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アスパラガスの育て方|根株の選び方、植えつけ、収穫の止めどき、秋の刈り込みと冬の肥料

アスパラガスの育て方|根株の選び方、植えつけ、収穫の止めどき、秋の刈り込みと冬の肥料

この記事で分かること

アスパラガスは、春にとれたてを食べると、甘みと香りの強さにおどろく野菜です。しかも一度植えれば、毎年同じ場所から芽が出てきます。家庭菜園に1株あると、春の楽しみが毎年ひとつ増えます。

その一方で、「植えたのに何年たっても細い芽しか出ない」「2年目に穫りすぎたら、翌年から出なくなった」「冬に枯れたので、ダメになったと思って抜いてしまった」という声もよく聞きます。アスパラガスは、ほかの野菜とは育ち方のしくみが少し違います。この記事では、そのしくみから、苗選び、植えつけ、収穫、秋冬の手入れまで、順番に書いていきます。

いま(秋)の時期は、春の植えつけの準備と、今ある株の刈り込み・冬の肥料の時期でもあります。季節ごとにやることを、はっきり分けて整理しておきます。

早見:アスパラガスの基本

時期の目安(一般的な地域)

月ごとにやること(一般的な地域)

数字の目安

1年の流れ

アスパラガスという野菜

食べているのは「若い芽」

スーパーで売っているアスパラガスは、地下の株から春に伸びてくる、若い芽です。たけのこを掘って食べるのと似ています。芽をそのまま伸ばしておくと、細い葉がふわふわと茂った、背の高い草になります。

アスパラガスは、昔はゆりの仲間とされていましたが、今は「キジカクシ」という仲間に分けられています。ヨーロッパの南のほうからロシアの南にかけてが、もともとの生まれです。暑すぎない、やや涼しい気候を好みます。

一年草ではなく、多年草

トマトやきゅうりは、タネをまいてから1年以内に一生を終える「一年草」です。アスパラガスは、地上の茎と葉が冬に枯れても、地下の株は生きていて、春になるとまた芽を出す「多年草」です。

この「地下に株が残る」ことが、アスパラガスを育てるうえで、すべての基本になります。

つまり、アスパラガスの収穫量は、「前の年に、どれだけ茎と葉を育てられたか」で決まります。これが分かっていると、なぜ全部穫ってはいけないのか、なぜ秋に枯れるまで待つのか、が自然に分かります。

10年使う場所になる

一度植えたアスパラガスは、長いと10年ほど同じ場所で収穫できます。そのかわり、その場所は10年ほど、ほかの野菜には使えません。毎年植え替えていると、せっかく大きくなった根を切ることになり、育ちがふりだしに戻ってしまいます。

だから、植える前に、次のことを考えておきます。

貸し農園などで、2〜3年で区画を返す予定がある場合は、小さな苗から育てると、本格的に穫れる前に返すことになりかねません。その場合は大株を選ぶか、プランターで育てることも考えてください。

日当たりと寒さ

日当たりがよいほど茎と葉がよく育ちますが、一日じゅう日が当たる場所でなくても育ちます。少なくとも1日に3時間ほど日が当たれば育つ、という話もあります。

寒さには強く、冬に地上が枯れたあとの株は、一般的な地域の冬の寒さで傷むことはほとんどありません。冬の朝に氷点下まで冷えこむ地域でも、春になればまた芽を出します。

何株植えればいいか

株が大きく育つと、1株から春に十数本から30本ほどの芽が穫れる、と言われます。ただし、それは株が育ってからの話で、最初の年は数本です。

家族で春に何度か食べられればよい、というくらいなら、まずは2〜3株から始めると、場所もとりすぎず、手入れも続けやすいでしょう。株間を50cmほどとるので、3株なら、うねの長さは1.5mほどあれば足ります。

苗の選び方

大株、ポット苗、タネ

アスパラガスを始める方法は、大きく3つあります。

大株は、サイズ(M、L、2Lなど)で売られていることが多く、大きいものほど値段が高く、早く太い芽が出ます。Mサイズくらいの小さめの株は、植えた年に出てくる芽が細いので、その年は穫らずに株を育てるほうが、翌年以降の収穫が増えます。

