【保存版】白菜が巻かない本当の理由🥬 外葉20枚と、やってはいけない親切
🗨️「白菜、いつまで経っても丸くならない…」
🗨️「葉っぱは立派なのに、真ん中が開いたまま」
🗨️「虫に食べられて、気づいたら穴だらけ」
どうも、8150(えいこう)です🌱 家庭菜園歴8年、理科の教員免許を持っていて、有機・無農薬で野菜を育てています。
今日は白菜です。秋冬野菜の大物であり、いちばん「失敗した」と聞く野菜でもあります。
先に、この記事でいちばん言いたいことを言っておきますね。
白菜が巻かないのは、寒くなったからじゃありません。
原因は5つあって、そのほとんどが植えた時点でもう決まっています。逆に言えば、最初の1か月を外さなければ、白菜はちゃんと巻いてくれます。
そしてもうひとつ。よかれと思ってやる「ある親切」が、結球(葉が丸く巻くこと)を止めてしまいます。これが本当に多いので、今日はそこを重点的にお話しします。
※以下の時期は中間地(関東〜関西の平野部)が目安。寒い地域は少し遅らせ、暖かい地域は早めに。種の袋にまく時期が書いてあるので、そこもチェック✨️
📖 この記事の目次
栽培データ
- 科:アブラナ科(仲間=大根・キャベツ・ブロッコリー・かぶ・小松菜。同じ場所は2年あける)
- タネまき:8月20〜26日ごろ(セルトレイで育苗)
- 植え付け:9月上旬〜中旬(苗を買う場合もこの時期)
- 株間:45cm
まず「巻くしくみ」を知ると、全部つながります
白菜は、最初から丸い形で育つわけではありません。
はじめは外側の葉(外葉)が横に広がっていきます。そして外葉がある枚数までそろうと、そこで初めて内側の葉が立ち上がって、内へ内へと巻き始めます。
その枚数が、だいたい20枚です。
ここがこの記事のいちばん大事なところなので、もう一度言いますね。
外葉が20枚そろうまで、白菜は絶対に巻きません。
そしてもうひとつ数字があります。結球が進む適温は15℃くらい。これを下回ると、巻く動きそのものが止まります。
この2つを並べると、白菜づくりの正体が見えてきます。
気温が15℃を切るまでに、外葉を20枚そろえるレース
これだけなんです。「9月中旬までに植えてください」と言われる理由も、ここから逆算されています。植えるのが1週間遅れれば、外葉を作る時間が1週間まるごと減る。20枚に届かないまま15℃を切ったら、そこで試合終了です。
結球しない原因は、この5つです
順番に見ていきましょう。どれも、気づけば防げるものばかりです。
①植え付けが遅れた
いちばん多い原因です。前の項目のとおり、外葉20枚を作る時間が足りなくなります。
苗を植えるなら9月上旬〜中旬まで。タネからなら8月20〜26日ごろにまいて、育苗してから植えます。くわしいまき時は9月にまく・植える野菜にまとめました。
もし今、時期を過ぎてしまっている方。大丈夫です。この記事の最後に「巻かなかったときの回収方法」を3つ書いてあるので、そちらへ進んでください。捨てなくていいですよ☺️
②肥料が多すぎる(少なすぎる)
これ、意外に思われるかもしれません。足りないよりも、多すぎるほうがよく起きます。
肥料が多いと、外葉ばかりが元気になって、内側が巻く方へ力が向かいません。ひどいときは、まったく結球しないまま外葉だけ立派になります。
しかも肥料が多い株は病気にもなりやすく、虫にも狙われやすくなります。人間と同じで、栄養過多で体調を崩す感じですね。
見分け方があります。
- 葉の色が、モスグリーンのように濃すぎる
- 葉が波打っている(平らじゃなく、うねっている)
- 外葉が異常に大きい
このどれかが出ていたら、肥料が効きすぎています。
③害虫にやられた
葉がボロボロになると、光合成ができません。すると株が「まだ巻く体力がない」と判断して、結球のスイッチが入らなくなります。
なので防虫ネットは、あったほうがいいではなく必須だと思ってください。植えた直後からかけます。
とくに気をつけてほしいのが、株の真ん中です。
シンクイムシという虫が、これから新しい葉が出てくる成長点に潜り込みます。ここをやられると、そもそも新しい葉が出てこないので、もう巻きようがありません。
