【保存版】大根を育てて学ぶ🔵 又割れの本当の原因と、間引きで全部決まる話
🗨️「大根、いつも二股に割れちゃう…」
🗨️「石があるから割れるって聞いたけど、うちの畑は石ないのに」
🗨️「太くならない。ひょろっと細いまま終わる」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持ってて、有機・無農薬で野菜を育ててます。
今日は大根です。冬の家庭菜園といったら、やっぱりこれ。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきますね。
又割れの原因は、石じゃありません。肥料です。
「え?」って思いました? 私も最初そうでした。石を丁寧に取り除いたのに、その年もきれいに二股でしたから😇
理由が分かると対策はめちゃくちゃ簡単です。肥料を入れない。それだけ。
この記事では、その理屈と、あとひとつ——間引きのやり方をお話しします。この2つで、大根はだいたい決まります。
※以下の時期は中間地(関東〜関西の平野部)が目安。寒い地域は少し遅らせ、暖かい地域は早めに。種の袋にまく時期が書いてあるので、そこもチェック✨️
📖 この記事の目次
栽培データ
- 科:アブラナ科(仲間=白菜・キャベツ・ブロッコリー・かぶ・小松菜。同じ場所は2年あける)
- タネまき:秋まき 8月下旬〜9月中旬/春まき 3〜4月(トンネル)
- 植え付け:なし=畑に直まき。大根は移植すると根が傷んで又割れ・変形します
いつまく? 品種は「栽培日数」で選ぶ
秋まきは8月下旬〜9月中旬。9月15〜20日までにまき終えるのが目安です。
ここで大事なのが、太く長くなる品種ほど、早くまかないといけないということ。育つのに時間がかかるからです。9月に入ってから「大きいの作ろう!」と長期型をまくと、寒くなって成長が止まり、中途半端なサイズで終わります。
迷ったらこの3つ
- 耐病総太り…定番の青首大根。まず失敗しません。困ったらこれ
- 冬自慢…太く長くなる青首。9月中旬までにまく
- 三太郎…栽培期間2か月前後と短い中型。出遅れた人はこっち。す入り(中がスカスカになること)が遅くて味もしっかり
時間があるなら、変わり種も楽しい
- 聖護院大根…長くならないけど丸く太る。す入りが遅く寒さに強い。煮物・漬物が最高。9月中旬まで
- 京むらさき…外も中も紫。2か月かからず穫れます。漬物や大根おろしにすると見た目が楽しい
- 天安紅心…中国の赤大根。小型で早いけど、暑さに弱いので早まきはNG
- あめっこ…首が紫。育てる期間で10〜30cmと大きさが変わります
私はいつも耐病総太りをメインに、余った場所で紫のやつを遊びで作ってます。子どもが切ったとき「うわ紫!」って驚くので、それだけで元は取れてる気がします☺️
又割れの本当の原因は「肥料」です
ここが今日の本題です。
大根が二股・三股に割れる。あれ、石にぶつかったからだと思われてますよね。もちろん石でも割れます。でも、石を取り除いても割れる畑は多いんです。
なぜ肥料で割れるのか
大根の根は、肥料に向かって伸びていきます。
土の中に肥料の塊があると、根はそっちに引っぱられます。塊が2か所にあれば、根は2方向へ。それが又割れの正体です。
逆に言うと、何もなければ根は素直に真下に伸びます。重力に従うだけですから。
だから、元肥はほぼ入れない
これが対策です。拍子抜けするくらい簡単。
有機で長くやっている人の中には、元肥をまったく入れず、よく耕してそのままタネをまくという人もいます。それで太くてまっすぐな大根が穫れています。
どうしても入れたい場合は、塊を残さず、まんべんなくすき込む。「ここに一握り」みたいな入れ方が、いちばんまずいです。
私は夏野菜の跡地を使うようにしています。残った肥料でちょうどいいんですよね。ゼロから肥料を入れるより、よっぽどまっすぐ育ちます。作付けプランの記事で書いた「後作」の考え方が、ここでも効いてきます。
もうひとつの原因:太すぎる株
意外なんですが、間引きのときに「いちばん立派な株」を残すと、それが又割れすることがあります。育ちすぎている株は、割れる確率が高いんです。
なので、飛び抜けて太いのと、貧弱すぎるのを外して、中くらいでバランスのいい株を残す。これが正解です。
間引きで、全部決まります
もうひとつの山場がここ。というか、大根は間引きで9割決まると思っています。
種のまき方
- 穴の深さ=人差し指の第2関節より、ちょっと深いくらい
- 穴の直径は7cmほど(ポットがすっぽり入るくらい)
- 1か所に5粒(3粒でもOK)