大株を選ぶときに見るところ

初めてなら、大株がおすすめ

初めて育てるなら、多少高くても大株がおすすめです。植えた年から少し穫れると、育てる楽しさが続きますし、何年も細い芽しか見られないまま、ということになりにくいからです。

土づくり

深く、ふかふかに

アスパラガスの根は、深く、広く伸びます。そして、10年ほど同じ土で育ちます。植えたあとは、株のまわりを深く耕すことができません。だから、植える前の土づくりが、ほかの野菜よりずっと大切です。

肥料は、根にじかに触れないように

植え穴に肥料を入れる場合は、穴の底に肥料を入れて、その上に10〜20cmほど土をかぶせ、根がじかに肥料に触れないようにします。肥料が分解するときの熱やガスで、根がいたむのを防ぐためです。

本当は、植える1か月ほど前に土づくりをすませておくのが理想です。直前になる場合は、肥料を深めに入れ、根に触れないよう土を厚めにかぶせてください。

水はけが悪い畑では

水がたまりやすい畑では、うねを高めにして植えます。アスパラガスは乾燥にはある程度強いのですが、根が水につかりっぱなしになる状態には弱いからです。

植えつけ

植える時期

大株は冬から春に出回ることが多いので、春植えが一般的です。秋に植える場合は、寒さが本格的になる前に根を張らせるよう、早めに植えます。

植える前に、根を水につける

買ってきた大株の根が乾いているときは、植える前にバケツの水に根をつけて、しばらく水を吸わせます。半日ほどつけておく人もいます。

根を、円を描くように広げる

1.うね幅80cmほどのうねに、深さ10cmほどの溝か植え穴を掘ります。

2.植え穴に水をたっぷり注ぎ、しみこませます。

3.株を置き、根を四方へ、なるべく均等に広げます。真上から見たときに、根が円を描くように広がるのが理想です。

4.根が重ならないように整えたら、土を3〜5cmほどかぶせます。深く埋めすぎる必要はありません。

5.上から、もう一度水をやります。

6.株と株の間は、50cmほどあけます。

根を広く広げるのは、新しい芽が出てくる場所を広くするためです。根を束ねたまま植えると、芽が狭いところに集まって、育ちにくくなります。

植えたあと

植えたあと、寒い時期は、わらや落ち葉、刈った草などを株の上に敷いておくと、寒さと乾燥から守れます。透明なビニールでうねを覆う人もいます。3月の初めごろまでの、寒さよけと考えてください。

根づいたあとは、基本的に雨にまかせます。ただし、春から夏にかけて雨が降らず、土がからからに乾く日が続くときは、たっぷり水をやります。

苗と植えつけ

収穫

穫りどき

春、地面から芽が顔を出すと、暖かい日には1日で見違えるほど伸びます。芽が20〜25cmほどになったら、収穫します。

穫り遅れると、先の部分(穂先)が開いてきて、かたくなります。収穫が始まったら、暖かい時期はできれば毎日見回ってください。

細い芽は穫らない

鉛筆と同じくらいか、それより細い芽は、穫らずに残します。細い芽を残して茎と葉に育てると、その年の光合成で株に養分がたまり、翌年以降に太い芽が出るようになります。

何年も育てている株でも、細い芽が出てきたら、それは残しておきます。

何本で止めるか(いちばん大事なところ)

春に出てくる芽を、全部穫り続けてはいけません。全部穫ると、茎と葉が育たず、株に養分がたまらないので、翌年の芽が細く、少なくなります。ひどいと、株そのものが弱って、出なくなってしまいます。

収穫をいつまで続けるかは、株の年数で変わります。よく言われる目安は、次のとおりです。

止めたあとに出てくる芽は、すべて穫らずに伸ばし、茎と葉に育てます。1株に8〜10本ほどの茎が立つのが目安です。

小さなポット苗やタネから育てた株は、植えた年と、その次の年は穫らずに株を育て、3年目から収穫を始めるくらいのつもりでいると安心です。

夏から秋の芽

夏から秋にも、ぽつぽつと芽が出てきます。株が十分大きければ、太いものを少し穫ってもかまいません。ただ、まだ若い株は、秋の芽も穫らずに育てたほうが、翌年の収穫が増えます。