正直に言うと、芯を食われた株は、植え直したほうが早いです。もったいないですが、待っても結球しません。私も去年、芯をやられた4株を「もしかしたら」と粘って残しました。結果、11月末に開いたままの4株を見ることになりました😇
④★外葉を取ってしまった
ここが今日いちばん伝えたいところです。
白菜を育てていると、外側の葉がマルチの上にペタッと寝そべって、どんどん横に広がってきます。これが結構じゃまに見えるんですよね。「風通しも悪そうだし、取っておこうかな」と。
その親切が、結球を止めます。
さっきの話を思い出してください。白菜は外葉が20枚そろって初めて巻き始めます。つまり外葉は、じゃまな葉ではなく結球のためのカウンターなんです。
しかも外葉は光合成の主力です。取るということは、工場を減らしながら「早く製品を作れ」と言っているのと同じ。
なので、横に広がった葉はそのままにしておいてください。見た目が悪くても、それでいいんです。
ただし例外があります。枯れて黄色くなった葉は、取ってしまって大丈夫です。もう光合成をしていないので、残すと病気のもとになります。
⑤密植した
株間が狭いと、外葉が広がるスペースがありません。20枚そろう前に、隣とぶつかって止まってしまいます。
白菜は株間45cm。けっこう広いと感じると思いますが、これは外葉が広がる面積を確保するための数字です。
ちなみにブロッコリーも45cm、キャベツは30cmで大丈夫です。同じアブラナ科でも、外葉の広がり方で必要な間隔が変わります。
結球が甘いとき、追肥してはいけません
11月ごろ、こんな気持ちになります。
「うちの白菜、なんか巻きが甘いな…肥料が足りないのかな」
ここで追肥するのが、いちばんやってはいけないことです。
理由はさっきの②のとおり。結球が甘い原因が肥料過多だった場合、追肥は火に油です。外葉にますます栄養が行って、内側は永遠に巻きません。
じゃあどうするか。答えは「様子を見る」です。
肥料を足さずに待っていると、時期は少し遅れますが、そのまま結球し始めることがよくあります。株が自分のペースで20枚をそろえているところなんですね。
判断に迷ったら、さっきの3つのサインを見てください。葉の色が濃い・波打っている・外葉が大きい。これが出ていたら肥料は足りています。むしろ多いです。
防虫ネットは、いつ外す?
よく聞かれるので、ここも書いておきます。
答えは、霜が降りる頃まで残す。目安は11月10日ごろです。
そしてもうひとつ、有機で長くやっている方から教わって、私も真似しているやり方があります。
完全に外さず、「ゆるめる」んです。
- 裾を押さえていた土は外す
- トンネル自体はゆるく残す
こうすると、虫はある程度防げたまま、風通しがよくなります。秋の後半は虫より病気のほうが怖いので、このバランスがちょうどいいんですよね。
そして結球してきて、毎日のように霜が降りるようになったら、そこで外してOKです。
巻かなかったときの、回収方法3つ
さて、ここからは「もう間に合わなかった」方へ。
安心してください。白菜は、巻かなくても最後までおいしく食べられます。私は毎年、何株かはこっちのコースになります。
①温めて、巻かせる
結球の適温は15℃でしたね。だったら、温めてあげればいいわけです。
ビニールや不織布で防寒トンネルをかけて、中の温度を確保します。これで巻き始めることがあります。
ひとつだけ、絶対に守ってほしいことがあります。
トンネルをかける前に、必ず虫がいないか確認してください。
温かい環境は、虫にとっても天国です。虫を閉じ込めたままトンネルをかけると、ぬくぬく育って一気に食べられます。
探す場所は、葉の下と、株元の枯れ葉の下。そして糞が目印です。糞を見つけたら、その近くに必ずいます。
②春まで待って「菜花」を穫る(私のおすすめ)
これ、知ったとき「その手があったか」と思いました。
巻かないまま春を迎えると、白菜はとう立ち(花を咲かせようとして茎が伸びること)して、つぼみをつけます。これが菜花です。
そして白菜の菜花、めちゃくちゃ甘いんですよ。アブラナ科はどれも菜花が穫れますが、私が食べ比べた中では白菜が一番だと思っています。
