連作障害、そんなに気にしなくて大丈夫です🗺️ 来年の畑を紙1枚で決める
🗨️「連作障害が怖くて、いつも同じ配置になってしまう」
🗨️「ナス科は3年あけろと言われても、そんな場所ない」
🗨️「来年の計画って、どこから考えればいいの?」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
今回は、来年の畑をどう決めるかという話です。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきますね。
連作障害は、家庭菜園ではそこまで気にしなくて大丈夫です。
こう書くと怒られそうなので、理由をちゃんと説明します。
でもその前に、ひとつ考えてみてください。マメ科は4〜5年あける。ナス科は3〜4年あける。これ、守れますか。
私は守れません。
📖 この記事の目次
なぜ「守れない」のか、数えてみます
ルールどおりにやろうとすると、こうなります。
マメ科に入るもの … 枝豆・いんげん・落花生・えんどう・そら豆
ナス科に入るもの … トマト・なす・ピーマン・じゃがいも
見てください。どれも人気野菜ばかりです。
じゃがいもを植えた場所は、3〜4年トマトもなすもピーマンも植えられない。春に枝豆を作った場所には、秋のそら豆もえんどうも植えられない。
家庭菜園の広さでこれをやると、毎年作れるものがどんどん減っていきます。
私は最初の2年、これで真剣に悩みました。ノートに畑の図を描いて、何年前にどこに何を植えたかを書き込んで、パズルみたいに配置を考えて。それで結局「今年もここは空けておこう」と、いちばん日当たりのいい場所を寝かせていました。
今思うと、あれはもったいなかったです。
そもそも、誰の話だったのか
ここが大事なところなんですが、連作障害が大きな問題として語られるようになったのは、化学肥料と農薬を使って効率を上げる、大規模な単一栽培の中でのことなんですね。
同じ作物を、広い畑いっぱいに、毎年作り続ける。そういう作り方での話です。
家庭菜園は、その正反対です。狭い場所に、いろんな野菜を少しずつ。
前提がまるで違うのに、ルールだけがそのまま持ち込まれている。だから「守れない」のは当たり前なんです。
私が話を聞いた有機栽培のベテランの方は、20年以上無農薬でやっていて、こう言っていました。連作障害に困ったことは、一度もない、と。
連作より先に、効くことが4つあります
「じゃあ何も考えなくていいのか」というと、そうではありません。順番の話です。
連作を気にする前に、これを先にやってください。効き方がまるで違います。
①野菜が育ちやすい環境をつくる
日当たり、水はけ、風通し。この3つです。
うまく育たない原因を10個並べたら、上位に来るのはたいていこの3つで、連作はずっと下のほうにあります。
日陰で水はけの悪い場所に植えて、うまくいかないのを連作のせいにしていた。私はこれをやっていました。
②土の中の微生物が住みやすい土をつくる
寒起こし、残渣を戻す、緑肥をまく。冬にやる仕込みは、全部ここに効きます。
微生物が豊かな土では、特定の菌だけが増えるということが起きにくい。これが、いちばん本質的な連作対策だと思っています。
③多品種を少しずつ楽しむ
これは我慢ではなく、そのほうが強いという話です。
同じ野菜が広い面積に並んでいると、その野菜を狙う虫や菌にとっては天国です。でも1うねに5種類あれば、どれか1つがやられても他は無事。
家庭菜園の「いろいろ作りたい」という気持ちは、実は理にかなっているんですね。
④雑草を、敵ではなく緑肥として扱う
全部きれいに抜くのではなく、コントロールする。
麦やクローバーを緑肥としてまくのと同じで、地面が覆われていること自体に意味があります。裸の土より、何か生えている土のほうが微生物が保たれます。
この4つをやっていれば、連作は「知識として頭の隅に置いておく」くらいで十分です。私はそう考えるようになってから、畑がずっと楽しくなりました。