白いアスパラガスも作れる

白いアスパラガス(ホワイトアスパラガス)は、別の品種だと思われがちですが、同じアスパラガスです。芽に日光を当てずに育てると、緑にならず、白くなります。

芽が地面から出る前に、土を高く盛るか、光を通さない筒や袋をかぶせておき、その中で伸ばしてから穫ります。芽が少しでも光に当たると、先が色づいてきます。

夏の手入れ

茎を倒さない

収穫を止めて伸ばした茎は、1mを大きく超えて、細い葉がふさふさに茂ります。茎は細く、風で折れたり、倒れたりしやすいものです。

株のまわりに支柱を立て、ひもで囲って、茎が倒れないように支えます。背丈と同じくらいの支柱(150cmほど)を数本立て、ひもでぐるりと囲えば十分です。茎をぎゅっと束ねるのではなく、なるべく広げて、葉の1枚1枚に日が当たるようにします。

茎が倒れると、葉が重なって日が当たらなくなり、光合成が減ります。折れた茎は、そこから先の葉がはたらけなくなります。

秋から冬にかけては、茎が弱ってきて、強い風でさらに折れやすくなります。支柱のまわりを防虫ネットで囲っておくと、風よけと寒さよけを兼ねられます。茎と葉が枯れるぎりぎりまで元気でいられるよう、秋の風対策もしておきます。

肥料

アスパラガスは、肥料をよく使う野菜です。肥料の目安は、次の時期です。

株のまわりに円を描くようにまき、表面の土と軽く混ぜます。芽が出てくる時期に株元を深く掘ると、芽を傷つけるので、株から20cm以上離れたところに、浅く入れます。量は、使う肥料の袋に書かれた目安を参考にしてください。

草と水

春から夏は、株のまわりに草が生えやすくなります。草は小さいうちに抜きます。株元にわらや刈った草を敷いておくと、草も生えにくく、乾燥も防げます。

夏に雨が降らず、土が乾ききる日が続くときは、朝か夕方にたっぷり水をやります。ただし、水はけの悪い場所に水をやりすぎると根がいたむので、水たまりができるほどはやりません。

秋の手入れ:枯れるまで待つ

黄色くなっても、まだ働いている

秋が深まると、茎と葉がだんだん黄色くなってきます。「もう終わりかな」と思って、早めに刈ってしまう人がいますが、それはもったいないことです。

黄色っぽくなっても、葉に緑が残っているうちは、まだ光合成をして、地下の株に養分を送っています。秋に葉がはたらく期間が長いほど、翌年の芽が太く、多くなります。だから、茎と葉は、自然に枯れるぎりぎりまで、元気に育てておきます。

植えて1〜2年の株は先に枯れる

植えて1〜2年の若い株は、11月中旬ごろから茶色く枯れてくることが多く、何年も育てた大きな株は、12月に入っても青々としていることがあります。株の年数や地域で、枯れる時期はずいぶん違います。日付で決めず、株の色を見て決めてください。

冬の手入れ:刈り込みと冬の肥料

刈り込みの時期と高さ

茎と葉が、すっかり茶色く枯れたら、刈り込みます。一般的な地域では、11月下旬〜12月ごろです。

刈った茎と葉は、畑の外へ

刈り取った茎と葉は、うねの上や畑のすみに置いておかず、必ず畑の外に持ち出して片づけます。

アスパラガスには「茎枯病(くきがれびょう)」という病気があります。茎に病気の斑点ができ、ひどくなると茎が枯れてしまう病気で、病気の元は、枯れた茎の上で冬を越し、次の年の雨のしずくで広がると言われています。刈った茎を畑に残すと、それが翌年の病気の出発点になってしまいます。