なので「この株はもう巻かないな」と思ったら、早めに菜花コースに切り替えてしまう。そう決めた瞬間から、その株は失敗作ではなくなります。
③葉物野菜として、そのまま収穫
春まで待てない方へ。巻かないまま収穫して、普通の葉物として食べてしまう手もあります。
白い茎の甘さは味わえませんが、緑の葉として十分おいしいです。
そもそもターサイやべか菜、チンゲン菜は白菜の親戚です。あれと同じように使えばいいだけ。炒め物にすると、ぜんぜんアリです。
うまく巻いた人へ:畑で「保存」する裏ワザ
順調に巻いた方にも、とっておきの話を。
白菜は、急いで収穫しないでください。1月〜2月中旬まで畑に置いておくと、驚くほど甘くなります。
ただし、白菜にはひとつクセがあります。
寒さに当たると、巻いた葉がだんだん開いてくるんです。
キャベツは一度巻いたら開きません。でも白菜の結球はゆるいので、開いてしまう。開くと中に霜が入って傷みます。
そこでどうするか。
外葉をヒモで縛って、開かないようにします。
物理的に閉じてしまうわけですね。これで2月の初めごろまで、畑に置いたまま保存できます。必要なぶんだけ順番に収穫していけばOKです。
コツをひとつ。全部きっちり縛ってもいいのですが、外葉を少し残して縛ると、中に養分がたまってもう少し大きくなります。私はこの「ちょっとゆるめ」派です。
1月になると外側の葉は枯れてきますが、心配いりません。縛ってあれば中は無事です。むしろ外葉が布団になってくれます。
学ぶ:なぜ寒いと甘くなるのか🔬
理科の時間です。
白菜もほうれん草も大根も、冬になると甘くなります。あれ、気のせいではなくて、ちゃんと理由があります。
野菜にとって、凍ることは死を意味します。細胞の中の水が凍ると、氷の結晶が細胞を内側から壊してしまうからです。
そこで野菜は、寒さを感じると、こんなことをします。
光合成で作ったデンプンを、糖に変えて細胞の中にためる
これがポイントです。真水は0℃で凍りますが、砂糖水は0℃では凍りません。塩水が凍りにくいのと同じで、何かが溶けている水は凍る温度が下がるんですね。
つまり野菜は、自分の体を「凍りにくい砂糖水」に作り変えて冬をしのいでいるわけです。
そしてその砂糖水を、食べたときに「甘い」と感じているわけです。冬野菜が甘いのは、野菜が必死に生き延びようとした結果なんですよね。ちょっと申し訳ない気もします。
お子さんと一緒なら、こんな実験ができます。同じ日に収穫した白菜を1株だけ残しておいて、寒い日が続いたあとにもう1株収穫する。芯のところを生でかじり比べてみてください。
同じ株の、同じ場所です。それでもはっきり味が違います。「寒さで甘くなる」を舌で確かめられるので、これは面白いですよ☺️
まとめ
ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
白菜は難しい野菜だと思われがちですが、押さえるところは意外と少ないです。
- 白菜は外葉が20枚そろって初めて巻く。適温は15℃。だから9月中旬までに植える
- 結球しない5つの原因は、遅れ・肥料・虫・外葉を取る・密植。ほとんど植えた時点で決まる
- ★横に広がった外葉は絶対に取らない。取っていいのは枯れた葉だけ
- 結球が甘いときに追肥しない。葉が濃い・波打つ・外葉が大きいは肥料過多のサイン
- 巻かなくても、温める・菜花を穫る・葉物として食べる、の3つで回収できる
- うまく巻いたら外葉をヒモで縛って、1〜2月まで畑で保存。寒さに当たるほど甘くなる
もし今年うまくいかなくても、ぜんぜん大丈夫です。私も毎年、何株かは菜花コースに行きます。そしてその菜花が、これまた美味しいんですよ🥬
次回は、秋の葉物ベスト。小松菜や水菜を「抜かずに摘んで」、1株から3回穫る育て方をお話しします🥬
防虫ネット
白菜は「あったほうがいい」ではなく必須です。植えた直後からかけて、霜が降りる11月10日ごろまで残します。
不織布
結球が間に合わなそうなときの防寒トンネル用に。かける前に必ず虫がいないか確認してください。
麻ひも
外葉を縛って、畑に置いたまま2月まで保存するときに使います。土に還るので麻ひもが便利です。


