尻のほうから腐っているときは、菌が土から根のほうを通って入ったと考えられます。腐りの向きを見ると、菌がどこから入ったのかが分かるわけです。

親子で確かめてみる

  1. 玉ねぎを縦に半分に切ります。
  2. 外から3枚目くらいの層を、指でつまんでみます。
  3. その層を上(首のほう)へたどると、緑の葉だった部分につながっているのが分かります。
  4. 下へたどると、お尻の平たい部分に行き着きます。

「この1枚が、もともと1本の葉やったんや」と分かると、なぜ1枚だけ腐るのかが、すっと入ってきます。夏休みの自由研究にするなら、層の数を数えて、外の葉の数と比べてみるのも面白いですよ。

この記事で使った言葉

まとめ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!

玉ねぎは、植えてから収穫まで半年以上かかります。そのぶん、最後に切った玉の中が腐っていると、本当にがっかりします。でも、腐るしくみが分かると、やることははっきりします。まずはカレンダーに植える日を書き込んで、3週間前の日に「場所決め」と書いておくところから始めてみてください🧅

玉ねぎの植えつけ準備に使うもの

穴あき黒マルチ(15cm間隔)

植える1週間前に張ります。穴の間隔がそのまま株間になり、冬の霜柱で苗が浮くのも防げます。

苦土石灰

酸度を測って、酸性に傾いていたときだけ。植える2週間前に1平方メートル100gを目安に混ぜます。

玉ねぎの苗(中晩生)

11月いっぱいまでに植える、保存向きのタイプ。予約しておくと、準備の日にちを逆算しやすくなります。