刈り取った切り株を、バーナーで焼いて消毒する人もいます。まわりに燃えうつるものがない場所でだけ行ってください。

冬の肥料

刈り込みがすんだら、冬の肥料(寒肥)を入れます。

1.株から20cm以上離れたところに、円を描くように、浅い溝を掘るか、土の表面をほぐします。

2.鶏ふんや、ぼかし肥などをまき、堆肥や腐葉土もいっしょに入れます。

3.土と軽く混ぜます。深く掘りすぎて、根を傷つけないようにします。

4.肥料がなじむ程度に、軽く水をやります。やりすぎると根がいたむので、少しでかまいません。

冬に入れた肥料は、春に芽が伸びはじめるころに、ちょうど効いてきます。年内か、遅くとも1月ごろまでにすませておきます。

冬は、枯れていて正しい

冬のアスパラガスは、地上に何も見えなくなります。「枯れてしまった」と勘ちがいして、株を掘り上げたり、上に別の野菜を植えたりしないよう、支柱を1本立てるなどして、場所の目印をつけておきます。

地下では、株が休みながら春を待っています。春、気温が上がると、また芽が顔を出します。

植え替えや株分けは冬に

アスパラガスを別の場所に移したいとき、混みあった株を分けたいときは、茎と葉が枯れて休んでいる冬が向いています。株を掘り上げ、根をなるべく切らないようにして、新しい場所に植えつけと同じ要領で植えます。

秋冬の手入れ

病気と虫

茎枯病

アスパラガスで特に気をつけたい病気です。茎に、茶色っぽい、細長い斑点が出て、ひどくなると茎が枯れます。雨が多い時期(梅雨や秋の長雨)に広がりやすいと言われています。

虫

春の芽や、夏の茎と葉を食べる虫がつくことがあります。見つけたら手で取ります。夏に葉がふさふさに茂っている時期は、ときどき茎をゆすって、葉の間を見ておきます。

赤い実がなったら

アスパラガスには、雄の株と雌の株があります。雌の株は、夏から秋に小さな丸い実をつけ、秋には赤く色づきます。

実が落ちると、そこからタネが芽を出して、株のまわりに小さなアスパラガスが生えてきます。そのままにすると株が混みあうので、小さいうちに抜きます。

プランターで育てる

なるべく大きなプランター

アスパラガスは根を深く広く張るので、プランターで育てる場合は、なるべく大きく、深いものを使います。土が40リットル以上入るような、大型のプランターが目安です。野菜用の培養土を使えば、土づくりの手間は省けます。

植え方は、畑と同じです。根を広げて置き、土を3〜5cmほどかぶせます。

いちばんの失敗は、水切れ

プランターは、畑よりずっと乾きやすく、数日水やりを忘れただけで、株が枯れてしまうことがあります。特に、茎と葉が茂る春から夏は、土の表面が乾いたらたっぷり水をやります。

冬は茎と葉が枯れて水をあまり使わなくなりますが、土がからからに乾ききらないよう、ときどき様子を見て水をやります。

肥料も切らさない

プランターの土は量が限られているので、肥料も切れやすくなります。春の収穫を止めたころ、夏の終わり、冬の刈り込みのあと、と、畑と同じ時期に肥料を足します。

タネから育てる

時間はかかるが、安く始められる

タネから育てると、いちばん安く始められますが、太い芽が穫れるまで3年ほどかかります。

タネからの育て方の流れ

1.タネを一晩ほど水につけて、水を吸わせます。

2.小さな育苗ポットより、ひとまわり大きな鉢を使うと、1年近く育てる間の水やりや肥料の管理が楽になります。大きめの鉢に、5〜6粒ほどまきます。

3.土をかぶせて、たっぷり水をやります。寒いうちは、日当たりのよい暖かいところに置きます。

4.3〜4月になって暖かくなったら、外に出して育てます。

5.小さなポットで育てた苗は、5〜6月ごろに畑へ。大きな鉢でもう少し育てる場合は、10〜11月ごろに畑へ植えます。

畑は、植える1か月以上前に、堆肥と肥料を入れて準備しておきます。植えた年と翌年は、芽を穫らずに茎と葉を育てることに専念し、3年目から少しずつ収穫を始めます。

芽が少ない・細いときの見直し

まず、株の年数を確かめる

小さな苗やタネから育てて1〜2年目なら、芽が細いのは当たり前です。この時期は穫らずに株を育てる時期なので、心配はいりません。大株を植えた場合でも、Mサイズくらいの小さめの株なら、1年目の芽は細めです。