学ぶ:連作すると、実は味方も増えます🔬
理科の時間です。ここが今回いちばん面白いところだと思います。
同じ野菜を作り続けると、その野菜を狙う病原菌が増える。ここまでは、よく言われるとおりです。
でも、話には続きがあります。
病原菌が増えると、その病原菌を抑える菌も増えるんです。
害虫が増えると、その害虫を食べる天敵が増える。しかも研究によると、増える量は、抑えるほう・食べるほうがはるかに多い。
結果として、しばらく続けていると病害虫はむしろ減って、収穫が増えていく。これを発病衰退現象(はつびょうすいたいげんしょう)といいます。
畑の虫を数えてみた話
日本土壌協会が、いろいろな作物を共存させて育てている畑の虫を調べたデータがあります。
- 害虫 … 17%
- 天敵(害虫を食べる虫) … 26%
- どちらでもない、ただの虫 … 57%
害虫は、全体の6分の1しかいません。そして害虫より天敵のほうが多い。
私はこの数字を見たとき、畑の見え方が変わりました。虫を見つけるたびに身構えていたけれど、6匹に1匹しか敵じゃないんだな、と。
つまり、こういうことです
人が変な手出しをして環境を壊さなければ、自然は自然に健全化していく。
農薬で虫を全部いなくすると、害虫だけでなく天敵も消えます。すると次に害虫が入ってきたとき、食べてくれるものが誰もいない。だから増え放題になる。
無農薬でやるというのは、我慢することではなくて、この味方たちを畑に住まわせておくことなんですね。
お子さんと一緒なら、畑で見つけた虫を「食べる側か、食べられる側か」で分けてみてください。テントウムシ、クモ、カマキリ、ヒラタアブ。思っているより味方が多いことに気づきます😊
リレー栽培 ー 1うねで年3作する
ここからは、具体的な組み立て方です。
計画を「配置」だと思うと難しくなりますが、「順番」だと思うとぐっと簡単になります。
例1:3月スタートのうね
- 3月 じゃがいも … 6月終わりに収穫
- 7月 モロヘイヤ … 8月末〜9月まで
- 9月 ミニ大根 … 年内に収穫
1年で3回穫れます。
ここにコツがひとつあります。★大根は移植ができません。だから苗を先に作っておくという手が使えない。
そこで、モロヘイヤのほうを少し早めに切り上げます。前の野菜を早く終わらせることで、大根の時間を作るわけですね。
例2:5月スタートのうね
- 5月 トマト+バジル … 夏まで
- 9月 白菜・ブロッコリー+春菊・フェンネル
こちらは、コンパニオンプランツ(一緒に植えると育ちがよくなる組み合わせ)を挟んだ形です。
面白いのはここからで、白菜を収穫したあとに春菊が穫れて、そのあとフェンネルが大きくなる。1うねで3段階、時間差で穫れます。
苗を先に作れば、1か月稼げます
リレーをつなぐ最大のコツが、これです。
例で説明しますね。
- 大根の収穫が4月下旬
- 土づくりをして、畑が使えるのが5月中旬
ここでタネをまくと、5月中旬がスタートになります。でも、4月中旬にセルトレイでタネをまいておけば、5月中旬に「苗」を植えられる。まるまる1か月得します。
★育苗は、畑ではなく自宅でやってください。
畑だと毎日は見に行けません。自宅なら、水が切れた、弱ってきた、というサインにすぐ気づけます。この差は大きいです。
配置は「背の高さ」で決める
これ、意外と見落とされているのですが、効果はすぐ出ます。
★背の高い野菜を南側に植えると、その北側が日陰になります。
だから、こうしてください。
- 小さい野菜を、南(手前)に
- 大きい野菜を、北(奥)に
トマトやとうもろこしを手前に植えてしまうと、奥の葉物が日照不足になります。同じ面積、同じ手間なのに、穫れる量が減る。もったいないですよね。
畑に立ったら、まず太陽がどちらから来るかを確かめる。それだけで配置の半分は決まります。
1うねに、何品目も入れる