- 覆土して、軽く押さえる
大根は光を嫌うタネ(嫌光性種子)なので、浅すぎると発芽が揃いません。
まいたら不織布をかけて湿りをキープ。まだ暑い時期なら遮光ネットをかけてください。
そして——発芽しなかった穴は、すぐまき直す。近年は高温で発芽が揃わないのが普通です。「まき直す前提」でいきましょう。
1回目の間引き(5本 → 3本):必ずハサミで
ここ、赤線を引いてほしいところです。
手で引き抜かないでください。ハサミで切ってください。
理由はシンプルで、手で抜くと土がゴソゴソ動くから。そのわずかな動きで、残す大根の根が押されて、「く」の字や「へ」の字に曲がります。そこから又割れにもなります。
切った株の残った根は、そのうち分解して消えてなくなるので、気にしなくて大丈夫です。
私、1年目は知らずに全部手で抜いてました。その年の大根、見事に全部くねくねでした。ぜんぶ味は同じなんですけど、洗うときにちょっと悲しい😇
2回目の間引き(3本 → 1本):土を押さえて抜く
ここまで育てば、手で抜いてもいけます。ただし条件付き。
土をしっかり押さえてから引き抜く。これが鉄則です。
抜いたあとは、土を軽く押さえて圧着しておきます。押さえすぎて根を曲げないよう、そっと。
残す株と絡んでいたり、くっついていたりする場合は、無理せずハサミで。
間引きのタイミングで追肥
このとき、1平方メートルあたり50g程度の追肥をします。ぼかし肥ならひとつまみ。そのあと軽く土寄せ。
間引き菜は捨てないでください。そのまま食べられます。おひたしでも味噌汁でも。これが地味においしいんですよね。
「でかい大根」を目指さなくていい話
ここ、けっこう気がラクになる話だと思います。
株間20cmでも大丈夫
大根の株間は30cmが一般的です。でも、20cmでもちゃんといい大根が穫れます。
太さは20cm強〜30cm弱と、少し小ぶりになります。でもこれ、冷蔵庫の袋に入れやすいんですよ。太すぎると袋に入らなくて、切ってラップして…って面倒になる。
しかも株間が狭いぶん株数が増えるので、トータルの収穫量はむしろ増えます。
「立派なやつを作らなきゃ」という気持ち、いったん置いてみてください。必ずしもでかいのを作る必要はないんです。
1か所2本どりという裏ワザ
もうひとつ、家庭菜園ならではのやり方を。
株間30cmで1か所3粒まき → 1本立ちにせず、2本残す。
こうすると、大きさに差が出てきます。そこで大きい方から先に収穫して、小さい方はそのまま置いておく。すると、残った方がぐんぐん太ります。
一度に全部穫れても食べきれないので、時間差で穫れるのはむしろありがたい。
コツが2つあります。
- 2本立てにするなら、種を1か所にまとめず、少し離してまく
- 片方を収穫したら、必ず土寄せして穴を塞ぐ。そのままだと残った大根が露出してしまいます
売り物には向かないやり方ですが、家庭菜園なら何の問題もありません。
うねとマルチは、サボらないでください
正直に言うと、私は一度「マルチなし・平うね」で作ったことがあります。自然に近い方がいいかな、と思って。
結果、まともに育ちませんでした。同じ日にまいた、高うね+マルチの区画とは別の野菜かと思うくらい差が出ました。
- 高うねにする(大根が下に伸びるスペースを作る)
- マルチを張る(地温の安定・雑草・泥はね防止)
この2つは効きます。大根は土づくりとうね立てから、です。
無農薬の虫対策:この2匹を覚えてください
大根はキャベツや白菜ほど虫にやられません。それでも、無農薬できれいに作るならネットは張ったほうがいいです。
防虫ネットのトンネルは、タネをまいたらすぐにかける。これが基本。大きくなって霜が降りる頃には外してOKです。
シンクイムシ
いちばん被害が大きいのがこれ。ハイマダラノメイガという蛾の幼虫です。
居場所が独特で、成長点——これから新しい葉が出てくる、株のど真ん中に潜ります。
サインは、中心の葉がしおれて、くるっと包まれたようになっていること。そっと開くと、中にいます。ここをやられると成長が止まるので、見つけたら即。
カブラハバチ
葉の裏にいる黒っぽい幼虫。こいつには逃げ方のクセがあります。
触ろうとすると、ポロッと下に落ちて逃げます。
なので葉っぱだけ見て「いなくなった」と思わないでください。株元の地面も確認。だいたいそこで丸まってます。
虫対策そのものは無農薬の虫対策大全にまとめてあります。
見回りの頻度
無農薬なら、1〜2週間に1回では足りません。早め早めに、見つけ次第です。とはいえ大根はまだラクなほう。白菜に比べたら全然です。