前の年の茎と葉は育っていたか

春の芽の太さは、前の年の茎と葉の育ち方で決まります。次のようなことがなかったか、ふり返ってみます。

土と肥料はどうか

アスパラガスは、肥料をよく使う野菜です。冬の肥料や、収穫後の肥料を何年も入れていないと、株がやせて芽が細くなります。株のまわりの土がかたくしまっている場合も、根が伸びにくくなります。冬の肥料のときに、堆肥や腐葉土を株のまわりに入れ、土をやわらかく保つようにします。

立て直しは「1年休ませる」

芽が細く、少なくなってきた株は、1年、収穫を控えて、出てきた芽をすべて茎と葉に育てると、持ち直すことがあります。肥料を入れ、夏は支柱で茎を支え、秋は枯れるまで待つ。この基本を1年きちんと続けると、翌年の芽が変わってきます。

何年も育てて株が古くなり、混みあってきた場合は、冬に掘り上げて株分けし、植え直すことも考えます。

説明が分かれるところ

植えた年に穫るか、穫らないか

大株を植えた場合、「植えた年から少し穫ってよい」という考え方と、「1年目は我慢して株を育てたほうが、2年目以降にたくさん穫れる」という考え方があります。

畑を長く使えるなら、1年目は我慢、または、ごく短い期間だけ穫って止めるのが無難です。貸し農園などで期間が限られているなら、大株を植えて、1年目から少しずつ穫る、という選び方もあります。

雄株と雌株、どちらがよく穫れるか

「雄株のほうが、実をつけるのに養分を使わないぶん、収量が多い」と言われることがよくあります。一方で、産地の試験で、雌株のほうが収量が多かったという結果が出たこともあり、説明は分かれています。

雄株と雌株は、花が咲くまで見分けにくいので、家庭菜園では、どちらかを選んで植えるのはむずかしいものです。雌株なら、赤い実から生えてくる小さな芽をこまめに抜く、と覚えておけば十分です。

切り株を焼くか

刈り込みのあと、切り株をバーナーで焼くと、病気の元を減らせるという考え方があります。ただ、家庭菜園では火の扱いに気をつける必要があり、まわりの状況によってはできません。焼かない場合でも、刈った茎と葉を畑の外に出すことだけは、必ず行ってください。

秋の芽を穫るか

株が大きければ秋の芽も少し穫ってよい、という考え方と、秋の芽は穫らずに株を大きくしたほうが翌年の収穫が増える、という考え方があります。株が若いうちは穫らずに育て、何年も育てた大きな株なら太いものを少し、というのが中間の答えです。

よくある失敗

春に全部穫ってしまった

おいしいので、つい穫り続けてしまいがちですが、全部穫ると翌年が細くなります。株の年数に合わせて、収穫を止める日を決めておきます。

細い芽まで穫ってしまった

細い芽は、翌年の太い芽を育てるための、大切な茎と葉になります。鉛筆より細い芽は残します。

黄色くなった時点で刈ってしまった

葉に緑が残っているうちは、まだ養分をためています。すっかり茶色になるまで待ちます。

刈った茎を畑に置きっぱなしにした

翌年の茎枯病の元になります。必ず畑の外へ出します。

冬に枯れたと思って抜いてしまった

冬は地上が枯れていて正常です。場所に目印をつけておきます。

植えて数年、手入れをしなかった

追肥や、株元に敷くわら・落ち葉の手入れが何年も抜けると、株が弱り、芽が細くなっていきます。毎年の肥料と、冬の片づけは欠かさないようにします。

よくある質問

何年くらい穫れますか

長いと10年ほど穫れると言われます。おいしい芽がたくさん出るのは、植えてから数年たって株が大きくなったころです。年数がたって芽が細くなってきたら、株分けや植え替えを考えます。

芽が細いまま太くなりません

茎と葉を十分に育てられていない、肥料が足りない、日当たりが悪い、収穫しすぎ、などが考えられます。1年、収穫を控えて茎と葉をしっかり育て、肥料を入れると、翌年持ち直すことがあります。