支柱を土に押しつけて、15cm間隔で線を引きます。120cmのうねなら、7本の筋が引けます。
この筋にそれぞれ違う野菜をまいていく。1本の筋を半分ずつ2種類にしてもいいです。
ここでひとつだけ注意を。★アブラナ科ばかりを並べないでください。
小松菜・水菜・かぶ・チンゲンサイ。全部アブラナ科です。並べると虫が集中します。
間に、キク科(春菊・サニーレタス)やセリ科(にんじん・パクチー)を挟んでください。これらは虫が寄りにくいので、間仕切りの役目をしてくれます。
今年を振り返って、来年を決める
最後は、いちばん大事な作業です。とはいえ、紙1枚で終わります。
書くのは4つだけ。
①どこに何を植えたか
うねの地図を描きます。うまく描けなくて大丈夫です。
いちばんラクなのは、★収穫が終わる前に、畑をスマホで撮っておくこと。写真が1枚あれば、あとから思い出せます。
②うまくいったもの、ダメだったもの
○と×をつけるだけです。
③ダメだった理由を1行
ここが肝心です。原因を、5つのどれかに振り分けてください。
- 虫にやられた
- 水(多すぎ/少なすぎ)
- 肥料(多すぎ/少なすぎ)
- 時期がずれた
- 場所が合わなかった
理由まで書いておくと、来年の判断が変わります。「白菜が巻かなかった」だけだと来年も同じことをしますが、「肥料が多すぎた」と書いてあれば、来年は控えられます。
④来年やめること、増やすこと
★「やめること」を先に決めてください。
これがコツです。家庭菜園はスペースが限られているので、何かを増やすには何かをやめるしかありません。
「やめる」は後ろ向きに聞こえますが、そうではないんですよね。手が回らないものを抱えていると、全部が中途半端になります。3つに絞れば、3つとも上手にできる。
私は去年、ずっと作っていたけれど家族が誰も食べない野菜を、やめました。空いた場所に好きなものを植えたら、畑に行くのが楽しくなりました。そういう決め方でいいと思っています。
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
来年の計画は、難しく考えなくて大丈夫です。ポイントを整理しておきますね。
- ★連作障害は家庭菜園ではそこまで気にしなくていい。守れないルールに縛られて、作れる野菜を減らさない
- 先にやるべきは4つ。日当たり・水はけ・風通し/微生物の住む土/多品種を少しずつ/雑草をコントロール
- ★連作すると病原菌は増えるが、それを抑える菌と天敵はもっと増える(発病衰退現象)。畑の虫は害虫17%・天敵26%
- 計画は「配置」でなく「順番」。1うねで年3作。★苗を先に作れば1か月稼げる(育苗は自宅で)
- ★背の高い野菜は北(奥)、小さい野菜は南(手前)。アブラナ科の間にキク科・セリ科を挟む
- 振り返りは紙1枚。どこに何を/○×/理由を1行/★やめることを先に決める
全部やろうとしなくて大丈夫です。まずは今日、畑をスマホで1枚撮っておいてください。それが来年の計画の材料になります。それだけで十分、いいスタートです🗺️
次回は、冬に甘くなる野菜の代表「ネギ」。白いところは、土をかけて作るという話をします🧅
プラグトレー 128穴(育苗用)
記事で「苗を先に作れば1か月稼げる」と書いたのがこれです。128穴もあると多いので、4分の1に切って32穴にすると家庭菜園にちょうどいいサイズになります。1枚210円なので、切って使い捨ててもいいくらいです。
えん麦のタネ(緑肥用)
空いたうねにまいておくと、冬の間も土の微生物が生きていられます。春に花が咲いたら刈ってすき込むだけ。連作より先にやるべき4つのうち「微生物が住む土をつくる」に、いちばん手軽に効きます。
備中鍬(三本爪)
リレー栽培で前の野菜を片づけて次を植えるとき、これがあると作業がまるで違います。1050mmの柄付きで、腰を伸ばしたまま使える長さ。長く使う道具なので、いいものを1本持っておくと結局は安くつきます。