学ぶ:大根の白いところは、根じゃない?🔬
理科の時間です。ここ、お子さんに聞いてみると盛り上がります。
「大根の白いところって、根っこ?」
答えは——上のほうは茎で、下のほうが根なんです。
見分け方、めちゃくちゃ簡単です。ヒゲ根(細い根)が出ている穴を見てください。
- 穴が縦にまっすぐ並んでいる部分=根
- 穴がない、つるっとした部分=茎(正確には胚軸といいます)
そして上(茎)のほうが甘く、下(根)のほうが辛い。
なぜかというと、辛み成分は虫や動物に食べられないための防御だからです。地面の中で無防備な根っこほど、守りを固めているわけですね。かしこい。
だから料理も使い分けられます。
- 上のほう(甘い)…サラダ・大根おろし(甘いおろし)
- 真ん中…煮物・おでん(味が染みる)
- 下のほう(辛い)…味噌汁・漬物・薬味用のおろし
収穫したとき、上と下を薄く切って食べ比べてみてください。ほんとうに味が違います。「同じ大根やのに!」ってなりますよ。これ、立派な観察実験です☺️
ついでにもうひとつ。青首大根の首が緑なのは、そこが土から出て日光に当たって光合成しているから。じゃがいもが日に当たると緑になるのと同じ理屈です。
収穫と、そのあと
採り遅れると損します
大根は置きすぎると、
- す(す入り)が入る…中がスカスカになる
- 表面がしわしわになる
- 暖かい時期だととう立ちする(花が咲いて食べられなくなる)
「もう少し大きく」と欲張ると、これにやられます。首の太さが目安のサイズになったら穫る。これに尽きます。
一度に穫れすぎたら:土中保存
家庭菜園あるあるで、同じ日に全部食べごろになります。冷蔵庫にも限界がある。
そこで、畑にそのまま埋めて保存します。これが新鮮なまま長持ちするんです。
やり方は3ステップ。
- ①葉を、付け根からスパッと切り落とす…スーパーの切り方じゃ甘いです。葉が伸びる隙を与えないくらい、根元から一刀両断。こうすると成長するエネルギーが大根の中に閉じ込められます
- ②切り口を保護する…そのまま埋めると、切り口から雑菌が入ります
- ③畑に埋める
切り口の保護に草木灰を使う人もいますが、アルカリが強すぎるので私は最近使っていません。じゃがいもに使うと、そうか病の原因にもなりますし。
私が使っているのは、じゃがいもの種いもを切ったときに使うケイ酸(シリカ)の粉です。商品名でいうと「じゃがいもシリカ」。春の種いもコーナーに並んでいるやつですね。切り口に薄くまぶすだけです。
干し大根・割り干し大根
もうひとつ、干すという手があります。
縦に割って1週間ほど干すだけ。これで甘みがぐっと出て、漬物に最高の割り干し大根になります。ベランダでもできますよ。
面白いのが、スーパーで買った大根でも同じことができること。「畑がないから…」という方も、これは今日からできます。
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
大根って、コツを外すと全部くねくねになるし、当たると惚れ惚れするくらいまっすぐ育ちます。その分かれ目は、じつは2つだけです。
- 又割れの原因は石じゃなく肥料。大根は肥料に向かって伸びるので、元肥はほぼ入れない
- 1回目の間引きは必ずハサミ。手で抜くと土が動いて、残す大根が曲がる
- 品種は栽培日数で選ぶ。太く長い品種ほど早まき(9月中旬まで)
- 株間20cmでOK・1か所2本どりもアリ。でかいのを作らなくていい
- 高うね+マルチはサボらない。シンクイムシは成長点、カブラハバチは触ると下に落ちる
- 穫りすぎたら葉を根元から落として土中保存、または干して割り干し大根に
まずは、肥料を入れずにまいてみてください。それだけで、今年の大根はまっすぐになります🔵
次回は、同じアブラナ科の大物「白菜を無農薬で結球させる」。虫との戦いと、「葉が巻くしくみ」をお話しします🥬
じゃがいもシリカ(ケイ酸の粉)
記事で「土に埋めて保存するとき、切り口につける粉」と書いたのがこれです。じゃがいもの名前がついていますが中身は天然のケイ酸で、切り口を守って腐敗を防いでくれます。1袋で種芋100〜150個分あるので、大根の土中保存には何年ぶんもあります。
防虫ネット
大根はまいた直後から狙われます。シンクイムシもカブラハバチも、ネットさえかけておけば入ってきません。無農薬でやるなら、いちばん最初に用意するものだと思っています。
穴あき黒マルチ
高うねにして、これを張っておくと草が生えず、地温も保てます。大根は間引きのたびに株元を触るので、マルチがあると作業がずいぶんラクです。