芽の先が開いてしまいました

穫り遅れです。暖かい時期は芽の伸びがとても速いので、毎日見回るようにします。開いたものも、かたい部分を除けば食べられます。

ほかの野菜と同じうねで育ててもいいですか

アスパラガスは10年ほど同じ場所にいて、夏は背丈が高く茂るので、ほかの野菜とは別の場所にまとめたほうが管理しやすくなります。

秋に植えた株は、次の春に穫れますか

大株を秋に植えた場合は、冬の間に根を張らせて、春に芽を出します。大きな株なら、春に少し穫れることもあります。ただ、植えてから最初の春なので、穫るのはごく短い期間にとどめ、あとは茎と葉を育てて、株を大きくすることを優先します。小さな株を秋に植えた場合は、次の春は穫らずに育てます。

紫色のアスパラガスもありますか

あります。紫色の芽を出す品種も、苗やタネで売られています。育て方は緑のアスパラガスと同じです。ゆでると、紫色が抜けて緑っぽくなることがあります。

学ぶ:アスパラガスのしくみ🔬

芽の太さは、去年の光合成で決まる

アスパラガスの地下には、太い根がたくさん伸びていて、ここに養分(おもに糖分)がたくわえられています。春の芽は、この養分を使って一気に伸びてきます。だから、春の芽の太さや数は、春の天気よりも、前の年の夏から秋に、茎と葉がどれだけ光合成をして、根に養分を送れたかで決まります。

春に芽を穫ると、そのぶん、たくわえた養分を使います。穫り続けると、たくわえが減る一方になります。収穫を止めて茎と葉を育てるのは、使った養分を「貯金し直す」ためなのです。

芽は、地下の茎から出てくる

株を掘り上げてみると、太い根がたこの足のように何本も伸び、そのつけ根に、横にはうような地下の茎があります。春の芽は、この地下の茎のあちこちから顔を出します。みょうがやたけのこと同じ出方です。

植えつけのときに根を円を描くように広げるのは、この地下の茎が広がる場所を作るためでもあります。年を重ねるほど地下の茎が広がり、芽の出る場所が増えていきます。何年もたつと、地下の茎が混みあってきて、芽が細くなることがあります。株分けをすると、また広がる場所ができます。

なぜ、暖かい日にぐんぐん伸びるのか

芽の伸びる速さは、気温に大きく左右されます。春先のまだ寒い時期は、芽が出てもなかなか伸びませんが、気温が上がってくると、芽は驚くほどの速さで伸びます。25℃前後の暖かい日には、朝は小さかった芽が、夕方には穫りどきになっていることもあります。

暖かくなってからの収穫が「毎日見回る」になるのは、このためです。逆に、寒の戻りで冷えこむと、伸びがぴたりと止まります。芽が出ているのに伸びないときは、気温が上がるのを待ってください。

なぜ、白いアスパラガスができるのか

植物の緑色は、葉緑素という色素の色です。葉緑素は、光に当たらないとほとんど作られません。土の中を伸びるもやしや、白ねぎの白い部分と同じで、光を当てずに育てたアスパラガスは、緑にならず白いままです。品種の違いではなく、光の当たり方の違いなのです。

なぜ、刈った茎を片づけるのか

病気の元になる菌の多くは、病気になった植物の残りの上で冬を越します。冬を越した菌は、春から夏の雨のしずくに乗って、新しい茎に広がります。刈った茎と葉を畑の外に出すのは、病気の元が冬を越す場所をなくすことになります。薬を使わずにできる、いちばん効く病気の予防です。

まとめ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます!

アスパラガスの育て方のポイントを、もう一度まとめておきます。

アスパラガスは、すぐに結果が出る野菜ではありませんが、一度うまく株が育てば、毎年春に、とれたての芽を楽しませてくれます。今ある株は、茎と葉が枯れるまでもう少し見守ってあげてください。これから始める方は、冬から春に園芸店に並ぶ大株を、ぜひ探してみてください🌱

アスパラガスを育てるときに使うもの

支柱

収穫を止めて伸ばした茎は、風で倒れやすくなります。株のまわりに立ててひもで囲います。

腐葉土

植える前の土づくりと、冬の肥料のときに。10年使う土をふかふかに保ちます。

大型プランター

畑がなくても、土がたっぷり入る大きなプランターなら育てられます。水切れに注意します。